2016年9月27日火曜日

鈴木三重県知事が自らの政治姿勢を陳謝へ

 今年7月の参議院選挙で三重県の鈴木英敬知事が与党支持の立場を表明し、自民党の新人候補の応援演説などを行ったことについて、9月26日に開かれた三重県議会の一般質問で新政みえ(民進党系)の三谷哲央代表が政治姿勢を糺したのに対し、知事は「県民への説明が十分でなかったことは申し訳ない」と陳謝しました。
 知事が国政選挙という政治の場そのものへの関わりについて、自らの政治姿勢を議会に対して陳謝したのは、昭和22年に現行の地方自治制度が始まって以来、三重県政では初めてのことだそうです。
 ひょっとして長く後世に残るエピソードかもしれませんのでメモしておきます。

 朝日新聞などによると、鈴木知事は平成27年4月の知事選で、自公、新政みえなどから推薦を受けて「県民党」を掲げて再選されました。これまで国政選挙では中立を守ってきましたが、先の参院選で自民党候補への支持を鮮明にしたため、新政みえは抗議文を提出するなど反発してきました。
 26日の県議会本会議では、三谷議員が「自分の選挙では県民党を看板に多くの支持を集め、突如特定政党の応援に奔走する。多くの県民が裏切られたと感じるのは当然のこと」などと知事の真意を聞く質問を行いました。


 この質問のやり取りは以下のようなものだったと報じられています。

・「県民党」を掲げながら特定候補を応援した理由は、「(伊勢志摩)サミット開催など三重県政史上最大級のチャンスが決定されたことに鑑み、引き続き安倍政権が安定的に運営されることで、三重県にさらなるチャンスを生み出す可能性が高まり、県政にプラスになると考えた」ためと説明。
・その一方で、「県民の中に心配や不安、納得できない気持ちを抱かれた方がいるのも事実。それらのことを真摯に受け止め、県政運営には政党的対立を持ち込まず、幅広い立場の県民や各会派と協力して進めていく」と述べ、
・「県民の方々に対して、説明が十分でなかったことについては申し訳なく思っています」などと陳謝。
・さらに鈴木知事は「国政の政党対立を県政に持ち込まず、各会派と協力して県政を運営していきたい」とノーサイドを強調したが、三谷代表は「政党対立を県政に持ち込んだのは、知事自身だ」と再質問した。
・最終的に知事は「私の行動によって、県民に対立感情を生んでしまった」と認め、今後の国政選挙の対応については「(今回の参院選を除いて)これまで中立で対応してきたので、同様の対応が基本」と回答した。

 なお、新政みえは開会前、知事の答弁次第では問責決議案を提出すると表明していましたが、この日に行われた会派総会では提出に慎重な意見が大勢を占めたため、提出は見送られる方向となったとのことです。
 伊勢新聞によると、新政みえの議員からは「鈴木知事は県民に人気が高く、対立姿勢を強めてもメリットがない」といった意見が多数出されたとのことですが、参院選の結果は民進党候補が自民党候補に2万票の差で勝利しています。特に鈴鹿市、四日市市、桑名市、いなべ市など県北部ではいずれも民進党候補が圧勝しており、安倍首相と民進党の岡田代表(当時)の代理戦争という三重県選挙区特有の事情はあったにせよ、鈴木知事の選挙地盤が盤石ではないことを図らずも示す結果となりました。

 こういった「人気は高いが政治力は低い」というポジションが、伊勢新聞が報じるように三重県の財政が極めて厳しさを増し、来年度の普通会計予算が組めない事態すら現実化しそうな状況で、県政のパワーバランスにどう影響するのかが注目されるところです。

(関連記事 いずれも9月27日付け)

■朝日新聞  知事「説明不足」と陳謝  リンク

■伊勢新聞  新政みえ 問責決議案は提出せず 知事の参院選特定候補支持で  リンク

■毎日新聞  新政みえ 知事問責案見送りへ 参院選自民支援で陳謝受け  リンク

■読売新聞  参院選で与党支持 知事「県民へ説明不十分」  リンク

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