2017年2月20日月曜日

三重交通が免許返納者向けサービスを拡充へ

 三重県内全域で路線バス等を運行している三重交通が3月1日から、運転免許返納者を対象としたバスの運賃割引制度を拡充します。
 すでに三重交通は、運転免許返納者を対象として、グループ4社のバス路線が乗り放題となる「セーフティーパス」というフリー定期券を発売しています。しかし今年3月12日に改正道路交通法が施行され、高齢運転者対策が強化されることなどから、現在のセーフティパスをリニューアルするとともに、免許返納者がバスに乗車して運賃を支払う際に「運転経歴証明書」を提示すれば、本人と、その家族など同伴者1名の運賃を半額に割り引く制度を新たに設定するとのことです。
 運転免許返納者向けのバス運賃割引制度は他都道府県でも実施されていますが、フリー定期券と運賃割引き制度の並列や、同伴者への割引適用は全国でも初となるそうです。


 改正道路交通法では、高齢運転者対策が強化されます。75歳以上の運転者が、認知機能が低下した際に起こしやすい一定の違反行為があった場合には、臨時の認知機能検査を行います。その結果、前回の検査より悪化した場合には、臨時の高齢者講習を受講しなければならなくなります。
 臨時の認知機能検査や、運転免許更新時の認知機能検査において認知症のおそれがあると判断された場合には、医師の診断書の提出等が必要となります。

 高齢者の判断力の低下に起因した事故がこれほど頻発していることから、運転への規制の強化はやむを得ないと思います。
 一方で、公共交通が不便な山間部などで生活している高齢者にとっては、通院や買い物に自動車は欠かすことができないため、生活の質や利便性の維持と免許規制との兼ね合いは大きな問題になっています。

 この意味で、三重交通の今回の取り組みは大変に時宜になかった、意欲的な取り組みだと思います。バス会社は地域交通という大きな社会的使命を担っているわけですが、それへの深い自覚と、高い社会貢献意欲は大いに賞賛すべきでしょう。
 特に、三重県の企業はどちらかというと新しい事業に慎重な姿勢のところが少なくはないので、全国初の取り組みが三重県から生まれるのも一県民として嬉しく思います。

 しかし同時に、乗り合いバス路線は利用者の低迷でどんどん廃止、縮小されており、三重交通は三重県内でほぼ唯一のバス会社であるとはいえ、運行しているのは都市部が中心で、山間部や三重県南部ではそもそも三重交通バスの路線がまったくなく、市や町によるコミュニティバスしか運行していない地域が多くあります。
 今後は、三重交通バスとコミュニティバスの相互の連携を深めていくことが一層必要になるでしょう。こうした取り組みによって残念な高齢者の事故が少しでも未然に防がれることを願わずにはおれません。

■三重交通
  運転免許証返納者へのバス運賃割引制度の拡充について(平成29年2月3日)
 
■三重県公式ウェブサイト  運転免許証自主返納サポートみえ

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