2017年3月12日日曜日

O-GOE杉山さんのプレゼンが神だった

 先日、三重県中小企業家同友会のセミナーにオブザーバー参加してきました。「若者が定着する企業とは」と題したテーマで、講師は四日市市にある(株)OーGOE(オーゴエ)の杉山社長でした。
 杉山さんは大学卒業後、商社の人事畑で経験を積まれました。その中で、中小企業には社長の人柄や会社の雰囲気がよく、業績も安定している素晴らしい会社が多くあるにもかかわらず、人材の確保に苦労している現状に危機感を抱き、独立して三重県で初の新卒採用コンサルティング会社であるオーゴエを起業。就活アドバイザーとして学生や企業へのコンサルや採用代行などを業務としており、昨年春には近鉄江戸橋駅前に 学生のミカタ はてなカフェ という学生と企業が交流するユニークなカフェも開店しています。
 杉山社長はいわば人前でしゃべるのがお仕事なので、プレゼンがうまいのは当然なのでしょうが、話のポイントがわかりやすく、時々脱線もして聞き手を飽きさせず、しかもきちんと時間通りに終わる、という「神」なプレゼンだったのでメモしておきます。


 まず現在の採用市場の特長ですが、人口減少に伴う生産年齢人口の減少や、それによる「超売り手市場」化、そして若者の安定志向・大手志向といったトレンドがあります。
 人材獲得のための採用予算は、広告費やイベント、合同説明会への出展費などが高騰しており、経営者はこれを「費用」と捉えるか「投資」と考えるかで大きくスタンスが違ってくる、という前提があるそうです。
 やっと採用内定しても、超売り手市場の影響による「内定辞退者対策」も企業にとっての新たな課題としてクローズアップされています。
 また、人材の採用には世界経済情勢や景気情勢といった大きな波があるのですが、それに加えて「自社の業績」という波もあり、その潮目をどう読むかがポイントです。また、これは採用に長らく関わってきた経験からだそうですが、就職市場では良い人が多くとれた豊作の年と全くとれない不作の年が確かにあって、人材と企業との出会いはある種の「運」であることも事実だとのことです。

 ではテーマである、若者が定着する企業にはどんな特徴があるでしょうか。杉山さんによれば
・その会社は若者が入りたい企業か?
・明確な選考基準があるか?
・入社前にきちんと会社や仕事のことを説明しているか?
・就職先としての自社の強みをきちんと把握しているか?
 の4つを抑えているかが重要です。
 まず、そもそも今どきの若者が入社してくれそうな企業でなければいくら合説に出展しても全く若者はやってきません。不人気な業種はどうしてもあるそうですが、仕事の内容ややりがい、会社の雰囲気をわかりやすくアピールできなければ接点すら作れません。
 社内にきちんとした採用基準や昇給昇任の基準があることも大切で、行き当たりばったりに人を採用し、適当に給料を上げたり下げたりしている会社にも、若者は関心を向けませんし入社してもすぐやめるそうです。

 このような話をまとめていくと、要は中小企業の経営者が今の若者のことをどれくらい知っているか、という問題に行きつきます。
 このセミナーの中でも、「この1年間でどれくらい若者に接したか?」という質問に対して、自分の子供や若手社員以外では10人もいなかった、という参加者が多くいました。
 今の若者は10年前の若者とも気質は大きく変わっているそうです。積極的にコミュニケーションすることはますます苦手になっていますが、「会社の飲み会を断る」とか「残業手当は付くのか聞いてくる」というのはどうも都市伝説らしく、むしろ周りから声をかけてもらったり誘ったりされるのを待っているそうです。
 なので、わからないことがあったら聞きなさい、という指示は有効ではなく、経営者や社員から常に声をかけ、何か困っていないか、何かうまくいっていないことはないか、に目配りし、聞きださなければならないとのこと。
 わしが面白かったのは、今の若い子にはバブル世代の人がよくかますような冗談は通じない、という話でした。本気にしてしまうので、冗談はそれが通じる相手かどうかを見極めてから言わないと大変なことになるそうです。(このへん、今の若者はおとなの言葉を額面通り受け取るとか、あらゆることを外見や見た目で判断する、とかのかなり具体的なエピソードをいくつも紹介してくれたのですが、ネタバレになるので書けません。)

 こうしたコミュニケーションの活性化は、何も若者向けだけでなく、女性が活躍するダイバーシティの面でも有効です。例えば、子育て世代なら育児に関する、高齢の親と暮らしている世代なら介護に関する、女性なら女性特有の、いろいろな課題があります。そういった話は機会がないと経営者には話さないことなので、風通しを良くしてそういった課題や要望を聞き、会社として改善に取り組めば ~すぐには難しい問題でも改善に取り組む姿勢を見せれば~ それで社員の満足度が上がり、結果的に業績もよくなることは多いそうです。

 また、辞める社員に対しては理由を教えてもらうようにし、一定の退職パターンはないかを調べてみることも必要です。意外なところに原因があったり、逆にこれが原因だと皆がわかっていたのに手が付けられてこなかったこともあったりして、これを踏ん切りに改善に取り組むことで事態が好転した会社も多いとのことです。
 
 結論としては、費用か投資かという冒頭のメルクマールに戻るわけですが、経営者の役割は社員に想い(経営理念など)を伝え、将来を照らすことであって、社内のコミュニケーションを高めて会社の「地力」を強くすることで、人材の確保も含めて経営の良い循環が始まっていくということかと思いました。

 以上、大変勉強になるお話でした。
 O-GOEは若者の三重県へのUターン、Iターン就職を応援するため、中小企業が主体となったプロジェクトも立ち上げたとのことですので、U・Iターンを希望される方、またはこうした方々を求人したい企業はご覧になってみてはいかがでしょうか。

■株式会社O-GOE  http://www.o-goe.com/

■若者のUIターン就職を応援しようプロジェクト三重 http://mie-uipj.net/

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