2017年2月26日日曜日

伊勢市駅前に複合ビル計画

 中日新聞(2月26日付け)によると、JR伊勢市駅前の現在は駐車場となっている旧三交百貨店跡地に、12階建ての複合ビルを建設する計画が進んでいるそうです。
 地権者らは建設主体となる「伊勢まちなか開発」という株式会社も設立しており、3年後の完成を目指して「伊勢市の玄関口にふさわしいビルにしたい」と意気込んでいるようです。
 旧三交百貨店は平成13年に閉店しましたが建物は長らく放置されたままで、解体された後、ようやく昨年にビジネスホテルが開業しました。しかし残りの土地は駐車場であり、駅前の地の利を使った土地活用が懸案となっていました。
 記事によると、建設予定地は約2000平方メートルの広さで、1階はテナントとして商店や医療機関を想定し、2~4階が駐車場、5~7階は公共施設を誘致予定、8~12回は30戸の賃貸マンションと40戸のサービス付き高齢者住宅となる予定だそうです。

 伊勢まちなか開発の社長によれば、マンションを設ける理由として、伊勢でも駅の近くに住みたいというニーズが大きいことを上げ、高齢者夫婦で現在は郊外に住んでたとしても、その家は貸して、自分たちは病院が近い中心地に住みたいという声も聞く中で構想したものだとのことです。
 これはわしも同感です。伊勢市でも郊外に高度成長期からバブル期にかけて造成分譲された住宅団地は多くありますが、買い物や通院に自家用車やバスは欠かせず、これから高齢社会が本格化する中で、いっそ中心部へ転居しようという人々は決して少なくないと思うからです。また市内のニーズのほか、伊勢市は知名度もあり気候も温暖なので、全国からそれなりに移住希望者は集まるのではないかという気がします。

 問題なのは40億円と見積もられる建設費と、5~7階部分に誘致を見込んでいるという伊勢市役所の福祉部門の移転がスムーズに進むかということです。
 建設費については、いわゆる市街地再開発ビルとして国や市の補助金を期待するほか、融資で調達予定だそうです。しかし市役所の誘致のほうは、住民や市議会の理解、行政サービス水準の維持と拡大、所定の条例の改正など、これから紆余曲折の議論が予想されます。これは建設事業者側ではコントロールできない政治議論なので、リスクの一つであることは間違いありません。

 三重県内でもこの種の再開発ビルは、桑名、鈴鹿、津(久居)、伊賀(上野)などでも建設されました。ただ、それが当初の狙い通りに駅前の賑わいの再生や人口増による地域の活力増加につながったかは明確でない部分も多く、一部には集客が見込みを下回ったことで大口のテナントが退店し、建設費償還の資金繰りに困窮して、結局、市が保留床を買い取るといった政治決着がなされたところもあるやに聞きます。
 今回の伊勢まちなか開発による事業計画は、行政主導ではないので過大な投資計画にはならないと思いますが、一地方都市での駅前ビル運営は決して儲かるビジネスではないので、いかに地域に密着した息の長い事業として計画を具体化できるかがポイントになるのでしょう。 

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