2010年4月30日金曜日

「常識」を疑う大切さ



*行政関係者以外の方は読み飛ばしてください*

 住民と直接向き合って仕事をする市町村と、対外関係も含め社会全体の舵取りを行わなくてはならない国との間に挟まれた県のように「中二階」的な組織に属していると、入ってくる情報にもある種のバイアスがかかっているケースが多いので注意が必要です。

 特に、商工政策のように、施策対象である企業の数がそもそも一般住民に比べて少なくデータを取ったり、施策の検証をすることが難しい分野は、自分でリサーチして政策を立案するよりも、国が示している戦略だから・・・、国が進めている施策だから・・・、国の報告書にこう書いてあるから・・・、だから、「県もその施策に乗っかって、国から補助金や助成金を取り、国と同じような施策を行う」という手法がむしろ一般的になります。
 これは一種の思考停止で、危険なことです。

 たとえば、県レベルの商工政策の中心は、今でも昔ながらの企業誘致(工場誘致)です。これは、現在の税制では、製造業のように多くの設備投資を行い、多数の雇用を抱える産業は地元に生み出すメリットも大きいと信じられているからです。
 逆に言えば、
 わが町に工場を誘致すると雇用が増える
 安定的な仕事に付く人が増えると税収も増えるし、地域内での消費も活発になる
 工場を誘致するためには道路や用地を整備しなくてはいけない
 という三段論法が一般的に膾炙していることになります。


 しかし、日本政策投資銀行地域振興グループ参事役の藻谷浩介氏はこう言います。

・工業の活性化は地域振興に結びつかない
・高速道路を整備すると人口はかえって減ってしまうことが多い
・消費不況をもたらしたのは小売店の過剰供給(オーバーストア)が原因

 そして、これら、従来の商工政策の「非常識」を豊富なデータを用いて検証していきます。

 写真の本「実測! ニッポンの地域力」が出版されたのは2年以上前ですが、出版直後に起こったリーマンショックによって、製造業が強い地域ほど需要の急減の影響をもろに受けることになり、派遣切りによる雇用破壊、ファスト風土化による地域コミュニティの崩壊なども社会現象となり、はからずも本書の主張が実証された形となりました。


 ありきたりの結論ですが、「常識」を疑い(特に国のお仕着せの常識を疑い)、地域の実情や住民の身の丈にあった地域振興策を、自分のアタマで考えて実行していくほかに、地方自治体の役目はないのです。
 商工政策も、地域のため、住民のためにあるのですから、コミュニティや地域雇用と切り離していきなりグローバル競争を追い求めても、それは大きな矛盾を作り出すだけです。

 前置きが長くなりました。
 この、藻谷浩介氏のセミナーが、三重県政策部企画室の主催による「平成22年度第2回トレンドセミナー」として、5月20日(木)13時30分から、アスト津で開催されます。
 このセミナーは、県職員と市町村職員が対象(一般の住民は参加できない)なのですが、自分のアタマで考えて、実証的に、地域経済の活性化に取り組みたい自治体職員にはきっと非常に啓発的な機会になることは間違いありません。

 このブログをお読みいただいている方には、県、市町の職員も多数いらっしゃるようなので、お時間が許せばぜひ参加してみてください。


 

2010年4月29日木曜日

紀北町紀伊長島の「千や」に行ってみた



 この2月、紀北町紀伊長島区にオープンした和スイーツ&カフェのに行ってきました。

 国道42号線沿いにある紀北町役場紀伊長島支所にクルマを停め、海岸の堤防沿いに紀伊長島漁港のほうへぶらぶらとあるいて10分ほど。


大きな地図で見る

 はんわしが訪れたときは、ちょうどオーナーのジョーさんがカウンターに立っていました。
 今はすっかり「落ち着いた」雰囲気になってしまったこのあたりですが、昔は魚市場がこのまん前にあったそうで、たいそう賑やかな場所だったそうです。
 おじいさんがこの場所で駄菓子屋をされていたとかで、それ以後しばらく使っていなかった建物を改装して和風のカフェにしたとのこと。


 看板メニューの「まんぼどらやき」とコーヒーのセットを頼みました。コーヒーはちょっと濃い目でほっこりしました。

 それにしても、紀伊長島の「魚(うお)まち」と」呼ばれる旧市街地は、古い木造家屋が密集して建ち並んだ家並みが延々と続き、路地は迷路のように入り組んでいる、とてもレトロで魅力的な場所です。

 千やを拠点にして、街歩きもいいかもしれません。

 ■千や ホームページ http://www.senya.jp/index.html

 ■紀伊長島のまち歩き 魚まち歩観会ホームページ
   http://www.smart-frog.com/pcuo/about.html

2010年4月28日水曜日

特産品のリリースで、お腹が一杯・・・



 はんわしは自宅で中日新聞をとっているのですが、今日は伊勢志摩版、三重版ともに県内各地で開発された地域特産品のリリースの記事が目立ちました。

 以前にも書いたように、地域資源活用や農商工連携による地域経済活性化は一種の国策になっており、経済産業省や県、さらにはその外郭団体などの支援策が激注されています。

 結果として特産品が次々と生み出されますが、果たしてどれだけが市場に生き残り、真に地域経済に役立つのでしょうか?

 以下、僭越ながらひとくちコメントを。

●熊野市の「さんま醤油」
 熊野灘はサンマが特産ですがサンマ寿司や干物くらいしかアイテムがありませんでした。熊野市では数年前から三重県工業研究所の知見も借りつつ、サンマを使った魚醤の開発に取り組んでいましたが、このたび「さんま醤油」という名前で本格的に商品化されたとのことです。
 市長のコメントによると「サンマをつかった魚醤は、おそらく日本で初めて。」とのことなので、新規性があって、熊野という土地の知名度もあって、一定の差別化、訴求が可能な気がします。
 問題は、新姫(にいひめ)でもそうですが、生産量が圧倒的に少なく(この「さんま醤油」も限定500本、熊野市内6ケ所での販売とのこと)、極めて狭いマーケットで完結してしまうおそれがあることです。
 インターネットでも検索することはできず、かろうじて紀和町ふるさと公社のHPにつながるだけで、ここには成分の分析データなどが延々とあって、商品そのものの単価やどこで売っているかなども一切書かれておらず、相変わらず熊野市外の消費者は眼中にないというアピール度の低さが目立ちます。
 実は熊野市の人はさんま醤油を売りたくないのかもしれません。

●南伊勢ブランド
 度会郡南伊勢町(旧南勢町と旧南島町が合併してできた町)が、町内で生産や加工される優れた特産品を「南伊勢ブランド」として認定する制度で、確か1~2年前から取り組まれています。
 今日の新聞記事では、第3回目の認定として内瀬柑橘出荷組合の「温室みかん」、大下水産の「鯛の西京漬」と「真鯛のくんせい」の3つが新たに南伊勢ブランドに追加されたという内容でした。
 しかし、残念ながら南伊勢町のHPを見てもこのことは書かれていません。プレス発表とインターネットがリンクしていないという悪しき情報管理の典型と言えるでしょう。これでは認定を受けた業者さんもがっかりではないでしょうか。

●玉城町の化粧水
 度会郡玉城町は、町内にある玉城弘法温泉の温泉水を使った化粧水「うるおいの路(みち)」を発売したそうです。アルカリ性温泉のため、保湿効果があるという塩化物イオンなどが多く含まれており、ユーザーに効果を実感してもらい、温泉をアピールしようと商品化したとのことです。
 80g入りで1050円。役場と温泉施設「アスピア玉城」で購入できるそうです。
 プレスリリースとしてはもっとも的確でポイントを押さえています。
 ただ、惜しむらくはやはり玉城町のHPにはこの記事がありません。現在の消費者、特に若い年齢層はテレビや雑誌で得た情報をネットで確認するのが常識なので、ホームページが無いというのは商品がこの世に存在しないのと同じです。
 その詰めの甘さが残念です。

●鳥羽市のパワースポットアイテム
 海女の守り神として知られる鳥羽市相差(おおさつ)地区の石神(いしがみ)さんが、恋愛にご利益のあるパワースポットそして若い女性の間で静かなブームになっていることに着目し、鳥羽市の木であるヤマトタチバナの香りつきしおり、におい袋などが商品化され、GW前から試験販売されるとのことです。
 この記事でわからなかったのは、いったい誰が開発したもので販売者は誰かということです。
 鳥羽商工会議所のHPに、なんだかそれらしいものもあるようですが、この記事との関連が不明です。やはり詰めが甘い・・・

 以上4つをまとめると
 差別化ポイントが高い  熊野市のさんま醤油(全国初のオンリーワン!)
 イノベーション性が高い  玉城町の化粧水
 の2つが好感が持てます。

 一方で、南伊勢ブランド、鳥羽市のアイテムはちょっとぱっとしない印象です。
 特に南伊勢ブランドは誰に対してアピールしたいのかも(少なくとも記事では)よくわからず、セグメントからして失敗しているのではないかとの疑念が拭えませんでした。役場も、応援するならもっと本気でやったほうがいいのではないでしょうか?
 

