2016年9月26日月曜日

名鉄今伊勢駅はめっちゃコワい駅だった

 わしが伊勢市に住んでいるせいかもしれませんが、全国各地にある「伊勢」がつく地名は、どうしてこんな名前になったのだろうか、とか、いつか行ってみたい、と思うことがよくあります。
 代表的な地名としては伊勢崎(群馬県)とか、伊勢原(神奈川県)などがありますが、わしの行動範囲の中では、近鉄に駅がある伊勢田(京都府宇治市)なんかもあります。おそらくこれなんかは、昔伊勢神宮の荘園があったことに由来しているのだと思います。
 そんな中で、ずっと前からこんな場所があることは知っていたけど、まったく行ったことがなかった ~そもそも行く用事も必要性もなかった~ 伊勢由来の土地の一つに 今伊勢 というところがあります。
 JR東海道線に乗って名古屋から岐阜方面に行く途中、尾張一宮駅を発車してすぐに、JRの西隣りに並走する名鉄名古屋本線に、すごく小さな「今伊勢」駅がぽつねんと建っているのが見えます。小さな駅舎と跨線橋とホームしかありません。周囲は住宅地ですが、駅前に商店街があるわけでも、開けているわけでもありません。
 やや旧聞にはなりますが、今年の初夏、野暮用で名古屋に行ったとき、なぜかこの「今伊勢」のことを思い出し、時間があったのでふらりと一宮市まで行ってみることにしました。
 しかし、この今伊勢駅。わしの思い入れとは別次元のめちゃめちゃ怖い駅だったのです。


 名鉄名古屋駅から急行と普通に乗り継いで、約30分で今伊勢駅に到着。実際に降りてみると、想像以上に小さな駅でした。ホームの幅が2メートルくらいしかないのです。
 普通、盲人用の黄色い点字ブロックが設置されているのはホームの線路寄りの端ですが、今伊勢駅の点字ブロックはホームの中央部を縦断しており、大人がかろうじてすれ違える幅しかありません。

 しかもこの駅は各停(普通列車)しか停まらないので、急行や特急といった列車はすべて通過するのですが、この時まったく減速しないので、ホームに立っていると1メートルくらい先を時速100km以上で列車が轟音を立てて通過します。ものすごい風圧で、恐怖を感じるほどです。
 わしはこの光景を写真に撮りたかったのですが、何しろホームが異常に狭く、待っている人が壁際に張り付くように横一列に並んで待っているので、ホームを動き回ることができません。人がいる状態で、わしがその人の線路側に立って写真を撮ったりしたら不審だし、何しろ危険です。接触したら即死でしょう。


 さらに恐ろしいことに、先ほど書いたようにこの今伊勢駅はJRの線路に隣接しており、ホームのすぐ裏をJRの電車がやはり時速100km以上で駆け抜けます。
 上りホームで目の前を名鉄特急が南に、背中をJR新快速が北に走っていくすれ違い状態になったときは、ものすごい轟音と風圧で身の危険すら感じました。もしもこの瞬間、地震で今伊勢駅のこのチンケな壁やフェンスが倒れたら、大惨事でしょう。

 ところが!
 慣れとはすごいもので、こんなふうに電車がびゅんびゅん通過していく狭い狭いホームを、高校生やOLはスマホをやりながら歩いているのです。命が惜しくないのでしょうか。
 明らかに足下がおぼつかないお年寄りもふらふら歩いてきます。そのお年寄りの隣をスマホしか眼中にない女子高生が追い抜いていくのです。その30センチくらい隣を電車が猛スピードで走っているのにです。みんなこれが当たり前と思っているのでしょう。そう思わないと足が震えてしまいます。

 こんな感じで驚きの連続のまま15分ほどホームを見学し、改札口に向かうと、何とこの今伊勢駅、無人駅です。緊急時にはインターホンで名鉄一宮駅の係員と通話できると書いてあるのですが、事故があったらどうするのだろう・・・と率直に思いました。
 わしは普段は近鉄名古屋線で通勤していますが、わしが知る限り、近鉄でこれほどホームが狭い、怖い思いをする駅を知りません。

 駅の周辺をぶらぶら散歩しましたが、何もありません。住宅とかマンションしかありません。ところどころ家庭菜園があってキュウリやナスが成っていました。
 後で調べたら、ここ今伊勢は、平安時代の伊勢神宮に関する記録である「太神宮諸雑事記」に、尾張国造により中嶋郡が中嶋神戸として伊勢神宮に寄進された旨の記述があるそうで、これが今伊勢町という町名の由来だそうです。
 近くには倭姫命(やまとひめのみこと)が天照大神の御杖代として各地を巡行した際に立ち寄ったとの伝説が伝わり、元伊勢とも呼ばれる酒見神社(さかみじんじゃ)なる神社もあるそうですが、わしがさまよっていた時はそんなありがたい神社があることに全然気が付きませんでした。 

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