2017年7月3日月曜日

お疲れさま、「地方創生」

 今日(7月3日付け)の日本経済新聞・朝刊のコラム「時流地流」には、読んでいて思わず頷いた人も多かったことでしょう。「地方創生」の宴のあと というタイトルで、安倍首相が自身をトップに据える本部組織までも立ち上げて取り組んだ地方創生が最近めっきり存在感を低下させており、地方自治体の関連予算が膨らむ、いわゆる地方創生「バブル」も一時は話題になったものの、そんな言葉も3年で文字どおり泡と消えてしまった、と論じています。
 確かにこれは事実で、グーグルトレンドで検索すると、地方創生本部が設置表明された平成26年6月ごろから急激に検索数が増大し、多少のジグザグはあるものの、トレンドとしては徐々に減少傾向となっています。

google trends より


 地方自治体側から見れば、国の本気度も下がってきていると抗弁するかもしれません。平成26年度の補正予算では関連予算(地方創生先行型交付金)として1700億円もの巨額が計上され、まさに重点施策だったわけですが、何年間かで徐々に予算は減り、平成29年度は1000億円にまで減少しています。
国の財政支援により、やっと各種の施策が緒に就いたところで、これからさらに一層の支援が欲しいと思っていた自治体側にとっては、期待外れ、ハシゴを外されたと思わないでもないかもしれません。

 しかし、時流地流も書くように、田中角栄の「列島改造」、竹下内閣の「ふるさと創生」のように東京一極集中の是正や地方振興をお題目とした施策は、過去、それこそ高度成長期に過疎化や第一次産業の衰退が叫ばれ始めた時期から営々と続けられ、それがことごとく失敗したのは ~少なくとも21世紀の現状を見る限り成功とは決して言えないのは~ 間違いないところです。
 冷めた見方をすれば、過去のこうした積み重ねを見ても、地方創生がかなりの確率で「成功しない」のは経験則上明らかなことであり、国だのみでは地域は振興しないことは、研究者やアナリスト、心ある行政マンにとっての「前提」というか「含意」でした。
 一方で、地方創生に心から期待した人々も決して少なくはなかったでしょう。彼らもそろそろ目を覚まさなくてはいけません。

 時流地流は、地方創生の成功例と言われる島根県海士町(日本海の孤島、隠岐にあって人口2300人ながら、Iターン移住者は累計で566人!にものぼる)でさえ、地方創生施策の典型である「地域おこし協力隊」の活躍などはあったものの、主たる理由は平成14年に就任した山内道雄町長が町役場を抜本的に改革し、産業振興と人口減対策とに永年の努力を重ねてきたことに他ならないと指摘します。
 これはその通りで、全国で決して少なくない活性化の成功市町村は、短くとも10年以上、長いところでは20年以上も、コツコツとした対策を継続しているところです。
 この当たり前の事実を再々確認して、「地方創生」は消えていくのでしょう。おつかれさま。

 ここからは蛇足。
 東京都議選で自民党が大敗しました。安倍政権が参院選を控えて巻き返しに出るのは必至で、言葉は悪いですが、地方への予算バラ撒きがまた短期的に復活する可能性も生まれてきました。しかし、大まかな流れは歴史が示す通りです。現在のスキームは遅かれ早かれ、大きな軌道修正が避けられないでしょう。
 

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