2010年4月27日火曜日

事業仕分けライブ中継を見てみた



 今日は午後からオフだったので、自宅のパソコンで事業仕分けのライブ中継を見ていました。

 ちょうど、農業・食品産業技術総合研究機構なる農水省所管の独立行政法人の仕分けをやっており、農業者大学校という、農業者を育成する教育機関について議論していました。

 テレビのニュース番組などでは、やりとりのダイジェストしか放映しないのでよくわかりませんが、30分ほど議論を見た感想として、仕分けする側とされる側、双方で話がまったくかみあっていないということはないような気がしました。

 しかし、独立行政法人の側に不足していたと思えるのは、その事業を独法(独法とは国が直接行なう必要はない事業ではあるが、民間に任せると行なわれないおそれがあるような事業を実施する法人と規定されており、その運営経費は大部分が国民の税金で負担されています。)がしなくてはいけないか、その一点についての説得力だったように感じます。
 仕分け人の質問や切り込みに大して、独法側は事業全体の必要性を訴えることでわかそうとします。
 この農業者大学校の場合も、ITや大企業など他の産業分野での職歴がある人で新たに農業に参入しようという意欲のある人を受け入れているとか、都道府県が運営している農業大学校(注:独法のほうは農業大学校で両者は別モノだそうです。)に比べカリキュラムが先進的でレベルも高いとかの主張がありました。

 しかし、農業分野での高度な人材育成についての重要性や必要性については、仕分け人側も理解はしています。
 なので、問題は人材育成に意味があるかどうかではなく、その事業を独立行政法人が行なわなくてはいけないのか、まさにその点です。

 この意味で、仕分け人の議論には説得力を感じました。
 一つの独法が学校を経営しなくても、都道府県の農業大学校に専門コースを作ったり、全国にたくさんある大学の農学部に編入するコースを作ってもいいわけです。

 なにもかも、国、そして国に準じた団体がやらなくても、地方自治体、民間団体や企業、大学などができることはたくさんあるはずですし、長い目で見れば、多様なセクターが一緒になって支えあう、そのような姿のほうが社会のあり方として望ましいはずです。

 はんわしは最近の民主党政権の迷走に辟易している人間の一人ですが、事業仕分けに関しては、議論がオープンであること、そして議論が短時間で行われるので密度が濃く論点が明確になること、の2点で非常に意義があることだとあらためて思いました。

 ■内閣府 行政刷新会議HP 事業仕分け詳細と結果速報 2010年04月27日

2010年4月26日月曜日

地方自治体でも大事な「財政の出口戦略」




 最近よく聞くのが「出口戦略」という言葉です。
 一般的には、経済状況が悪化すると、金融政策として金利の引き下げや預金準備率の引き下げなどが行われます。それによって景気が回復基調となった時に、これ以上の金融緩和によって景気の過熱やバブルが起こらないように、今までとは逆の、金利の引き上げ、預金準備率の引き上げなどに切り替える必要が出てきます。これが出口戦略と呼ばれるものです。
 それにはもちろん、タイミングが非常に重要になります。
 日本の80年代のバブルもそうでしたが、金利、マネーフロー、為替など、あらゆる指標を慎重に判断し、過熱しないように、同時に景気後退しないように、バランスよく実体経済をコントロールしなくてはいけないからです。

 先日のG20でも、世界経済は回復基調が顕著だとして、リーマンショック以来の落ち込みに対して金融緩和を行っていた先進国が、引き締めに入る「出口戦略」をいつ、どのように行っていくかが大きな焦点になっていました。

 金融の出口戦略と同時に、もう一つのマクロ経済運営の柱である財政政策についても出口戦略が重要です。

 卑近な例を以前のブログにも書きましたが、地方自治体では自民党政権以来の国の財政出動、特に麻生政権下での補正予算措置に合わせて財政支出が膨らんでおり、国と地方の借金は800兆円という天文学的な数字にまでなっており、先進諸国では最悪の状況。国家破綻も現実的な問題になっています。

 現在の日本の景気回復傾向は中国への輸出が伸びているためとも言われますが、いずれにせよ輸出型産業が景気を牽引しているうちに、内需型産業に好影響を広げていく政策、そしてそれと同時に、財政政策の出口戦略も必要になってくることでしょう。

 成長により経済全体のパイを大きくする方向が一番望ましくはあるのですが、実際には増税を見据えた財政支出抑制策になることでしょう。しかしこれは、冷静に考えて避けられない問題だと思います。
 財政の出口戦略が、いつ、どのように始まるか、注視が必要です。

2010年4月25日日曜日

上海万博の評判が散々ですが





 あと数日に開催が迫った中国2010年上海万博の評判があまり芳しくありません。
 中国館がセビリア万博の安藤忠雄氏設計の日本館と外観が酷似しているとか、テーマソングが日本歌手の作品の盗作ではないかとの疑惑が出たり。

 有名な話ですが、中国には、海賊版や偽物が、電化製品や食品、衣類などあらゆるジャンルで流通していますし、そもそも社会として、特許権だの商標権だの、著作権だのを重視する文化が存在していません。

 以前、ジェトロ主催の中国貿易セミナーに行ったときも、SHARPならぬ「SHARK」の掃除機とか、SONYならぬ「SQNY」のウォークマンもどきとか、紛らわしい商標を使った商品が氾濫しているとか、完全に日本メーカーの商標ごと真似をしたコピー商品が蔓延しており、日本側の被害は数百億円になると聞いたことがあります。
 ちなみに、コピー商品の例としてぺんてるのボールペンが挙げられていましたが、ニセモノだとわかったのは、「ぺんてる」が「ぺてるん」だかのヘンな日本語(しかも日本人なら絶対に間違うはずがない)で印刷されていて、判明したというようなことだったと記憶しています。

 上海万博では、中国人観客のマナーの悪さも指摘されているようです。
 これも有名な話ですが(はんわしも中国旅行に行ったときに目のあたりにしましたが)、中国人は列を作りません。列を作って並んでいてもどんどん割り込んできて収拾がつかなくなります。
 有名な観光地では立ち入り禁止の場所にもどんどん入って行って勝手に写真を撮ったりします。
 ゴミは捨て放題、タンは吐き放題です。ほとんどの男性が喫煙しますし、ところかまわず吸殻を捨てます。
 車の運転に至っては、日本の常識をはるかに超えた「めちゃくちゃ」さで、信号すらほとんど守っていません。
 3年前に上海に行ったときは、さすがにこの民度の低さでは「大国」の名に恥じると政府も考えたのか、「ゴミを道に捨てるな」とか「電車やバスに乗るときは順番に並ぼう」とかの小学生のような公共道徳向上の一大キャンペーンが官民挙げて行われていました。そして、徐々にその成果も上がっているように見受けました。

 さて、以上のように散々な上海万博ですが・・・・
 思い起こしてみれば、高度成長期、日本も同じような民度、同じ程度の社会レベルだったのではないでしょうか。
 JALパックのような団体旅行で、田舎のおじちゃん、おばちゃんが海外へゾロゾロ押しかけ、勝手に写真は撮るわ、泥酔するわ、浴衣でホテルのロビーをうろつくわで、ひんしゅくを買ったのはつい20~30年ほど前のことです。
 次に、OLや学生が大挙して海外に行くようになりました。ブランド物を買い漁る日本人。留学しているのに仲間同士で固まって、外国語を使わない日本人。
 これも、つい10~20年前の現象ではなかったでしょうか。

 また、今でこそ日本でも著作権だの商標権だのと言いますが、1970年の大阪万博のとき、外国のパビリオンや、テーマソングや、トレードマークや、その他もろもろ、知的所有権的な視点で捉えていた日本人がいったい何人いたのでしょうか。
 そんな世の中では、日本はまだまだありませんでした。

 NHKのプロジェクトXでは、リタイアした日本人の技術者が何十年か前にある製品を開発した苦労談の中で「アメリカの先端技術に関心があったが、当時その本がどうしても国内では入手できなかった。だから海賊版を入手して、徹夜で翻訳して仲間でまわし読みしたものです。」などと懐かしそうに笑顔で語っていました。
 あっぱれ、日本のエンジニア! 研究熱心で高度成長を支えたのだ、などと褒められる話でしょうか?
 今ならもちろん、著作権法違反でしょう。

 社会にはさまざまな発展レベルがあります。中国は驚異には違いありませんし、褒められたものでは決してありませんが、2010年の日本社会と、今の中国を比較して「中国は遅れている」とあざけるのは、何か少し違うような気がします。

2010年4月24日土曜日

真面目な話、本当に美味しかった三重大学カレー



 この春からイオンでも販売することになった「三重大学カレー」を食べてみました。

 大学が自校ブランドの商品やメニューを開発し、学生や一般市民にも販売する例は、すでに全国の大学で多数見られます。
 三重大学でも津市の寒紅梅酒造とタイアップして大学名を名づけた純米大吟醸酒を作ったりしていますが、今回は三重大生協の企画によりレトルトカレーを製造、販売することになったものです。

 先日、三重大学に行く用事があったので生協に立ち寄って購入してみました。
 一つ300円。内容量は180gで普通のレトルトカレーと同じですから値段的にはかなり割高です。

 商品が生まれた経緯は・・・
 三重大学が持つ練習船「勢水丸」(320トン)が、実習や研究のための航海中に船上スタッフに提供する食事のメニューの中で、鰹節でダシをとったビーフカレーの人気が高かったため、船員、卒業生などが5種類のカレーを試作し、その中で最もおいしかったものを三重大学カレーとして発売することになったとのことです。(くわしくは三重大HPで)
 

 で、実際の味のほうですが、
 これは真面目な話、本当においしいです。
 たっぷりのジャガイモ、にんじんが入っています。牛肉はほんのちょっとですが・・・。
 そして、確かに鰹節のダシと風味がきいており、辛味はない甘口の和風カレーで、すごく食が進みます。
 みなさまも機会があればぜひ食べてみてはいかがでしょうか。

 話は変わりますが、いつも三重大学のキャンパスに行くと、その広大さに圧倒されます。
 勉強するには良い環境なのに違いないのでしょうが、果たしてこれほどの面積の土地が本当に必要なのでしょうか。
 都心の大学では複数の学部が高層ビルになっている例も少なくありません。三重大も不要な土地にマンションを建てて、高度医療や生涯学習の環境が整っていることをアピールし、高額所得者層に分譲・賃貸すれば大きな収入が上げられるでしょう。
 良い悪いは別として国立大学の運営費も厳しい財政状況により削減が進んでいます。少しは真剣に自助努力する必要があるのではないでしょうか。


2010年4月23日金曜日

志摩電子工業がnms傘下に



 先日、一部の新聞では報道されていましたが、三重県志摩市に本社を置く電子部品組み立て業の志摩電子工業(株)が、アウトソーシング部門の大手、nms(日本マニュファクチャリング・サービス)に株式を譲渡し、同社の子会社となることが明らかになりました。
 
 志摩地域は志摩電子に代表されるような、電気部品の組み立て業が比較的多いところです。
 以前聞いた話では、オイルショック期ごろに、工場の家賃や人件費が高くなった都市部から、土地代が安く、労働力が豊富だった志摩地域に移転、新設されたメーカーが多かったとのことです。

 nmsが公表した「株式会社志摩電子工業の株式の取得(子会社化)に関するお知らせ」を見ると、子会社化の目的は志摩電子の日本国内の生産設備というよりは、同社が持つ香港法人、来料加工スキーム(来料加工スキームとは、1970 年代末から香港と中国広東省の間で始まった委託加工形態で、具体的には「外国の委託企業が原材料や部品を無償で支給し、中国の受託企業がこれらの原材料や部品を完成品に加工して委託会社に無償で引き渡した後、委託企業が受託企業に加工賃を支払う」というものだそうです。)で繋がる中国工場、そしてマレーシア法人という、アジア地区の3つの重要拠点を一挙に獲得できることにあるのは明らかです。

 高率の法人税、割高な人件費など高コスト体質の日本では、工場などの生産設備を持たずにファブレス化し、大量生産型から試作や研究開発型企業への転換を目指す製造業がますます増加してくることでしょう。
 その一方で、nmsのような請負企業は、ますますビジネスチャンスが広がりますから、優秀な日本の技術を有し、コストは低い日本企業の海外生産設備は非常に有用なものでしょう。

 弱電というアジア新興諸国の追い上げが厳しい分野に顕著な問題ではありますが、日本国内の製造業が一つの曲がり角に直面していることが、はんわしの故郷、三重県南部でも実感される出来事です。

2010年4月22日木曜日

地域ビジネス起業の教科書



 農林水産業を中心として、持続可能性をキーワードに、地域経済の活性化やビジネスモデルの構築支援に取り組むアミタ持続可能経済研究所が刊行した「地域ビジネス起業の教科書」(幻冬舎)を早速購入して読んでみました。

 経済が行き詰まり、価値観も混乱して閉塞感が覆う日本社会。
 製造業を中心とした大量生産、大量消費経済は見直しを迫られ、利益追求と同時に地域課題や社会問題の解決も目指すコミュニティビジネスへの関心が高まり、持続可能な産業としての農林水産業も見直されつつあります。
 
 このことは、明治以来の先進諸国からの借り物だった資本主義経済がようやく日本的な成熟の段階に進み、利益追求のあり方や働き甲斐、働き方などが多様化し、それぞれが対立でなく、居場所を持って調和してきたためではないかと感じます。



 それはさておき、この本では、
(1)地域資源を活用している
(2)地域の活性化につながる
(3)収益性が見込め持続可能である
(4)あなたのスキルや経験が生かせる
 という4つの特徴を持つビジネスを「地域ビジネス」と定義し、過疎地、中山間地域など疲弊が目立つ地方でこそビジネスチャンスが広がっているとして、その起業をどうすべきかをケーススタディを交えながら解説しています。

 ミソなのは、地域ビジネス=農林水産業という偏狭な捉え方でなく、いわゆる田舎の地域において、そこでの生活者がどのようなサービスを望んでいるのか、そのニーズを発掘し、そこに対応していくビジネスも広く地域ビジネスと捉えていることです。
 そのうえで、農業や漁業の経験がない都市出身者でも、自らのスキルや経験を活かし、地域で起業することができるし、むしろ都会で培われた視点や人脈がアドバンテージになる、と力説しているのは大変説得力があります。

 全国各地で豊富なコンサルティング実績を重ねているアミタ持続可能経済研究所だけに、田舎を単に礼賛するだけでなく、田舎ならではの難しさ、いやらしさにも丁寧に言及し、成功例と同時に失敗例も紹介しているところはフェアな感じがします。

 本書の中にも「農山漁村で地域活性化が進まない3つの理由」が取り上げられています。
 第1は、多くの農山漁村には地域が自立できるだけのビジネスモデルが確立できておらす、地域経済が自立していないゆえに新たに人材を採用する資金もないこと。
 第2は、第1次産業における自然と一体となった地域コミュニティの文化と、第2次・第3次産業で形成された企業文化とでは本質的な違いがあること。
 第3は、地域活性化のノウハウが整理・体系化されていらず、同時に、それらのノウハウを学ぶ場が不足していること。
 があげられているのですが、これは、はんわしが2年間東紀州で暮らして経験した実感と全く一致します。
 非常な難問ですが、時間をかけ、知恵を持ち寄って一つ一つ解決していく以外にはありません。

 1200円で決して安くはありませんが、参考になる本だと思いますので、ご関心がある方は是非ご一読をお奨めします。

2010年4月21日水曜日

「創新」を見たらピンと来る



 一部の知事からは「関心がない」などと一刀両断された日本創新党ですが、はんわしは少し期待しています。
 国、地方とも財政の破綻は確実なので、景気が回復基調となった今こそ、緊急経済対策として拡大したエコカー減税やエコポイントのような財政政策を見直し、財政再建の見通しを立てないと日本は本当にヤバいことになってしまいます。社会が崩壊してしまうでしょう。
 そのためには図体の大きい「国」の方針を転換しようとするのは非常に大きなエネルギーと時間が必要です。まずは地方分権を進め、ヤル気がある自律的な地方から財政を再建し、新しい社会のあり方を組み立てていく必要があると思います。

 ところで、「創新」という言葉が政治に出てきたのが新鮮な気がしました。
 このブログでも時々取り上げているイノベーションですが、これを「技術革新」などと訳すのは誤訳であって、シュンペーターが言うような「新結合」、つまり、新しいものを結びつけて新たな価値を生むことこそがイノベーションの本質です。
 その意味で、「創新」という漢語はイノベーションを言い当てており、実際に中国語ではイノベーションのことを創新と訳しています。

 日本創新党も、ホームページには英訳党名は表記されていないようですが、英語新聞のサイトを見ると、ちゃんとJapan Innovation Partyと訳されています。

 政治にどのような「イノベーション」を起こすのか、注目したいと思います。
 同時に、イノベーションに淘汰はつきものですので、これに「関心がない」トップがいる地域がイノベーティブな変革に付いていけず、生き残り競争から脱落してしまうことを心配します。

2010年4月20日火曜日

初めてプリウスに乗ったら



 業務用のクルマのプリウスに乗る機会がありました。
 恥ずかしながら、生まれて初めての経 験でした。

 休日出勤で、イベントのある会場まで展示物を運ばなくてはならず、まずは事務所でプリウスのカギを受け取り(カギは小さな手 提げ箱の中に入っている)、事務所から5分ほど歩いた場所にある車庫までテクテク歩いていきました。

 車庫のまわりには営業車が、数十台 も整然と停まっており、休日なので、当然ですが付近に全く人影はありません。
 手提げ箱を開けてカギを取り出すと、見慣れた「クルマのキー」では なく、なんと四角くて小さなライ ターのような黒い箱が出てきました。

 こ・・・、これをどうすればいいのか・・・。
 しまった、カギをもらうとき に守衛さんに聞いておけばよかった、と悔やんだのですがまた歩いて戻る気にもならず、運転席をあっちこっち見回し、いじくり回し、普通の車ならキーを差し 込む場所であるハンドル右横付近に、ちょうどマッチ箱くらいの「くぼみ」発見。
 ここに手持ちの黒い箱型キーを差し込むとがちゃりと入って、これ でやっと一安心。しかしここですでに5分経過。

