2017年7月2日日曜日

三重大学が国際忍者研究センターを設立

 三重大学が、全国初となる ~したがっておそらく世界初となる~ 国際忍者研究センターを設立しました。
 忍者の本場ともいえる三重県伊賀市の、三重大学伊賀サテライト内に事務所を置き、準教授1名を選任研究員に配置。今まで本格的な学術検討が少なかった忍者について、伊賀地域に残る古文書を収集・解析するなどして、忍者や忍術を体系づけた学問にしていくことを目指すそうです。また、忍者をテーマにした漫画や小説、映画などの資料も収集して調査研究を行い、将来的には集めた資料を一般公開することも予定しているとのこと。
 三重大学では、国内外の研究者による(仮称)国際忍者学会も設立予定で、来年2月には伊賀市で第1回の学会開催も計画されているそうで、毎日新聞によると、忍者研究センター長の安食和宏・同大学人文学部長は「その地ならではの研究をして、地域の活性化に寄与するモデルにしたい」と抱負を語っているそうです。
 確かに伊賀忍者は三重県にとっても重要な地域資源なので、地元の大学との学術的な連携により、より歴史が検証され、世界に情報発信されれば、地元への文化的、経済的な効果は決して小さくないでしょう。


 ただ、忍者とは今で言えばスパイ、秘密工作員、特殊軍隊といった存在ですから、当然ながら活動の実態は秘密のベールに包まれており、正確な史実はほとんどわかっていないのが実情です。
 また、忍者に限らず中世から近世にかけての技能集団、職能集団は ~例えば大工、石工、水利や測量の技術者、鉱山技能者、鍛冶など~ はそれ自体が独立したコミュニティになっており、その時々の権力者の庇護を受けて勢力を維持し、あるいは伸長させてきました。忍者集団も同様で、特定の領主の家臣団に所属するというより、その都度都度、色々な領主に雇われていたのが活動の実態だったはずです。
 特定の主君に命がけで仕えるということは乱世ではありえず、藤堂高虎のように「使えない」と感じた主君は自分から見限り、新たな主君に仕官するという行動こそが合理的なのであり、むしろ将来への不透明さが増している今、忍者がどう生き残ったかという歴史を ~硬直化した価値観からは「節操がない」とさえ思えるような~ 検証することは、わしらにとって重要であり、意味のあることかもしれません。

 一方で、忍者が活躍したことで世の中がどう変わったのかという大局的、歴史的な役割は史実として何一つわかっていません。しょせんはスパイ、ゲリラ兵であって国事に参画できる立場ではなかったのです。これが戦国大名のようにドラマの主人公になることが難しい理由でもあります。
 史実が明らかになった忍者の歴史的な役割をどう整理して、どのように魅力を発信していくかも難しい問題です。

On July 1, Mie University established the International Ninja Research Center. It was opened in Iga City, Mie Prefecture, which is the sacred place of the ninja.
The Center plans appointed researchers and scientific research on ninja and ninjutsu will be conducted.

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