2016年10月13日木曜日

伊勢神宮の外国観光客認知度は3%

McKinsey&Company  The future ofJapan’s tourism

 世界的なコンサルタント会社であるマッキンゼー・アンド・カンパニーが実施した、米英などの外国人を対象にした日本の観光地の認知度に関するアンケートによると、鎌倉や奈良といった地方の有力観光地の認知度は1割に満たないことが分かったことを各紙が報じています。(共同通信 10月13日付け
 日本政府は今年3月、「明日の日本を支える観光ビジョン」を策定しましたが、この中で2020年(平成32年)までに外国からの訪日客を平成27年の2倍にあたる4千万人に増やす方針を掲げています。
 しかしマッキンゼーは、海外経済成長に伴う訪日客の自然増だけでは940万人不足すると試算し、実現のためには東京だけでなく、地方の魅力も知ってもらうために効果的な取り組みが必要だと提言し、その論拠として、鎌倉を知っている外国人は9%、奈良は7%、日光は5%、伊勢神宮は3%にとどまったというアンケート結果を示しています。



 伊勢神宮がある三重県では、今年5月にG7先進国首脳会議が開かれたことから、地元は「これで伊勢志摩も観光地として国際的に認知された」という神話が広がっていますが、事実はそうではなく、あくまで潜在性が高いだけであることを見せつけられた結果となりました。


 マッキンゼーのホームページから見てみると、この The future of Japan’s tourism:Path for sustainable growth towards 2020 というレポートはなかなか興味深いものです。

 とは言え、経済成長が頭打ち傾向の日本において外国人観光客の誘致は大きな利益をもたらす将来有望な産業である、とか、アジアからは多くの観光客が日本に訪れているが、彼らの関心は再訪とか体験とかに高次化してきており、日本の受け入れ態勢はまだ追いつていない、とか、すでに関係者にはコンセンサスになっている記述も多く、アナリストとしてのマッキンゼーの特徴は、以上のようなことが、オーストラリア、タイ、中国、アメリカ、イギリスの5か国の観光客を対象としたというアンケート調査によって裏打ちされている「実証面」にあるように感じました。

 問題の伊勢神宮3%というのは、日本の地方にある観光地を、自然、文化、ビーチなどのカテゴリーから36カ所選定し、アメリカ、イギリスなど欧米系の国民を対象に、認知度(awareness)を調査した結果です。
 これによると、富士山の認知度が圧倒的で53%ですが、第2位の沖縄は29%、第3位の京都が22%。第4位以下はぐっと数字が下がり、鎌倉9%、奈良7%などと続きます。
 
 ただ、同時に、鎌倉が12世紀から14世紀半ばまで日本の首都であり、東京都心から電車でわずか1時間の距離に多くの歴史的な寺院や「大仏」もあることなどをアンケート対象者に説明すると、一転して42%もの人が鎌倉に関心を持つ、というデータも示されます。
 当初調査では1%の知名度だった奥入瀬渓谷も、東京から4時間余りの距離にある原生林であることを知ると、35%の欧米人は関心を持つのです。

 海外のお客さんへのこのような地道な説明がますます重要となるのは、どう考えてもその通りで、それ以外に方法はないのですが、問題は、そのような知識というかウンチクを、誰がどのような方法で外国人にあらかじめ伝えるのか、ということでしょう。

 この点、このマッキンゼーのレポートは48ページもあるので、わしの英語力では到底読みきれていないのですが、これをどう読み解き、かつ実行するかが一つのポイントになるような気はします。

■McKinsey&Company    The future ofJapan’s tourism (PDF)

3 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

調査数が少なすぎて(5カ国で3000)有意といえるか疑問を除けば、非常に興味深い調査です。
たぶん観光庁が委託したのでしょうけど、こんなスカスカの調査にいくら払ったんでしょうね。

それと、レポートの伊勢神宮の写真にツッコミくらい入れてください笑

半鷲(はんわし) さんのコメント...

 観光庁は関係ないように思えます。マッキンゼー日本支社が国際観光などの専門コンサルト共同して作成した、とあります。

半鷲(はんわし) さんのコメント...

 あ、それと、伊勢神宮の写真は確かにひどい。(笑) あれは内宮の神楽殿で、明治以降に整備されたものですね。