 次にPOWERと書かれた大きなボタンがあるので押したのですが、メーターは表示されて ラジオも音声が入るのに、なぜかアクセルを踏んでもスタートしない。
 なぜだろう・・・。
 サイドブレーキ(フットブレーキ)も解除した し、シートベルトもした。
 しかし発進しない。

 ・・・ここでさらに5分経過。
 知らない人が見たら車上狙いだと思われ たことでしょう。人気のない駐車場の中で車に乗り込み、ごそごそ中を物色しているのですから。

 万策尽きて、物知りの、というか、プリウ スの営業車を運転した経験があると思われる同僚に、車内から電話。
 休日の朝、「あのさー、プリウスのエンジンって、どうやってかけるの? 知っとる?」という問いかけは唐突だったことでしょう。

 しかし、おそらく声が切羽詰っていたせい でしょう。深くはわけも聞かず、「ああ、それなら、まずブレーキを踏んでください。踏みましたか? その状態でもう一回、パワーのボタン押してみてくださ い。」とアドバイスをくれました。
 すると、ウィーンとちょっと大き目の音がして、おそるおそる足をブレーキからアクセルに移すと、スルスルと発車しました。
 なんだ、これだけのことか。
 しかし、知らないということは怖い。今思い出すと、遅刻しそうであせっていて、頭が廻らな かったせいもあるのでしょうが。
 同僚に大感謝し、何とか会場へ時間までにたどり着くことができました。
 
 最近、疲れがなかな か抜けないとか、集中力が続かないとか、年齢的な体力の衰えを感じることしばしなのですが、プリウスのような革新的な自動車に対応できない自分、というの も、これまたつらい現実として再認識されたのでした。

 このブログを読んで、まだプリウスに乗ったことがない方、不安でしたらはんわしに メールください。お教えします。


 

2010年4月19日月曜日

アイスランドの噴火は「地球温暖化」も吹き飛ばす?



 地球は温暖化しているのか。
もし本当に温暖化しているとすれば、それは炭酸ガス(CO2)のせいなのか。

 これは自明のことのようではありますが、実は気象現象を科学的に解明するにはまだまだわからないこと、不確定なことが多すぎ、それゆえに「地球温暖化懐疑論」が社会で一定の説得力を持っています。

 ここ数年、人々は急激に「地球が温暖化している」と口にするようになりました。
 確かに生活実感として、自分が子供だった30年位前に比べても、夏は暑い日が多くなった気がしますし、冬も耐えられないほどに厳しい寒さの日は少なくなってきた気がします。
 気はするのですが、これも実は正確に検証されてはいません。(1年ほど前の新聞記事に、あるシンクタンクの調査では地球はむしろ寒冷化していると報道されていました。)

 今、アイスランドの火山が噴火してヨーロッパの航空運輸が大混乱しています。
 高く吹き上げられた火山灰は気流に乗り、全世界に広まって、必ずや日照不足、農産物の減収を招くことでしょう。
 これは過去からずっと地球が繰り返してきた歴史です。
 日本でも、江戸時代、数十万人の餓死者を出した天明の大飢饉は、浅間山が噴火したことが原因でした。
 このように、地球環境、気象は、寒冷期と温暖期の大きな循環や、火山活動、宇宙線、海面の温度などさまざまな要因で複雑に変化しているので、単純に、ある一つの原因で(しかも人為的な原因で)大きく変動するということは、そもそも本当にあるのか、冷静に考えてみることが必要です。

 低炭素社会といわれるものも、石油を中心とした化石燃料利権グループと、原子力など新エネルギー利権のグループ、さらに風力など自然エネルギー利権グループによる利権の対立、価値観の対立が根底にあります。
 アメリカも、前のブッシュ政権は石油利権を代表していたのでCO2論は無視していましたが、アメリカ国内の政治権力の交代劇によるブッシュ政権の誕生と、科学的には疑問点があるとしても、21世紀はCO2がビジネスになるというコンセンサスが財界にできたこともあって、一気に新エネ・自然エネ利権グループが表舞台に出てきました。つまり、これらのほうが、石油よりカネになりそうだということです。

 しかし、CO2を「地球温暖化」の犯人と捉えるストーリーにおいては、その抜本的な抑制策は、現実的には原子力エネルギーの普及しかありません。実際に日本でも、長らく封印されてきた原子力発電がCO2対策の目玉として注目を浴びていますし、原子力プラントを発展途上国に「輸出」することが将来の日本の経済成長を担う戦略として大きな題目となっています。
もちろん、風力発電や太陽光発電なども注目を浴びていますが、これらは「付けたし」であって、発電量、コスト、安定性、すべての点において経済成長を牽引する「エネルギー産業」にはなりえないのです。

 日本は、鳩山政権によるCO2の25%削減宣言によって、世界に率先して「地球温暖化論」に合流し、一時は先頭に立ったかに思われました。
 しかし、アイスランド火山の噴火は皮肉にも(高い確率で)今後数年にわたり、地球の寒冷化を招くことになりそうです。人々は生活実感として、温暖化を忘れてしまい、CO2犯人説にも懐疑的な世論が巻き返してくることでしょう。
 日本では、鳩山政権の崩壊が秒読みに入っており、公約だった25%削減も「反故」にされる可能性が限りなく出てきました。

 以上の話は、あくまでも、はんわしの頭の中の堂々巡りであって、現実は決してそうではないかもしれません。軽々には言えないし、決め付けられません。
 しかし、低炭素バブルは、案外あっけなく弾けるのではないか。
 結局、今までどおり、石油と、復活した原子力が安定成長を続けるのではないか。
 火山噴火のニュースを見て、そんな気配を感じてしまいました。

2010年4月18日日曜日

熊野市に「山里民泊あかぐら」がオープン



 昨日の、美(うま)し国みえ元気発見フェアでは、熊野市でアマゴ養殖を営むかたわら、熊野市街地からクルマで40分ほどもかかる集落、赤倉地区の地域再生に意欲的に取り組んでいる、赤倉水産の中平社長ともお目にかかりました。

 赤倉は、ハンパでない山の中です。集落への道路は一車線しかなく(つまりセンターラインがなく)、山の中を無数のヘアピンカーブをつむぎながら進みます。昼なお暗いうっそうとした木立が延々と続き、本当にこのまま進んでいて、異界へでも突き当たってしまわないだろうかと心配になってくるころに、やっと到着します。

 赤倉地区には、かつては小学校の分校もあったほどで、100名近い住民がいたそうですが、今は中平社長など数名の住民しかおらず、谷あいの山の斜面に沿って建っている家々もほとんどが空き家です。

 中平社長は、その地に30年前にUターンされ、清流を使ってアマゴ養殖を行うと共に、一帯を童集乃村(わらしべのむら)と名づけて、数年前から空き家を再生したコミュニティビジネスのプロデュースにも取り組んでいます。
 現在、アマゴ料理を一日一組限定で提供するレストラン「あまご屋」と、ジビエを使ったカレーを提供するカフェ「ちゃや」の2軒を作り、驚くべきことに、赤倉や熊野とは何の縁もない都会からのIターン者(しかも2人とも女性!)を招いてオーナーにすることに成功しています。

 ちゃやについては、はんわしの「評論家気取り」の前身のブログでもご紹介したことがあります。
 ロッククライミングが趣味で大丹倉(おおにくら。日本のエアーズロックと呼ばれている巨大な岸壁。掛け値なく絶景。)が近いという理由でご夫婦で移り住まれた方です。
 赤倉の携帯電話も届かない、ほんものの日本の原風景の中で味わう本格カレーは、必ずや至福のひと時を提供してくれますから、皆様も一度召し上がっていただければと強くオススメします。

 さて、その中平社長が新たなプロジェクトとして、空き家を改造した3軒目、今度は宿泊施設「山里民泊あかぐら」をオープンさせるとのこと。
 4月29日からのスタートで、一泊約6000円くらいを想定しているそうです。
 晴れた日は付近の散策や、ぼーっとしているだけでも日がな一日過ごせると思いますが、雨の日も赤倉水産のアマゴをつかった燻製作りなどの体験メニューを用意しているそうです。
 今さらながらネットで調べると、東紀州最大のポータルサイト「くまどこ」にも取り上げられていますし、NPO法人熊野ふるさと倶楽部なるブログにも詳細に取り上げられています。(リンクはこちら

 失礼ながら、もう決してお若くはない(ようにお見受けする)中平さんですが、どこからこのような情熱が湧いてくるのか、現場で着実な実践を重ねる自信に満ちた横顔を拝見して不思議に思ったのでした。

 なお、あまご屋は事情があって現在休業中で、新たなオーナーを募集しているようです。
 詳しくは赤倉水産のホームページを
 → http://www7.ocn.ne.jp/~mieamago/index.html

2010年4月17日土曜日

「県民の日」記念事業に‘あぶり’が



 三重県は、明治4年の廃藩置県により生まれた安濃津県(後に三重県)と度会県の2つが、明治9年4月18日に合併して、現在の姿になりました。

 百年後の昭和51年に、4月18日を「県民の日」と定め、それ以降毎年県民の日記念事業を開催しています。

 今年度は今日、津市にある総合文化センターでイベントが実施されたのですが、本日はそのアテンドに行っていました。

 美(うま)し国みえ元気発見フェアと名づけられた物産展は、県内各地から50店ほどが出店し、特産品やご当地メニューなどを販売していました。天候も回復したせいか、大変な人出でした。


