2010年7月31日土曜日

鳥羽の海を彩る「とばホタル2010」

 鳥羽青年会議所の主催によるとばホタル2010に行ってきました。
 海中に照明器具を沈め、水中から光を放って海岸線をライトアップするもので、非常に幻想的で美しいという噂を聞いたからです。

 会場は、はんわしの実家から徒歩10分足らず、JR・近鉄鳥羽駅からミキモト真珠志摩方面へ300mほどの海沿いにあるカモメの散歩道です。

 今日は初日ということで、ハワイアン演奏やフラダンスのステージ、ビールやおつまみ、カキ氷の販売などもあって、ざっと見たところ何百人かの人出がありました。
 
 夜になると普段は閑散としている場所なので、今日はいっそう賑やかに思えます。

 肝心のとばホタルですが、いかにも発光ダイオードのような無機的な緑色の光で、これがたとえば何色かに色が変わるとかでなく、光が強弱するわけでもなく、ずーっと一定の光量で光りっぱなしなので、正直言って、次第に飽きてきます。

 むしろ、会場のちょうど対岸に安楽島地区の山肌にそびえる観光ホテルのビル群が見え、その無数の窓々から明かりが漏れているのが、暗い海面に映えて大変きれいです。

 海上には「とばホタル」の見物なのか、イルミネーションを点灯した観光船が何隻か行き交っており、潮風に当たりながらこれらの夜景を見ていると、鳥羽って本当にきれいなところだなーと思ってしまいます。

 クライマックスは、鳥羽旅館事業協同組合が行っている鳥羽湾毎夜連続花火大会の花火が打ちあがる午後8時半頃です。
 わずか5分間ほどのプチ花火大会ですが、7月24日から8月29日まで雨天をのぞき毎夜毎晩行っている鳥羽の風物詩です。

 そういえば、今シーズン初めて花火を見ました。


 

2010年7月30日金曜日

葉っぱがシェフのJomonから




 尾鷲市にある知る人ぞ知るレストラン、Jomonのあるじ平山さんからメールをいただきました。今日はそのネタで。

 知る人ぞ知る、というのは誇張ではありません。
 尾鷲のレストランというと、どうしても目の前の海から採れた魚介類、海の幸というイメージが湧きます。 実際に、尾鷲には旨い魚を食べさせる店は多いのですが、Jomonはそのような料理の常識を凌駕した斬新なスタイルの調理法で、県外からも多数のファンが訪れている店です。

 Jomonというのは、縄文式土器からヒントを得た?土鍋を使っていることからの命名だと思います。
 特殊な土鍋の中に、季節のとりどりの野草やハーブ(葉っぱ)をたっぷりと敷き、その上に豚肉や魚などの食材を置いて、フタをし、蒸し焼きにします。

 非常にシンプルな調理法ですが、草の香りがほのかに食材に移り、「葉っぱがシェフ」というJomonのキャッチフレーズの通り、不思議な大地の生命力を料理に与えているようです。

 このあたりについては、オーナーの平山さんご夫婦のインタビューと共に、東紀州観光まちづくり公社が発行した「東紀州花まるの店」にも掲載されていますので、ぜひそちらをご覧ください。

 さて、ここからが本題。
 このユニークな葉っぱがシェフのスタイルが、大阪は北浜にある「そばよし大幸庵」なるお店でも提供されることになったそうです。
 8月21日には「道修町ハーブ焼」という新作料理も発表されるそうです。

 Jomonオーナーの平山さんの話では
 尾鷲は元祖ということで、料理ノウハウと裏山の葉っぱを供給します。  あっという間に大阪と三重のコラボが実現してしまいました。
 とのこと。

 実は、尾鷲は特産の尾鷲ヒノキ丸太を湯船に浮かべるという、浴場のイノベーションとでも呼ぶべき「世界遺産風呂」発祥の地であり、これを日本で最初に行った夢古道の湯から全国のスーパー銭湯にこのモデルが「輸出」されている前例があります。

 葉っぱがシェフも尾鷲発、全国制覇が夢ではないかもしれません。
 みなさまもぜひ一度ご賞味ください。(場所が尾鷲市街地で分かりにくいので、地図をチェックしていくことをおすすめします)


2010年7月29日木曜日

我々にリスクを負う覚悟があるのか



 ここ数日、中小企業の経営者や経営幹部の方々からお話を聞く機会が多いのですが、皆さん異口同音に「後継者不足」についての危機感をお話されていたのが印象に残りました。
これは、ご自分の会社やお店だけでなく、全体的に日本の中小企業には後継者が不足している、という意味です。

 若者の就職先として「サラリーマンという選択」は完全に一般的となりました。むしろ、親の跡をついで商売するとか、ましてや自分で起業するという人はごくごく例外的な少数になってしまっています。
これは、(経営者の皆さんも認めておられましたが)先行きが見えず、自営業を続けていても従業員の雇用が守れるのか、それ以前に、今後何十年にもわたって自分自身が安定的に生活していけるのかに不安や疑問を感じてしまうからだと思います。

 では、どうしたらいいか。
 方向性としては、次の2つになります。
その1 経済の先行きを明るくする
その2 創業者や後継者が輩出するようなチャレンジ精神あふれた社会にする

 このうち、2番目については残念ながら劇的に向上させるのは時間がかかると思います。日本人の心性というか、ものの考え方が、基本的に「リスクにチャレンジする」のではなく、「リスクを避ける」ことだからです。
 国や県などの公務員が、自分は絶対安全圏内にいて、他の人の起業や創業を応援するベンチャー促進策を行っているというのも、この意味でマンガ的と言えなくもありません。

 では1番目はどうするか。重要なのはこちらです。

 一つの考え方として、将来迎える日本の姿は今までの延長線上にはないのだろうということです。
 ・景気は(基本的に)回復しない。
 ・デフレから抜け出すことは(基本的には)できない。
 社会や経済は成長して、モノやサービスはすべての人に行き渡ると、今までの商圏で新たなビジネスチャンスを見つけることは難しくなります。また、社会のあらゆる部分でルールが出来上がり、規制が生まれて、世の中が硬直化してしまいます。

 企業は、ただ単に「技術力」を高めたり、「サービスの質」を高めたりするだけではなく、あるいは「コストを削減し、価格を下げる」だけではなく、今までとは違う発想で経営戦略を考えてみることがまず手がかりになるのではないでしょうか。遠回りのようですが、それしか道はないと思います。
 
 そして、何より重要なのは「規制改革」です。
 規制緩和がなかなか進まないのは、世間一般の常識である政治家や官僚の既得権ではなく、一般の我々も、それでトクをし、自分の身を守ってくれている規制が多いからです。
 社会のあらゆる階層、あらゆる立場の人に、少しずつそのような「既得権」が積み重なっているので、新規参入しようとしても結果的にそれが難しくなるのです。

 本気で日本の行く末を案じ、後継者不足を心配するなら、起業者や後継者が活躍できるような競争環境を整える必要があります。そのためには、規制を大胆に取り払うしかありません。
 これは回りまわって、私たち一人ひとりに痛みをもたらします。それを覚悟できるかどうかの問題なのです。

2010年7月28日水曜日

伊勢みやげ菓子1コンテスト



 伊勢市産業支援センターが、伊勢みやげ菓子1(KASHI-ONE)コンテストを開催するそうです。

 伊勢地域は古来より伊勢神宮への参宮客が多かったことから、地元の名物や土産物に手軽に食べられカロリーが高い「餅」が多いのが特長と言われます。
 有名な赤福餅を始め、同じ漉し餡の御福餅、へんば餅、神代餅、二軒茶屋餅、などなど、思い起こせるだけでも多数の餅菓子が名物となっています。

 この菓子1コンテストも新たな伊勢土産となりうるお菓子のコンテストという開催主旨のようですが、参加できる対象はアマチュアで、プロの菓子職人は参加できません。
 一方で、審査を行うのは菓子職人などプロの方々。優秀なメニューは11月におかげ横丁でお披露目会を行うとのことです。

 いろいろいいこと尽くめのような話ですが、問題になるのは、このコンテストの最終目標をどこに置いているかということです。
 伊勢志摩は日本を代表する観光地で、数多くのお菓子、土産物があり、さらにいろいろな新製品が投入されており、非常に競争が厳しい状態です。
 しかし実際には赤福が一人勝ちしており、その他のたくさんの土産物も多くは似たり寄ったりで決定打がないのが現状となっています。

 さらに、全国でもこれと同じような新たな特産品開発をテーマとした企画、コンテストは多く開催されてはいますが、仮にアマチュアのレシピが優秀賞に選出されても、それが直ちに事業化され、商品化につながるかは疑問です。
 アマチュアのアイデアは、あくまでアイデア先行でビジネスとしての採算を度外視しているので、厳密に原価計算したり、製造工程を考えると、商品化には多くの困難が付きまとうからです。

 だとすると、この菓子1コンテストも、伊勢志摩の集客イベントの一つとして理解すべきかもしれません。
 もちろんアイデアが活発に出てくるのはいいことです。一つでも二つでも新名物として商品化されるものが出てくれば、それは望ましいことだと思います。

■伊勢みやげ菓子1コンテストホームページ  リンクはこちらを

2010年7月27日火曜日

Yahoo! JAPANがGoogleの検索エンジンを採用!



 辻元清美議員の社民党離党以上にインパクトがあったニュースが、日本を代表するICT企業であるYahoo! JAPANが、Googleの検索エンジンと検索連動型広告を採用する、と発表したことでしょう。

 検索エンジンについては米国のYahoo!は、Microsoftの「Bing」を採用することを決定していました。
 しかし、本日記者会見したYahoo! JAPANの井上雅博代表取締役社長は

 GoogleがYahoo! JAPANの利用者にとって一番良いだろうと総合的に判断した。Microsoftも候補に入れて検討したが、検索エンジンについては各社に一長一短があり、どれが決め手と言えるものはなく、総合的な評価から決定に至った。

 また、広告配信システムについては、Microsoftは現時点で日本では提供していないサービスがあるなど、未知の部分が多かった。

 とのことです。(INTERNET Watchの記事より)

 はんわしが気になるのは、ネットショップへの影響です。

 井上社長の言うとおり、オーバーチャーとアドワーズは両方にそれぞれ強みと弱みがあり、どちらを選択するかはネットショップの経営戦略上、かなり重要な問題でした。
 また、日本では、インターネットのトップページをヤフーに設定しているユーザーが多いなど、検索エンジンのシェアはYahoo! JAPANの独壇場でした。
 しかし、事前の登録など要件が厳しいことやブログのヒット率が低いなどから、純粋なロボット検索のGoogleが日本でもシェアを奪還しつつあり、どちらのアルゴリズムに自社のホームページを適応させるか(キーワード、タグ、リンクの数や質などなど)も大きな問題となっていました。

 これが合体してしまうことによる影響を、Yahoo! JAPAN側はそう問題視していない(そうとしか説明できないでしょうが)姿勢ですが、実際には相当影響が出るのではないかと思います。

 具体的な導入時期とあわせて、ネットショップオーナーの方には当分目が離せない状況になりそうです。

2010年7月26日月曜日

理解を超えている?ラブプラス+現象



 はんわしはテレビゲームも携帯ゲームも全くやりませんし、アニメにもほとんど関心はありません。
 したがって、先日も日本テレビ系「バンキシャ」で放映していた、ラブプラス現象とも呼ぶべきものは正直言ってほとんど理解を超えています。

 「ラブプラス+」とは、コナミによるニンテンドーDS用のゲームソフト。
 公式ホームページによると

 「ラブプラス+」は、高校生のあなたが、転校してきた学校で素敵な女の子と出会う物語。
 勉強、部活、おしゃれ……と、毎日自分を磨くうちに
 女の子と少しずつ仲良くなって、やがて恋人同士になり──
 そして、その後も恋人同士として、楽しい生活をずっと続けられます。

 というようなものらしい。
 はんわしがあと25歳若かったらハマッてしまったかもしれない、恋愛ゲームのようです。



 この人気に目をつけた熱海市観光協会がコナミとタイアップして、ファンをターゲットにしたスタンプラリーなどのイベントを“熱海ラブプラス現象(まつり)”と銘打って行っており、それに多数のファンが殺到しているとのことです。

 これも広義の「地域おこし」には違いないでしょう。熱海といえば有名な観光地ですが、温泉だけではなかなか地域間競争を勝ち抜くことはできません。
 観光の付加価値を高めていくにはゲームとのコラボレーションという手段も重要になってくることでしょう。
 その意味では(いろいろ批判もあるようですが)熱海市や観光協会の先見性と行動力には感心させられます。

 もう一つの発見は、熱海でのスタンプラリーにも活用されている「ARマーカー」という画像技術です。



 単なる技術革新がビジネス上の収益には直ちに結びつかない時代ではありますが、同時にARマーカーのような技術と、ラブプラスのようなソフトが新たに結合することで、新しいビジネスを生み出している好例ではないかと思います。

2010年7月25日日曜日

三重県のゆるキャラ三連発



 いろいろと運営についても厳しい噂を聞く三重スリーアローズですが、マスコットキャラクターの命名についてもモメているようです。

 毎日新聞(7月21日付け)によると

 先月、テレビ番組に出演した球団代表が、お笑いタレントに提案してもらった名前7案の中から「松坂エビ太郎」に即決。だが「センスがない」などとファンや選手から大不評。白紙に戻し、今月初めから改めて公募する事態になっている。
 (中略)マスコットはスリーアローズが大好きな3歳の男児という設定で、松阪牛も伊勢エビも全く関係がない。
 (中略)このため、球団にはファンから「センスがない」と批判する電話やメールが数十件寄せられたほか、選手からも「めちゃくちゃな命名。ホームが津なのに、なぜ松阪と伊勢なのか。戦う気が起きない」との声が上がった。結局、「松坂エビ太郎」は不採用にし、番組側に伝えたという。

 とのことで、現時点で、Yahoo!知恵袋に「松坂エビ太郎の別名は何がよいでしょうか?」という質問さえ出ていたりする状態です。

 まあ、みなさんの納得のいく解決が得られることを陰ながら応援したいと思います。わしもスリーアローズの試合ってまだ行ったことがないので申し訳ないのだけれど。

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 あと、やや旧聞に属しますが、来年のNHK大河ドラマが「江~姫たちの戦国~」に決定したことを受け、ドラマに登場する人物にゆかりのある地域がいろいろな活性化キャンペーンを始めています。

 ちなみに「江」とは「ごう」と発音し、浅井長政とお市の間に生まれた三姉妹の三女の名前です。母のお市は織田信長の妹であり、つまり江たち姉妹は信長の姪に当たるため、浅井家が滅亡した後も各地の名家に引き取られ、その後数奇な運命を送ることになります。

 さて、このキャラクターが大河ドラマ「江」地域活性化推進協議会なる団体によって、6月に「公認」されたそうです。

 この協議会は、津商工会議所などの経済団体や三重県、三重県観光連盟などによる官製団体のようで、400億円以上とも言われる龍馬効果の二匹目のドジョウを狙っているのはミエミエ(シャレではない)ですが、まあ、地味な三重県としては滅多にないことではあるでしょうから、これまたエールを送りたい気持ちではあります。

 しかし、江と三重県の接点は少女時代の数年間、伊勢国の有力者の庇護の下で生活していたということくらいしかないようですが・・・

 ■ NHK大河ドラマ「江」を応援する会 http://www.smmnet-1.com/go/


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 最後、一番気が重い話題が、三重県が強力に推進している「美し国おこし」という政策のマスコットキャラクターが先日命名された、というニュースです。

 知事の肝いりで始まった政策であり、三重県庁職員にとっては行動規範として疑いを挟む余地がない思想的不文律となっています。

 しかし、これも昨日の中日新聞によれば、同社が県内の有権者を対象にした電話アンケートの結果、

・美し国おこし・三重を「知らない」と答えた人は35・5%
・知っている人で「高く評価する」としたのは全体の12%で、「ある程度評価する」の31・7%と合わせて43・7%

・「全く評価しない」2・5%、「あまり評価しない」11・7%を合わせると14・2%


 という結果となっています。

 うーん、どう言ったらよいのやら。何しろ下手に論評したらわしの身が危ういし・・・

 キャラクターのうーまちゃんには啓蒙とPRのため、いっそうの奮起を期待したいと思います。しかしこれ、誰がかぶるのかなあ。


 

2010年7月23日金曜日

熱中症対策はコレ



 日本一地味な県庁所在地、津市も、一昨日(21日)、昨日(22日)と最高気温が37度になり、日本で2番目だかの暑い街になったと報道されていました。
 この「2番目」というのが津らしい慎ましやかさです。

 それはさておき、熱中症が猛威を振るい、全国では死者まで多数出ています。
 本当に痛ましいことですが、基本的には自分で予防するしかないでしょうから、どうか対策は万全にとってほしいと思います。
 というのも、この週末あたりから各地でイベントや催し物、夏祭りなどが本格化するからです。ぜひ無理をしないように心がけましょう。

 さて、暑いさなかの、はんわし的なヒット商品は、この「ぬるアイスノン」(白元)です。
 嫁さんが生協のカタログを見ていて発見し、これから暑さも本格的になるから、念のために・・・と購入してくれたもので、はんわしも通勤のバッグにいれておいたものの、こんなの本当に使うのかなあ、と半信半疑でした。

 しかし、暑くてたまらないときに、ボタンを押してジェル状の液を首筋とか額に塗ると、本当にスーッと清涼感が得られ、体温が下がって汗が引いていきます。
 持続時間は10分程度ですが、それなりに効き目があるので、すっかり手放せない状態になっています。

 薬局でも数百円で売っているのを見ましたから、皆様も暑さ対策に一本持っておくといいかもしれません。

2010年7月22日木曜日

10分間の小さな旅



 三重県は知る人ぞ知る「ナローゲージ王国」です。きわめてマイナーな「王国」ですが・・・

 ナローゲージとは鉄道用語で、一般的には日本の標準的な(例えばJRの)線路幅である1067mmよりも狭い線路幅で敷設された鉄道のことです。

 その多くは、明治末期から昭和初期にかけて全国各地で敷設された「軽便鉄道」が前身です。
 道路事情が良くなかった当時、比較的安い用地費や工事費で建設できた軽便鉄道は、庶民の交通手段として物資、旅客輸送に活躍しました。

 その後、道路が整備されマイカーが普及すると、輸送力が小さくスピードも出ない軽便鉄道は次々と姿を消してゆきますが、三重県の場合、奇跡的に北勢地域にナローゲージが残っています。

 ●三岐鉄道北勢線(西桑名~阿下喜間20km)→HP
 ●近鉄内部線、八王子線(四日市~内部5.7km、日永~西日野1.3km)→HP

 これらの線路幅は762mm。鉄道ファンの間では有名ですが、どちらも近鉄という大きな民鉄の一路線だったから生き残れたという幸運がありました。(北勢線は平成15年に近鉄が三岐鉄道に事業譲渡)
 今でも主に通学用として、時速40kmくらいのゆっくり運転で活躍しています。

 しかし、ここで忘れてはならないのは、究極のナローゲージがもう一つ三重県にはあることです。
 その線路幅はなんと610mm。JRの三分の二、新幹線の半分ほどしかない小さな鉄道です。

 場所は三重県最南端の熊野市紀和町。
 もともとは銅鉱石を産出する紀州鉱山の坑道用トロッコ列車として運行されていたものです。
 紀州鉱山が閉山した後は、大部分の区間は撤去されてしまいましたが、1kmほどの区間の線路は残されて、現在は、紀和町内にある温泉ホテル瀞流荘と、湯ノ口温泉とを結ぶ観光路線として運転されています。

 大部分の区間は坑道のトンネル内なのですが、超小さな機関車が、これまた超小さな客車(本当におもちゃのよう!)を何両か連結して、トコトコと走るのは非常に面白い光景です。
 湯ノ口温泉も瀞流荘も、三重と和歌山の県境でもある北山川に近く、熊野の深山幽谷に囲まれた風光明媚な地にある名湯です。
 鉄道ファンの方も、温泉ファンの方も、どちらにもお勧めできる素晴らしいところです。
 みなさまもこの夏、10分間の小さなトロッコ列車の旅を楽しんではいかがでしょうか?

 ■紀和町観光公社  http://www.ztv.ne.jp/irukaspa/

2010年7月21日水曜日

就活も親だのみ!?



 リクルートが、来年3月卒業予定の大学生と院生を対象とした「就職活動実態調査」の結果を公表しました。
 就職が引き続き厳しい中、就職活動中の心理とか、活動の状況などがアンケート調査されているのですが、日経新聞などは、就職に関する相談相手に両親など保護者をあげている回答が42%だったことや、そのうち39%が保護者に係わってもらったこととして「自己分析」をあげていること、さらに「エントリーシート作成」にも4分の1を超える学生が親にかかわってもらっており、少数意見ながら「会社説明会」「企業への問い合わせ」にも親の関与があった、という調査結果を受けて、昨今は学生の就職活動も親だのみ、のような論調でした。

 ■リクルートホームページ  http://www.recruit.jp/index.html

 確かに、二十数年前のはんわし自身の経験と照らし合わせても、かなりの様変わりです。会社説明会や企業の問い合わせも親に頼んだりしているということなのか、それとも消極的な子どもに代わって、親がしゃしゃり出てきているということなのでしょうか??

 しかし、よく考えなくてはならないのは、だから若者はダメだ、だらしがない、親もバカだ、などと安易に決め付けるのではなく、このような日本の現状を見据えた上で、社会にとって最も適切な対策を取っていくことではないかと思います。

 この調査を見ると、インターンシップに参加している学生は41%。中には複数の企業でインターンする学生も少なくなく、一定の浸透が見られます。OB,OG訪問も24%が行っています。
 仕事や社会人に対する、リアルな感触というか、現場の空気のようなものをより知りたがっていると受け止められます。

 最近は、三重県でもかつて3Kといわれたものづくり企業に対する正しいイメージを持ってもらうため、中小企業の現場をまわり、経営者や従業員と対話する、大学生や高専生向けのバスツアーを行っていますし、東紀州地域では長期インターンシップ事業にも取り組んでいます。
 その現場で聞く声は、やはり企業や組織の要になるのは優秀な若い人材だということです。これは、今までもそうだったはずですが、先行き不透明で過去の経験が通らない世の中になってきたからこそ、余計に人材の大切さが共通認識になるようです。

 このように、まず現場を知ってもらい、もし可能なら、より積極的に現場体験に進んでもらうような流れを、企業や学校の意見も取り入れ、何より学生自身、そして今回のリクルートの調査で存在感を大きくしてきた保護者も視野に入れながら、よりシステマティックに取り組んでいく施策が必要な気がします。

2010年7月20日火曜日

お礼には行ったのか?アンタら



 2022年のワールドカップに、なんと再び日本が開催地の立候補をするらしく、今日、FIFAの視察団が来日し、大阪の候補地などを視察したニュースが報じられていました。

 今回は日本チームが予想外の活躍をして、これはこれで喜ばしいことなのですが、早くも行政主導により(今回の招致も大阪市が主体になって動いたものと報じられています。)10年以上も先の大会への誘致合戦が始まっているところを見ると、やはり素朴なサッカー愛好とか愛国心とかとはまったく別の次元で、ワールドカップはビッグマネーが動く巨大ビジネス、巨大利権だということがはからずも表れている気がします。

 それがいけないというのではありません。
 ヨーロッパなどでは、多くの場合、企業や住民の支援によってスポーツはれっきとした職業として成り立っています。
 賭けの対象にもなっています。
 日本では角界の野球賭博のようにヘンに問題視されることが多いし、サッカーくじのTOTOも泣かず飛ばずですが、ギャンブルとしてのプロスポーツが収益を成り立たせている面も見逃せません。

 日本は景気が低迷しており、これを打破するのは新たな産業を作るイノベーションだ、とよく言われます。
 しかし、イノベーションとは科学技術の革新だけでなく、規制改革など世の中のルールを変えることで、消費者のニーズに対応したり、ウォンツを発掘することでも成り立ちます。このことは大きなポイントだと思います。

 話は変わって。
 南アフリカ大会の大きな話題の一つが、見事優勝チームを予言したパウル(パオル)なる雄ダコです。全世界から注目が集まる人気者になりました。
 しかし、みんな忘れていては困るのですが、日本チームが決勝トーナメントに出場できたのも、トレードマークであるヤタガラスを御使いとする熊野権現の御神徳だったということです。神仏のご加護なくして、実力で予選を突破することなど不可能だったのです。
 熊野三山を本拠として全国各地にある熊野神社、熊野大社に詣でたファンの方々。白峰神宮などに祈願したファンの皆さん。
 ちゃんと熊野のご神仏にはお礼参りしたのでしょうね?


 

2010年7月19日月曜日

BLOGOS 田原総一郎×池田信夫が面白い



 ジャーナリストの田原総一郎氏と、エコノミストで人気ブロガーの池田信夫氏がBLOGOS上で対談している「民主党を負かしたのはマスコミ」が面白いです。

 時間のない方は、掲載されている対談のダイジェストを読むだけでも結構かと思いますが、もし可能ならば動画配信されている対談の映像を実際にご覧になることをおすすめします。

 皆さんほぼ同じ感想と思いますが、先の参院選では、菅首相がとなえた「消費税増税論」に新聞やテレビなどの大マスコミはどこも基本的に反対しておらず、それどころか、財政危機が進み、さらに毎年1兆円近くの社会保障費が必要になるという現在の日本の状況を考えると、消費税増税は避けて通れない問題であって、選挙前にあえてこの問題を提起した菅首相に対し、むしろ賛成、応援していた論調が多かったと記憶します。(自民党も基本的には消費税増税なので、その意味では民・自とも大差はない。)

 しかし、あれあれあれと思う間に内閣支持率は急落。
 大マスコミは賞賛したはずなのに国民の目は厳しく、首相の発言は次第に迷走し始め、結果とうとう民主党は大敗してしまいました。

 そのへんの詳しくはリンクを見ていただくこととして、はんわしが興味深く思ったのは、対談の後半、経済政策と中小企業対策の部分です。

 田原氏によると、

・今までは中小企業対策は金融だった。彼らは金がないから、銀行が金を貸していた。最近は金融の時代が終わったと言われている。地方の中小企業はほとんどが公共事業で持っていた。
・小さな会社であっても、公共事業の孫請けがあった。でも公共事業はほぼ終ってしまった。地方の中小企業は仕事を欲している。仕事がない。仕事を中小企業にまわすにはどうしたらいいのか? 何にも施策がない。
・だから僕は最近言っている。地方分権や地域主権なんてナンセンスだと。
・田中角栄が進めた列島改造論は、東京、名古屋、大阪の太平洋側には工場がたくさんあるから、これ以上作らずに、内陸部や日本海側にもっと持って来るということ。ところが田中角栄は列島改造論を唱えたものの、地方分権の考えはなかった。言っている事は地方分権だったけど。
・民主党は地方分権を唄いながら、列島改造論の考え方まったくない。

 それではどうしたらいいのか? ということまではさすがに教えてはくれない(彼にも多分妙案はないのだと思います)のですが、今まさに、地方の中小企業政策が大きな曲がり角に来ていることは確かだと思います。
 
 はんわしも普段は、政治とか、ましてや田中角栄が作ったという工場誘致のシステムなんかを身近に感じることなどほとんどありません。
 しかし、以下に自分が経済に関係ないと思っている人でも、実は景気や金利や株価や経済情勢から無縁ではないように、国民である以上、国政から(そしてマスコミからも)無縁ではないのだなあ、ということを改めて実感したのでした。
 みなさまもぜひ。

2010年7月18日日曜日

地域おこし活動を第2ステージへ



 人口が減少し、何よりも高齢化が進んでいることは、ある意味で当然ながら、都会よりも地方、いわゆる「田舎」のほうが深刻に実感できます。

 実際は大都会であっても住民の高齢化と過疎化は進んでおり、ビルに囲まれ、昼間はビジネスパーソンで賑わっていても、実際に住んでいる人がほとんどいない地区はかなりあります。
 ただ都会の場合は市街地(住宅やビル、道路)が面的につながって拡散しているので、一見すると、あまり寂れている感じはありません。

 一方で、田舎、特に中山間地の場合は、集落や在所は数軒から数十軒、数百軒単位で固まっており、山や川で地理的に隔絶されながら散在しているので、完結した狭いコミュニティの中で、具体的に空き家が増え、若い夫婦や子供が姿を消し、車を運転している人は高齢者ばかりという「過疎化」の光景が目の当たりになります。

 多くの田舎で、地域おこし、まちおこしが取り組まれました。危機感を持つ住民有志は少なくなく、行政のバックアップもあって、ふるさと祭りの類のイベントが立ち上げられ、地域資源が発掘され、活性化の「起爆剤」としての拠点施設や観光施設が建設されました。
 しかし、それらの多くは曲がり角に来ているような気がします。

実例その1
 伊勢市には、その昔、平家の落人が都から逃れてきたという山村があります。つい二十年前までは交通事情も良くない隠れ里でした。
 過疎化に悩む住民が中心となり、清流や豊かな自然環境を使った活性化活動に取り組み、10年ほど前には市が農林業体験施設やキャンプ場を建設しました。夏には、ホタルが飛び交う幻想的な光景を見に多くの観光客が訪れました。
 しかし昨年4月から、この施設は運営が休止されています。
 管理運営を担っていた地元住民の高齢化などが主な原因のようです。
 非常に残念ではありますが、これらの活動が住民のボランティアと市の支援とのバランスで成り立っていた以上、どちらかの力学が崩壊すると、熱意や意欲とは別次元に、立ち行かなくなってしまうのです。


実例その2
 大紀町には「あじさいロード」という、渓流の両岸に沿って、数キロにわたりアジザイが植えられた場所がありました。
 初夏にこの地をおとづれると、青や紫に咲いたたくさんアジサイが出迎えてくれ、渓流の涼しげなせせらぎの音とあいまって別天地のよう。
 地元有志による地域おこし活動で、大紀町合併前の旧大宮町も支援を行い、優秀な地域づくり活動として国から何度も表彰を受けている地域でした。
 しかし、このアジサイも数年前、野生のシカにより芽や株が食べられてしまう「獣害」によってすっかりなくなってしまいました。今は切り株が延々と続き、広大な駐車場だけが残る単なる山道となっています。当然ながら観光客もいません。
 シカが増えたのは、駆除する住民も少なくなってしまったからだそうです。
 
 これらから、何を読み取り、学ぶべきでしょうか。

 はんわしが思うに、住民有志による郷土愛と、その熱意を受けた行政の支援が合体した地域おこしは「第1ステージ」と呼ぶべきもので、これら2つの事例はそれなりに成功した勝ち組だったのですが、そのノウハウだけでは限界に突き当たる時代に変化してきたということではないでしょうか。

 今は「第2ステージ」、つまり後継者の確保が最重要課題になっています。次世代にバトンパスできない活動は、いかに有意義であっても持続できないのです。
 その対策の一つが、ビジネス化によって収益を上げ、経済力によって持続させる方法です。
 もう一つが、高齢化過疎化している地元でなく、地域外からやりがいを求めてやってくる人材を活用する方法です。
 
 幸い、伊勢志摩や東紀州、さらに三重県内のその他の地域でも、このような第2ステージが胎動しています。
 この中にプレーヤー、サポーターの人的資源を集積させていき、創発を生み出す取り組みが必要だと思います。

 

2010年7月17日土曜日

梅雨明け!




 東海地方が梅雨明けしたようです。
 例年のことながら、気象庁という、予報が外れても何の責任も取らず、痛痒も感じていなさそうな三流官庁が、梅雨明けを国民対して「発表」することが、気象現象まで官僚が支配する、我が祖国の悲しい姿を象徴するようで、不思議、いや不愉快にさえ感じてしまうのですが。
 それはさておき。

 今日は三連休ということで、何となく気分も開放的になり、ジリジリと日差しが強い中、いつもの散歩コースである二見浦に行ってみました。


 海岸線沿いの数百メートル先。
 写真の右側から中央部にかけての岬のあたり、ちょうど松の木の枝の真下くらいが、夫婦岩(めおといわ)で有名な二見興玉(おきたま)神社です。


 正面は、伊勢湾の対岸、知多半島です。風が強かったせいか、肉眼ではハッキリと見えました。
 入道雲がモクモクと沸き上がっており、景色は完全に「夏バーション」になっています。

 このアングルから左のほうを向くと(写真には映っていませんが)、二見海水浴場があり、今日も何十人かが泳いだり水遊びしているのが見えました。

 ただ、先日の豪雨の影響なのでしょうが、海の水がかなり濁っていました。
 特に、広島県や岐阜県での豪雨による被害には本当に心が痛みます。被災された方にお見舞い申し上げると共に、一日も早い復旧を祈らずにはおられません。

 

2010年7月16日金曜日

じばさん三重で、おもしろいもの発見



 今日は、四日市市にある じばさん三重 に出張してきました。

 じばさん三重は、正式名を三重北勢地域地場産業振興センターといい、近鉄四日市駅の西口から徒歩5分。アピタの建物の中を通り過ぎて、すぐ隣に入り口が接続している交通至便の地にあります。

 四日市や桑名、鈴鹿、亀山など三重県北勢地域の地場産業産品、代表的なものとして、陶磁器である萬古焼(ばんこやき)、伊勢型紙、鈴鹿墨、日永うちわなどといった伝統的工芸品や、清酒、あられなどの米菓、手延べそうめん、ごま油、伊勢茶、ロウソクなどのご当地産品が展示販売されています。

 じばさんの職員の方に、最近の売れ筋とか、何かおもしろい新商品はないですか? と聞いたら教えてもらったのがこれです。

 一見、お寿司です。もう一つは写真が見にくいと思いますが、左からコーヒーカップ、麦焼酎(二階堂でしょうか?)、ワンカップ大関、そして四日市が誇る本格焼酎キンミヤです。

 これ、なんと、すべて「ろうそく」です。
 日本を代表するろうそくメーカーであるカメヤマローソクが開発したもので、名付けて「故人の好物シリーズ」
 亡くなった方の好物であったお寿司やコーヒー、お酒などをかたどったロウソクを墓前に供え、生前を偲ぼうというもので、不謹慎かもしれませんが非常にユニークな、おもしろいアイデア商品だと思います。従来なかった斬新なロウソクではないでしょうか。

 ■ カメヤマローソク ホームページ  http://rosoku.kameyama.co.jp/index.html
   
   故人の好物シリーズ商品詳細   http://rosoku.kameyama.co.jp/rousoku/koubutsu.html


 ロウソクが典型的なのですが、全国どこでも、いわゆる地場産業は消費者の生活スタイルの変化や核家族化などにより、生産量、流通量とも大きく減少し、多くの産地や企業は長期低落傾向にあります。

 伝統的な産業が姿を変え、あるいは姿を消してしまうことも、経済活動である以上、ある程度仕方がないことです。
 しかし、このろうそくのように、アイデアを商品化することで新しいニーズを発掘し、新たな顧客を開拓して、ビジネスの更なる飛躍を目指すことは大変重要なことではないかと思います。

 同時に、逆説的な言い方になりますが、一見地味な伝統工芸、地場産品の世界は、実は長年顧客から愛されてきた「基本形」を維持している世界でもあります。
 デザインとか使い勝手というものは、実はそれほど常に転変しているわけではなく、ほぼ同じものが伝承され、定着している事実を考えると、全く新しいことを考える発想のうえでも、古くて新しい伝統工芸品、地場産品にまじかで触れることは、大きなヒントを与えてくれることになるかもしれません。

