2017年2月18日土曜日

趣味ではなく職人を目指す

 伊勢春慶の新製品開発や技術伝承に取り組んでいる「伊勢春慶の会」が、4月から塗師(ぬし)の養成講座を開講することとなり、現在、塗師志望者を募集しているそうです。(読売新聞 「伊勢春慶」塗師目指そう 2月15日付け)
 伊勢春慶とは、古くから伊勢市で生産されていた春慶塗の漆器のことです。室町時代に伊勢神宮の宮大工が、御造営材の払い下げを受けて始めたものと言われており、重箱やお膳、お盆、切溜(きりだめ。調理の時に切った材料を入れておく重箱)などの日用雑器として大量に生産されました。
 しかし、高度成長期にプラスチック製品が普及すると、製造に手間がかかり、日常の手入れや塗り直しが必要な漆器は次第に使われなくなり、ついには一大産地であった伊勢でも産業としての伊勢春慶は終焉を迎えたのです。
 ただ、技術は細々ながら途絶えることなく伝承されており、平成16年に有志で設立された「伊勢春慶の会」が、人材育成として塗師養成講座を不定期開催しています。



 今回開催する養成講座は3回目、前回から6年ぶりの開催となるそうで、前回(第2期)講座を受講して塗師となった小久保登良文さんらの指導で基礎技術を学びます。
 4月から9月まで、毎週木曜日の午前中に実施され、受講料は8000円。
 受講希望者は氏名、住所、年齢、性別、連絡先のほか志望の動機、ものづくりの経歴を記入し、3月15日までに、伊勢春慶デザイン工房へ申し込むとのこと。
 伊勢春慶の会の中村副会長は「趣味ではなく職人を目指す講座。伊勢春慶の技術継承に加わってほしい。」と話しているそうです。
 伝統産業の再生といった面からはもちろん、フォトフレームやカードホルダーのようなカジュアルで新しい用途の製品開発にもチャレンジしている伊勢春慶の、新しい可能性を開く意味でも、関心がある方はぜひ申し込み、基礎技術を学んでいただいてはどうでしょうか。

■伊勢春慶の会(伊勢春慶デザイン工房) http://www.ise-shunkei.com/koubou.html

■伊勢伝統工芸保存協会 伊勢春慶 
  http://www.ise-dentoukougei.com/list/file/ise-syunkei/index.html

■はんわしの評論家気取り
  伊勢市伝統工芸シンポジウムに行ってみた(2012年2月5日)

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