 はんわしは併催された県内産業の紹介コーナーに張り付いていたのですが、休憩時間にフェアの会場をぶらぶら歩いていると、東紀州時代にお世話になった多くの企業や行政関係者が出店しており、いろいろなお話を聞くことができました。

 尾鷲市からは尾鷲観光物産協会が出店しており、現在が生産の最盛期である「あぶり」が販売されていました。

 あぶりとは、サバなどの小魚を竹串に指して軽く燻製にしたものです。
 尾鷲の入り組んだリアス式海岸に抱かれた浦々で、保存食として作られていたものだそうですが、燻製の香りと塩味がきいた絶品であり、完全に手作業で作られており大量生産できないことから、今までは地元の住民による消費が中心で、一部のグルメが入手していた以外に、広く流通することはまれな珍品でした。

 それが、梶賀(かじか)地区の婦人会有志を中心に、真空パック商品化が行われ、一定期間保存できるあぶりが販売されていたのです。
 知る人ぞ知るあぶりですが、尾鷲の春の珍味として最近新聞報道されたりしているせいか、飛ぶような売れ行きでした。(もちろん、はんわしも即座に購入しました。)

 また、尾鷲観光物産協会では「尾鷲まるごとヤーヤ便」の平成22年度の購入申し込みがスタートしたとのパンフレットが配布されていました。

 年4回、尾鷲のひもの、水産加工品、菓子類などの特産品を宅配する頒布会である尾鷲まるごとヤーヤ便ですが、22年度は21年度の年間2万円という料金が、25800円に大幅値上げされるとのことです。

 一回ごとの頒布の内容もグレードアップさせるとのことですが、デフレ時代に打って出たこの値上げ作戦。果たして吉と出るか、それとも凶と出るのでしょうか。注目されます。

 パンフレットは、三日に一魚という超人気ブログで有名な岩田昭人尾鷲市長が自ら広告塔となって登場しています。

■尾鷲観光物産協会 http://www.owase-kb.jp/

2010年4月16日金曜日

伊賀市庁舎が建て替えへ



 中日新聞(4月16日付け朝刊)によると、老朽化がかねてからの懸案だった、現伊賀市役所庁舎の扱いについて、市長は解体と新築建て替えの方針を決定したそうです。
 
 現在の伊賀市庁舎は、合併前の旧上野市役所であり、かの有名なフランスの建築家ル・コルビュジェに師事した日本人建築家 坂倉準三氏が1964年に設計したもので、実際に訪れた方はおわかりでしょうが、非常にモダンな外観であり、内部も吹き抜けが多用され、古き良き60年代を感じさせる建築物です。
 写真は、NOLI氏によるブログ建物図鑑でご覧ください。→ http://zukan.exblog.jp/4301882/

 残念ながら、このようにアーティスティックな建物に特有の使い勝手の悪さ(階段は確かに急)があることと、何より耐震性が低いということで、解体か、補強か、有識者や市民による検討が重ねられていました。(このへんは、伊賀タウン情報YOUの記事を参照してください。)

 市庁舎は市民のものであり、その議論で結論をだすほかないのですが、このような問題で不思議なのは、なぜ日本の鉄筋コンクリートの建物は、耐用年数がたかだか数十年しかないのだろうか? ということです。

 ヨーロッパでは100年前、200年前の建物が普通に使われていると聞きます。それらは石造りで、鉄筋コンクリート製ではないかもしれないけれど、それにしても1964年とは言え、それなりに構造計算もされ、公共工事として一定の技術水準で建築されたであろう建物が、短期間に老朽化し、建て替えが検討される状況になってしまうのでしょうか。

 日本の建築業界は、技術が高く仕事が丁寧であるという一般的なイメージ以上に、国際的には生産性が低い産業であるという側面も持っています。
この旧上野市役所のように、長持ちしないビルディングが日本の建築の標準なのだとすれば、せっかくの名設計も泣くというものでしょう。



 

2010年4月15日木曜日

地域ビジネスこそ「マーケティング」重視を



 三重県庁(農山漁村室)が発行した 三重の里 いなか旅のススメ2010の評判がいいようです。
 行政に多い、しょーもないブックレットと違って、題字のロゴとか写真の色合いからしてどことなく洗練された感じがあります。

 ■ホームページはこちら
 
 内容は、三重県内の農山漁村地域で、主に農林水産業を中心にした製造、加工、販売などのビジネスや、体験ツーリズムなどの観光ビジネスを行っている事業者を紹介しているものです。
 北はいなべ市北勢町の川原白瀧棚田から、南は紀宝町のウミガメ公園まで、約80ヶ所の施設やビジネスが載っており、写真やキャプションも見やすく、非常に充実した内容になっています。

 こうやって見ると、三重県にはいいところ、きれいな場所がたくさんあるなあ、とあらためて思います。また、それぞれの地域で頑張っている人たちがいるのだなあ、と感心します。
 しかし、同時に、非常に申し訳ないのですが、どれも「似たり寄ったり」であるという印象は否めません

 農作業を通じて地域の人々と体験できる。きれいな渓谷でキャンプや川遊びができる。美しい山並みをトレッキングできる。オーナー制度で田植えや稲刈りが体験できる。などなど。
 どれも楽しそうだし、魅力的です。
 しかし、これだけ、ドドーンと80も事例が並んでいては、この中で差別化でき、個性をアピールするのは並大抵のことではありません。

 ここ数年で、全国で急速に地域資源活用ビジネスが浸透してきましたが、このことは同時に、日本中に無数のライバルが次々誕生してくることを示します。
 しかも悪いことに、地域ビジネスは一般的に製造業などの産業が手薄な地域(中山間地域や離島など)の生き残りの道でもあるために、行政による多額の補助や支援が入っているケースも多く、規制に縛られて自由なビジネス展開や機動性が発揮しにくいといったマイナス面も抱えています。
 客観的に見て、これから巻き起こるであろう厳しいビジネス競争に、果たしていくつが勝ち残り、自主的な収益で活動を継続させていくことができるでしょうか。

 重要なのは、やはり「マーケティング」です。
 マーケティングというと、商品やサービスを売るために、市場を調査すること、というイメージがありますが、これは正しくありません。
 売れる商品やサービスを作ること。
 これがマーケティングです。

 そのためには、
・誰を顧客にするのか
・その顧客は何を求めているのか(ニーズ)
・そのニーズに、自分は何で応えていくのか
 がハッキリしていなくてはいけません。
 そのうえで、それをビジネスモデル、つまり収益が上がる仕組みに落とし込んでいく必要があります。主力となる商品づくり、価格設定、プロモーションなどの問題です。

 往々にして、地域ビジネスは「地元有志の善意による活動」であったり、「行政からバックアップを受けた活動」であったりして、マーケティングが不十分なまま商品やサービスを作ってしまい、後から売るのに苦労する例があとを絶ちません。

 地域ビジネスにこそマーケティングが重要です。
 行政や、商工会議所、商工会といった支援機関は、カネでなく、その点をしっかりサポートしてあげていただきたいと思います。

2010年4月14日水曜日

未婚者、非正社員男性は「幸せ」割合が低い?


 伊勢新聞(4月14日付け)の記事から。

 三重県が、県内に住む30代の男女を対象としてインターネットによって行った「県内30代の実態調査」結果によると、

・30代前半の36%、30代後半の29%が独身
・独身者の8割は結婚意向があるが、5割が「出会いがない」「収入が少ない」と回答している
・世帯収入は400万円殻00万円未満が21%で最も多い
・男性の8割が正規雇用で、6%は非正規雇用
・女性の2割が正規雇用で、3割が非正規雇用
・親世帯と同居している75%が生活費の半分以上を負担してもらっている

 などの概要となったようです。

 また、「幸せを感じている」「どちらかといえば幸せを感じている」と答えた「幸せ層」の割合は全体の8割にのぼったが、結婚、子供の有無、年収などの属性で見ると、
・「配偶者あり」は9割が「幸せ層」だったのに対し、「配偶者なし」の「幸せ層」は57%
・「子供なし」「男性非正規雇用者」「年収300万円未満」でも、「幸せ層」の割合は低い
 という傾向があるとのことです。

 もちろん、ここで重要なことは「何が幸せか」ということです。

 日本は資本主義社会なのですから、普通に考えて、年収は少ないより多いほうが良いでしょう。
 厳格な家族主義ですから、配偶者なしや、内縁関係よりも、「配偶者あり」で、願わくば(法的な)婚姻関係ありのほうが歓迎されます。
 それはそうなのでしょう。
 そうなのでしょうが、反対に考えると、「配偶者なし」でも6割近くは幸せを感じているわけで、現実としてこの数字が、社会的に捉えて多いのか少ないのか、どうなのか、を議論すべきではないかと思います。

 ちなみに、はんわしの職場にも独身で親と同居し、非正規雇用(パート)の30代女性がたくさんいますが、その反応の多くは「人それぞれじゃないですか?」という、しごくまっとうなものでした。

2010年4月13日火曜日

「きほく地魚マップ」を見る




 紀北町役場の方から、紀北町観光協会が発行したきほく地魚マップなるパンフレットを送っていただきました。

 A3版、二つ折りの見開きで、安うて うまぁて 買える お店紹介というサブタイトルが示すとおり、紀北町の紀伊長島地区、相賀(あいが)地区を中心に、地元の魚料理が食べられる飲食店や、鮮魚・ひものが買えるお店、全42店のデータと地図が掲載されています。

 内容はPDFファイルにより、紀北町観光協会のHPでも提供されています。ぜひご覧ください。

 紀北町に限った話ではありませんが、田舎に観光に行くと、景色は良いし、環境は良いし、とっても良いところだったけれど、お金を使う場所がなかった・・・という体験を、はんわし自身もよくしましたし、そのような声もよく聞きます。

 ちょっと一服したいと思っても喫茶店もなく、なんだか、やっているのかやっていないのかわからない、全然ウエルカムでない食堂がぽつんとあったりして、一見客としてはとても中に入る勇気も出ず、公園のトイレも使い、ゴミも捨てさせてもらったのに、結局、地元で落としたカネといえば自販機でお茶を買ったくらいだった、という体験は皆さんにもよくあることではないかと思います。

 これは、観光地としての受け入れ態勢うんぬんの話以前に、その地域の「消費生活度」、ずばり言えば「都市的文化度」のあるなしに関わっている気がします。

 今では斜陽とはいえ漁業が盛んなりしころ、紀伊長島、相賀ともかつては大変に繁栄し、町並みには今でも往時の面影が色濃く残ります。
 住民はきわめて都市的なライフスタイルを持っており、外食文化とか、服飾文化とかが意外に発達していて、いまでもその名残は見受けられます。
 時に利あらずして、人口は減少し、都市集積は衰退していますが、丹念に地域を見ると、魚の食文化を担う料理屋さんや魚屋さんが数多くあります。
 それは決して観光客向けの「よそ行き」の店ではなく、あくまで地元のお客に向けた「都市的な」産業であり、地域を訪れる楽しみは、まさにこのようなお店との出会い、消費文化の発見にあるような気がします。

 今後、紀北町観光協会がこのマップをどのようにハンドリングするのか、あるいは、掲載されたお店がどのように頑張っていくのかは不分明な点もあります。
 よくある一過性の線香花火でポッと消えてしまう可能性もなくはありません。東紀州は数え切れないほどこのパターンを繰り返しているからです。

 この42軒の食べ歩きをブログに書いてリレーしていくっていうの、誰か一緒にやりませんか?

2010年4月12日月曜日

ICTで医療を変える「三重医療安心ネットワーク」




 三重県のホームページによると、
 三重大学医学部附属病院と三重県は、ネットワーク回線を用いた医療連携システム(ID-Linkシステム)を、県内の6病院(三重大学病院、三重中央医療センター、鈴鹿中央総合病院、松阪中央総合病院、済生会松阪総合病院、紀南病院)に整備し、がんをはじめとした各地域連携クリティカルパスの円滑な運用及び、県内における安心・安全かつ切れ目のない医療提供体制の充実をめざすことを目的として、「三重医療安心ネットワーク」を設立した
 とのことです。
 ちなみに、この事業には総務省と厚生労働省の交付金など約1.3億円が財源に使われています。

 医療分野にICTを導入し、コスト削減や生産性を向上させようとする提案は過去から色々あり、実際に試験導入された例もいくつかあります。たとえば、離島の診療所と大学病院をパソコン通信で結んで画像データをやり取りするシステムなどもありました。
 しかし、大きくは普及していません。
 導入費用の大きさに比べ診療報酬で加算される額が少ないこと、極めてプライバシー性が高い医療データの流出防止、データを使う医療スタッフのスキル向上など、普及に向けたネックはいくつかあります。
 しかし、せっかくのICT技術も現場で普及しなければ絵に描いた餅に過ぎませんし、同時に、現場で普及させるためには、それによって仕事の効率が劇的に良くなるとか、患者や医療スタッフの負担が劇的に軽減されるような、現場にとっての具体的なメリットがなくてはいけません。
 多くの先端技術が現実のイノベーションにつながらず、製品化や普及に至らない理由はこのためで、この「三重医療安心ネットワーク」のような技術と現実の橋渡し事業が、今後はますます重要になってくることでしょう。

 冒頭の「クリティカルパス」はわかりにくい言葉ですが、「がん」なら「がん」といった、具体的な病気に対する「治療の手順」と理解すればいいでしょう。
 たとえば、ある病気で入院したら、まずどのような検査をするか、次にどのような処置をして、どのような経過観察をするか、ということを病院共通の標準的な手順として定めておき、患者の容態や個性に合わせて運用していくものです。
 よく言われるように、医師は卒業した大学の学閥によって、同じ病気に対しても、検査項目、判断基準、手術の方式、経過措置などにばらつきがあります。流派のようなものです。
 昨今のように患者側の意識や知識も高まり、情報化も進むと、「医師の流派に従った診察方法」でなく、標準化し共通化した治療方針が不可欠になります。
 このことが手順のミスによる医療過誤を減らし、結果的に治療費も安く済ませることにつながります。

 診療データの共有化は、各病院による重複した検査や投薬を防ぐことができ、医療安全上も大きなメリットがあると思われますが、これをさらに進めることによって、不必要なドクターシッピング、(つまり、患者が診療内容に納得せず、あるいは医療機関を信用せず、多くの診療所や病院を「ハシゴ」すること)を防止することもできるかもしれません。
 医療費の増大が将来の財政を破綻させる可能性が大きい中で、この面からも医療のICT化をますます促進させるべきではないでしょうか。


2010年4月11日日曜日

豊受大神宮の神徳により風邪を治癒する



 週の後半から風邪をひいてしまいました。

 特に金曜日は絶不調で、土曜日は完全にダウン。
 久しぶりに、本当に何年ぶりかで、丸一日、家で臥せっておりました。

 おかげさまで今日はやや快調になり、身体も動かしてみたくなったので、近所の伊勢神宮外宮(げくう)へ散歩に行きました。

 すると・・・はんわしの散歩定番コースの勾玉池(まがたまいけ)散策道が通行止めになっていました。

 
 そうか、そういえば、伊勢神宮の運営母体である神宮司庁が、平成24年をめどに「せんぐう館」なる資料館を建設するというニュースがあったなあ。


 この近くに建つのか・・・などと思いながら外宮参拝。

















 外宮の境内は桜が少なくて派手さはないのですが、木々の芽吹きに春本番が感じられました。


 外宮の祭神 豊受大神 の御神徳か、散歩の後からすこぶる元気になったはんわしなのでした。

2010年4月10日土曜日

驚異の確率でカップイン! これはパターの革命やぁ!



 最近、仕事がとみにデスクワーク中心だったのでブログに書く機会がなかったのですが、久しぶりに中小企業の現場ネタを。

 昨年度は、「消費者モニターの声を生かして、中小企業の新製品開発にフィードバックしていく」ための、消費者モニター活用型開発支援事業というのを行っていたのですが、わりと面白い商品がいくつか出てきました。

 その中で、今日は驚異の確率でカップインするゴルフパター(商品名:PTスナイパー。製造元:豊和電器工作所)をご紹介します。
 一目見て特徴だとわかるのは、通常の、横を向いて打つスタイルのパットではなく、カップの方向に体を正面に向けて打つ「サイドサドル方式」であるということです。
 はんわしはゴルフをしないので、今ひとつ説得力がない話であることはあらかじめ告白しておきますが、ティーショット、アプローチと順調に行き、グリーンの上で最後の最後、パターを外してしまうのは、ゴルファーにとって悔しくて仕方がないことだそうです。

 そこで、自らもゴルフ愛好家である豊和電器工作所の社長が、昔からこういうスタイルはあったものの、現場のゴルファーにはなかなか普及していなかったサイドサドル方式でパターを作ったら、初心者にも使いやすい百発百中のパットができないかと開発を始めました。
 地元の津北商工会もバックアップしており、平成20年には経営革新計画の三重県知事承認も取得しました。
 さらに昨年10月には東京の中小企業総合展に出展したところ、なんとWBSの「トレンドたまご」に取り上げられました。

 県が行った「消費者モニター活用型開発支援事業」では、まだあまり一般的でないサイドサドル方式そのものを、一般のゴルファーにどう関心を持ってもらい、普及させていくかがポイントになりました。

 一般ゴルファーのほか、レッスンプロ、マスコミ関係者などにもモニター調査し、その成果も踏まえて今春から本格的にプロモーションをしていくことになっています。

 ゴルフが趣味の方で、パットに自信がない向きは、ぜひ一度 驚異の確率でカップインするパター PTスナイパーをお試しください。 

 You tubeにも関連動画がありました。



 ■豊和電器工作所(津北商工会のホームページ)
   http://compass.shokokai.or.jp/24/2420130024/

2010年4月8日木曜日

新党ブームから得られる教訓



 ただ今の、新党が次々と生まれている状況は、十数年前にも、新党さきがけとか、新生党とか聞きなれない政党が色々出てきて、政治家たちが議席を死守せんと離合集散を繰り返していた、混沌とした政治状況と重なります。

 この新党ブームからどんな教訓が再確認できるでしょうか。

 一つは、間違いなく、これらの「新規参入」が政治を活性化させるだろうということです。
 既存の政党はデパートのようなもので、色々な政策が寄り集まっている巨大な組織です。これは、馬力はありますが、細やかなニーズに対応できないし、潜在的なシーズも掘り起こすことができません。
 そして、このことが、現在の閉塞した政治状況~「支持政党なし」という層が圧倒的に多い~につながっています。
 これに対して、新党(その多くはミニ政党です)は「カテゴリーキラー」で、一点突破、全面展開が生まれる可能性が物理的にたくさん生まれます。

 この「可能性がたくさん生まれること」こそが、イコール、「活性化」なのです。
 つまり、いかなる場合であっても、ある状態を活性化する決定打は「新規参入」の増加以外になく、この手法はあらゆる場面、あらゆる市場、あらゆる組織にも応用できるということです。

 もう一点は、当たり前ですが、新たしく誕生した、あるいはこれから誕生する政党のうち、どれが国民の支持を得て生き残るのか、逆に、それとも夢とついえるのかは、誰にもわからないということです。
 絶対成功のセオリーはありません。
 ましてや福祉や経済など特定の政策に特化した政党だからといって、老人や労働者など特定の支持層に特化した政党だからといって、資金力がある政党だからといって、清潔な党であるからといって、そのことが成功の可能性を高めるのか、それとも下げるのかは誰にもわからないということです。

 このことも、あらゆる事象に共通することのように思えます。

2010年4月7日水曜日

ソフトピアジャパンとイノベーションセンターの差



 岐阜県大垣市にある「ソフトピアジャパン」が、がぜん脚光を浴びています。
 
 はんわしの知るところでは、平成8年、バブルが崩壊し日本経済の前途は多難になり始めていたものの、まだ「何とかなる」という楽観的な雰囲気も色濃かった時期、岐阜県の肝いりで、IT産業振興のための拠点として、超バブリーなビルディングとともに設立された財団法人です。

 Windows95の発売によって、パソコン、インターネットの普及が急拡大し、一流企業の広告にはURLが併記されることが多くなり、名刺にEメールアドレスが載っていると「進んでいるヒト」という印象を与える、そんな時代でした。

 マイクロソフトに代表されるIT企業がアメリカ経済の主役となり、ITこそ次世代の産業産業の中核になることは間違いないと思われていました。
 パソコン本体などハードウエアではなく、サービスを提供するためのソフトウエアや、メカを走らせる「組み込み」ソフトウエアにこそIT時代の本質があることに、「ものづくり神話」に囚われていた日本人がやっと気づかされたのです。
 ソフトピアは、中部経済を頭脳集約的なソフトウエア産業に構造転換していく先兵と期待されたのです。

 しかし、その後、IT産業はいくつかの小さなバブルが破裂し、ついに日本では優位性が発揮できないまま低迷を続けます。ワープロソフトの一太郎のような和製ソフトのヒット商品はなかなか現れませんでした。
 地方からはルビーのようなプログラミング言語も生まれましたが、それがメジャーなポジションを占めるには至っていません。

 反対に、中部経済は「ものづくり」に回帰していきます。
 トヨタが世界最大の自動車メーカーになり、生産拠点の国内回帰ブームに三重県が率先し、亀山市に当時世界最大の液晶工場を誘致しました。円安のせいもあって中部地域の経済は絶好調を迎えました。
 そして、リーマンショック。
 ご破産と願いまして、いまやっとボチボチ光明が見えています。

 しかし、ソフトピアは再び輝きを放っています。
 iPhoneのアプリケーションソフトの開発会社が集中入居しているのが、ソフトピアによる戦略的な誘致とか育成の結果だったのかはよく知りません。
 しかし、人気アプリ「イマココ!」のFEYNMANとか、多くのソフト企業の拠点となっているのは、結果的にしろ、10年以上にわたってインキュベーションの役割を担ってきた成果だと思います。

 一方で、三重県は高度部材イノベーションセンターが先日ほそぼそと増築されました。相変わらず、次世代自動車だの航空機だのの部材を研究開発し、産業を高度化するとか言っています。
 
 この、絶望的な彼我の差・・・・・・

2010年4月6日火曜日

三重県庁近くにワンデイシェフ・レストランがオープン



 三重県はコミュニティビジネスの最先端地というわけでは決してありませんが、いくつかのユニークかつ先進的なコミュニティビジネスのビジネスモデルを生み出している土地です。

その代表的な一つは、ワンデイシェフ・システムによる地産地消のレストランでしょう。
四日市市の海山裕之さんが創始者で、みずから主宰する「こらぼ屋」のビジネスモデルは全国の心ある人たちに広まっています。

さて、そのシステムを使ったレストランが、津市で5月6日、オープンします。
店の名前はO+(オー・プラス)

三重大学の学生が経営しているカフェバーとして有名ですが、津市NPOサポートセンターがその場所を平日の昼間だけ借りて、ワンデイシェフ・システムにより、一般市民によるシェフたちが日替わりでランチを提供するレストランをスタートさせるのです。

2010年4月5日月曜日

幸福度調査は悪くない



 成長戦略か、成熟戦略か。
 単純な二者択一は難しいのですが、巷間よく言われるように、何が何でも経済成長しないと人は豊かに暮らせない、という掛け声に懐疑的な人は、おそらく今の日本社会で相当な数がいると思います。

 確かに経済成長しないということは、社会全体が生む付加価値がどんどん減少していくのと同じことなので、「今日よりも貧しい明日がある」という世の中になることは確実です。
 
 しかし、これまた言い古されたことですが、飽くなき成長を求めても、生活実感としてこれ以上豊かな生活になる(=生活レベルが向上する)ということも信じられません。

 新幹線が300km運転になる。東京に着くのが10分早くなる。それがどうしたのか。
 収入が増えて欲しいものが買えるようになる。でも、皮肉にも欲しいものはない。

 消費生活は飽和点に達しています。今後も紆余曲折あり、バブリーな局面の再来もないとは断言できませんが、トレンドとして所得や消費に価値を見出すケースは少なくなるはずです。

 政府の役割として、国が進むべき方向性を大まかにでも示していく、ということがあるわけですが、社会進展の大きな動機付けの一つであった所得や物質の豊かさが相対的に低下している中、本当に社会全体で取り組むべきことは何なのか、立ち止まって考えてみることも必要ではないでしょうか。

 悪評紛々ですが、はんわしは鳩山サンが言った国民の幸福度調査って、それほど悪くはないと思います。
 むしろ、
 国民の幸せは結局所得の大きさだ
 いや、心の豊かさだ
 などという水掛け論を脱却し、共通の土台で国の将来を語り合う材料とするために、幸福度調査、やったらいいと思います。
 
 もっとも、現在も「国民生活調査」だったかで似たような調査はしていますし、そもそも実行力のない鳩山内閣ですから、仮に国民の大多数が幸福を経済的豊かさでなく、心の豊かさに求めていたとしても、「成長戦略」を止めることはないような気がするので、その意味ではやってもやらなくても同じかもしれませんが・・・・

 日本人って、「何が幸福か」とか「守るべき倫理は何か」「道徳をどう教育すべきか」という本当は重要なテーマについて、わりと個人の自由だとか、個人の心の持ちように矮小化してしまう傾向があると思うのだけれど、これこそ本当は社会全体で繰り返し繰り返し議論すべきことではないでしょうか。
 社会が成熟するとは、こういう議論が日常的にされるようになる(青臭い書生論だと軽蔑されることなく)ことなのではないでしょうか?

2010年4月4日日曜日

「休暇分散化」は内需拡大策としてはアリではないか?



 ずっと昔から、自他共に、日本人は「よく働く民族」として認められてきたと思います。
 天然資源のない国である日本は、原料を輸入し、それを加工して製品にし、外国に輸出することでしか経済発展はない。そのためには人材こそが資源なのであって、労働こそが尊いのだと。
 これは多分その通りなのでしょう。

 しかし、経済や労働に関する各種の統計を各国と比べてみると、日本人の労働時間は世界的に見てずば抜けて多いものではありません
 ついでに言うと、生み出した付加価値を労働投入量で割った「生産性」についても国際的に見て高いほうではありません
 一方でサラリーマンの有給休暇の使用率はずば抜けて低く、「遅れず」「休まず」「仕事せず」という姿が、(少なくとも国際統計上は)日本のホワイトカラーの代表的な姿となっています。

 もちろん、これには理由があります。
 和をもって尊しとなす日本型社会は、組織(勤め先)に対していかに忠誠を尽くすか、もっと言えば、忠誠を尽くしていると周りの人に思わせるかが重要なポイントになります。
 皆が残業しているのに自分だけが帰るわけに行かない。
 忙しい時期に自分だけが休むなんてできない。
 というサラリーマン心理は社会常識となっており、観光業や運輸業、宿泊業といったサービス産業では、この社会常識が逆に生産性の低下を招いています。
 つまり、正月やGW、お盆といった社会的に認知された特定の時期以外にまとめた休暇をとることは事実上困難なため、混んでいるとわかっていて電車や高速道路に乗り、高いとわかっていてホテルや温泉旅館に泊まります。そうせざるを得ないからです。
 
 この問題を「休日分散化」によって改善しようとする意欲的な試みが、国土交通省観光庁が全国8地域で実証実験を行う「家族の時間づくりプロジェクト」です。
 観光庁のホームページによれば、プロジェクトの内容は
 地域において、企業の有給休暇取得促進と学校休業日の柔軟な設定により、大人と子供の休みのマッチングを行い、家族の過ごし方の変化等をアンケート調査して、家庭・学校・地域等にもたらす教育・社会的効果などを検証する。
 というものです。

 実証実験が行われる地域の一つ、三重県亀山市では、市内の全公立小・中学校で4/30(金)を休みとし、GW期間中に7連休(4/29~5/5)を設定し、効果が検証されるようです。
 もちろん、学校は休みになっても親御さんが休暇を取れなくてはあまり意味がありません。その点は、企業にも休業や休暇取得を働きかけるということなのでしょうか。

 休日の分散化には、いろいろな課題が出てくることと思います。
 冒頭書いたように、日本社会独特の勤労観もあります。客観的なデータを使って、長時間労働(拘束)が必ずしも生産性向上につながっていないことを粘り強く国民に理解させていく啓蒙も必要でしょう。
 いわれや由来のある祝日の日取りを変えてしまうことに心理的な抵抗もあるでしょう。業種によっては分散休暇が難しい企業もあるでしょう。それぞれに難しい問題です。

 しかし、大きなパラダイムシフトが起こっている現代日本社会です。
 内需拡大の大きな柱である観光産業やレジャー産業の需要を創造するためには国民的な取り組みが必要であり、その意味では今回のプロジェクトをきっかけとして、休日分散化を断行することはやむを得ないと思います。
 今、このことに取り組まなければ変化は生まれないし、これ以上、変化も変革もない世の中が続けば、日本の沈滞は固定化し、退化を始めてしまうことでしょう。
 何かをやらなければいけません。動かなければ溺れてしまうのです。

2010年4月3日土曜日

日米親善人形「ミス三重」里帰り展に行った



 何年ぶりかで、ミキモト真珠島に行きました。
 現在ここで、答礼人形「ミス三重」の里帰りを実現させる会の主催による展示が行われているので、それを見に行ってきたのです。

 昭和2年、アメリカから日本の子どもたちへの「親善大使」として約1万体の人形が贈られました。
 当時アメリカでは、日本人などのアジア系移民の急激な増加が社会問題になっており、一部に日系人の排斥などの動きが起こっていました。
 一方では日本も軍備を拡張して中国大陸への進出をうかがうなど、日米両国の緊張が高まっていたことから、次代を担う子どもたちの親善を深めようと、両国の民間有識者の発案により人形が贈られたのです。

 青い目の人形たちは全国の小学校に配布され、子どもたちから熱狂的な歓迎を受けたそうです。ほとんどの子どもたちは実際に白人など見たことがなかったでしょうから、人形とはいえ、ずいぶんハイカラに感じたことでしょう。
 同じ年の冬、今度はその答礼として日本から日本人形約50体がアメリカに送られます。
 人形は各府県の代表として製作され、三重県からは三重子と名づけられた、オカッパ頭、振袖を着た人形が、これまた熱狂的な送迎を持ってネブラスカ州に届けられたのでした。

 十数年後、不幸にして両国は戦争を始めます。
 親善大使だった青い目の人形たちは鬼畜米英の排撃運動の中で、多くは壊されたり焼かれたりし、ごくわずかが今に伝えられています。
 一方、アメリカは答礼人形を大切に保管しており、三重子もミス三重として今に伝えられていました。
 このたび、その人形がネブラスカから三重県に「里帰り」することになり、県内各地を巡回展示しているものです。(47clubのホームページにこの展示会の記事があります。)

 史料的にも非常に貴重なものであり、大変勉強になりました。
 鳥羽市のミキモト真珠島での展示の後は、志摩市や尾鷲市などでも展示があるようですので、ぜひご覧いただきたいと思います。

 ■答礼人形「ミス三重」の里 帰りを実現させる会
  http://www.zb.ztv.ne.jp/missmiehomecoming/

 当時にあっても日米間の友好に尽力した人々がいたこと、青い目の人形が全国各地の小学校で大歓迎されたこと、それが戦時下になると一転して排撃されたことなど、月並みな感想にはなりますが、熱しやすく冷めやすいとか、ムードに流されやすいとかの日本人のエモーションは、昭和初期とどれほど変わったのか、それとも変わっていないのか、など深く考えさせられました。

 後付けの理屈では、罪もない青い目の人形を子どもたちに焼かせるなどは愚かな行為としか言いようがありません。しかし、日本も空襲などで無辜の国民が被害を受けていたことを思うと、自分が同じ立場で冷静であり続けられたかは自信がないところです。

 また、実物を見るとよくわかるのですが、青い目の人形はセルロイド製(?)の幼児向け玩具レベルの人形であるのに対し、ミス三重は堂々たる市松人形で、技術の粋が凝らされ、製作費も巨額でした。
 アメリカがミス三重を保管していたのは、美術品としての価値が高かったせいであることも間違いないと思います。つまり、一概に日本人は度量が狭く、アメリカ人は広い、というものでもなかったのではないかとも感じました。

 しかし、人形を展示していたアメリカの博物館では、あえて戦時中に、「現在は戦争状態だが、我々はそれでも日米の親善を信じて、この人形を展示している」のような主旨の説明文をつけていたとの事実を知ると、やはりアメリカの奥深さを感じざるを得ません。
 
 みなさんは人形たちを見てどうお感じになるでしょうか。


 

花見で撃沈



 昨日は津市の偕楽公園(かいらくこうえん。水戸にある偕楽園とはもちろん別モノ。)で花見でした。
 で、撃沈。
 
 朝起きて、中日新聞を見たら、例の「尾鷲市の海洋深層水が1ヶ月近く取水できない状態になっている」事件(事故?)の記事が載っていました。
 何しろ深海での出来事なので原因もよくわからない状態のようです。
 尾鷲市は海洋深層水を活用したまちづくりや企業誘致などを進めていた矢先だっただけに、一日も早い回復を祈らずにはおられません。

 ■尾鷲市ホームページ みえ尾鷲海洋深層水をご利用のみなさまへ「報告」

 一方で、三重県の公表によると

 東紀州観光まちづくり公社は、平成21年熊野古道来訪者数(推計値)について発表しました。  平成21年の来訪者数は200,595人で、平成20年来訪者数148,847人と比較して、51,748人の増加(対前年比34.8%増)となりました。  熊野古道伊勢路が平成16年7月に「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界遺産に登録された後、毎年15万人前後で推移していましたが、平成21年は大幅な増加となりました。  この要因は、熊野古道の世界遺産登録5周年を記念して、東紀州地域の市町や地域住民、関係機関、三重県が連携して様々な事業を実施したことなどによると考えられます。

 とのことです。(詳しくは三重県のホームページを)

 先日、馬越峠に行った時のブログにも書いたのですが、最盛期の数年前に比べると、熊野古道伊勢路のうちでも番の人気コースである馬越峠の集客にも、いくらか「かげり」があるように思えました。
 しかし、今回の調査を見る限り世界遺産のイベントなどの好影響もあったのか、一定の定着はしてきたと見るべきなようです。

2010年4月1日木曜日

今年度の目標は「成長戦略から成熟戦略へ」



 4月、2010年度がスタートしました。
 今年度もお引き立ていただきますよう。

 職場も大幅なメンバーチェンジ、人事異動があり、ただでさえ年度末、年度初めで事務が立て込んでいるなかで、正直言って新人さんが入ってくるのはつらいものがあるのですが、これもこの稼業の習い。
 自分だって、右も左もわからない職場に人事異動し、仕事も覚えなくてはならず、人間関係も作らねばならず、けっこうな苦労を何度も味わいましたから、今は新人さんが一日も早く戦力になるように努力していきたいと思います。

 さて、このブログをご愛読いただいている方には、何を今さらということになるのですが、あらためて本年度の目標を書くとすると、成長戦略から成熟戦略への転換ということになります。

 閉塞する日本経済において何より必要なのはイノベーションですが、多くの識者が言うように、技術開発(インベンション)がイノベーションになり、成長に貢献できたのはもはや過去のことです。
 もちろん、成長しないわけではありませんし、成長分野も確かにあるのでしょうが、それを国や自治体が出した「成長戦略」により、民間の投資を促進させて実現できるなど、極めて難しい状況です。

 むしろ、人口減少、高齢化、過疎化などの社会的な課題を所与の条件とし、そのような中で新たな需要を開拓していくとか、課題解決を目指していくビジネスが重要なのではないかと思います。

 日本社会は成長から成熟のステージに移っています。産業も成熟産業とでも言うのか、成熟したマーケットをターゲットにしたビジネスモデル構築が必要です。

 ただ、現実には成長志向は官民ともに根強いものがあり、一朝一夕に変化するものでもありません。そのあたりの具体策、実現策をじっくり考える一年にしたいと思います。