2017年8月3日木曜日

ICTで建設現場が変わる

 国土交通省紀勢国道事務所によると、8月4日、尾鷲市において「ICT活用工事 現場技術体験会」が開催されるそうです。建設産業は現場の生産性向上や工事品質の確保、安全性向上、労働者確保などの様々な課題を抱えていますが、これらへの対応策として建設ICT技術の導入が進められています。
 「ICT活用工事 現場技術体験会 in 三重県尾鷲市」は国交省中部地方整備局が設置した「建設ICT導入普及研究会」なるICT普及団体の活動の一環として行われるものとのことで、すでにICTを活用した工事が行われている国道42号熊野尾鷲道路(Ⅱ期)の建設現場で、国、地方自治体、建設業者を対象に、実際に使用している機器を使って最先端のICT建設技術を体験してもらう内容とのこと。
 残念ながらわしのような一般人は参加も見学もできないでしょうが、東紀州(三重県南部の、尾鷲市、熊野市、紀北町、御浜町、紀宝町の2市3町からなる地域)のみならず、全国の「地方」にとって最大の重要産業であり雇用の担い手でもある建設業の将来の姿を見据えるうえでも、この体験会の内容や成果は大きく注目されるべきだと思います。
 このブログでは再三言及していますが、よく世間では、地方(田舎)の主力産業は農林水産業だ、などと言われますが、これは事実ではありません。


 農村地帯、漁村地帯と呼ばれる市町村でも、第1次産業に従事する人の割合も、算出する付加価値の額も、全産業で見ると数パーセントを占めているに過ぎません。
 三重県が公表している「三重県の市町民経済計算」(平成26年度)によれば、三重県の地域別、産業別に見た総生産額の構成比で、東紀州地域に占める第1次産業の比率はわずか4.4%です。

三重県ウエブサイト (概要版)平成26年度三重県の市町民経済計算 より

 15.5%は政府サービス(公務労働)、14.7%が不動産業、14.6%がサービス業となっており、建設業も13.4%を占めています。地形が急峻で自然環境も厳しく、社会インフラの整備も遅れがちな地域にとって、建設業は重要な産業なのです。

 その一方で、政府支出に占める建設関連予算は減少しており、地方では人手不足も深刻なため、建設業の生産性向上は地方でこそ大きな課題です。そして、ICTは間違いなく解決に向けた切り札になるはずです。

 ICT活用工事 現場技術体験会では
1)UVA(はんわし注:いわゆる「ドローン」のこと)やレーザースキャナーによる地形の測量
2)MC・MG(マシンコントロール・マシンガイダンス)バックホウ、MCブルドーザ、TS/GNSS(全地球型測位システム)を用いた盛土の締固め管理
3)3次元設計データ作成、3次元出来形管理
 が行われるそうです。

出典 国土交通省中部地方整備局

 問題は、こうしたICT活用工事のコストと、これらをオペレーションできる人材をどう確保・育成していくかということかと思います。特に後者の高度技術者の育成は、県や市町による産業振興策の一環として、もっと積極的に取り組まれるべきでしょう。農林水産業振興一辺倒の遅れた産業振興策 ~こんなことを何十年もやってきたけど結果的に地方の第1次産業は衰退の一途だった~ から、本当に地域にとって重要な産業へポイントを絞った産業支援策に切り替えていくことが急務だと感じます。

0 件のコメント: