2016年11月28日月曜日

ぶっちゃけ、ピコ太郎はなんぼ儲かっているのか

 ついに再生回数が9000万回を越えた、ピコ太郎のペンパイナッポーアッポーペン(PPAP)。
 後世からは間違いなく2016年を代表する世相キーワードと評されるでしょうし、その裏腹として来年の今頃はラッスンゴレライと同様、影も形もなくなっていると思いますが、それにしてもYoutubeという投稿動画サイトの世界的な影響力を思い知らされました。
 たとえ素人であっても ~ピコ太郎は実際には芸歴が15年近くもある大手プロダクション所属のお笑い芸人らしいですが~、 低予算であっても ~PPAPの製作費は10万円とのこと~、ユニークでインパクトのあるコンテンツでありさえすれば、多額の予算で撮影された専門業者の作る動画よりもはるかに全世界から受け入れられるという事実も強く再認識されたと思います。
 ところで気になるのは、これほどの世界的大ヒットコンテンツであっても、テレビのような「映像商品」ではない単なるSNSへの投稿動画なので、実際にピコ太郎なりプロダクションは儲かっているのか? 儲かっているのだとしたら、どの部分でマネタイズしているのか? という点です。
 今日、日本経済新聞を読んでいたら、今月上旬の日経産業新聞に、まさにこれに関する記事が掲載されていることが紹介されていました。
 これによると、「PPAPの現時点までのフィーを計算すると推定200万~8000万円となるが、実際はその数倍になっている可能性が高い。」とのことです。


 ユーチューブによるマネタイズの仕組みは、再生される動画に表示される広告の料金です。この料金が所属プロダクション経由でピコ太郎の収入となります。
 ユーチューブの広告はオークション形式で、再生回数が多く見込める動画のほうが単価は高く設定されます。具体的な金額をユーチューブは明らかにしていませんが、再生1回につき0.025~1円程度と推定されており、これを基準にPPAPの現時点(はんわし注:この記事掲載の時点で8000万回)までのフィーを計算すると推定200万~8000万円と見込まれるとのこと。
 すごいなあ、と思いますが、200万円と8000万円では40倍も違うし、そもそも8000万回などという再生回数は驚異的、奇跡的なもので、通常の数千回から数万回程度の再生回数の動画では、広告費収入は微々たるものであることが分かります。


日経新聞「ピコ太郎 関連動画で潤う」2016/11/9より 

 ピコ太郎の動画の場合は、本人や所属プロダクションがまったく関知していない「非公式投稿」も爆発的な数にのぼっていると推測されます。PPAPを見たファンが音楽や踊りをものまねしたり、オリジナルをデジタル編集で別物に改変したりした動画を、無断で勝手に投稿しているのです。
 このような非公式投稿に対して、かつては著作権者は泣き寝入りするしかなかったのですが、ユーチューブは「コンテンツID」という、著作物を侵害する投稿に対して、①動画を公開しない(ブロック)か、②公開するが記録する(トラック)か、または、③その作品に広告をつけて広告収入を正当な権利者が総取りする(マネタイズ)か、の3つの機能から本人が選べる制度を平成19年から導入しました。
 
 ピコ太郎のPPAPは、所属プロダクションがこのうち「マネタイズ」を選択しており、関連動画は7万件以上、その再生回数は公式動画の6倍以上の5億回に達しているため、これらの広告収入もすべてプロダクションとピコ太郎の収入になっていると見られるとのことです。
 とすると、再生回数が9000万回の今の取り分は1350万円から5億4000万円(!)。ピコ太郎も都心の億ションか、ランボルギーニくらいは十分買えることでしょう。これはやはりすごい大ヒットです。めでたしめでたし。

 この日経新聞の記事によれば、ユーチューブのコンテンツIDは収益面だけでなく、どの地域でよく見られているかなども把握できます。ピコ太郎のPPAPは、なんと東アフリカのウガンダで動画再生回数が1位となっていることがわかったとのこと。
 このような情報はマーケティング戦略に組み込むこともでき、オンラインビジネスの可能性が広がることにつながると結論付けています。

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