2017年4月25日火曜日

熊野尾鷲道路で逆走防止対策

紀勢国道事務所発表資料より
 国土交通省紀勢国道事務所が、平成26年に全通し、尾鷲市と熊野市を最短距離で結んでいる 熊野尾鷲道路(国道42号バイパス)で、逆走対策工事を行うことを公表しました。すでに工事は終了しています。
 認知症患者などによる逆走は全国的に大きな社会問題になっています。高速道路とか、この熊野尾鷲道路のような自動車専用道路でも、誤進入や逆走をする車両による事故が多発していますが、逆走の5割はインターチェンジやジャンクションで発生していることから、進入禁止や逆走危険の注意喚起する高輝度矢印板や看板、路面表示やラバーポール(オレンジ色の樹脂製のポール)の設置などを行うもので、これにより逆走車、誤進入車の減少が期待されます。


 逆走、誤進入防止対策はすでに三重県内の一般国道でも進めらており、国道25号名阪国道の上野東ICや、国道23号中勢バイパス高茶屋地区などでも工事が行われています。しかし、その内容は熊野尾鷲道路と同様、看板の設置や、路面に矢印を引く、ポールを設置するといった簡易なもので、正常者のうっかりミスを防止する意味はあるかもしれませんが、認知症患者などにどこまで有効性があるかは非常に疑わしいところです。

 紀勢国道事務所の資料にあるように、高速道路で逆走事案を起こした運転者の7割は65歳以上です。熊野尾鷲道路が通る東紀州地域(三重県南部の尾鷲市、熊野市、紀北町、御浜町及び紀宝町の2市3町からなる地域)はもともと高齢化が進んでおり、しかも公共交通機関が不便で移動手段の多くを自家用車に頼っているので、ますますこれらへの危険性が高まっているわけです。

 国土交通省も「高速道路での今後の逆走対策に関するロードマップ」を策定し、2020年までに高速道路での逆走事故ゼロをめざす目標を設定して、道路、運転者、自動車のそれぞれの立場から、ハード・ソフト面での重層的な逆走対策を講じていくこととしているようであり、こうした対策は東紀州のような高齢化が進む交通不便地でこそ急がれるべきではないかと思います。

 国交省の案は ~高速道路における対策なので当然ですが~ ETC端末を利用した防止案になっています。すなわち、料金精算の用途以外にも大量のデータを高速でやり取りできる機能を持つ次世代ETC(ETC2.0)の通信機能を使い、センシング技術も取り入れていち早く逆走車を探知し、警告を与えるとともに警察など関係機関に通報するシステムを作るようです。
 もちろん、自動車自体の高機能化、つまり自動運転技術の普及も重要ではあるのですが、地方ではこうしたICTを活用した逆走防止技術の社会実証に取り組む必要性が高いといえるでしょう。
 住民が安全・安心に生活できることは何より大切なことですから、特産品開発や観光プロモーションに偏重している地方創生も発想を変えて、生活安全技術の導入といった方面にシフトしていくべきではないかと思います。

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