2017年2月28日火曜日

百年後の或る日

 偶然知ったのですが、今年は日本の国産アニメーションが誕生して100周年に当たる記念すべき年だそうです。
 現存している最も古い国産のアニメ映画「なまくら刀」( 作:幸内純一)が大正6年、すなわち1917年で、これから起算して100年目が今年というわけです。この100年間で製作・発表されたアニメ数は1万1723作品(15万8442話)にも上るそうで、この数字が客観的に多いのか少ないのかはともかく、今では世界的に認知されている日本のアニメ文化は、過去からの膨大な蓄積の上に成り立っていることはわかります。
 そんな中、東京国立近代美術館フィルムセンターが所蔵している、太平洋戦争前に製作・上映された64作品が「日本アニメーション映画クラシックス」というウエブサイトで公開されています。
 ほとんどが白黒 ~しかしごく一部ながら、もうすでにカラー作品もあった!~ であり、音声も無音(字幕)ですが、絵を一枚一枚手書きし、一コマずつ撮影して作品に仕上げるのは非常に根気のいる作業だったことでしょう。


日本アニメーション映画クラシックスより
 わしが興味深かったのは、その当時のことゆえ、おとぎ話とか、戦争もの(兵隊もの)が多いのは当然なのでしょうが、すでにSF的な作品もったということです。
 荻野茂二という作家が製作した「百年後の或る日」という昭和8年の作品は、戦死したはずの主人公が100年後の科学技術によって生き返り、子孫と一緒に未来(2033年)の東京を見物したり、火星旅行に行くという内容。
 アールデコ様式の、今から見たらそれ自体大変にレトロな建物がたくさん登場し、空には飛行機が飛び交い、高速道路には流線型の乗り物が無数に走り、キノコのような奇妙な形のビルが建ち並びます。

 空想の限りを尽くして描いたであろう未来は、今とはやはりかなり違いますが、かといって当たらずとも遠からずです。これはやはり驚嘆すべきことであって、もしわしが2117年の日本の姿、地球の様子を描けと言われたら、もっと低レベルな、まったく見当違いのものしか思い浮かばないでしょう。
 非常に唐突、かつシュールな結末は衝撃的で、こんなの子供に見せたら、今なら喧々諤々、保護者や関係者の間で炎上するのではないでしょうか。

 なんだかこの当時のアニメは、当然子供向きに使ったのではあるでしょうが、このようにシュールというか諦観的というか、死というものがあっさり描かれている印象を持ちました。これも時代性なのかもしれませんし、わしの見方が間違っているのかもしれませんが。
 皆さまもぜひ。

■日本アニメーション映画クラシックス http://animation.filmarchives.jp/index.html

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