2015年9月4日金曜日

日立の新型冷蔵庫に三重県企業の技術が

日立アプライアンスHPより
 日立アプライアンス株式会社は今年8月から、大容量冷蔵庫「真空チルド」シリーズ12機種を発売開始しました。
 容積(730L)は業界最大の定格内容積であるとともに、野菜室まるごと、野菜の栄養素やみずみずしさを守る「新鮮スリープ野菜室」を備えていることが大きな特長です。

 この新鮮スリープ野菜室は庫内に「プラチナ触媒」が設置されています。

 野菜は、呼吸によって炭酸ガスやエチレンガスを放出しますが、このエチレンは野菜の鮮度を落とす作用があるため、庫内からエチレンを除去すれば鮮度を保持できることは原理的に解明されていました。

 この日立の新型冷蔵庫では、メソポーラスシリカなどのナノ空間材料を担体とした、低温でも効率よく働くプラチナ触媒によって、エチレンガスを分解することができます。野菜室の炭酸ガス濃度を高めると野菜は気孔が閉じて呼吸活動が低下します。いわば「眠り」につくのです。こうすれば栄養素の消費を抑えて野菜を長持ちさせることができるとのことです。

2015年9月3日木曜日

三重県内の商店街で「まちゼミ」が広がる

 四日市商工会議所は、来年2月に市内の商店街で「まちゼミ」を開催しますが、それに先立って9月11日に「四日市で初開催!あなたが講師になるまちゼミって??」なるセミナーを開催するそうです。
 「まちゼミ」とは何なのか、どのような効果が期待できるのか、などについて、全国での開催事例を交えてお伝えするセミナー&勉強会とのこと。
 ちなみに、まちゼミの定義は四日市商工会議所のホームページで下記のように紹介されています。

個店の活性化なくして地域の活性化なし!
 「得する街のゼミナール」通称『まちゼミ』は、商店街等のお店のスタッフが講師となり、プロならではの専門的な知識と情報,コツを受講者(=お客様)にお伝えする少人数制のゼミで地域の方々に、お店の存在や特長を知っていただくとともに、お店(=店主)のファン創りを勧め個店と地域の活性化を行います。
 現在、全国100箇所以上の地域でまちづくりの事業として実施され成功しています。

 わしが知る限り、三重県内ではすでに、松阪市、伊賀市、伊勢市尾鷲市で、中心市街地商店街を舞台としてまちゼミが開催されています。三重県最大の都市、四日市市での取り組みが遅かったのは意外ですが、近鉄四日市駅前の商業集積規模は大きなものがあるので、首尾よく行けばきっと大きな効果が生まれることでしょう。


2015年9月2日水曜日

県政は軽く、市町村政は重たく

 鈴木英敬三重県知事が、9月28日にアメリカ・ニューヨークで開かれる日本政府主催の経済セミナーに出席するため、予定されていた三重県議会の一般質問の日程を変更したことを各紙が報じています。
 知事の都合によって県議会の議事日程を変更するのは極めて異例で、三重県では平成7年9月以来20年ぶりのこと。
 鈴木知事は県議会の代表者会議において日程変更の理由につき、「議会を軽視したり、おろそかにしているわけではない」が、「日本政府から参加を強く要請され」、「セミナーは三重県を世界に情報発信する絶好の機会。このような機会は極めて得難い。」などと釈明し、議会側も了承したとのことです。
 議会と衝突を重ね、結局は市長の座を去ることを表明した山中光茂松阪市長の剛腕とは好対照をなす鈴木知事の議会操縦能力の高さですが、このセミナーでアメリカ政府関係者を対象に演説する内容が、サミット本来のテーマともいうべき国際平和とか民族・性差といった反差別、あるいは地球環境保全の重要性などを訴える内容ではなく、サミット開催地としての伊勢志摩の魅力だの、サミットを通じた地域活性化への挑戦だのといった内容に過ぎないものであることを知ると、政治家の信念の強さとか理念の崇高さ、つまり政治家としての格とは、うわべだけではなかなか一概に比較できないものであることを再認識させられざるを得ません。

2015年9月1日火曜日

伊勢神宮の新しさ

【読感】神都物語 伊勢神宮の近現代史 ジョン・ブリーン著 吉川弘文館

 伊勢神宮をお参りするときに「願いごとをしてはいけない」のは、伊勢など地元の人々にとってよく知られている常識です。

  内宮の祭神である天照大神は天皇家の祖先であり、民族、国家の始祖である。したがって個人的な願い事などでなく、我が国の平安と皇室の弥栄こそを祈るべきものである。ただし、荒御魂を祭っている別宮の荒祭宮においては、自分がこれから何かの(プライベートなことでも)目標に向って努力することを誓う祈りは許される。
 というものです。
 なるほどと思いますし、最近はSNSでこの種の「雑学」も拡散するので、これを守ってお参りしている方も多いでしょう。

