2017年8月2日水曜日

外宮ゆかたで千人まいりに行ってみた

 8月1日の夕方、伊勢神宮の外宮(げくう。地元では「げぐう」とは発音しない。「がいぐう」とは絶対に言わない。)で行われていた「外宮さん ゆかたで千人お参り」をのぞいてきました。たまたまこの近くに用事があって、偶然に見かけたというのが正しいのですが。

 伊勢神宮は季節によって参拝の終了時間が変わります。夏は夜7時までと比較的宵の時間まで入場はできますが、昼間に比べてまったく人はおらず森閑としています ~そのほうが神秘的で良い雰囲気とも言えます~ が、さすがに年一回の大きなイベントだけあって、浴衣を着た参拝客などおそらく普段の数十倍の人出でごった返していました。


 この「外宮さん ゆかたで千人お参り」は、伊勢市観光協会が主催しているイベントで、今回で20回目になるそうです。


 おはらい町やおかげ横丁といった飲食街がある内宮(ないくう)に比べて、外宮は伊勢市の中心市街地にあります。しかしここも地方都市の例外ではなく、中心地は空洞化が進んで店舗なども少なく、観光客も多くは内宮周辺に行ってしまっている状況です。


 このため、一般の神社では「茅の輪くぐり」のような暑気払い(疫病退散)神事が行われる盛夏のこの時期、八朔(8月1日参り)としてイベントに仕立てたことが由来のようです。
 伊勢神宮は境内に露店などが出ることは一切ないので、薄暗い参道を参拝者がそぞろ歩く、玉砂利を踏みしめる音や、おしゃべりや、子供のはしゃぐ声、そして蝉の声が聞こえるばかり。
 蒸し暑かったですが、ときおり木々の間を風が吹き抜けるのが心地よく感じられました。


 
 ただ、観光ガイド系のサイトに多く書かれている、この8月1日を始め、毎月ついたちに神宮をお参りする「一日(朔日)参り」は古来からの伊勢の伝統であるというのは史実ではありません。
 初詣などと同じように明治時代から始まった風習らしく、江戸時代の文献には「26日参り」(28日参りだったか?)が盛んに行われていたことはうかがえますが、一日参りが特に重視されていた形跡はないようです。神話の時代から2000年にも及ぶ悠久の伊勢神宮の歴史では、つい最近始まったにすぎない新しい「伝統」なのです。


 一の鳥居から正宮まで、往復30分ほどで参拝を終え ~ちなみに多賀宮や土宮、風宮といった別宮には立ち入れませんでした~ 楽器演奏が披露されていた勾玉池のステージを抜けて外宮前の広場に戻ってくると、スナックやビール、スイーツなんかも販売され、民謡の手踊りも披露されていて、一気に享楽的なにぎわいになります。
 伊勢の人は伊勢が好き。
 これは素晴らしいことだなあ、と思います。

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