2016年9月4日日曜日

シン・ゴジラは公務員こそ見てみるべき

 夏休みが終わりピークアウトしたのだとは思いますが、話題の邦画 シン・ゴジラ を見てきました。
 映画館は満席ではなかったものの、子供連れの家族やカップル、シニアの夫婦が多く、さらにわしのように一人で来ている中年男性も多く見かけたのは、映画評にあるようにシン・ゴジラのテーマの一つが「危機管理」とか「何も決められない日本政治」のような中年サラリーマンにとって関心がある内容なことが広まっているからでしょう。
  実際に上映時間の半分は会議のシーン、つまり心理劇であって、怪獣映画の見せ場であるゴジラによる破壊シーンとか戦闘シーンは要所要所で出てくるに過ぎません。(なので、小さなお子さんは飽きると思います。)
 ただし、巨大生物としてのゴジラの生々しさとか、高層ビル群が次々にブチ壊されるシーン、そして自衛隊が戦車やミサイルで攻撃するシーンは真に迫る大迫力で、夢に見そうなくらい素晴らしい出来栄えなことは強調しておかなくてはいけないでしょう。


 しかしまあ、わしとしては、どうしても日頃から体験している、「延々と続く会議」とか「飲み込みが悪い偉い人へのレク(ブリーフィング)」とかのシーンに関心が向きました。

 映画は海底トンネル(東京湾アクアライン)で突如大崩壊が起こり、世間が騒然となるところから始まりますが、原因究明の情報が何もない中で、総理大臣、官房長官、各閣僚による政府会議は憶測と無責任発言に終始し、ほとんど何も対応方針を立てることができません。
 たった一人、主人公の矢口官房副長官(長谷川博己)だけが、客観的情勢から「未知の巨大生物」の可能性を進言しますが無視されます。

 落盤の原因が巨大生物 ~ゴジラと政府が命名するのも、もっとずっと後になってからです~ のためであることがわり、東京に上陸して大暴れしだしても、やはり有効な対策は立てられません。ゴジラは戦争か、災害か、野生動物か。自衛隊が攻撃できる法的根拠がないからです。
 このように混乱する永田町、霞ヶ関のシーンでは、いかにも政治家や官僚やマスコミが言いそうなセリフが随所に散りばめられており、わしにとって奇妙な真実味がありました。

 結局、自衛隊は攻撃に踏み切るもののほとんど効果がないうちに、ある「偶然」によってゴジラは姿を消し、日本は目先の危機をやり過ごすことができました。
 しかし、ゴジラが徘徊した跡地からは多量の放射性物質が検出され、これによって再び日本中は大パニックとなります。
 矢口副長官の下で各省庁横断の対策チームが結成されて(市川実日子好演!)、ゴジラが自衛隊の攻撃にも耐えられる理由、放射線を撒き散らす理由の究明が始まりますが、アメリカ政府からの極秘情報によって、ゴジラは通常の生物の8倍ものDNA情報を持つ究極の生命体であり、常に進化し続ける「死なない生物」であることが判明します。
 
 やがてゴジラは、より凶暴・凶悪に進化して再び神奈川沖に現れました。
 尻尾でビルをなぎ倒し、光線を吐いて人々を焼き尽くしながら東京に一歩一歩迫ってくるシーンは圧巻です。自衛隊はまったく歯が立ちません。
 対策チームはゴジラを倒せる唯一の方法を編み出して実行に着手しますが、同じ頃、ゴジラへの危機対処能力がないと国連で決議された日本政府に対して、ゴジラ排除の最終手段としてアメリカ政府から恐るべき要求が突きつけられることになります。
 日本政府は、そして日本人は、ゴジラを倒すことができるのでしょうか!?

 というわけで、なかなか面白い映画でしたので、皆様にもぜひオススメします。もちろん、違和感があるディテールも無くはないですが、こんなの些細なことに過ぎません。全体として大変良くできています。

 わしが考えたのは、おそらくこんな時、地方自治体は住民避難とか水や食糧確保が任務となるだろうから、実際にどうしたらいいのかなあ、ということです。
 もう一つは、自衛隊がこれだけの兵器で総攻撃する費用は日本政府に調達できるのだろうか、ということでした。
 映画の中でもゴジラにめちゃくちゃにやられ、円の急落、株価の暴落、金利の急騰で日本経済はもう崩壊だ、みたいなセリフが出てきます。
 まさかゴジラはないでしょうが、巨大災害や某国による軍事挑発などで、意外に早くその破滅はやって来るのかもしれません。

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