 しかし、この常識は意外にも新しいものです。弥次さん喜多さんなど多くの庶民が参宮に訪れていた江戸時代、参拝客の伊勢神宮に対する認識は「日本で一番偉い神様」「全国の神社の総本山」といったもので、祈ったのはもっぱら現世利益でした。天皇の存在感自体が希薄なこの時代、伊勢神宮と天皇の関係など庶民のほとんどは知る由もありませんでした。 
 なので、江戸幕府が崩壊して、天皇制の下に新国家を建設することとなった明治政府が伊勢神宮に求めたのは、天皇を伊勢神宮以上の存在に神格化して国民を教化することでした。
 つまり天皇の神聖性を強調する手段として、伊勢神宮の知名度を最大限活用したのです。

2015年8月31日月曜日

生き残るのは「強い者」ではない

【読感】戦国貴族の生き残り戦略 岡野友彦著 吉川弘文館

 確かに、言われてみればその通りです。15世紀末から16世紀初頭にかけての戦国時代のこと。
  武将たちが覇権をかけて各地で戦(いくさ)を繰り返しており、下克上の風潮の中、外敵を撃ち破る力のない者は滅ばざるを得なかった・・・
 ということを21世紀に生きるわしたちは疑いもしません。
 しかし、著者である皇學館大学教授 岡野友彦氏によると、これは真実ではありません。
 本書で取り上げられている公家、つまり貴族階級の人々は、従来の歴史観によれば、天皇の権威が低下していった中で鎌倉時代には政治力をほぼ失い、領地(荘園)は戦国大名に奪われて経済力も低下し、かろうじて室町幕府や有力地方大名の庇護を受けて戦国時代を生き残ったと考えられてきました。
 岡野さんは言います。このように力のなかった公家たちが、それではなぜ室町~戦国~江戸時代の数百年間を永らえ、幕末期には再び政治の表舞台に出てくるようになった(それも、大きな政治的権威を持って)のでしょうか。
 この存続と復活の強靭な生命力は、偶然生き残ったとか、たまたま生き残ったという理由では説明がつきません。そうではなく、公家たちは武力を持たないゆえに知恵をフル活用することで戦に巻き込まれないよう細心の注意を払って生き延びてきたのです。戦国時代の公家達の「生き残り戦略」は、現代にも大きな示唆を与えてくれるに違いありません。

2015年8月30日日曜日

存在感薄れる都道府県

 一週間ほど前の日経新聞、時流地流と言うコラム記事に「存在感薄れる都道府県」というものがありました。秀逸だったのですが、書くタイミングを逸していたので簡単にメモしておきます。
 概要は次のようになります。関心がある方は、図書館ででも探して、ぜひ日経の朝刊をお読みください。

・8月20日の岩手県知事選は現職が3選されたが、有力対立候補が直前で立候補を断念したことから無投票当選だった。県民は知事選を通じて県政に意思表示する機会を失った。最近の知事選はどこも投票率が低く盛り上がりに欠けていて、4月の統一地方選の10道県の平均投票率は47.14%で過去最低となった。
・梶原拓(当時岐阜県知事)や麻生渡(同福岡県)などが会長を務めていた9年ほど前の全国知事会は、政府に対してさまざまな改革案を提示して注目されていたが、現在の知事会には当時のような躍動感がまったくない。
・今年7月に開かれた全国知事会議も、地方創生に関する宣言などを求めたが新味に欠けメディアの扱いも小さかった。知事会の低調ぶりは、都道府県そのものの存在感の低下を映している。知事選の投票率は総じて市長選より低いことも関係するのかもしれない。


2015年8月29日土曜日

「地方創生ブーム」から学ぶこと

 今朝、何気にテレビをつけたら、読売テレビ系列の報道バラエティ「ウェークアップ!ぷらす」で、今全国で流行している「プレミアム商品券」の経済効果みたいなテーマを取り上げていました。
 去年12月に閣議決定された緊急経済対策で、アベノミクスによる経済の好循環を全国に拡大することを主眼として、地方の消費を喚起策として2500億円の財源が全国の自治体に交付されました。
 この交付金は使い道は原則として自治体に委ねられているものの、国からは「たとえばこのような用途に使えます」といった例示がありました。その中にプレミアム商品券があったため、全国で1739もの道府県や市町村、特別区がプレミアム商品券を発行しているのです。
 ウェークアップ!ぷらすでは、名古屋市が発行したプレミアム商品券が市民に大人気で、66億円分が即日完売したこと。その一方で、地域内での波及効果に重視して地元商店街での使用に限定した商品券を発行した香川県高松市などでは、多くの売れ残りが出ていることが報じられていました。
 なぜか三重県も取り上げられていて、県内のホテル・旅館の宿泊費が半額になる「プレミアム旅行券」を県が販売した結果、鳥羽市のホテルでは夏休み期間中の宿泊者数が急増したことや、東京にある三重県のアンテナショップ限定で使用できる、何とプレミアム率4割(!)の商品券を発行し、買い物客が3割増加したことなどが肯定的に取り上げられていました。