 四日市にお越しの際は、ぜひ「じばさん三重」にも立ち寄ってみてください。(ただし、駐車場は数台分しかないのでご注意を。)

2010年7月14日水曜日

こども手当は脱官僚の「試金石」




 ダイヤモンドオンラインに掲載された、こども手当は脱官僚の「試金石」という山崎元さんのコラムがおもしろかったです。(リンクはこちら。ライブドアニュースから)

 松阪市長をはじめ、各方面からさんざんな批判を浴びているこども手当ですが、財源不足に加えて、参議院選挙での政権与党の敗北もあって、ますます今後の継続支給が混沌となってきました。

 山崎さんの見方によると、これは政治家から主導権を奪い去りたい官僚にとって絶好のチャンスということになります。

 なぜか。

 山崎さんは言います。

 子ども手当は、支給対象年齢の子ども(新たに日本国内に居住する子どもに限定された)に対して、何の条件も裁量の余地もなく、機械的に給付しなけれ ばならない。前回総選挙のマニフェスト通りに子ども一人当たり月額2万6千円を支給するならば、年間5兆円強の予算を要するにも関わらず、官僚は権限をふ るう場所がない。

 加えて、現金を給付するだけなので、保育園や公園を作るような事業支出もないし、理事や職員で官僚OBを養うことができる年金基金や健保組合のよ うな基金を作ることもできない。高速道路のETCのような業者や官僚OBが儲かる仕掛けを作る余地もない。

 そして、ズバリ、「子ども手当」は、官僚にとって美味しくない制度である、と断言しています。

 実は、この、裁量の余地こそが官僚のパワーの源泉でした。

 元々は国民の税金であるにもかかわらず、まるで自分のカネの様に分配方法に差配をする。細かい使途までルール化し、いちいち口を挟んでくる。

 しかし、こども手当のように分配方法が機械的で、ある意味、公平・透明だと、その裁量余地がなくなってしまうのです。これは官僚にとって由々しきことです。

 かくして官僚は反撃を始め、学者や経済評論家のなかにも官僚のリーク情報を鵜呑みにして、こども手当を効果のないバラマキだ、と批判する者が出てくる。手のひらの中で踊らされているとも気づかずに・・・

 なるほど。今後は、この見方でしばらくウオッチしてみることにしましょう。

 視点を変えると、色々なものが見えてくる。その一つの好例に思えたのでご紹介しました。



 

2010年7月13日火曜日

ブランド化について、こう考える



 昨日のブログに、日本の製造業は真のブランド化を目指さなくてはならない、という受け売り話を書いたのですが、それについて、ある方から早速ご意見を頂戴しました。

 ブランドは高級品ばかりでなく、安価なものであっても、例えば日配商品であっても、スーパーの棚にたくさん並んでいる商品の中で、「ウチはい つもこれを買っている」と消費者に選ばれる意味のブランドもあるのではないか。こういうのもブランド戦略なのではないか、というものです。

 これはまったくその通りで、まさに塚越会長の言う、テレビとか家電とかがこの意味でのブランド(メイドインジャパン)ということにな るのでしょう。
 海外の消費者は、「日本製は品質が良い」ということで、あまたあるコモディティ商品の中から、わざわざ日本のメーカーを選んでくれ るのです。
 これは本当にすばらしいなことで、関係者が長い時間、大変な努力を積み重ねた結果でしょうし、心から世界に誇れることだと思いま す。

 しかし問題がなくはありません。冷静に考えてみましょう。

 一つは韓国など新興諸国の追い上げが猛烈で、つまでも高品質、大量生産競争のトップの座にとどまっておれなくなりそうになってきたことです。

 もう一つは、言うまでもなく価格転嫁の問題です。
 つまり、価値や品質に見合う価格で販売できていないことです。
 熾烈な安売り競争の中で(これは、家電など大手小売業の影響力が大き な分野で顕著です)、結局は価格が維持できず、往々にして安売り、投げ売りになってしまっており、メーカーは忙しいわりに利益が出ていない状態になっています。

 このことは、企業の利益率を比較すると明らかで、欧米諸国のメーカーの利益率に比べ、日本のメーカーは突出して低い傾向が あります。表現は悪いのですが豊作貧乏みたいなものでしょうか。(例えば、日本政策投資銀行による「長期低下傾向にある日本企業のROA」など。PDFはこちらを。)

 つまり、大量生産でより安く作る競争は行き詰まる。それにはビジネスモデルを変えるしかないし、現に大手のメーカーは、ハ イブリッド車や3D薄型テレビなど付加価値を価格に転嫁できるような商品開発にしのぎを削っています。
 ここまではいいのですが、結局、プリウスは低価格化で広く薄く顧客を発掘する方向に進み、フェラーリのように1台で数千万円もするが、世界の大金持ち連中を相手 に1年間で1000台売れたら会社は成り立つ、みたいな方向には進んでいません。

 もちろん、ブランド戦略の問題に正解などないのですが、例えばフェラーリのような高付加価値なブランド化もこれからの日本企業にはアリではないか、(実際に、利 益率だけで見るとフェラーリのほうがトヨタより効率よく儲けている)ということなのです。


2010年7月12日月曜日

7月11日は真珠記念日



 参議院選挙が大ニュースだったので完全に世間からは忘れられていましたが、昨日、7月11日は「真珠記念日」でした。

 1893年(明治26年)7月11日、三重県鳥羽市(当時は志摩郡鳥羽町)で真珠養殖の実験に取り組んでいた御木本幸吉夫妻が、初めて真珠の養殖に成功したとされる日です。

 実際には、当時の養殖技術では現在のような真円の真珠を作り出すことができなかったため、この日成功したのは、アコヤ貝の殻の内側に半円状に盛り上がった、いわゆる半円真珠だったそうです。

 実は、はんわしの実家のすぐ近く、歩いて数分のところに御木本幸吉の生家跡があります。
 御木本幸吉は幕末の安政5年(1858年)生まれ。
 元々の家業はうどん屋でしたが、若くして商才に長け、行商に始まって、八百屋、米屋、海産物屋などの経営を次々に手がけます。
 その後、明治維新後になって訪れた横浜で、真珠が外国商人に高値で取り引きされていることを知り、真珠の人工養殖を志すようになったと言われています。

 その後、苦労を重ねて養殖に成功し、莫大な富を築いた幸吉は、地元伊勢志摩の観光開発や道路整備にも尽力。立志伝中の人物として名を成しました。
 はんわし実家近くの生家跡も、猫の額ほどの土地が公園のように整備され、中央には石碑が立っています。(一般の立ち入りはできません)

 しかし、はんわしが幼い頃、祖母に聞いた話では、真珠養殖など、当時は今で言うベンチャー企業の一種。半信半疑のホラ話だと世間には捉えられていたようで、幸吉の評判はすこぶる悪かったようです。
 幸吉の妻ウメは、真珠に没頭して家庭をかえりみない幸吉の世話をするのに苦労のし通しで、「夫の成功を見ることなく若くして亡くなったウメさんは本当にかわいそうだった」と、祖母はまるで知り合いか何かのように話していたこと覚えています。
ウィキペディアによると、ウメは鳥羽藩士族の出身で、当時の女性では高学歴だった小学校高等科卒の才媛。世が世なら平民出身の幸吉と結婚することなどありえなかったはずで、それがまた、地元庶民の陰口を呼んだのかもしれません。明治29年にウメは亡くなっており、明治40年生まれの祖母が彼女を直接知っているはずはなかったのですから。)

 それはさておき、繰り返しますが、御木本幸吉の真珠養殖はベンチャーとしての観点からも興味深いものがあります。
 当時最先端だった東京帝国大学や農商務省の研究者からの学術的な支援、養殖技法を特許出願して独占し、それに対抗する養殖業者には裁判闘争を仕掛ける、などは、今風に言えば「産学連携」であり「パテント戦略」です。
 中でも一番注目すべきなのは、超高級品だった天然真珠以上の優れた品質を養殖真珠が持っていることを世間にアピールし、養殖=安物のイメージを払拭して、高級な宝石としての市場を開拓したことではないかと思います。
 つまり、ミキモトパールは世界的な高級品である、というブランド戦略です。
 
 以前、伊那食品工業の塚越会長の講演を聞いた記事をこのブログに書きました。

 塚越会長は、

 日本は「ものづくり大国」から、新興国の富裕層を受け入れる「観光立国」に 変わっていくほかない。製造業の企業は研究開発型に転換していく必要があるが、同時に、スイスのように高付加価値でブランド力を背景に高く売っていけるよ うな商品作りが必要である。
 よく勘違いされるが、日本の自動車や家電は世界中に知られている「有名品」ではあるが「ブランド品」ではない。ブラ ンド品とはお客から決して安く値切られることなく、定価で販売できる商品のこと。日本の製造業は真のブランド力を高めていかなくてはいけない。


 という非常に示唆に富む話をされたのですが、技術(モノ)だけでなく、ストーリー(モノガタリ)によって付加価値を高めていくブランド戦略の典型的な成功例が、実はミキモトパールではないかと思います。


