2010年6月30日水曜日

多数意見が必ずしも正解ではないっちゅうこと



 サッカーファンのみなさまはご苦労様でした。
 ワールドカップも、直前まで岡田ジャパンは連戦連敗で、監督の進退論まで出ていたほどなのに、今回の予想外の奮戦によって世間の空気はいっぺんに豹変しました。
 はんわしにとっては、あまりよくわからないサッカーの試合内容よりも、この熱しやすい日本的なエモーションのほうがよほど興味深い2週間でした。

 ダイヤモンドオンラインの人気コラムSPORTSセカンドオピニオンの5月18日付けの記事は「W杯直前でも全く盛り上がらないのは、日本のサッカーファンが成熟した証か」という内容でした。
 この中に、ライフネット生命保険(株)が行った「FIFAワールドカップとキャプテン翼に関する意識調査」が取り上げられています。
 ここでキャプテン翼が出てくるのは、このマンガこそクールジャパンの代表的なコンテンツで、世界のサッカーファンの大部分が知っており、いわば共通言語となっている作品だからです。
 くわしくはこちらを。

 それはさておき、このアンケートによると、今大会での日本代表の成績について、58.5%が一次リーグ敗退と予想
 また、一次リーグで対戦する相手、対オランダ戦は68%が負け、対カメルーン戦は45.5%、対デンマーク戦は41.2%が負けと予想しており、3試合ともこれに次いで多いのが引き分けという回答で、勝つと答えている人はほんのわずか。
 次に、活躍を期待する選手という問いには(複数回答可)、中村俊輔と答えた人が46.6%で1位、2位は本田圭佑の33.8%で、以下3位=稲本潤一、4位=中沢佑二、5位=遠藤保仁、6位=松井大輔、7位=田中マルクス闘莉王、8位=平山相太、9位=森本貴幸、10位=楢崎正剛という結果とのことです。

 このアンケートの回答者は比較的コアなサッカーファンらしいので、この時点では世間的な一般見解を代表していたと考えて差し支えないでしょう。

 さて、以上から、無理やりにマーケティングの話にもって行きたいと思います。

 すなわち、多数意見が必ずしも正解ではない、ということです。
 お客さんの意見を聞くのはとても大切なことで、あらゆる商品開発、サービス開発の土台となることです。
 しかし、失敗したビジネス、没落した企業をよく検証して見ると、お客の声を無視したり軽視した結果そうなったという例は実はあまりなく、経営者は、丁寧にお客の声を聞き、クレームに耳を傾け、誠実に対応しようとした。それゆえに「失敗した」のです。
 これは、イノベーションのジレンマにも取り上げられているように、現在のお客しか視界に入らないようになってしまい、今までのやり方の延長線上で問題を解決しようとしたことに原因があります。
 現実の変革は、アンケートをする側、答える側とも全然予想しない全く新しい方向から、全然予想しない全く新しい形でやってきます。そして、あっという間に現状をひっくり返し、トップ企業を席捲していくのです。

 アンケートは、謙虚にお客に耳を傾けると同時に、アンケートする側も一定の「仮説」を持っており、それを検証するという視点がないと、あまり意味がない(むしろ有害)ということを再認識する必要がありそうです。


 

2010年6月29日火曜日

伊勢自動車道・紀勢自動車道 無料化の一日目は



 昨日は、このはんわしの「評論家気取り」が始まって以来、最高のアクセス数がありました。
 とは言え300ほどのページビューに過ぎないわけではありますが。

 どうやら、ヤフーで「伊勢自動車道無料化」と入れると、今年2月2日に書いた「伊勢自動道・紀勢自動車道が無料に!」が上位に出てくるためのようです。
 SEOにあたっては、自分に最も有利になるような検索キーワード選びがまず基本なのですが、今回はそんな下心もまったくなく、なんとなくタイトルをつけていたので、まさしくひょうたんから駒のアクセス増加。 
 グーグルに肉薄されているとは言え、ヤフーの検索エンジンとしての影響力の大きさを改めて実感しました。

 それはさておき、県内の各メディアが無料化実験開始後の主要ICの様子をルポしています。
 一番おもしろいのは伊勢志摩経済新聞で、この記事によると
(国土交通省が)伊勢自動車道の津と久居間にある調査地点の交通量を測定。9時までは8,200台が1万700台に(130%)、12時までは1万3,700台が1万 9,000台(139%)、24時までは3万台が4万5,000台(150%)にそれぞれ増加し、全国対象区間の中で最も交通量が多かった。
 とのことです。
 そして、一般の(ETCでない)ゲートで発行された領収書に、「通行料金¥0」と印字されている写真まで載っていて、なかなかマニアックな切り口で迫っています。(リンクはこちら

 伊勢道、紀勢道とも、平日は通勤利用者などによる津や久居ICでの混雑が予想されますが、問題なのは土日祝日の下り方面、すなわち伊勢志摩や尾鷲熊野へ向かう観光客による渋滞です。観光地の混雑は天候にも大きく左右されますが、7月2日、3日、4日あたりの最初の週末が注目されます。

 周辺市町では、無料化に便乗した観光キャンペーンを行うところも出てきたようです。
 紀勢自動車道の終点、紀勢大内山ICから国道42号線で約15分ほどの紀北町では、「ラッきーほくホクキャンペーン」なる観光キャンペーンを行っています。
 週末にどこか行こうと考えている方はご覧になってみてください。(リンクはこちらです。)

2010年6月28日月曜日

K県A市の問題は地方劣化のさきがけではないか



 九州南部のK県にあるA市の市長の独断専行ぶりが大きなニュースになっています。
 A市は人口2万4千人。
 市長は公平公正な選挙のもとで市民自身が選んだわけですから、ある意味で現在の姿勢の混乱も責任は市民にあると言えなくもありません。
 このようなローカルな紛争に多いのは、マスコミや都市部の住民は大騒ぎするけれど、地元の住民は案外平穏で、むしろ「市長はがんばっている」みたいに応援している勢力すら少なくないというケースです。

 市長が市政の案件を市議会に諮らず専決処分しているのは、地方自治法上、違法の疑いが強いのですが、建前としては、地方公共団体はどんなに小さな町や村であっても運営は独立しているので、県や国は指導したり口を出す権限がありません。(明白な違法行為の場合は別ですが、いやしくも住民を代表する市長が下した政治判断ですから、グレーであっても直ちにそれが違法だと断定できないケースが多いのです。)
 結局、白黒、理非曲直は、住民自身の選択なり、裁判所の判断なりに委ねられざるを得ません。その、時間的、費用的、心理的なロスは、やはり住民が負うことになります。

 この問題で重要なのは、このような地方自治の「劣化」(表現は良くありませんが)は、少子高齢化、過疎化がますます進む中で、日本全国で起こりうる問題だということです。
 住民は行政に不満だけがあって無茶な要求をする。自分たち自身の代表者を真面目に選ばす、自治に無関心で、たやすく甘言や、あいまいな話に乗せられてしまう。
 その結果、「独裁者」が誕生する。
 独裁者、なんて言うと第二次大戦前の遠い昔のことを連想しますが、歴史の教訓としてファシズムは、決して「こわもて」でやってくるのではありません。住民の味方のように笑顔でやってくるのです。
 実際に、現行の地方自治法では、市町村長や都道府県知事の権限は、民生全般に及ぶ非常に広範囲で強力なものです。
 これが恣意的に振るわれたら、その影響は計り知れません。

 しかも、地方の劣化の可能性は、実は政治の分野だけではありません。
 人口が減ってコミュニティが崩壊し、無人の地区や集落が多くなると、宅地や道路はもちろん、農地や山林、河川などの管理もままならなくなり、放置されたままになります。
 所有者は代替わりし、故郷には何の執着もないので、値段さえ合えば相手が誰でも簡単に手放してしまうでしょう。
 そこに不快施設ができたり、廃棄物の不法投棄がされたり、放棄農地を使ってある種の違法な植物が栽培されたりする。
 そんな恐ろしいことになってしまうかもしれません。それは、下流部に住む都市生活者にも悪影響をもたらすでしょう。

 限界集落を救うことなど無意味だ。そんな費用があるなら一ヶ所に移住させればよい、という意見があります。
 元々、江戸時代の日本の人口は3千万人だった。日本の国土で持続可能なのはその程度の人口なので人口減少は悪くない、という意見もあります。

 一見もっともに聞こえますが、今は移動手段も通信手段も、昔とは比較にならないほどに発達しています。それが地方の衰退に漬け込んで悪用されないとは限りません。

 地域の政治や、コミュニティに住民はもっともっと関心を持ってほしい、と思います。

2010年6月27日日曜日

雇用はサービス業で生むしかない



 昨日、四日市の産業観光について書きました。

 四日市はコンビナート企業による行き過ぎた利益追求の姿勢や、行政による産業政策の失敗などにより四日市ぜんそくに代表される公害の街として全国的に名前が知られています。

 実は、現在では公害はほとんど克服され、今では日常生活で環境の悪さを実感する場面はほとんどないのですが、やはり長年の積み重ねは恐ろしいもので、四日市といえば工業の街、そして何より公害のイメージが世間には刷り込まれていることは事実です。


 しかし、しっかりとその反省の上に立って、前に進まなくてはならない。
 それには、四日市の、良くも悪くも特長であるコンビナートや港の施設を観光資源に活用しようという考えは、一定の合理性があるように思います。

 ただ、観光という言葉が、いかにも物見遊山を連想させるので、四日市に限らず、産業観光を議論する際、そもそもネーミングが悪い、というのは必ず出てくる話です。
 ある意味でこれはもっともなので、今後の健全な産業観光の発展のためにもネーミングは広く議論していく必要があるでしょう。

 産業観光は全国各地で新たな地域資源活用による地域活性化の手法として注目が高まっており、先日は日本経済新聞にも記事が載っていました。(Web版はこちら

 これから、健康ツーリズムやグリーンツーリズムなど観光業の分野でも、海外客の取り込みを含め、激烈な地域間競争が繰り広げられることでしょう。
 いかに地域性を活かして、消費者(観光客)に満足を提供できるかが大事になってきます。

 もうひとつ、忘れてはいけないのは、観光などサービス業は雇用吸収力が大きいということです。製造業がジョブレスリカバリー、つまり、業績回復が雇用増加に結びつかないことは、ようやく認知されるようになって来ています。

 サービス業は、賃金が製造業に比べて低く、生産性も低いなどの問題点はあるものの、これから市場が拡大する有望な分野であると同時に、地域で多様な雇用を生む可能性も多くあります。


 これからの日本は、他の欧米先進国もそうだったように、サービス業の分野で雇用を確保していくしか経済の持続可能性はありません。
 産業観光も、これから四日市の一つの大きな産業につなげていく努力が必要ではないでしょうか。

2010年6月26日土曜日

四日市コンビナート夜景クルーズに行ってみた

 四日市商工会議所が主催した、四日市の産業観光 ~魅力発見ツアー~「四日市港・工場の夜景クルーズ~」に行ってきました。

 産業観光とは、工場見学が一番イメージしやすいのですが、産業の現場を観光資源として活用し、産業の歴史を学んだり、生産設備や生産技術を見学することで、観光客(見学客)の知的好奇心を満足させようという、新しいタイプの観光のことです。

 四日市では、数年前から四日市商工会議所が産業観光振興に積極的に取り組んでおり、三重県随一の産業観光「先進地」と言えると思います。
 今回のツアーも、定員40名のところに120名の申し込みがあり、参加者は抽選で選定したとのこと。

 近鉄四日市駅前を午後1時にバスで出発し、
●味の素東海事業所
 ここは味の素の国内製造拠点の1つで、「ほんだし」や甘味料「パルスイート」などを製造している食品コンビナート。
●臨港橋、末広橋、潮吹き堤防
 四日市の産業近代化に貢献している港湾施設。
●四日市ポートタワー
 四日市港の管理組合が入居している高さ100mのビル。屋上の展望台からは四日市港、四日市コンビナート群が一望できる。
 などを見学。

 ガイドさんが丁寧に説明してくれるので、非常にわかりやすく、普通に見ていたらおもしろくも何ともない橋や堤防も、歴史や工夫があることがよくわかり興味深く見学できました。

 四日市ポートタワーのレストランで、これまた最近、B級グルメとして四日市が熱心に売り出している四日市トンテキが入ったお弁当で夕食を済ませ、いよいよこのツアーのクライマックスである、コンビナート夜景クルーズに出発です。


 コンビナートの夜景を見た方は、無機的なタンクと煙突、そして無数のパイプラインが絡み合い、ひしめきあっているコンビナートが、明るく光り輝く、ある種のSF的というか、近未来的な光景に不思議な魅力を感じられると思います。
 最近は、「工場萌え」とよばれる、コンビナートの無機的な景観の魅力が再認識されちょっとしたブームになっています。
 しかし、実際にはコンビナートは強大な生産設備であって危険性もあるため一般者は立ち入り禁止ですし、殺風景でひと気のない、広大な場所ですので、遠くから眺めていることはあっても、近くからはなかなか見ることができません。


 午後7時、海鴎12という100人乗りくらいの船で出航。
 日中はなんとか曇り空でもっていた天気でしたが、日暮れ頃からバラバラと雨が降ってきていました。


 船にはマスコミも大勢押しかけてきており、夜景を撮影できそうなデッキはすべてこいつらに占領されてしまっていて、はんわしたち一般参加者が満足に撮影できなかったのは残念でした。
 
もっとも、四日市港内のクルーズとは言え、船は相当に揺れるので夜景の撮影はなかなか難しかったのですが・・・




 約1時間、港内をクルーズしました。
 特に印象に残ったのは、大型タンカーが荷降ろし(と言うのか)のために停泊している光景です。

 コンビナートには無数のライトが輝き、未来都市、もしくは宇宙船のように見えるのですが、岸壁もオレンジ色のライトに照らされ、船のブリッジの明かりが水面に映っているさまは、おりからの雨とも相まって、本当に幻想的な光景でした。

 ただ、船のエンジンの音がうるさいのと、乗船客やマスコミのクルーが美しい光景に興奮し、狭い甲板をわさわさと歩き回り、写真を撮りまくるので、大変に賑やかではあったのですが。

 静かなクルージングなら、まことに幻想的で、もっと素晴らしかったことでしょう。

 ツアーは最後、近鉄四日市駅に戻って解散。出発から約7時間。盛りだくさんの内容でしたが、おそらくテストツアーということなのでしょう、参加料は今回、一人3千円でした。(もちろん食事代込み)
 オトクに貴重な体験をさせていただいた四日市商工会議所には感謝します。

 7月からは、四日市観光協会が本格的に四日市コンビナート夜景クルーズを開始するようです。
 「工場萌え」の著者、大山顕、石井哲両氏の監修とのことで、マニアックな向きにも満足いただけるツアー内容になりそうです。
 ぜひ一度、四日市コンビナートの夜景を海から眺めてみてください。もちろん、一般の方にもおすすめします。

 ■四日市観光協会 http://kanko-yokkaichi.com/index.shtml

 ■はんわしの評論家気取り コンビナート・リグレット(2009.8.6)

2010年6月25日金曜日

ワールドカップでは誰が一番得をしているのか



 残念ながらサッカーのことはほとんど知らないはんわし。
 日本が決勝トーナメントに出場するのはうれしいニュースとして素直に喜びますが、実力以上の力はそもそも出せるはずもないし、運とかマグレにも限界はあるでしょうから、とにかく日本代表チームには悔いのない試合をしてほしいと祈るばかりです。

 ところで、今回の大会でにわかに注目されているのが「ブブセラ」なる応援用のラッパです。元々南アフリカの楽器だったそうですが、現在応援用に販売されているプラスチック製のブブセラは大部分が実は中国製だそうです。

 また、先日、何かのテレビで、FIFAの公式ボールもメイドインチャイナだと言っていました。
 おそらく、ユニフォームとか、シューズとかも、多くは中国製が使われていることと思います。
 日本製なのは、審判が使うホイッスルくらいだそうで、どうも、ワールドカップで一番儲けているのは中国ではないか、と思えてきます。

 しかし、冷静に考えるまでもなく、もちろん、これはそうではありません。
 モノを作って売るほど儲からない商売はありません。原料に付加価値をつける「ものづくり」という行為は、日本人をはじめ、真面目なアジア人にはある種神聖化されていますが、儲かるかどうかは別の話です。

 かなり儲かるのは、試合で活躍した選手たちや監督、コーチでしょう。ワールドカップで認められれば、一流チームで天文学的に高額な契約金を手にする可能性も生まれます。

 しかし、間違いなく最も儲かるのは、興行主であるFIFAです。試合を中継するテレビ局や、選手たちにぶら下がるスポーツマスコミも少なくないおこぼれに預かるでしょう。
 これら「ソフト」事業、言い換えると「頭脳労働」は、コツコツ汗をかく「ものづくり」よりもはるかにリターンを得られるのです。世の中、どうやらそうなっているのです。

 これは、いろいろなジャンルの活動やビジネスにも応用できるでしょう。世の中が変わっている中、変えてはいけないものももちろんありますが、発想をガラッと変えて、ソフトや仕組みで利益が出る方法を考えてみる。
 学歴や職歴、年齢、性別などに全く関係なく、その人自身の発想やアイデア、行動力、さらには、見た目や度量も含め、純粋な「人間力」で勝負できるのが、実はこの「ソフト」とか「仕組み」のビジネスモデルです。

 一体誰が一番儲かっているのか、なんて考えながら試合を見るのはあまりにも現実的で夢がないかもしれませんが・・・


 

2010年6月23日水曜日

高速無料化に向けて新商品が続々!



 昨日(6月22日)の毎日新聞に、尾鷲市梶賀(かじか)町に伝わる伝統の味「あぶり」を真空パックにした新商品の販売が、同市内の観光施設 夢古道おわせで始まった、という記事が載っていました。(リンクはこちら

 あぶりは、小サバなどを串刺しにして燻製にした保存食で、東紀州地域ではポピュラーな食材ですが、地域外ではごく一部の食通の方以外にはほとんど知られていない珍味です。
 作られるのも地域のおばちゃんたちの手作業。日持ちもあまりしないため、尾鷲市近辺以外で販売されることも滅多にありませんでした。
 商品化を行った地元の梶賀町の「町おこし婦人会」の皆さんには敬意を表すると共に、ぜひビジネスとしての成功を期待したいと思います。
 ■以前のブログ記事はこちらを。写真もあります。


 そして、今日の中日新聞には、同じく尾鷲市の「めでたい屋」のブランドで知られる三和水産が、夏向けの新商品として「鯛だしつゆ」と「ピリ辛鯛みそラー油」をリリースした記事と、その隣には、紀北町紀伊長島の道の駅マンボウで、「種まき権兵衛ラーメン」のお土産用パックの発売が始まった記事も載っています。

 種まき権兵衛ラーメンについては以前のブログにも書きましたが、紀北町の製麺業者である有限会社モリタが、国産小麦と海洋深層水を使った麺と、同じく海洋深層水をベースに、さばぶし、むろあじぶしなど魚介のダシをふんだんに使ったスープをセットもしたもの。

 メニューとしての権兵衛ラーメンは、道の駅マンボウのレストランでも食べることができますが、お客に好評だったため6月26日からお土産用を販売するそうです。

 はんわしも先日、実際に食べましたが、これは本当に旨い。たしか680円だったのですが、本格和風ラーメンで、これは絶対おすすめです。

 いよいよ6月28日から、高速道路の無料化社会実験が始まります。当初は、東紀州への観光客も増えることでしょう。
 その人たちを、いかにリピーターにつなげられるか。

 東紀州では、数年後の紀勢自動車道の尾鷲市までの全通と、尾鷲市と熊野市の間の国道42号バイパス(通称、尾鷲熊野道路)の全通を見越して、地域資源を活用した新商品開発や、熊野古道などの歴史資産や自然環境を活かした観光開発に取り組んできました。
 まさに、今、その真価が問われています

2010年6月22日火曜日

重要でないことは、とえりあえず止める



 三重県が毎年実施している県民1万人アンケートの、平成22年(3月)実施分の結果が公表されました。
 一部の新聞では、三重県の住みやすさについての質問に関して、「住みやすい」と答えた割合が69%と、5年連続で下落したことを大きく取り上げています。
 しかし、この5年間、景気の回復は大きく実感できず、身の回りでは少子化、高齢化が進んで、地域の活力が年々減退していくのを目の当たりにしているのですから、このこと自体は仕方がないことだと思います。

 問題なのは、県が行うべき個別の政策課題に関して、県民がそれを「重要」と思っているかどうかという、重要度についての質問です。

 地域政策に関心がある方、勉強している学生の方は、頭の体操に、県がホームページで公開している「満足・不満・重要意識一覧表」をぜひご覧ください。(リンクはこちら。PDFファイルです。)

 この表4には、県民のうち、この課題が「重要」「どちらかといえば重要」と考える人の割合が多い順に、上から政策課題がランキングされています。
 1位は「医療体制」で、95.5%の人が「重要」「どちらかといえば重要」と考えています。
 2位は「きれいな空気」、3位は「防犯」、4位は「飲料水」・・・と続き、それ以降も比較的、生活実感に近い順番に課題が並んでいます。
 これら、県民が重要と考える課題には、県は着実に取り組まなくてはいけません。 財政も限られ、マンパワーも限られている中、県民のニーズが高い課題に率先して取り組むのは当然のことだからです。

 では、反対に、県民が重要だと思っていない課題にはどんなものがあるのでしょうか。
 残念ながら表4のような一目瞭然のリストがないので、報告書から引用した表をご覧ください。表の下半分の、CゾーンとDゾーンにあたる部分が重要度が低いと考えられている課題です。

 ダントツで低いのは「港の整備」です。次に、「国際化」や「芸術・文化」などがあります。
 「スポーツ・レクリエーション」だの「過疎地域の振興」だのも含め、確かに見方によって重要かどうか意見が分かれるであろう分野が並んでいます。この点でも、県民の多くは良識を発揮していると思います。

 考えなければいけないのは、つまり、この1万人アンケートを本当に県政に繁栄させようとした時に取り組まなくてはいけないのは、これら「重要度が低い」(と思われている)課題にかかっている予算や人員をカットできるか、すっぱりとやめてしまうことができるか、という問題です。
 冗談でなく、本当に止めてみてはどうでしょうか。
 県も国もカネはないのです。

 いや、諸般の事情で止めることはできないのだとしたら、今まで以上に、その必要性を、懇切丁寧に、かみくだいて、粘り強く、しかも費用はかけずに県民に伝えていく努力が必要になると思います。


 

2010年6月21日月曜日

「環境への配慮」プラスα



 岐阜県を基盤にしたシンクタンク 共立総研が公表した「新入社員から探る若者のクルマ観2010」という調査結果は、なかなか興味深い内容になっています。
 幼いときから携帯電話や液晶テレビが当たり前にあった現代の若者は、一般的にモノに対する物欲が少なく、したがって購買欲も低いというのが定説となっています。これは、単に若者気質というだけでなく、彼らの価値観に決定的な影響をもたらす親の世代の気質の投影でもあるのでしょうが。

 ■共立総研ホームページ http://www.okb-kri.jp/

 さて、岐阜、そして愛知、三重のいわゆる東海地域は、北関東と並んで自動車工業が発達し、市街地の構成もアメリカ合衆国のような極端なクルマ依存の郊外型になっています。
 その意味で、程度の差こそあれクルマは生活必需品なので、今回の調査対象となった東海地方の約1000人の若者(新入社員)の91%が自動車の普通免許を有しており、免許取得者のうち62%はすでにクルマを保有していること自体は何ら不思議ではありません。
 また、クルマを使用する目的は、通勤、買い物などの日常使いが圧倒的で、日常生活のためのツールと捉え、あるいは、人付き合いを円滑にし、レジャー等への満足度を高めるツールと捉えているのもその通りだと思います。
 
 おもしろいのは、「クルマに対するイメージ」という質問です。
 全体的に、「行動範囲が広がる」といったプラスイメージが強いものの、「購入・維持コストの負担」、「地球環境への負担」というマイナスイメージも多くが併せ持っています。
 これは、まさしく今の若者が小さな頃から「環境教育」を受けた世代だからでしょう。
 はんわしが青年時代だった20年前なら、環境負荷への懸念などほとんどなく、交通事故といった安全面への不安の割合のほうがはるかに高かったはずです。

 調査の結論としては、
 今どきの若者にとって、ハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)等を選ぶ基準は「環境への配慮」という理由だけではない。環境への配慮はHV、EV 等にとって基本的なものであり、これだけで存在価値を高めることは難しい。  将来性を考慮すると「環境への配慮」プラスαの付加価値が求められている。
 と総括されているのですが、これは示唆に富む話です。

 今までなら、環境に配慮するという「技術」だけで十分な売りになりました。
 しかし、今の消費者が求めているのはプラスα、すなわち、ストーリーであり、モノガタリであり、技術を越えた差別化要因、優越化要因です。
 このような付加価値は、考え抜いて、煎じ詰めて、努力を重ねれば生まれてくるものでは必ずしもありません。
 自由な発想、囚われないアイデア、奇想天外な着眼点。
 こういった柔軟さこそが、より求められる時代になっているということの証左と考えるべきでしょう。
 
 そして、真面目な日本人には、これが本当に難しいのです。

2010年6月20日日曜日

紀勢自動車道「無料化」でどこへ行こうか・・・



 NEXCO中日本が、ホームページで高速道路無料化社会実験に関する情報提供を行っていますが、伊勢自動車道(津IC~伊勢IC)と紀勢自動車道(勢和多気JCTから紀勢大内山IC)の両区間については、わかりやすいチラシを作成してくれています。(画像クリックで拡大)


 社会実験と聞くと、何か今までの高速道路の乗り方、降り方に変化があるかのように錯覚しますが、このチラシによると
●無料となる場合も、有料となる場合も、通行方法は従来と同じ。
●ETC車はETCカードを車載器に挿入のうえETCレーンを通行する。
●ETCがない車は、乗り降りとも一般レーンで一旦停止して、通行券を受け渡ししなくてはいけない。
●無料化区間内は、車種、支払い方法の区分なく、全車両の通行料金が無料。
 とのことです。
 
 無料化社会実験の期間は平成22年6月28日(月)から平成23年3月31日(木)まで。
 なお、当然ですが、無料区間と有料区間を連続して走行する場合は、有料区間分の通行料金が必要です。


 さて、それでは無料になった高速に乗って、どこへ行こうか?とお考えの方も多いことでしょう。

 伊勢志摩については観光情報も氾濫しているのでしばらく置くとして、紀勢地域、特に尾鷲や熊野など三重県の「東紀州」とよばれる地域については、観光・イベント情報はくまどこというポータルサイトが参考になります。

 ■くまどこ  http://www.kumadoco.net/index.php

 東紀州地域は、伊勢神宮と熊野三山をつなぐ神々の道であり、世界遺産熊野古道など歴史的な遺構や、七里御浜、花の巌、熊野川など雄大な自然景観を有しています。

 それゆえ、地理的にも精神的にも奥深く、まずどこから観光したらいいのかという、入門編と言うか、エントリーコースがよくわからないケースが多いようです。

 いきなり熊野古道を歩く、というのも悪くはないのですが、初夏のこの時期はシンドイものがありますし。

 全く個人的に、はんわしがオススメなのは、紀北町矢口浦にある稲米舎(とうべや)で東紀州の海・山の幸を使った昼食を食べ、そこからクルマで5分ほどのところにある、大白地区 熊野灘臨海公園で遊ぶ、もしくは昼寝する、というものです。

 稲米舎は、矢口浦地区のかつての漁業での繁栄を偲ばせる古民家を活かしたレストラン。前日までの完全予約制なので注意が必要ですが、気取った感じはなく、田舎のおばあちゃんが素朴にもてなしてくれる感じです。
 ちなみにはんわしは2000円ぐらいの昼食を食べましたが、質・量ともこれで十分だと思います。
 ■稲米舎ホームページ  http://toubeya.com/
 
 大白公園は熊野灘に面した広大な芝生公園で、もちろん無料。海水浴はできないものの、子供向けの遊具もあり、ちょっとした散策やフリスビーとかでヒマはつぶせると思います。

 ■熊野灘臨海公園三重県のホームページ

 ぜひ行ってみてください。

2010年6月19日土曜日

誰も責任を取れない「エコタウン」の失敗



 今日の中日新聞に、国が四日市市で推進していた「エコタウン」事業が、継続を断念し、事実上失敗したという記事が載っていました。
 事業の実施主体である鈴鹿富士ゼロックス(当時)に対して、国、三重県、四日市市の三者は総額で1億2千万円の補助金を交付しており、同社は事業撤退に伴って補助金の一部5980万円を国などに返還するとのことですが、四日市市議会の一部では市当局に対して「事業の見通しが甘かったのではないか」など追求の姿勢を示しているとのことです。

 新聞記事によると、四日市市でのエコタウン事業は平成18年から始まりました。内容は同社の生産活動によって排出される廃プラスチックを、薬剤添加などで処理することで原料用プラスチックとして再生し、商品として販売するというものでしたが、原料となる廃プラスチックの安定的な入荷ができなかったうえ、再生した商品も売れ行きが芳しくなく、事業としての継続が困難になったとのことです。

 4年前といえば愛知万博の直後。
 産業界をはじめ日本全体で環境問題への注目が集まっていた時期です。同時に、環境ビジネスのための技術開発やビジネスモデル構築が求められていた時期でもあり、エコタウン事業もその典型なのですが、まだリサイクル技術が確立しておらず、事業の採算性も未知数の段階では、行政が補助金などで環境ビジネスを支援することは、民間の投資リスクをヘッジする意味から必要性があったものと思います。

 それを踏まえつつ、それでも、次の2点は押えておく必要があるでしょう。
 一つ目は、環境ビジネスの難しさです。
 いくらエコに有益な商品であったとしても、機能やコストに優れていなければ商品やサービスとして一般には流通しません。
 環境に役立つから、環境に優しいから、というだけでビジネスが成り立つわけではないのはもちろんです。
 
 二つ目は、今回、民主党政権が発表した成長戦略でも環境エネルギー産業が成長分野と位置づけられており、今後、国など行政による支援はますます手厚く行われるようになるであろうことです。
 繰り返しますが、行政の支援の本質は、事業不確定性へのリスクヘッジであるため、今回のエコタウンのように事業が「失敗」しても、法的には行政の誰も責任をとらなくていいという事実は認識しておく必要があります。
 もちろん、法的な責任とは別に道義的な責任はあるわけですが、これは担当していた公務員の個人責任というより、行政の公定力とも呼ぶべき、「行政は間違わない(間違ってはいけない)」という政治制度設計そのものが負う道義的責任ではないかと考えます。

追記
 読売新聞のYOMIURI ONLINEに関連記事が掲載されました(リンクはこちら


2010年6月18日金曜日

まだ、頑張らなくてはいけないのか?



 いつだったか、たぶんもう、20年以上前のことになります。
 評論家の永六輔さんが、その当時、大分県で始まった「一村一品運動」などといったのような、いわゆるまちおこし、地域おこし活動を批判して、このような趣旨の話をしていたのを聞いたことがあります。

 まちを起こせ、地域を元気にしろ、と近頃よく言われる。
 しかし、いくら田舎でも、いくら人口が減っていても、人々は普通に生きたいのだ。
 普通に育ち、学び、働き、家族を持ち、やがて普通にそこで亡くなる。
 そんな生活が一番幸せなのだ。
 地域を元気にしないといけない、などという強迫観念に人々を追い立てる風潮は間違っている。

 というような話でした。おぼろげではありますが。

 日本人にとって平均的な「幸福像」とは、実にこのような「普通な」「あたりまえな」「作為のない」日々が永遠に続くことにあることは、確か柳田國男だったかも言っていたと思います。

 はんわしは資本主義者なので、社会の進歩、前進には競争が不可欠であり、努力は金銭や名誉で報われるべきであり(もちろん金銭と名誉だけが対価の全てではありませんが、主として)、努力しない、工夫しない、汗をかかない者がいくら平穏な日々を願ったとしても、それには無理がある、限界がある、という考えを根底に持っています。
 それゆえに、ここ10年、地域産業の活性化や、地域の企業・事業所の経営向上のお手伝いをすることにやりがいを感じていますし、自分なりに努力もしてきたつもりです。

 しかし、先ほどの永さんの言葉が、心のどこかに引っかかっているのも事実です。
 お百姓さんが黙々と真面目に働けば、仲買人は適正な価格で農産物を買い取り、消費者も文句を言わずにそれを食べる。
 ものづくりの企業が、良いものをより安く、よりたくさん作れば、それを消費者も受け入れる。
 そんな、生活がやはり日本人として理想郷なのかもしれません。

 こんなことを考えたのは、以前のブログでも書いた、中小企業憲章が菅内閣のもとで今日、閣議決定されたというニュースを見たからです。
 
 平成11年の中小企業基本法の改正により、それまで、大企業に比べて環境や能力が劣り、経済的な弱者と位置づけられ、経営の高度化や近代化の対象と定義されていた中小企業は、みずからの創意工夫や機動力を生かし、大企業に伍して経済や社会を変えていく存在と再定義されました。
 それまでの護送船団的な中小企業政策は放棄され、ヤル気のある、能力の高い、努力する中小企業は行政が積極的に支援することとされました。
 口の悪い人にいわせると、生業として「普通に」商いをしている個人事業者や小企業は、支援に値しないとされたのです。

 その後、時代は失われた20年に突入。
 ベンチャーブームや、小泉・竹中路線と言われる市場合理的な経済政策があり、それでも日本経済はかつての高度成長期のような栄光は取り戻せませんでした。

 そして今、中小企業憲章。
 中小企業は、社会の主役として地域社会と住民生活に貢献し、伝統技能や文化の継承に重要な機能を果たす。小規模企業の多くは家族経営形態を採り、地域社会の安定をもたらす。
 このように中小企業は、国家の財産ともいうべき存在である。

 などのような中小企業憲章の記述を見ると、改正中小企業基本法の哲学ともまた少しく異なり、やや先祖がえりした新たな中小企業観を打ち出しているように見えます。
 これから選挙があり、国の来年度予算編成があります。
 憲章でうたわれた哲学が、どう中小企業施策に繁栄されることになるのでしょうか。



 
 

2010年6月17日木曜日

あまり言わなくなった「サッカー型」対「野球型」ですが



 日本が初戦に勝利して、やっと盛り上がってきた感があるワールドカップですが、前々回の日本・韓国大会の時には花盛りだったサッカー文化論、すなわち「上位下達」「全員一丸」を旨とする野球型の組織と、「自由・自律」「流動的」なサッカー型組織を対比させた文明論、ビジネス論、人生論などなどが、今回の南アフリカ大会ではすっかり影を潜めてしまっていることは象徴的です。

 ビジネス分野で、どこかに典型的な両者の比較論はないかと探していたのですが、ビジネスコンサルタントの浜中光夫さんという方の「野球型からサッカー型ビジネスへ」という文章が説得力があるように感じましたのでリンクさせていただきます。ぜひご一読を。(こちら

 
 このエッセイが書かれたのは2005年、今から5年前です。

 これまでの野球型の日本社会・・・・監督(政府や大企業)が選手(消費者や中小企業)に指示を出し、選手はひたすら厳しい下積み練習に絶え、やっとのことで選手(仲間)として認められる。
 与えられた分野では全力を尽くすかわりに、一塁手が三塁を守ることは絶対にない社会・・・・
 には限界があり、
 これからは監督は大まかな戦略だけを示し、選手がプレーしやすいような環境整備、条件整備に徹する。戦術は選手たち自身が練り上げ、目まぐるしく攻守が入れ替わるかわりに、チャンスも平等にあるサッカー型社会
 に変質することが必要、だとは、その頃の日本社会に一定の説得力をもって受け入れられたと記憶します。

 しかし、日本は変わりませんでした。
 いや、何が何でも変わらなくてはいけない、と強く決意しなくてはいけないほどには地獄に追い込まれずに済んだからです。

 そして、2010年。
 中国が変わり、韓国も変わり、アメリカも、イギリスも変わった中、日本だけが(政権交代はあったにせよ)ますます頑固に、かたくなに、変わろうとしません。
 そんな国のサッカーなど、見ていても面白くないでしょ?

2010年6月16日水曜日

アスト津からマクドが撤退



 お昼に、マクドナルド アスト津店に行きました。

 注文を待っている間、ふと壁を見ると、ドナルドが寂しげに後ろを向いているという、見慣れないポスターが目に入りました。
 よく読むと、この店が6月末で閉店するとの告知。
 9年間のご愛顧ありがとうございました So long.
 とあって、閉店告知専用だと思われる、この種のポスターを初めて見たのでちょっとショックでした。

 日本マクドナルドは、サービスの水準を保つためとして全国で400店以上の「戦略的閉店」を公表していたので、このような光景は各地で繰り広げられているのでしょうが、津市のような地方都市にとっては全国チェーンのファストフード店は、いわば駅の顔、街の顔です。
 津駅では、つい先日も近鉄側のテナントにあった書店が閉店したばかりなので、一日一日寂しくなっていく姿が目の当たりになっています。

 このような現象を、残念ですが、行政の力では(もっといえば、政治の力でも)止めることはできません。
 営業の自由は基本的に憲法で保障されており、大店立地法のような一種の出店規制はあるにしろ、経営判断による退店、閉店を止めることはできません。
 つまり、純粋の経済行為を公益性以外の理由で規制することは、現代日本のような高度な資本主義社会では非常に難しい・・・不可能と言ってもいい・・・ことなのです。

 しかし、閉店は止められないことは理解できても、その同義としての、営業を「継続」したり、事業を「拡大」したりすることもまた、行政や政治には難しいことだ、ということは理解しない(理解できない)人が多いのはなぜなのでしょうか?
 ひょっとして、理解できないフリをしているだけなのでしょうか??

 昨日、日本銀行が、18業種の「成長分野」産業に対して、新しい貸し出し制度を作ることを発表しました。
 そして当然ながら、大部分の新聞は、日銀の役割はマクロ金融政策であって、特定の産業分野を支援することではない、という論評をしています。(例えば、日本経済新聞の社説
 日本の経済は閉塞感が漂っており、それは多分に人々の気持ちの問題なのではあるのでしょうが、どう考えたら、このような貸出制度が出てくるのか不思議だし、しかも、銀行関係者にそれを歓迎する人がいるというのもますます不可解です。
 こんなことを日銀が始めるから、なんだかいっそう経済の不透明感が強まるのではないか、とはんわしなどは考えるのですが。
 


 

2010年6月15日火曜日

経済産業省がEC実態調査結果を公表


 公的な統計資料の不在が長らく課題となっていたインターネットによる商取引の分野ですが、経済産業省が昨年10月に実施した「消費者向け電子商取引実態調査」の結果がこのたび公表されました。
 約2万7千の事業者を対象に実施したもので、売上高、販売方法、配送方法、決済手段等が明らかとなった、初の実態調査です。

 ■経済産業省ホームページ  http://www.meti.go.jp/

 色々と興味深い点はあるのですが、電子商取引(EC)は小規模零細な事業者にとってメリットが大きいという通説のとおり、事業者の規模の調査では、年間売り上げが1千万円以下が64%を占めており、従業員規模を見ても「2人以下」が19%、「5~9人」が21%と小規模な事業者が圧倒的に多いことが見て取れます。

 業種別では小売業が46%なのは順当としても、製造業が12%、卸売業が9%と、いわゆるB2Bにも浸透していることは再認識が必要なようです。

 商品別では、最も多いのが「旅行商品」で28%、次いで「衣類・アクセサリー」、「家電・パソコン」「食料品・飲料」「金融」と続きます。

 他にも、決済方法や商品の配送方法などの調査結果も参考になるので、特にEC事業者にはぜひ一度、目を通していただくことをおすすめします。

 はんわしが注目したいのは、インターネットへの出店形態、すなわち、モールへの出店か、自社ドメインなど自前出店かの調査です。この調査によると、出店形態がモールのみなのが40%、自前出店のみが34%、両方が26%ですが、売上高で見るとモール型は10%に過ぎず、売り上げの62%は自前型が占めています。
 普通に考えて、自前型で収益が大きいのは知名度が高い大手企業のネットショップだと思われますが、閲覧者の総数ではひけを取らないはずの大手電子モールに出店している場合、入り口から自店に誘引する仕掛けが重要であるということかと思います。

 大手モールの場合、確かにリアルに喩えれば銀座や渋谷に出店するのと同じくらいの集客可能性が生まれることを意味します。しかし出店料は決してバカにならず、販促キャンペーンや広告費用などコストもそれなりに大きいので、その結果、どれくらいの顧客誘引があり、売り上げにつながるか、というのはモール出店を考えているEC事業者にとって大きな関心事でしょう。

 今回の調査は国(経済産業省)によるものなので、そこまで細かく立ち入った調査は難しかったのだと思いますが、EC支援の立場からも「モールの実態」について興味は尽きないところではあります。



2010年6月13日日曜日

銭形警部はオッサンじゃなかった



 NHK大河ドラマは、歴史上の事実を基に製作されているとはいえ、当然ですが「フィクション」であって史実ではありません。
 登場人物がその当時にはありえなかった概念や意識を持っていたり、ごく単純に時代風俗が間違っている事例(というか、既婚女性のお歯黒のように、現代ではあまりに異様すぎて再現できない風俗など)が散見されます。
 
 一番違和感があるのは、高齢化社会の現実を反映してか、俳優さんが実際のモデルとなった歴史的な人物より、全体的に年上(しかも一回り以上も)であることです。
 織田信長が50歳で亡くなったのは有名ですが、そう考えると比叡山の焼き討ちとか、安土城の建設などは40歳代に行ったことになります。今の日本なら1960年代生まれ、サラリーマンでは課長とか部長クラスです。この年齢で、あそれだけの軍事力、政治力、決断力がある人間など今は皆無でしょう。

 ちなみに、坂本龍馬が有名な船中八策を作ったのが33歳、近藤勇が池田屋事変を戦ったのは30歳、勝海舟が西郷と江戸の無血開城を会見したのは勝が45歳、西郷が40歳の時。
 平均的に寿命が短かったとは言え、当時の人がいかに老成していたか改めて認識できます。

 話は変わりますが、ROCET NEWS24にある「オッサンじゃない! 『ルパン三世』の銭形警部は29歳!『サザエさん』のアナゴさんは27歳!」という記事(6月6日)がおもしろいです。(リンクはこちら
 アニメ、漫画の有名なキャラクターの実年齢を検討したものですが、バカボンのパパとか、ちびまる子ちゃんの父、ヒロシの年齢は驚愕です。

 子供のころに見ていた高校野球では、選手がすごく年上のお兄さんに思えたものですが、今では自分の子供くらいの存在です。しかし、その頃に刷り込まれた年齢イメージは固定化され、アニメキャラにしても何だかずっと年上のように思っていました。

 ここ何十年か、若者の政治への無関心が問題になっていますが、これは子供の時から60歳代以上が圧倒的に多い政治家を見て育ち、政治はおじいさん・おばあさんががやるもので、若者には関係ないという意識が刷り込まれたことが根本原因ではないのでしょうか。

2010年6月11日金曜日

塔世橋ふもとの「シマダ輪店」に行ってみた



 大橋歩さんの雑誌「アルネ」(現在は休刊)にも取り上げられたことがある、津市は塔世橋の南詰、国道23号線沿いにあるカフェ シマダ輪店 に初めて入りました。

 店の前は数限りなく通ったことがあり、古民家風のこじゃれた外観に魅かれてはいましたが、店の看板(ブリキ製!)が鏡文字になっている不思議さや、やっているのかやっていないのかよくわからない雰囲気に呑まれて今まで一度も入ったことがなかったのです。




 今日、昼休み、国道沿いにとことこ散歩していて、ちょうどお店のすだれが涼しげに揺れているのが見え、日差しもきついし、ここで昼ごはんでも食べようと思い立ったのでした。
 店内には誰もいません。
 お昼時なのに少し心配になります。



 注文したミネストローネとバンズが出てくる間、ひっきりなしに轟音を立ててクルマが通り過ぎていく国道23号をぼんやり見ていました。
 店内にBGMでかかっているボサノバもかき消されがちですが、とにかく時が止まったような別世界。
 津は大都会では決してありませんが、それにしても信じられないほど異空間的なカフェです。



 これにアイスコーヒーが付いて900円でした。
 ミネストローネは豆がいっぱい入っていて、ふうふう吹きながら食べると、何だかカラダに良さ気でした。

 

2010年6月9日水曜日

成長戦略が何もないのが一番の成長戦略



 このブログは地方自治体で産業(商工)政策に携わっている職員も多く見ていただいているようで、記事にコメントはいただけないものの、メールで「関係のホームページを教えてくれ」とか「資料の出典を教えて欲しい」とかのお問い合わせをいただくことがあります。

 先日のブログで、朝日新聞に載った水野和夫さんのインタビュー記事について書きましたが、案外に反響があり、いまだに地方自治体、特に府県レベルでは、国の中央省庁の言うことは絶対だとか、出された計画は金科玉条だと錯覚している偉い方が多く、むしろ30歳代くらいの若手職員のほうが「疑う常識」を持ち合わせていて、上司を説得するのに大変なエネルギーを割いている光景が散見されるようです。

 官製のエコノミストや、御用学者は別として、ごく普通の市井のエコノミストの間では、「国の成長戦略などほとんど意味がない」というのはコンセンサスになっています。
 成長戦略は、国が発展途上段階で、先進国に急いでキャッチアップする必要があるとき、限られた経営資源を選択し、優先順位によって集中活用することにこそ意義がありました。

 しかし、もはや日本経済はそのようなレベルではなく、消費者のまわりにはモノやサービスがあふれ、所得も伸びない代わりに、買いたいものも何もないという「恒常的なデフレ」状態になっています。
 このような成熟社会の消費者に購買意欲を持たせるためには、圧倒的に斬新なアイデアや飛躍的に利便性が高まる技術革新が必要で、どういった「成長分野」にそれが現れるのか、現れないのかは誰にも予期できません。
 
 ただ、地方自治体としては国の顔も立てなくていけません。幕府の崩壊が誰の目に明らかになっていても公然と異は唱えられず、息を潜めていた諸藩の殿様と同じです。しばらく日和見するしかないことも事実でしょう。
 適当にあしらっておくことです。

 なお、成長戦略の無意味さについては、藤沢数希さんの人気ブログ「金融日記」の5月30日の記事でも明瞭に語られています。ぜひご参考に。(リンクはこ ちら
 必要なのは、規制緩和による自由に競争できる経済環境づくりです。それが苦手な日本は、問題を先送りにして成長戦略にすりかえ、誤魔化してばかりいるのでますます世界に比して劣位になってしまうのです。

2010年6月7日月曜日

高速道路無料化は6月28日から



 国土交通省が、今年2月に発表していた高速道路の無料化社会実験ですが、今月28日から実施する方針となったようです。
 この無料化実験は来年3月末までの期限付きのもので、ETCの有無に関わりなく通行料を無料とすることで、それによる経済効果や渋滞の発生状況、さらには環境への影響などを確認することが目的とされています。

 この実験が行われるのは全国の37路線の50区間ですが、三重県では
伊勢自動車道の津ICから伊勢ICまでの区間

および、
同じく津ICから紀勢自動車道の紀勢大内山IC
までの区間です。

 このことについては、以前のブログにも書きましたが、伊勢ICや伊勢西ICでは、伊勢神宮内宮方面へ向かう国道23号線や県道32号線(通称、御木本道路~伊勢道路)の大渋滞は必至でしょう。
 また、伊勢ICから鳥羽方面に向かう自動車専用道路「伊勢・二見・鳥羽ライン」も相当な混雑となることが予想されます。

 これは、紀勢自動車道でも同様で、勢和多気JCT以南の区間は片側一車線の対面通行なので、これまた相当の混雑になると考えられます。

 くどういようですが、今回の無料化は「タダになるサービス」なのではなく、あくまで「社会実験」です。よく考えると社会実験って、何だか尋常でない、非常に重みのあるコトバではないでしょうか。
 予想し得ない自体が勃発した場合、誰が責任を取るのか、いや、それ以前に安全確保や道路の維持補修態勢は万全なのでしょうか。今一度点検が必要ではないでしょうか。


2010年6月6日日曜日

紀北町に「権兵衛ラーメン」が誕生



 はんわしが尾鷲に着任した平成19年の春、課せられた産業支援というミッションのためには、まず東紀州地域の中小企業の現場を訪問し、経営者のニーズを探ることから始めよう、というわけで、当時の東紀州観光まちづくり公社のメンバーで手分けして数十社の企業訪問を行いました。

 その訪問先の中に、紀北町海山区の製麺業者である有限会社モリタがありました。
 社長は職人気質で、自社のラーメンや焼そばが国内産小麦粉を使用していること、おわせ海洋深層水を使って独特のコシを出していること、などをトツトツと語ってくれたのですが、東紀州によくあるパターンで、それほどガツガツと商売を大きくしようという野心もなく、ただラーメンを買ってくれる顧客のために頑張っている、というようなお話を聞いて別れました。

 数日後、社長の奥さんという方から電話がかかってきました。

先日、自分が留守のときに工場に来てくれたみたいですけど、あなた方は何者ですか?
・産業支援って、どんな支援をしてくれるんですか?

 みたいな内容で、よくよく話を聞いてみると、

せっかく国内の安心食材や海洋深層水を使っているのに品質の良さが消費者に伝わっていないのではないか?
生ラーメンのような日配商品は大手との価格競争が厳しいので、土産物や贈答品としての新商品開発ができないか?

 のような問題認識をお持ちなことがわかりました。

 現在、行政などによる中小企業向けへの支援策は、たくさんの、さまざまな種類のものがあります。
 問題なのは、忙しい経営者にはその情報がなく、抱えている課題に対してどのような支援策を使ったらいいのか、の目利きができないことです。
 そこで、社長と奥さんに専門家派遣事業によりデザイナーを派遣し、商品の特長が伝わるようなパッケージのデザインに着手しました。
 同時に、おそらく日本で最も企業支援に意欲的で、能力の高い紀北町商工会を紹介し、熊野古道観光客向けに商品ができないかの支援をしてもらいました。
 
 数ヵ月後、新しいパッケージができました。これは予想外に好評で、東紀州のスーパーや道の駅では、モリタのラーメンと焼きそばはこのパッケージで販売されています。
 新商品開発は、紀北町商工会が社長を世界最大のフードショー、FOODEX JAPANに連れて行ったり、商工会が取り組む異業種交流プロジェクトに取り組ませたりして、着々と進んでいたようですが、このたび「種まき権兵衛ラーメン」として商品化されたとのこと。

 中日新聞(6月4日付け)によると、
・ラーメンはしょうゆ、みそ、塩の3種類で、680円。麺はモリタが作ったストレート麺。海洋深層水を使い、卵をつなぎに用いず、小麦の味を引き立たせた。
・魚のだしも、ムロアジ、サバ、サンマ、ソウダガツオの削り節をブレンドして作った。魚介だしの香りが濃厚ながらあっさりした味で、スープを最後まで飲み干せる。
・紀北町紀伊長島区東長島の「道の駅・紀伊長島マンボウ」の食堂で4日から売り出す。ラーメンブームに乗り、漁業の町紀北町を売り出し、ご当地ラーメンとして定着を目指す。

 と報じられています。

 実は、この記事が載る何日か前、奥さんからわざわざはんわしに、商品化ができたことと、これまでのお手伝いに対するお礼の電話をいただきました。
 もちろん、商品化に至ったのは社長と奥さんの長年の努力、商工会のサポートによるもので、はんわしは最初のほんのきっかけを作ったに過ぎませんが、感謝されたことが何だかとてもうれしく、権兵衛ラーメンの大成功を祈らずにはおられませんでした。

 ラーメンは、道の駅・紀伊長島マンボウの食堂で提供されると共に、今月末からは、2食入りの生麺も販売するとのことです。
 問い合わせは、道の駅・紀伊長島マンボウ 電話0597(47)5444まで。
 ホームページはこちら  http://www.town.mie-kihoku.lg.jp/kankou/link/manbo.html

<補足>
 先日、道の駅マンボウで実際にラーメンを食べてみました。
 こちらをご覧ください。  


2010年6月4日金曜日

成長戦略は必要なかった



 朝、出勤したらデスクの上に、先日経済産業省が公表した「産業構造ビジョン2010」をコピーしたものが冊子にされて、ドドーンと置かれていました。厚さは3センチくらいあります。
 サラリーマンの性(さが)、置いてあるということは上司からの「読んでおけ」とのメッセージだと解釈し、夜残業しがてらぺらぺらとめくって見たのですが、十数ページで頭が痛くなって来ました。

 今までの日本経済は、輸出型の製造業の成長性に負うところが多く、内需型の産業についてはほとんど生産性の向上は見られなかった。しかし、製造業についても日本企業は諸外国に比べて収益性が低く、新たなビジネスモデルを構築していく必要がある。日本経済が成長するために、自動車などの分野に頼る一本足打法でなく、エネルギー産業や文化産業など5つの成長分野に資源を集中して、「八ヶ岳型」の経済構造にしなくてはいけない。

 現状分析と方向性についてはなんとなく理解できます。
 しかし、そのすぐ次には具体的に何をすべきかという対策論になってしまいます。
 これは、行政機関による分析書、報告書によくありがちな論理展開です。すなわち、「では、なぜ一本足打法の輸出産業依存型の経済になってしまったのか、その(失敗の)原因は何か」という点の記述がほとんどないか、まったくないのです。

 したがって、各論は非常に唐突な感じで、過去の経緯からこうすべき、というストーリー、筋立てがないので話についていけなくなるのです。
 全部で三百数十ページもあるこのビジョン。読破できるのは数年先になるのではないかしらん。

 休憩に、朝読みそびれた朝刊各紙を見ていたら、朝日新聞にあった三菱UFJモルガン・スタンレー証券チーフエコノミストの水野和夫さんの「成長戦略は必要なかった」というインタビューに目が留まりました。
 水野さんによると、ほとんど具体性のない成長戦略を出し、財源の裏づけもないまま子ども手当や高校無償化を断行してしまった鳩山政権の失敗は、「成長戦略にとらわれて、(施策の)優先順位を間違ってしまった」ことにあるとのこと。
・もう経済成長で自然に税収が増え、財政支出と均衡することを期待すべきではない
・自民党は経済成長による財政再建を唱えてきたが、結果的に800兆円もの借金を作ってしまった。
・経済成長で問題を解決していくという近代のモデルに限界が来ている
・新政権は真っ先に歳出カットによる財政再建に取り組むべき。短期的な経済危機の面倒は見切れないと言ってしまってはどうか。
・鳩山政権は「成長戦略がない」と言われひるんでしまった。新政権は「成長戦略がなくて何が悪い」と言ってほしい

 なんだか、アドホック(出たとこ勝負)な話ではありますが、変化の早い現在、こっちのほうに説得力を感じてしまうはんわしなのでした。

2010年6月3日木曜日

ソーシャルビジネス トライアル



 誰の目にも閉塞が明らかな日本の現状を打破する、その一つの答えは、間違いなく「コミュニティ・ビジネス」(ソーシャル・ビジネス)でしょう。

 日本は諸外国に比べて税金や社会保険・医療保険などの国民負担が少ないにもかかわらず、比較的、豊かな福祉サービスを享受してきました。
 その理由の一つは、政府が、当然に国民が負担すべき費用を正々堂々と議論して明らかにすることなく、国債という名の借金で、いわば負担を見えない形にしてお金を調達し続けてきたことがあげられます。
 もう一つは、企業が「擬似家族」として社員を私生活も含めて囲い込み、終身雇用で生涯賃金や福利厚生を保証し、退職後までも保険制度で面倒を見てきたためです。

 過保護な「官」と、強い「企業」
 公的な、さまざまな問題も、政府・自治体か、民間企業が中心になって解決してきた、もしくは別の方面に論点をそらせてきたというのが長らくの日本社会でした。

 しかし、官は財政赤字に悩み、マンパワーもパフォーマンスが大幅に低下しています。
 企業は、家族同然だった社員を切り捨てないと生き残れない、ギリギリの修羅場をくぐり抜けてやっと存続しています。
 その谷間に落ち込んだ、地域の諸問題、たとえば高齢化、例えば少子化、教育、子育て、男女共同参画、外国人との共生、環境保全、防犯、防災、地域に誇りを持つ、などなどは、官でも企業でもない、第3のセクターが解決せざるを得ません。

 NPOが第3のセクターの典型ですが、ボランティアベースでは有意義な活動であっても継続することはできません。事業を継続するには、寄付のような社会全体で支える制度の構築や、ビジネスの手法で利益を上げ、それを事業に還元していくといった仕組みがどうしても必要です。

 後者の、ビジネスの手法によって地域課題(社会課題)を解決するのが、コミュニティビジネス(CB)や、ソーシャルビジネス(SB)と言われるものです。

 さて、このたび、名古屋市に本拠があるNPO法人起業支援ネットが中心となって、ソーシャルビジネストライアル 東海・北陸リーグという事業が展開されています。

 社会起業に関心がある人々を支援し、CBやSBが地域に根付くことを目標に行われているものですが、課題を解決するビジネスプランを公募し、そのブラッシュアップとコンペを経て、優秀なビジネスプランに対してハンズオン支援を行うという、そのビジネスプランの募集が開始されています。
 ちなみに、三重県エリアでは6月30日が締め切りで、ブラッシュアップ講座が7月と8月に行われ、コンペは9月11日に実施されます。

 CBやSBには社会的な関心が高まっていますが、当然ながら取り巻きや応援団が増えてもあまり意味はなく、実際にビジネスにチャレンジするプレーヤーが輩出することが、いわば「地域力」のバロメーターともなります。

 ぜひ多くのチャレンジャーが、このリーグにエントリーすることを願わずにはおられません。

2010年6月2日水曜日

木村カエラと鳩山由紀夫



 今朝は、木村カエラと瑛太の婚約発表(というか、できちゃった婚)にちょっとびっくりしたはんわしでしたが、仕事から帰る途中に携帯で見た鳩山首相退陣のニュースにもかなり驚きました。

 正確には驚いたというより、内閣支持率がいずれの新聞でも20%前後という不人気ぶりなので、早晩、政権の瓦解は必至とは思っていましたが、それが意外に早かったという点でのびっくりでした。

 地方公務員の世界では「一職場、一仕事」ということわざがあります。
 2~3年での人事異動が一般的な行政職員の場合、一つの職場にいる間には、大きな仕事、たとえば新しい事業を組み立てて立ち上げるとか、条例を作るとか、大きな公共工事をするとか、そのようなスケールの仕事は一つしかできない、ということです。
 これは、一つの職場では一つ以上の大きな仕事はしなくてよい、という意味では決してありません。
 短期間に頑張って大きな仕事をあれもこれもやろうとしても、すべてが大成するわけではない、という意味です。

 それにならうと、戦後何十年ぶりかで自民党の一党支配から政権交代をしたことが、鳩山内閣にとっての最大の功績であり、存在意義そのものだったのかもしれません。あとはすべて、付けたしに過ぎなかったのではないでしょうか。

 普天間基地移転問題で国内を混乱に陥れたと評されますが、多くの国民がそう思っているように、熱くなっていたのは(残念ながら)沖縄の人々とマスコミだけで、それ以外の、九州、四国、本州、北海道に住む圧倒的大多数の国民は、米軍基地が自分たちの町に移転してくるかもしれないなど夢にも考えていないし、基地負担を沖縄と共有しようなどとはこれっぽっちも考えていません。いや、そもそも沖縄の問題など全く無関心、他人事でした。
 そのように冷淡な国民に、基地問題の重要性というか深刻さを、反面教師的にとはいえ伝えようとし、共有しようとした(そして無残にも無視され、馬鹿にされ、撃沈した)ことは、鳩山さんの一つの足跡に間違いはないと思います。

2010年6月1日火曜日

久しぶりに紀南新聞をチェックしたら



 東紀州、というか、和歌山県新宮市を中心とした紀南地域の代表的ローカル紙である「紀南新聞」はネットサイトが非常に充実していて、はんわしのような地域外の人間にとって非常にありがたいメディアです。

 最近仕事が忙しくてなかなかのぞいている時間がなかったのですが、今日久しぶりに見ていたら・・・

「紀の宝ブランド便」発送 ふるさとの味郷愁とともに 紀宝町物産振興会 全国561人に
 という、紀宝町物産振興会が、かんきつ類やシラスなどの特産品を紹介するカタログパンフレット「紀の宝ブランド便」を作成し、配布を始めたというニュース(6月2日!付け)

ミカンのおいしさ凝縮 ジュースなど11品を開発 御浜町商工会
 という、御浜町商工会が、同町特産のミカンを使った、ジュースやミカンあんこ、ピール、ミカンアイスクリーム、ミカン線香など11品目の加工品を開発したというニュース(5月30日付け)

 など、南郡と呼ばれる御浜町、紀宝町の地域産業のニュースが掲載されていました。両方の商工会ともよく知っているので、ぜひビジネス的にも成功することを祈らずにおられません。

 ■紀南新聞ホームページ http://www.kinan-newspaper.co.jp/index.html

 しかし・・・
 あえて苦言を呈すれば、やはり両町ともネット社会に乗り遅れている、と感じざるを得ません。
 御浜町の特産品に関しては、御浜町ホームページを見ても、御浜町商工会ホームページを見ても、それらしい記事は見当たりません。
 グーグル検索で出てくる御浜柑橘ホームページ以外に、いったい、どこで売っていて、いくらなのかという基本的な情報が入手できません。つまり、お客のほうを向いていません。(お客を「想定していない」というべきでしょうか。)

 紀宝町に至っては、紀南新聞の記事に出てくる、紀宝町物産振興会、紀の宝ブランド便、紀宝セールなどのキーワードを検索し続けると、やっと紀宝町体感WEB(http://kiho-sale.jp/)なるページにたどり着きます。
 これがまた、なんと言うか、実にシンプルなつくりのページで、何が何でも地域外のお客にふるさとを売り込もうという情熱とか、ガツガツしたハングリーさが微塵も感じられない、ある意味で天晴れなホームページです。
 このサバサバ加減は、眼下に七里御浜と熊野灘の水平線、眼前に清流熊野川と緑深い山々を望む、紀宝町の豊かな地域性の表れかもしれません。

 これで、いったいどうやってプロモーションするのでしょうか?
 「依らしむべし、知らしむべからず」
 あるいは
 「力を尽くして狭き門より入れ」
 みたいな格言を消費者は思い起こすべきなのでしょう。

 御浜町や紀宝町の特産品が欲しければ、自分で電話番号を調べて電話するか、実際に現地に行って購入するしかないのです!