2018年2月20日火曜日

全NPOが泣いたらしい件

 フローレンスの駒崎さんのブログに、「全NPOが泣いた!」国会質疑2018:山本香苗 vs 世耕弘成 という大変面白い記事が載っていました。(2月19日付け)
 厚労省による例の「働き方改革」、「裁量労働制」に関する法案の質疑はボロボロ、森友問題の尾を引く国税庁長官の問題も押し問答。確かにあまりにヘタレな国会論争だけが注目されがちですが、NPO経営者の立場から特に注目すべき質疑が、1月31日の参議院予算委員会で繰り広げられたことを伝えてくれています。
 質問者は公明党の山本早苗参議院議員。質問のテーマは、先ごろ国の補正予算の成立により実施が確定した、「ものづくり・商業・サービス経営力向上支援事業」補助金、業界で言う「もの補助」の運用についてです。
 山本議員は、中小企業が生産性向上のために取り組む、革新的サービスの開発や試作品の開発、生産プロセスの改善を行う目的で行う設備投資等の経費に対して補助金を交付するこの「もの補助」について、交付対象が中小企業基本法などに定める中小企業と小規模事業者に限定されており、NPO法人や財団法人のような非営利法人がなぜ排除されているのかを、世耕弘成経済産業大臣に糺しました。
 駒崎さんのブログを孫引きすると、世耕大臣は当初、官僚が書いた答弁をそのまま読み始めました。

2018年2月19日月曜日

「地方創生学」などない

 しばらく前のこと。大学生による地域活性化プランの発表会的なものに参加したことがあります。
 あまり具体的に書くと差しさわりがあるし、この種のイベントはかなり数多く開催されているので、特定のものでなく、一般論として聞いていただきたいのですが、わしには学生たちの発表内容は9割は実現不可能か、現場では役立たない(ニーズがない)もののように思えました。
 しかしまあ、目的はあくまで勉強の「発表会」であり、学生がするのは「提案」なので、事業やビジネスとしての実現可能性にはそう重きを置く必要はないかもしれません。問題だと感じたのは、むしろ、学生たちが具体的な活性化対策の発案に至るまでの思考プロセスです。もっと具体的に言えば、地域が抱える課題に関する前提の部分そのものが、かなりひどいボタンの掛け違いというか、課題認識のズレが大きいものばかりだったのです。(繰り返しますが、あくまでも一般論です。)

 学生たちによる発表のほとんどは次のような順序立てで立案されていました。

A)この地域 ~農村や林村といった中山間地域、漁村、離島、辺地など~ は農林水産業が主力産業で、昭和30年ごろには〇千人もの住民がおり、診療機関や娯楽施設などもあってにぎわった。
B)しかし、昭和40年代になると第一次産業の衰退が始まり、人口が減少しだした。


2018年2月18日日曜日

議論が混乱するもと

 ここしばらく、中小企業の経営者の方や、地域活性化(「地域おこし」などと呼ばれる)活動のリーダーのお話を聞く機会に恵まれています。
 わしが改めて思うのは、企業が行う活動、つまり事業とかビジネスとか営利活動などは、地域おこし活動に比べて、良くも悪くも目標が立てやすく、その活動が正しいのか否かは「損益」という指標で明確になる、という点です。
 むろん、企業のすべてが利益だけを追求している事業体ではありません。顧客からの感謝や、社会貢献、従業員満足などを理念に掲げ、邁進している企業もたくさん存在します。しかしそういった事業活動であるからこそ、それを継続するためには赤字では不可能で、利益を生み出さなくてはなりません。利益が出ないビジネスは、社会からは求められていない自己満足に過ぎないとさえ言えます。
 一方でその点、地域おこし活動のほうは、損益(業績)に相当する客観的な評価の物差しがありません。それどころか、事業活動の目標すら、ときとして明らかではありません。
 何のためにそういった活動をしているのか。目指すべき最終目標は何か。
 地域の人口が増えること。地域内での仕事(雇用先)が増えること。地域に若者が増えること。交流人口が増えること。漠然とした目標はいろいろあるのでしょうが、では交流人口が何年以内に何人増えれば目標が達成されるのか、という一歩進めた具体的な数値目標を持っている活動を、不勉強ながら、わしはほとんど知りません。

2018年2月15日木曜日

究極の地方創生対策か

 地域をPRする動画を作ったり、東京都心でイベントをやったり、B級グルメコンテストに参戦したり、移住者の家賃をタダにしたり、医療費をタダにしたり、などなど、ここ数年で全国各地の市町村が繰り広げてきた「地方創生競争」は、結局明確な勝者がないままブームが終焉しようとしています。
 そうした中で、追い詰められた自治体がやらかしてしまいそうな、いかにも本当にありそうな究極の地方創生対策が、この映画 羊の木 のテーマとなっている、刑務所の仮出所者の移住受け入れかもしれません。


2018年2月14日水曜日

三重産ミカン、タイのシェアは9割

 JA三重南紀が平成22年度から全国に先駆けて取り組んでいる、タイへのミカンの輸出が堅調であり、さらなる輸出拡大に向けて三重県の鈴木知事が農林水産省に対し、輸出検査の簡略化などについて日タイ両国で協議を進めるよう陳情したことが報じられています。
 2月12日付けの毎日新聞によれば、高い経済成長を続けているタイにミカンを輸出している都道府県は、意外にも静岡県と三重県の2つだけで、この結果、三重県産のシェアが9割以上を占めていることになるそうです。これはある種の先行者利益ということかもしれません。
 三重県産ミカンは現地の富裕層に高級フルーツとして認知されており、平成22年の輸出量は1.7トンだったものが次第に増加し、平成26年には19.6トンにまでなりました。
 ところがミカンの病気(カンキツそうか病)の発生が日本国内で確認されたことからタイ政府は輸入検疫を強化し、日本とタイの双方の検疫官による合同検査の義務付けや、防かび処理、害虫モニタリング調査が必須とされ、この結果、検査コストが上昇したうえに生産者の負担も増したことから、翌平成27年には輸出量が12.3トンと急減していました。

2018年2月13日火曜日

社長の後継者は息子・娘であるべきか

【読感】 日本の中小企業 少子高齢化時代の起業・経営・承継 関 満博著(中公新書)

 関 満博氏といえば、中小企業振興業界の超有名人で、知らない人はいないでしょう。東京都(中小企業指導所)に奉職以来、一貫して現場主義を標榜し、大学教授に転身してからも全国の中小企業を巡って収集した事例を本や講演で発表しておられ、おそらく著作は数十冊はあると思います。
 しかし本書の中で図らずも関さんが言うように、中小企業は「業態も千差万別」で、「その特徴を端的に表現することは難しい」面があります。このため、関さんの著書の多くは ~わしの理解できる限りでは~ 全国の優れた中小企業の事業取り組みや、ユニークな産業支援の事例集であり、日本の中小企業は今後こうしていくべきだと大上段に構えた「産業政策論」などでなく、読者はこれらの個別の取り組み事例を参考にしながら、自分なりに噛み砕き、企業は経営努力を、支援機関は支援努力を、地道に細く長く続けていくべきだ(それ以外に特効薬などない)という結論がほとんどです。
 本書も例外ではなく、「新規起業」、「既存企業の新事業展開」そして「事業承継」の3つの大きなテーマで、関さんが知るベンチマーク企業が紹介されるという構成で、課題の整理と事例の勉強に役立つ内容です。

2018年2月12日月曜日

話題のクロフネファームに行ってみた

 ビュッフェスタイル、昔ふうに言えば「バイキング」形式のレストラン、クロフネファームに初めて行ってみました。開店はおととしの12月ということなので、もはや旬の話題とはいえないかもしれません。しかし、従業員のうち約20名が障がい者であるという就労継続支援A型事業所として運営していること、そして「身体、地域、環境にやさしい」をコンセプトとした野菜を中心としたメニュー構成であり、実際に食事をした人の評判も大変いいようなので、この連休に行ってみることにしたのです。
 場所は、ララパの裏のクリニックとかがたくさんある道の角っこです。ここには以前、「KUROFUNE」という、イギリスの古い教会の古材を流用して建てたというレストランがありました。創業者だった中村文昭さんのユニークな人柄を反映して、ホールスタッフのおもてなしやサービスが非常に有名なお店でした。
 このクロフネファームにも中村さんは関わっているそうで、巷にある凡百のバイキングレストランとは一味違う、新しい、ユニークなコンセプトが期待できそうです。