2010年7月11日日曜日

iPadに初めて触ってみた



 伊勢市内に最近オープンしたカフェが、今話題のiPadを店内で無料貸し出ししてくれるサービスをやっています。

 そこで、はんわし、遅ればせながら初めてi-Padに触ることができました。

 あくまでデモ機なので、サービスは楽天ブックの雑誌閲覧サービス「ちら読み」であったり、グーグルアースであったり、太鼓の達人であったりと、なんだか脈絡のないアプリケーションがずらずら入っています。
 何しろ使うこっちも慣れていないので、コーヒー飲みつつ、悪戦苦闘しながら、でも楽しみながら、いろいろやってみました。

 感想としては、まず思っていたより「重たい」ことです。
 通常のマイクロパソコンとほぼ同じくらいで、厚みもかなりあります。雑誌のように手軽に持ち運びできるという感じではまだまだありません。

 また、デュアルタッチなので、いろいろいじっているうちに画面がべたべたに汚れます。アブラ症の人には辛いでしょう。タッチパネルはどれくらい耐久性があるのか、と疑問に思ったりもします。

 しかし、まあ、いろいろあるにしろ、かっこいいのは確かです。周りのお客さんからもチラ見されたりします。

 また、雑誌とか本とか新聞とかを読むという、本来の電子ブックの機能については、これで十分です。文字もクッキリと見やすいし、拡大も縮小も自由だし、操作性もスピードも満足がいくものです。
 小説や専門書のようにじっくり読むものはともかく、雑誌のような軽い読み物は、今後ますます電子書籍化が進むことは間違いないでしょう。

 しかし、本当に今買うタイミングかどうかは迷うところです。インターネットの通信費用やコンテンツ料金などのランニングコストもいったいいくらくらいかかるものなのか見当がつきません。
 というわけで、自分で買うかどうかは、ちょっと思案中。

2010年7月9日金曜日

創業者を応援しよう




 日本経済が沈滞していることを示す典型的な指標が、開業率の低下と廃業率の上昇です。
 開業率、廃業率については算出に使う統計によってさまざまなものがありますが、中でも事業所統計調査をベースに用いたものが一般的によく使われています。
 たとえば、2006年の中小企業白書(経済産業省中小企業庁編)によると、近年の推移は以下のようになります。
 いわゆる高度成長期には開業率は6~7%で推移しています。これがバブル崩壊後の90年代初頭には廃業率と逆転し、今では新規開業よりも廃業のほうが1.5倍ほども多い状況になっています。
 これは、経営者の高齢化や、働き口の多様化により自ら起業するよりもサラリーマンになる道が身近になったことが原因に考えられます。しかし、うがった見方をすれば、日本人の「チャレンジ精神」「起業家精神」が社会の成熟化と共に低下してきた結果とも思えます。

 色々な意見はあるでしょうが、この問題については、中小企業白書が丁寧な解説をしており非常に参考になりますので、もし関心がある方はぜひご覧いただきたいと思います。

 さて、このように重要な起業、創業ですが、ちょうど今、三重県内の商工会議所や商工会では、起業志望者のためにビジネスモデル作りや事業計画のブラッシュアップの支援をする「創業塾」事業が行われています。
 すでに講座が終了してしまったものは除き、受講生を募集しているもの、募集まじかなものは以下の通りです。

 ★桑名商工会議所  9/5、12、19、26、10/3
  http://www.kuwana.ne.jp/chamber/keiei/sougyo/index.html

 ★津商工会議所  9/4、5、11、12
  http://www.tsucci.or.jp/10/files/m02/h22/201009_sougyou.pdf

 ★伊賀市商工会  8/21、28、9/4、11、18
  http://www.igasci.or.jp/

 このほか、鈴鹿商工会議所、東員町商工会、津市商工会・津北商工会、松阪商工会広域連合などでも9月から10月にかけて創業塾が開催されます。
 
 経済活性化のためと称して、政治や行政により巨額の資金を投じて財政政策や景気対策が取られていますが、これらに限界があることはもはや誰の目にも明らかになっています。
 国や自治体が企業を望ましい方向に引っ張り上げ、あるいは需要を創造して景気を回復させることができる、などという考え方は、エコカー減税のように一定の効果があることは否定できないものの、国際化し、高度化した日本経済においては有効な対策にはなりえません。

 そうではなくて、中小企業、個人事業者というプレーヤーを増やし、開業を促進して開業率を高め、新陳代謝を進めることで活力を維持することがどう考えても経済立て直しの王道です。
 ぜひ多くの方が、これらの創業塾を活用し、ビジネスを立ち上げていただきたいと思います。

2010年7月8日木曜日

中国からの修学旅行が鳥羽市に



 このところ観光入れ込み客数の低迷に悩む鳥羽市ですが、明るいニュースが2つ続きました。

 一つは、数年前から鳥羽市が取り組んで来ていた、中国からの修学旅行生誘致についてです。毎日新聞(7月3日付け)によると

 伊勢志摩地域・鳥羽市外国人観光客誘致促進協議会(中村幸昭会長)が誘致した中国蘇州市の「訪日教育旅行団」の第一陣が2日、鳥羽市を訪れた。この日を皮切りに15班639人が相次いで鳥羽市を訪問、ミキモト真珠島などを見学し宿泊する。

 訪れたのは、蘇州工業園区「星港学校」小学5年から中学3年の43人。6月29日に上海から関西空港便で来日し、京都を経て鳥羽市入りし、鳥羽小学校やミキモト真珠島、鳥羽水族館を見学した。1班の同校だけ鳥羽で宿泊せず、静岡、東京などに向かい、6泊7日の日程で帰国する。

 鳥羽市の観光客は1991年に約700万人を記録した。しかし、この年以降、減少傾向にあり、昨年は約430万人(08年から全国観光統計基準を採用)に落ち込んだ。観光客増加の決め手を外国人観光客、中でも成長が著しい中国に的を絞り、蘇州市との経済文化交流を重ねてきた。

 03年に鳥羽市教委と蘇州市教育局が友好交流協定を締結。08年に蘇州市から約40人の修学旅行生を迎え、09年3月には教育交流に関する覚書を締結し、今年の大型訪日教育旅行団の誘致に成功した。

 とのこと。

 日本は失われた10年(20年か)が続いています。経済立て直しには、好況が続く隣国から観光客を呼び込み、宿泊や買い物などによって日本国内でおカネを使ってもらうことは、非常に合理的かつ有効な手段です。
 特に若いうちに日本の自然や文化の素晴らしさ、さらには街の清潔さとか、公共マナーの良さなど日本の姿を知ってもらえば、将来に向けて日本のファンになってくれることでしょう。

 もう一つのニュースは、鳥羽市にある坂手島(さかてじま)、答志島(とうしじま)、菅島(すがしま)、神島(かみしま)の4つの離島で自然体験などのユニークな観光ツアーを主宰している島の旅社が、サントリー地域文化賞に選出されたことです。

 鳥羽市は、観光業以外に主力産業がなく、市役所や商工会議所もベクトルがすべて観光振興に集中しているという、ある意味で特殊な地域です。(そのため生活インフラは貧弱で、市でありながら総合病院も、公共下水道もありません。)
 ただ、それだからこそ思い切りのいい選択と集中が可能で、そのことがプラスの八卦に出ると、このようなヒットを生み出すということなのでしょう。
 しかし一方で、伊勢湾フェリーの航路廃止が目前に迫るなど、厳しい状況は引き続いています。関係者の更なる努力と、地元の理解・盛り上がりを期待したいと思います。

 

2010年7月7日水曜日

大阪府が「貸金特区」を申請へ



 大阪府によると、国がこのほど公募した構造改革特区の第18次提案において、「小規模金融構造改革特区」(通称、貸金特区)を申請したそうです。

 提案概要によると、
 貸金業法の完全施行に伴い、小規模事業者が短期資金の借入れが困難になる、あるいは資金需要者(利用者)が返済能力があるのに借入れできなくなる恐れがでてきている。
 このためアクセス自由な小規模金融市場を創設するなど、府内の資金流動性を高め、すべての人々のチャンスを創造する。
 あわせて、貸金業者(特区活用業者)負担による府独自の相談支援制度を創設する。
 とのこと。

 詳細は大阪府ホームページに公表されています。(PDFです)

 貸金業法の改正は、一部のサラ金や、ヤミ金融による法外な利息や無法な取立てなどが社会問題になったため、この対策のために大きな社会的要請によって実現したものです。これで救われる人はたくさんいることでしょう。

 しかし、あまりにも貸し出し要件が厳しくなり、大阪府が危惧するように、商売上の短期のつなぎ資金で、ある程度利息は高くても急いで借りたいというようなニーズが封殺されてしまい、これはこれで少なくない影響が出てくることでしょう。

 貸金特区は非常にユニークな提案だと思いますし、さすが大阪という感じですが、時事通信社の報道によると、
 自見庄三郎金融・郵政改革担当相は同日、閣議後の会見で、提案内容を「まだ把握していない」としながらも、「特定の地域で出資法の上限金利を上回るような貸し付けを刑罰の対象から除外することになれば、法の公正性に反するのではないか」と述べ、構想を認めることは難しい、との認識を示した。
 ということだそうなので、早くも暗雲が垂れ込めていますが、国として検討する余地は十分にあるのではないかと思います。

 経済活動における日本の地位低下が叫ばれていますが、これは法人税が高いことに代表される事業コストの高さと、政府や地方自治体によるさまざまな規制の多さが一因です。
 資本主義における事業活動の本質は自由であって、なるべく規制や束縛がなく、自由に事業展開できるところに資本は集まってくるし、それにしたがって人材や事業や技術も次第に集積してくることは、古今東西の歴史の教訓です。

 日本がダメなのは、ものづくり神話に代表されるように、社会の複雑な利害関係を調整して規制改革をするという困難な道はとらず、科学技術のような、ある種「価値中立的」な命題に逃げ込んで、その世界で何とかしようとばかり考えていることです。
 経済が成長する時代はそれでもよかったのですが、今や成長の余地は低くなり、新たなマーケットやイノベーションの創造は、規制改革よってしか生まれる余地が少なくなっています。

 その意味で、奇策のように見えますが、実は世界の常識に従っている大阪の「資金特区」提案には期待したいと思います。


 

2010年7月6日火曜日

今日は桑名へ



 今日は、Mie-OJT事業(三重県ものづくり産業プロモーション人材育成事業)のPRで桑名市へ行っていました。
 ある経営者団体の勉強会の場をお借りして10分ほど概要を説明してきたのですが、経営者の方は皆さん熱心に聴いてくださり、一定の手ごたえを感じました。

 午後7時、うす曇の天気のせいですっかり暗くなった国道1号線を会場から桑名駅まで歩きました。

 駅前の商店街はこの時間、ほとんどシャッターが下りていますが、名古屋方面から帰宅する通勤客などで居酒屋なんかはそこそこ人が入っているようです。
 塾帰りなのか、制服姿の高校生も相当な数です。
 歩く人の多さといい、走る車の流れといい、おそらく伊勢市の3倍くらい、鳥羽市の10倍くらいの賑やかさを感じました。

 南北に細長い三重県は、北勢地域と、伊勢志摩や東紀州との「南北格差」がある種の宿命のようについて回ります。
 もちろん、即効薬はないし、地域には地域の持つそれぞれの良さがあるので、一概に言い悪いは決め付けられはしないのですが。

 ほぼ2年ぶりに訪れた桑名で、あらためて考えさせられたのでした。

2010年7月5日月曜日

地域資源活用ビジネスの話題2つ



 三重県では、地域の農林水産物や観光資源、生産技術などを活かしたビジネスの産業化を支援しているところですが、このたび、2つの支援策について参加者を募集しているのでご紹介します。

美し国・三重 地域資源活用”お見事”企業グランプリ

 地域資源を活用した事業活動を行っている中小企業等を対象に、「地域資源の活かし方や創意工夫」、「地域との連携」が優れた企業を県が公募。

  特に優れた取組みを行っている企業を”お見事”企業として選定し、表彰するとともに、県内認知度を向上させる ためのプロモーション活動を行うというものです。

 対象となる中小企業は、地域の企業や住民と密接な関係を築きながら、「地域資源を不可欠な原材料・技術として利用した商品づくり」や、「地域資源の特徴を活かしたサービ スの提供」などを行っているものとのことです。

 公募締め切りは8月20日。

 詳しくはこちらのホームページ



■バイオトレジャー発見事業
 地域にとってはふつうであっても、外から見ると面白い!
 今、食品産業や外食産業では、その土地ならではの農林水産資源に注目が集まっています。これらの魅力を消費者にきちんと伝えることができれば、「売れる」可能性が大きいお宝資源といえます。
 県では、ビ ジネスとして成功する可能性を秘めた農林水産資源を、外部専門家の評価により、「三重のバイオトレジャー」として選定しPRします。

 三重県内で、県内の農林水産物を利用して生産又は製造を行う事業者による、一部の地域だけで知られているような、地域に埋もれた農林水産資源が対象となります。
(1)地域の個性を発揮した農林水産業に関わる「素材」や 「技術」そのものを商品とする提案
(2)県内農林水産資源を、「独創的なアイデア」を付加することによって高付加価値化するプラン

 公募締め切りは8月20日。

 詳しくはこちらのホームページ

 ********************************************************************************
 このような事業は、喩えはヘンですが、宝くじと同じで「買わないと当たらない」、つまり、応募してみないと可能性は開けません。

 お見事企業グランプリのほうは今年度からの新規事業ですが、バイオトレジャーのほうは数年前から事業が行われています。多くの事業者は、県の補助事業など敷居が高いとか、自分の商売には関係ないと思っていたような規模が零細な事業者でした。
 しかし、果敢なチャレンジによって、ビジネスチャンスが大きく広がったところがたくさんあります。
 実例は、バイオトレジャーのホームページをご覧になってみてください。

 今年度もぜひ、中小企業者の積極的な公募を期待したいと思います。

2010年7月4日日曜日

伊勢市内は思ったほど渋滞しなかった



 昨日と今日は、高速道路の無料化社会実験が施行されて初の週末ということで、かなりの渋滞が予想されていましたが、伊勢市内、特に伊勢神宮付近に関して言えば、内宮、、外宮とも普段に比べて異常に交通量が増加したようには見えませんでした。

 特に昨日(3日)は一日中雨がふったり止んだりだったせいもあり、人出自体がそれほど多くなかったように見受けられました。
 今日(4日)もいつもどおりのように思えました。午前11時ごろ、内宮前の駐車場は60分待ちでしたが、これはいつものことです。


 これから夏休みに向けて観光シーズンとなる伊勢志摩では、さしあたって無料化により高速道路の交通量がどう増えるか、そして、観光客の行動パターンがどう変わるかに関心が集まることと思います。
 普通に考えて、通行量はおそらく増え、いくばくかでもドライバーの通行料金の負担総額が減るため、その減った分を食事や土産物などの形での地元消費に回してくれる、というのが(地元観光業者にとって)、最も望ましいパターンなのは間違いないでしょう。

 しかし、伊勢志摩地域の受け入れ態勢自体は、無料化に伴って駐車場が広がったとか、信号の右折時間が長くなったとかは全く何ら変化していないので、インター出口付近での渋滞が慢性化するであろうことは容易に想像できます。おはらい町付近の駐車場も慢性的に満車になるでしょう。それは回りまわってどう影響するのでしょうか。

 また、通行料金も、津と伊勢の間は無料化されるにしろ、それより遠方から来る場合はトータルでどうなるのかという情報もPRが不十分です。結局それほど安くなかった、という感想をドライバーに持たれることになるのかもしれません。

 ただ、一番重要な問題は、「高速道路に関して、最も適正な国民の負担は、果たしてどのようなものか」という課題についての検証です。

 元々、高速道路は、建設費の償還が終われば無料で開放されるというのがタテマエだったはずです。
 それが、いつの間にか地方の土建政治家と建設官僚の「結託」によって、通行料金をアテに次々と全国に高速道路が作られるようになってしまった、これは無駄遣いである。というようなことがまことしやかな定説となり、政権交代の起爆剤にもなったのでした。

 しかし、それもいつの間にか、高速道路は早く目的地に行きたい人も使いたいのだから、やはり有料のままにすべきだ、といった声が次第に大きくなり、今年3月ごろには結局通行料金を値上げして、それを財源にして「必要な」高速道路の建設を復活させるのだ、などという意見さえ出てくるようになりました。

 まことに議論百出。複雑怪奇、摩訶不思議で、素人にはなかなかついていけない議論になっています。

 無料化社会実験のデータは、このような、観念的でなかなか白黒のつかない議論の論点整理にこそ使うべきであり、それがひいては国家百年の計につながるのです。
 その視点がないまま、単に通行量が減った増えた、地元にカネが落ちた落ちなかったの矮小な議論に陥いらないよう、皆の注意が必要だと思います。

2010年7月3日土曜日

「デフレの正体」を読む(その2)



 「デフレの正体」の中で、著者の藻谷さんは、各種の経済指標や社会指標を検証すると、日本経済が停滞している最大の原因は、日本の人口減少、特に15才から64才までの、いわゆる生産年齢人口が減少し、高齢者の人口が激増していることであると断じます。

 高齢者は老後の生活や健康への不安が大きいため、今持っている貯蓄を消費に回さない。
 生産年齢人口はこれからさらにどんどん減少していくので、やはり日本国内での消費の絶対量は減っていく。
 このことは今までの日本経済の成功モデルを根底から覆す事態であって、「景気さえ回復すれば消費や生産がかつての水準に復活する」という思い込みは間違っていると主張します。

 昨日のブログに書いた、生産性や付加価値の話は、この脈絡の中で出てきます。


  デフレの正体で藻谷さんの説を読み進むと、「人口が減少しているのが日本にとってピンチなのはわかった。しかし、そうであれば生産性を今以上に高めて、付加価値を多く作り出していけば経済成長はこれからも可能なのではないか」という主張が出てくるでしょう。これに対して、以下のように反論します。

 ある産業、あるいはある企業の付加価値額を労働者数で割ったものが労働生産性ですが、では付加価値とは何でしょう。(中略)
 これは企業の売り上げのことではなく、儲けのことだけでもありません。企業の利益に、その企業が事業で使ったコストの一部(人件費や賃借料などのように地元に落ちた部分)を足したものです。(中略)
 こういう定義なので、企業が最終的に儲かるほど付加価値額は増えますし、最終的にはトントンだったとしても途中で地元に落ちるコストをたくさんかけていればやはり付加価値額は増えます。(デフレの正体 143ページ)

 昨日書いた経営革新支援の定義でも、企業が経営革新計画に示すべき付加価値額は、営業収益のほか、人件費や投資額(減価償却費)を加えていました。ここはポイントだと思います。

 藻谷さんは続けます。
 なぜ利益だけではなく、地元に落ちるコストも付加価値に参入するのでしょうか。地元に落ちるコストとは、すなわち同じ地元の別の企業の打ち上げや従業員の収入ですから、特定の企業にとってはマイナスであっても地域経済全体で見ればプラスになるのです。地域経済全体が元気になれば、結局巡り巡って自分の業績も伸びます。

 世間一般では、付加価値とは儲けのことと理解されており、生産性を高めるとは人件費の削減、つまりリストラに経営者のエネルギーが向かいがちです。人件費を削減すれば、付加価値に対して分母が減ることになるので、短期的には確かにその企業の生産性は高まります。
 しかし、日本に必要なのは、このようなリストラ型の生産性向上でなく、人を積極的に雇用することで分子の付加価値そのものを大きくし、分子も分母も共に大きくしながら生産性も高め、付加価値の総額自体も大きくしていくことです。

 付加価値というと、たくさんの設備を使って生産する自動車やエレクトロニクス製品などの製造業が高く生み出し、小売業やサービス業の付加価値は低いと思われがちです。
 しかし、実はそうではなく、「人間をたくさん雇って効率化の難しいサービスを提供しているサービス業が、売り上げの割りに一番人件費がかかるので付加価値率が高い」のです。(同書 146ページ)

 では、日本の産業が付加価値を高め、GDPを大きくしていくにはどうしたらいいのか。
 藻谷さんの解は、「大量生産で薄利多売の工業製品でなく、人手をかけて製品のブランド力を上げることでマージンを増やし(=高い価格でも売れるようにし)、付加価値額を増やすことによって生産性を上げる」というものです。

 実は、この主張そのものは、特別に新味のあるものではありません。
 ハンドバックやアクセサリーなどのブランド品や、高級自動車などを生産するイタリアが、ハイテク大国日本に対して一貫して貿易黒字である事実などを根拠として、同じようなことを提言しているエコノミストは多くいらっしゃいます。
 しかし、この「デフレの正体」は、イノベーションや付加価値の考え方について、大変わかりやすく書かれているので、日本経済に関心がある方や、地域経済の活性化に従事している方にぜひお読みいただきたいと思います。

 このブログは、地方公務員や商工団体の職員の方もご覧になっているようなので、中小企業新事業活動促進法の経営革新の内容とあわせてご覧頂くこともお勧めしておきます。

2010年7月2日金曜日

「デフレの正体」を読む(その1)



 地方公務員は「専門職」でなく、短期間にさまざまな行政分野を人事異動で渡り歩く「ゼネラリスト」がメインストリームなので、商工振興を担当するセクションにおいても、「中小企業を活性化するためには、まず製造業の技術開発を行政が支援しなくてはいけない」というたぐいの素人考えが圧倒的多数を占めているというのが悲しい現実です。

 彼らにとっては、ものづくりこそが付加価値を生み出す「主力」の産業なのであって、流通業はモノを右から左へ流すだけの簡単な商売だと思っていますし、サービス業に至っては製造業に付随した産業で、製造業が盛んになればサービス業にもカネが回るようになる、という程度の認識しか持っていません。

 これは、「イノベーション」とか「付加価値」という概念への無理解によって、より顕著になります。
 いまだにイノベーションとは「技術革新」のことであり、「付加価値」とは原材料に労働を加えて製品にする過程で生みだされる価値のことである(つまり、製造業の専売特許分野である)と思っている職員が本当に多いのです。

 これに対しては、中小企業新事業活動促進法の中の、支援ツールの一つである「経営革新支援」の考え方が非常に参考になります。
 経営革新支援制度は、簡単にいうと、新たな事業に取り組もうとする中小企業が、今後3年から5年の間に、年3%程度の伸び率で「付加価値」を高めていく内容の経営革新計画を作り、この計画を県知事が認定すると、計画実現のために低利融資などさまざまな行政の支援が受けられる、という中小企業支援制度です。

 さてその経営革新の中の「新たな事業」とは、以下のように定義されています。

 ・新商品の開発や生産
 ・新役務(サービス)の開発や提供
 ・商品の新たな生産方式や販売方式の導入
 ・役務(サービス)の新たな提供方法の導入その他の新たな事業活動

 この定義って、どこかで見たことがないでしょうか?
 実は、経済学の教科書に出てくるイノベーションの定義そのものなのです。
 イノベーションとは、このように、商品、サービス、生産方式といった、企業の活動分野で「新しい」取り組みをすることを言うのです。
 もっと言えば、原料であったり、加工技術であったり、サービスの提供方法であったり、という色々な経営要素を結合し、結びつけて、新しいカタチを生み出すことがイノベーションの本質です。
 繰り返しますが、イノベーションを「技術革新」に限定するのは間違いです。流通業でも、サービス業でもイノベーションはありますし、むしろ「新結合」はそのような産業分野のほうが生まれる可能性が高いのではないでしょうか。

 経営革新計画でもう一つ重要なポイントである「付加価値」については、以下のように定義されます。

 付加価値額=営業利益+人件費+減価償却費

 つまり付加価値とは、営業利益だけを指すのではありません。人件費と減価償却費、すなわち、営業に付随して必要となるヒトや設備も付加価値を構成しているのです。
 これはどういうことでしょうか?

 前置きが長くなりました。
 実は、昨日、藻谷浩介さんの著書「デフレの正体」をたまたま本屋で見つけ、帰りの電車の中で読み始めたのですが、2日間で読了してしまいました。
 藻谷さんは知る人ぞ知る、実証的なデータをもとに、巷間流れている地域間格差などの常識を論破し、地域経済の真の活性化方法を提言しているエコノミストです。(以前、このブログでも取り上げたことがあります。)

 このデフレの正体の中に、リーマンショック以前、データでは自動車や家電など日本の製造業は絶好調で多額の利益を上げていたのに、給料は上がらず、景気のよさが実感できなかったのはなぜだったのか、について書かれている部分がありました。

 この核心部分が、経営革新支援に定義されてる「付加価値」の考え方に共通するものです。

(つづく)
 

 
       

2010年7月1日木曜日

中国人観光客のビザ緩和をチャンスに!



 はんわしは中国礼賛者では決してありませんが、22年前(まだ自分の周りに中国へ行ったことがある人が比較的少なかったころ)に初めて行った時に比べて、近年の目を見張るほどの経済成長ぶり、激変ぶりを実感できる、数少ない外国でもあります。

 今日から政府は、中国人の個人観光ビザの発給要件を7月1日から大幅に緩和しました。
 今までは、ビザ発給の要件は年収25万元(約330万円)以上だったものが、6万元以上となり、これによって発行対象となる人数も、約10倍の1600万世帯になるものと見込まれているそうです。

 「中国人」のイメージとしては、観光目的で来日してそのまま不法就労目的などで姿をくらましてしまわないか心配になる面もなくはないのですが、よく考えると、6万元(約80万円)の年収がある人は、まだまだ中国では中の上クラスであって、普通に考えて日本でわざわざ不法就労するインセンティブがあるとは思えません。
 なので、やはりこれは、このあたりの中の上の人々に、(言葉は悪いですが)せいぜい日本で観光し、買い物し、おカネを落としてもらうのは、需要が不足してデフレ傾向が定着している日本にとって、有効な経済活性化策につながるのではないかと思います。

 その意味では、日本国内の各観光地の間でも、中国人観光客誘致合戦は、これからが本格化してくることでしょう。
 中国語の表記や、クレジットカードが使用できるようにするなどの対策も欠かせなくなると思いますが、日本文化とか日本の歴史の素晴らしさを伝えるスキル、ノウハウも研究していく必要があります。当然ですが、中国のお客さんには日本滞在を楽しんでもらわなくてはならず、その満足度が次へのリピートにつながるからです。

 実は、観光業こそが日本で最も期待できる「成長分野」であって、雇用の創出や、地域での消費の拡大への貢献が大きい産業であることは、一般的な経済学者のコンセンサスになっています。
 官民挙げて観光業を主力産業と位置づけ、行政はいっそうの規制緩和や基盤整備を行って、民間事業者の創意工夫や機動性をサポートする必要があるのではないでしょうか。