2016年10月29日土曜日

最近のなぜなぜ?

http://www.dentsu.co.jp/
電通(dentsu)ウエブサイトより
 電通社員の過労自殺はたいへんにショッキングな出来事でした。                   
 ツイッターに綴られた絶望の言葉には心が痛みますし、今さら言っても詮ないことながら、ギリギリに追い詰められる前に何らかの手助けはなかったものかと思います。
 ただ、わし的に不思議なのは、このように悲惨な、社会的な影響が大きな事件を招来した電通に対し、世間の非難は高まっていると言いつつも、社長であるとかこの事態を出来した上司であるとかの記者会見が開かれた様子がないし、そのような説明の場を求める声も、なぜかマスコミからほとんど上がっていないように見えることです。
 これは大変に奇妙です。
 メーカーや銀行なんかの大企業が起こしたこの種の不祥事に対しては、大手マスコミは第4権力としての制裁力を如何なく発揮し、悪行を非難し、真実をあぶりだそうと努めることが通例です。しばしば「追求しすぎ」て、プライバシー侵害のような副作用さえ起こすのですが、日本最大の広告代理業という、マスコミにとっては二人三脚の双子のような電通には厳しい追及ができないのかもしれません。(その割にNHKも及び腰なように思えますが。)


 電通とは別ですが、もう一つ割り切れないことがあります。
 先日、愛知県で、例のポケモンGOに熱中しながらトラックを運転していたという男が、青信号で横断歩道を渡っていた小学生を轢き殺す事件が起こりました。
 ポケモンGOについても、ゲームがブームとなった8月ごろから、クルマを運転しながらモンスターを探していたとか、バイクに乗りながら、自転車に乗りながら探していた、という輩が続出し、事故によるけが人や死人は過去にも出ていたように記憶します。
 けれどこれも、クルマに乗りながらゲームをするオカバな人たちの所業・・・というよう括りで報道されてしまうにすぎず、肝心かなめの、そういった潜在的に危険なゲームを開発し、提供している側の任天堂(ナイアンテック社)は何ら法的な責任を問われていません。

 普通に考えれば、このような無茶なユーザーが出てくるのは十分に予見できることだと思います。たとえば時速10km以上で移動しているデバイスはゲーム機能を遮断するとか、短時間のわりにあまりに移動距離が多いユーザーはしばらく使えなくするとか、こういった事故を予防する手段は講じるべきなのではないかと思いますし、技術的にそれは可能なはずです。
 ですがしかし、不思議なことに、同社を社会的に糾弾するとか、訴えるとかの声も聞きません。
 
 わしはこうした事象が、つまり、社会常識では明らかにおかしなこと、おかしなビジネスについて法的な課題が検討されず、法的な解決方法が生まれてこないという点が、今まさに曲がり角に来ている法曹大量育成問題と関わっているような気がします。
 街の法律家である弁護士を増やし、法的な解決が図られずにうやむやになっている紛争であるとか、適正な解決が導かれないような問題に対して、スムーズな解決を図ろうとしたのが法曹育成制度改革の大まかな趣旨だったはずですが、実際に法曹の増加に対して仕事となるような案件が少なく、このままでは弁護士業界が自滅してしまうとして司法試験合格者を抑制せよという声が大きくなってきています。

 しかし、これはおかしな議論で、今までは紛争の当事者でないと考えられていた一般市民(一般消費者)を予見される危険から守るための訴訟であるとか、要はもう少し今の時代にあった紛争予防、紛争調整の手法を考えていくべきではないでしょうか。
(このためには、一般市民が社会的に影響の大きな事象に対して訴訟を起こせるクラスアクションの導入を日本でも検討していくべきだと思います。)

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

昨日のNHKは、夕方のニュースで殺された親のコメントを流し、21時のニュースでナイアンティック礼賛の特集流してましたからねえ。節操なさすぎです。

半鷲(はんわし) さんのコメント...

 わしと同じ年齢か、わしより上の世代は社会人の入り口を昭和にどっぷりつかって過ごしたので、本音としては「100時間くらいでなんだ」と思っているのではないでしょうか。(武蔵野大学とやらの「教授」がそう言って死者を貶していましたね。)
 その結果の人口減少であり、高齢化であり、社会活力の低下なのですが・・・