2017年4月18日火曜日

注目を集める?ニクラウド

肉ラウドソーシング - ホーム  Facebook
 日経MJに帯広市など北海道十勝地方の19市町村がユニークな移住促進事業に取り組んでおり、徐々に成果が上がってきたという記事が載っていました。(4月17日付け)
 人口減少、特に若者流出に悩む地方自治体は、こぞってUターン、Iターン者の獲得に乗り出しています。しかし、こうした地方の多くではU・Iターン者に新規就業が期待されているのは農林水産業で、天候に左右されて収穫が不安定なうえに、もともとの所得水準も低く、それでも一人前の農家や漁家に求められるスキルは非常に高いため、行政が巨額の税金を投入するわりに、実際に地方に定住してそれなりの生活水準を維持している移住者は必ずしも多いわけではありません。
 このようなミスマッチを解消するために十勝地方がとっている手法が「ニクラウドサービス」というICTを活用した人材マッチングサービスです。


 ニク(肉)ラウドサービスは、北海道大樹町にある合同会社カミクマワークスが考案した事業で、始まったのは昨年9月とつい最近のことです。
 名前の通りクラウドソーシングサービスの一種で、十勝地方にある農家や企業が、東京など都市部に住んでいるデザイナーやコンサルタントといった知識や技能を持つ専門家に、商品企画やPR、パッケージデザインなどの作成やコンサルティングを依頼。こうした作業への報酬には、お金でなくて牛肉やハムなどの特産品が渡されるという仕組みです。

 日経MJの記事で取り上げられているのは、大樹町の酪農家が牛肉の通販商品用パッケージのデザインを、ニクラウドサービスを使って東京の商品デザイナーに発注したケース。ネットでのやり取りのほか、都内のイベントで直接話もする機会があり意気投合し、商品や通販サイトのデザインを任せることになったという事例です。
 デザイナーは実際に大樹町には今年3月に初めて訪れましたが、その雄大な景色に圧倒され「デザイナーの仕事は東京でなくてもできる。北海道に住むのもありかも。」と移住に心が動いているとのことです。地元の人にとっては何よりうれしい話ではないかと思います。

 ニクラウドサービスの代表者によると、
・若い人が知らない土地に移住し、定住するには高いハードルがいくつもある。
・まずは都会にいながら気軽に地方と関わり、徐々に移住を意識してもらえる仕組みが必要と考えた。
・実際に都市部の若者の意見を聞くと、移住前から地域のプロジェクトにかかわりたい、などの意見が多かった。
・しかし都市部の若い優秀な人材と十勝には接点が乏しいため、両者をつなぐ仕組みとして考え付いたのが肉ラウドだった。
 とのことです。

 誰でもいいから若い人を呼ぼうではなく、専門能力を持っていて、地方でもサラリーマンになるのでなく、自営業者や経営者(雇用主)になれるような人材を意識して呼び込むことは、例えば徳島県神山町がサテライトオフィス事業として取り組んでいます。(わしも神山町に行ってみました。リンクはこちら

 人材確保で重要なのは、このように、地域の長期的なあるべき姿から目指すべき目標を定め、そのための具体策を考えて取り組む、という戦略性です。これに十勝ならではの「肉」や「肉加工品」という地域の特色を加味できれば、全国に対して強いアピール力を持つでしょう。
 十勝地方の取り組みは現時点で2事業が成約、4事業が交渉中とのことで、実際に仕事の拠点を移そうとしている若手経営者も現れているそうです。
 三重県でも大いに参考にすべき取り組みであるように思えます。

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