2016年12月11日日曜日

しんみちフードラボに行ってみた

 先日、起業家や起業を志している人たちの交流会である BizCafe イン 伊勢 が、伊勢市の「しんみちフードラボ」で開催されたので行ってみました。
 BizCafe イン 伊勢は、四日市市にある民間のインキュベーションオフィス ビズ・スクエアよっかいち が月一で開催している交流会ですが、堅苦しいものではなく、先輩起業家の体験談と、参加者による自己紹介や情報交換したりする内容です。
 今回は伊勢市に出張してきたわけですが、講師を務めた起業家は伊勢市の銀座新道商店街でユメビトハウスというドミトリー(簡易ホテル)を経営している水落勝彦さんでした。
 水落さんは四日市出身。名古屋市の円頓寺商店街で商店街の活性化に従事し、自らも起業しようと5年前に「ユメビトハウス」をオープンしました。
 そのころは「なぜわざわざ寂れた商店街で起業するのか」とか、「商店街には来客がほとんどないので商売が成り立たないのでは」とよく言われたそうです。
 しかし、水落さんによると、一般には寂れているイメージの地方都市の商店街だからこそ、リスクが少なく起業できるそうです。


 いくつか理由があるのですが、その一つは、商店街の店舗の賃料がここへきて大きく下がっていることです。かつては寂れている割に商店街のテナント料は高止まりしていましたが、店主や家主の高齢化が進み、商売をやってくれるなら格安で貸してもいいし、改装も自由にしていいと言ってくれる物件の割合は増えているそうです。


 また、商店街のエリアには一応の生活機能がすべてそろっているので、店舗の上階で生活することもできます。起業家にとって、自宅(住み家)と別に店(テナント)を借りるのは家賃はもちろん光熱費などの経費が二重に掛かることになるため、起業を機に商店街に引っ越して住み、生活費を安くあげることも一案だそうです。

 さらに、駐車場とか共同販促など商店街ならではのメリットがあることや、先輩の出店者や昔からの店主など身近に相談相手がいるので、商売上孤独にならないことも大きな利点だそうです。
 これらは水落さんの5年間の実践で得られたもので、大変興味深く思いました。起業の場として商店街が見直されてもいいと思います。

 その一方で、商店街の活性化とは何かも考え直さなくてはならないと水落さんは言います。商店街関係者からは「もっと人通りをおくするように行政も協力せよ」という声をしばしば聞きますが、人通りが多くなるのは商店街のゴールです。商店街の魅力や、各個店の魅力が高まってこそ、それを目当ての来街者が増えるのであって、それもないのに人だけを増やすことなどナンセンスです。
 なので、水落さんは一経営者の立場と合わせ、現在務めている商店街振興組合の理事の立場として、起業者が商店街を起業の場として選んでくれるようPRしており、3年ほど前から起業希望者に空き店舗を紹介する「空き店舗見学ツアー」にも取り組んでいるとのことでした。
 
 ところで、このBizCafe イン 伊勢 の会場となった「しんみちフードラボ」ですが、わしはこの日に初めて来ました。
簡単に言えば、定食屋や居酒屋、レストランといった飲食店で起業しようとする人が、まずここで実際にテスト営業してみて、メニュー構成や価格設定などお客の反応を探ったり、調理やサーブのオペレーションをやってみる、そのチャレンジスペースが「しんみちフードラボ」なのです。
 広さは見たところ100㎡くらいで奥行きが細長く、客には基本カウンターで対応することになります。この写真は懇親会の様子ですが、ビヤ樽を転用したテーブルをいくつか置き、お客は立ち食い、立ち飲みのスタイルでした。


 調理スペースが1/3くらい。シンクとガス台、ビールサーバーと、最低限の調理器具、食器、コップなどは備え付けられています。


 利用希望者はマンスリー(月間契約)かワンデイ契約のどちらかを選べますが、電気代、水道代、ガス代、インターネット代などは商店街が負担します。
 料金ですが、マンスリーは利用料1万円と売り上げの10%を、ワンデイは売上げの20%を商店街に収めるとのことです。いずれにしろ破格の厚遇だと思います。

 伊勢銀座新道商店街には飲食店が不足しており、伊勢市駅前に三交インが開業したり、商店街の近くでもビジネスホテルの進出計画があることから飲食店へのニーズは高まることが予想されます。
 飲食店は起業希望者が非常に多い業種ですが、利益を上げ、商売を続けるのが難しい業種でもあります。特に商売未経験の人は、まず「しんみちフードラボ」で自店のお客やファンを作り、別の場所で ~新道商店街内にはこだわらないそうです~ 本格オープンしてはいかがでしょうか。まさに飲食店版のインキュベーション、チャレンジショップを活用しない手はないと思います。


 心配なのは、ここ銀座伊新道商店街もご他聞にもれず閑散とした状態であることです。これで本当にお客は来るのかが不安なところですが、水落さんによるとメニュー内容によってお客の開拓は十分に可能で、実際に本人がしばらくカレーなどの提供をしたところ、SNSでPRしただけでトントンにはなったそうです。
 この商店街は約100店舗あり、うち約30店舗が空き店舗だそうですが、5年間で13軒の新規開業があり、そのすべてが今のところ商売を継続しているので、工夫次第で十分にビジネスは可能だとのことでした。

■しんみちフードラボへのお問い合わせは

  伊勢銀座新道商店街 Facebookページ

  しんみちフードラボ  Facebookページ  

0 件のコメント: