2017年3月18日土曜日

「アニマルフリー」肉が食卓へ

 GIGAZINEに、人工で作った食用肉に関する興味深い記事が載っていました。 少子化と人口減少が進む日本ですが、全世界では総人口の増加が続いており、食料をいかに確保するかは大きな課題になっています。中でも肉(食肉)は畜産や養殖によって生産せざるを得ず、環境汚染や飼料の制約があるほかに、当然ながら家畜や家禽を屠殺しなくてはいけない問題もあります。
 記事では、このような中で、ニワトリや牛の成体から採取した細胞を培養することで食肉を生産する技術が開発され、実用化に近づいていると報じており、実際にこうしたビジネスに取り組んでいるバイオベンチャー企業(スタートアップ)を紹介しています。
 わしの記憶では、子供のころ、旭化成が「サンバーグ」という冷凍ハンバーグを発売していて、それが石油を原料にしている人造肉だ、みたいな話を誰かから聞いたことがありました。結局それは都市伝説だったそうですが、どうしてもある種の「疑わしさ」を感じてしまうこの手の話。実際はどうなのでしょう。


 GIGAZINEで紹介しているのは、アメリカ・サンフランシスコのベンチャー メンフィスミート(Memphis Meats)社です。
 食用肉を、肉の細胞を培養して生産することを目標に設立された企業ですが、全くのゼロから食肉を生産することは不可能なので、基となる動物の個体から幹細胞を採取し、専用の施設で水や養分、ミネラル、糖分など成長に必要な要素を与えて培養することにより食用可能な肉にまで成長させる仕組みを技術開発しているとのこと。
 しかもこの技術は特に秘密にはされておらず、施設の見学ツアーも開催しているそうです。

 

 メンフィスミート社ではこうした食肉をクリーンミート(Clean Meat)と命名し、その製造法や調理法が動画共有サイトにアップされています。
 GIGAZINEにはクリーンミートのチキン料理が紹介されていますが、肉はパックに包装されており、何だかハンバーグみたいな不自然な見た目ではありますが、料理すると、外見も味も、食感が若干スポンジーなほかは本物のチキンとほとんど変わらないとのことです。

 ただし実用化にはまだ課題があります。ラボベースからスケールアップする量産化技術の確立、そして最大の問題はコストです。現時点で、1ポンド(約453グラム)のクリーンミートを生産するのに必要な費用は9000ドル(約100万円)。
 しかしアメリカのスーパーでのチキンの平均価格は1ポンドあたり3.2ドル(約360円)と、約2800倍もの開きがあるのです。
 メンフィスミート社は2021年を実用化の目標にしているようで、今後の研究開発が待たれますが、こうした人工食肉のバイオベンチャーはオランダのMosa Meat社など複数のベンチャーが開発にしのぎを削っているのが世界の現状とのことです。

 わしが面白く感じたのは、世界的にますます深刻になる食糧難を解決するといった目的のほかに、動物を虐待(飼育)したり死の恐怖を与えなくて済むからいい、といった説明がなされていることです。
 外国人には時々ベジタリアンで、本当にまったく動物由来の食品を口にしない人がいて驚かされますし、健康のためのグルテンフリーも食生活の中ではあなり普及してきているので、こういったアニマルフリーの考え方も将来は食品の競争力の要素になるのかもしれません。(ハラル認証はどうやるのかしらん?) 

0 件のコメント: