2016年9月19日月曜日

熊野市が乗り合いタクシーを市内全域に

YOMIURI ONLINE より
YOMIURI ONLINEによると、熊野市は10月から交通弱者や公共交通空白地対策として、新たに市内2地域で予約制の乗り合いタクシーを運行します。
 熊野市では山間部の公共交通空白地域(紀和、五郷、神川町内など)において平成22年から NPO法人のってこらい が過疎地有償運送を行っています。
 他の交通不便地域では、平成25年以降、2地域で市が乗り合いタクシーの運行を開始しており、今回さらに運行エリアが拡大することで乗り合いタクシーの運行地域が市内全域に広がることとなり、このような事例は三重県で初めてのこととなります。(9月14日付け リンクはこちら
 熊野市は東が熊野灘に面し、リアス式の長い海岸線沿いに漁村が点在しているほか、西は大台・吉野の山脈につながる山地で、やはり多くの集落が点在しています。
 市の中心部にはJR紀勢本線が通っていますが、そこから各集落への公共交通機関は市のコミュニティーバスなどに限られており、運行ダイヤの利便性や最寄りバス停までのアクセスなどで特に障がい者や高齢者には制約が少なくないのが現状です。


 10月から市内全域で運行される乗り合いタクシーは、民間タクシー事業者の7人乗りワンボックス車などを使うもので、出発の40分前までに電話予約をすると、自宅から、あらかじめ決められた地域内の診療所や商店、公共施設などに送迎してくれます。
 運行は土日祝日を除く平日に1日7便で、料金は1回300円(小学生以上)。

熊野市役所ホームページ より
市によると、平成25年に運行を始めた市街地地域では当初、1か月間の利用者が約140人だったものの、徐々に「使いやすい」との評判が口コミで広がり、現在は約1200人が利用しているとのことです。
 
 買い物や通学、通院など必要不可欠なことはもちろんですが、趣味や文化活動など豊かな日々の生活を送るうえでも、移動の手段の確保は重要です。都市部であればバスもタクシーもあるし、土地が平坦な平野部であれば自転車でも問題ないのですが、条件不利地の場合は民間によるサービス提供にも限界があるので、熊野市のように市が税金で運営することもやむを得ない気はします。

 このように交通条件が悪い地域は全国にあるので、同じように地元市町村がデマンドバスや乗り合いタクシーを運営しているケースは多いのですが、そんな中、最近注目を集めているのは京都府京丹後市が今年5月から始めた「支えあい交通」というタクシーの取り組みです。
 京丹後市でも丹後町地区は高齢化が進み、しかも公共交通機関がほとんどありません。そこで熊野市の「のってこらい」と同じく道路運送法第78条による公共交通空白地有償運送を行うこととなったのですが、実際の運行サービスを住民の自家用車を使って行うこととしたのです。

 事業主体はNPO法人ですが、ドライバーは地元の一般住民から二種免許の取得者など法定の要件を満たす18名を選出、ドライバーの都合のいい時間帯だけ自家用車で運行に当たります。
 そしてもう一つの大きな特徴は、この「支えあい交通」の利用の予約や配車、そして決済の仕組みにUber(ウーバー)が協力していることです。利用者はUberのアプリを使ってスマートフォンからタクシーを予約し、代金の決済もスマホでクレジットカードを使って行われます。
 Uberは世界各国ではいわゆるライドシェアサービスとして浸透していますが、日本では「白タク行為」に当たるとして法的にグレーゾーンの状態であり、このままでは世界標準から日本だけが取り残されてしまう可能性が高まっています。

 京丹後市丹後町はすでに8年も前にタクシー会社が撤退しているという固有の事情があるためにUberとのタイアップが可能となったもので熊野市をはじめ他の地域と同じ話にはなりませんが、過疎地域での運送サービスといった緊急性の高い分野から導入を実証していくことは言いことだと思います。

■はんわしの評論家気取り  熊野市で始まる「過疎地有償運送」って何だ(2010年5月16日)

■新・公民連携最前線  京丹後市がUberの仕組みを採用 【2016.5.30】

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