2016年10月4日火曜日

給食が9000食も廃棄されていた

 伊勢志摩経済新聞によると、9月20日に三重県南部を横断した台風16号の影響により、進路に当たった伊勢市、志摩市の小・中学校で、合計9000人分もの給食が廃棄される事態が生じていました。(9月21日付け 台風16号、伊勢志摩で9000食以上の給食廃棄
 台風16号は、20日0時過ぎに鹿児島県の大隅半島に上陸した後、太平洋沿岸を東寄りに進み、昼過ぎには和歌山県田辺市付近に再上陸しました。その後、三重県を横断して東へ進み、21時ごろに東海道沖で温帯低気圧に変わりました。
 津地方気象台は20日の10時11分に、三重県の沿岸部の自治体に一斉に暴風警報を発表しましたが、ちょうどこの時間帯が、各市町にとっては給食を作るか作らないか、食べさせるか食べさせないかの判断のリミットと重なっており、結果的に廃棄の明暗を分けた形です。


 市内の小中学校22校分の3750食を廃棄せざるを得なくなった志摩市は、朝8時の時点で警報が解除されていなければ作らないが、その時点では警報が出ていなかったので調理に取り掛かったとのこと。
 給食センターの所長によると、「登校後に下校する場合、給食を早めに食べさせる対応を取ることがあるので、それを想定して少しでも早く作って規定内に届けようと準備したが、途中で警報が出たためにストップして廃棄せざるを得なかった。」と説明しています。廃棄された給食の材料費は約90万円でした。

 伊勢市も中学校12校の給食を共同調理場で準備しましたが、このうち3750食分が無駄になりました。小学校24校は自校調理で、休校措置となっていなかった21校で調理が行われ、給食を食べさせてから帰らせた15校分を除く、1700食を廃棄処分しました。
 また、三重県の対岸にある愛知県田原市でも、小中学校24校の児童生徒を全校下校させたため、4600食が無駄になりました。

 一方で、給食を食べさせて下校させたため廃棄がなかったのは鳥羽市や大紀町、紀北町。
 前日の時点で調理給食でなくレトルトの非常食で対応するとした南伊勢町や、朝7時前に給食は調理しないことを決定していた尾鷲市、熊野市、御浜町、紀宝町でも廃棄はありませんでした。

 実は、三重県に隣接する和歌山県の田辺市や新宮市などには、和歌山地方気象台が三重県の警報発令より約5時間早い5時14分に暴風警報を発表していました。警報が発表された場合、小・中学校では児童・生徒の安全を優先し、自宅待機か休校、登校後であれば下校などの措置を取らなければならないため、和歌山県ではそもそも給食の問題など起こらなかったわけです。

 気象庁の気象予報や各種の警報・注意報は国民生活に重大な影響を与えます。しかし、その業務の内容が適切だったのかは、個別具体的にはあまり検証されません。
 警報が発令された後の自治体による避難勧告の発令や、防災・水防業務については、何らかの被害が発生した場合に厳しい批判が加えられますが、その前提となっている気象庁の予報は無謬性、無答責性が疑われることがないのです。
 わしも以前、防災業務のセクションに在籍していたことがありますが、津地方気象台の判断に素人ながら疑問を感じることが多々ありました。予報官によって癖というか能力の違いがあり、どの予報官は慎重でなかなか警報を解除しないが、この予報官はさっと解除する、みたいな評価さえ担当者の間では定まっていたのです。
 津地方気象台と和歌山地方気象台にも能力差 ~とは言い過ぎか~ があったのかもしれません。

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