2010年8月31日火曜日

JOINが空き家専用サイトを開設



 先日の日経MJに、地方自治体や企業などで結成している移住・交流推進機構(通称 JOIN)が、今年9月から、都市部から田舎への移住希望者を対象に、全国の空き家が検索できる専用サイト「全国空き家バンクナビ」を立ち上げるという記事が載っていました。

 移住者の新しい生活拠点として、過疎化の進行によって発生した空き家をあっせんし、賃貸なり売買して活用しようという試みは、全国の先進的な市町村で取り組まれてきているところです。
 しかし、市町村単位でバラバラに空き家情報や定住情報が提供されているので、調べる側の移住希望者にすれば、特別にこの市に住みたい、とか、この村に住みたい、という思い入れでもない限り、立地条件や生活環境などを広く比較検討することが困難でした。

 「全国空き家バンクナビ」は、すでに全国の103の県や市町村で提供されている空き家情報をデータベースにし、検索をやりやすくしようという狙いのようです。たぶんこれは、非常にニーズが高く、大変有益なデータベースになることと思います。

 ただ、言うまでもなく、移住の促進に重要なのは、空き家のあっせんといったいわば「入り口」のサービスだけでなく、田舎で暮らすとはどういうことか、近所づきあいの方法や、その土地のルールなどをきめ細かく提供し、地域にうまく溶け込めるようなコーディネートをする機能です。
 これはきわめて「マンパワー」にかかっている問題なので、いかに優秀なコーディネーターを揃えて、その人たちに活躍してもらえるかということに、その地域で定住が進むか否かがかかっていると言えると思います。

 もし可能であれば、高齢者が、現在住んでいる家や土地を担保にして老後の生活資金を調達し、亡くなった後はその不動産を売却して融資を回収するという仕組みである「リバースモーゲージ」を活用し、空き家の利活用とリンクできればいいと思うのですが、不動産価格の下落傾向がもう何年も続いており、特に過疎地域や中山間地域の不動産の担保価値を考えると、すぐに導入することは難しそうです。

2010年8月30日月曜日

紀北町 増えるI・Uターン事業者



 今日の中日新聞三重版の「みえの産業と経済」は紀北町に付いての記事でした。

 紀北町でここ数年、IターンやUターンで店や農業を始める都市部からの移住者が目立つ。地域にはない経営センスは地元の経済の刺激になり、定住促進に力を入れている紀北町も歓迎。(しかし)過疎化などで仕事が続くかなど心配の声も上がっている。

 とのことで
 紀北町紀伊長島区古里(古里)地区にうどん店をオープンした滋賀県出身の男性の事例や、同区東長島でトマトの養液栽培を始めた愛知県出身の男性の事例、さらにパン屋やジグソーパズル専門店の創業事例など、最近始まった5件の開業・創業が紹介されています。

 これは少子高齢化が進み、経済の沈滞が深刻な紀北町にとってありがたい事例には違いありません。
 しかし、問題なのは、確かに「この先も将来ビジネスが続いていくか」ということです。
 紀北町はもともと人口が2万人あまり。決して大きなマーケットではなく、観光客もそれを相手に専業で食べていけるほどの入れ込み数はありません。
 また、名古屋や大阪などの大消費地にも遠く運送コストがかさむため、競争条件が不利なことも間違いありません。

 記事の中でも紀北町役場産業振興課長のコメントがありましたが、幹線道路である国道42号線沿いでも閉店する店があるのが町の現状であり、I・Uターンした事業主のビジネスが軌道に乗り、拡大していくのはさまざまな努力の積み重ねが必要になることでしょう。

 はんわしが提案したいのは、各お店のお客を増やすということに加えて、「紀北町全体」を売り込んではどうかということです。紀北町のI・Uターンそのものを「商品」にするのです。

 紀北町は数年前に平成の大合併で誕生しましたが、風土や気質の違う旧2町の融合に努力し、たしか総務省だったかに市町村合併の優良事例として表彰されたこともあったと記憶します。
 そのように合併の荒波を乗り越え、地域外の人に魅力をアピールし、町や住民が支援した結果、I・Uターンが続出している(ついでに言えば、大学生による長期インターンシップ事業も紀北町は受け入れが多い)、ということを、同じように合併でギクシャクしているとか、地域産業の活性化に努力している日本全国の市議会議員、町村議会議員、農協の役員、行政職員、大学のゼミや研究会、などにPRし、紀北町に視察旅行を呼び込むのです。

 これは、葉っぱビジネスの「株式会社いろどり」で超有名な徳島県上勝町がやっている方法です。葉っぱビジネスはオンリーワンのビジネスモデルであって、わずか数時間視察しただけで真似できるものではありません。
 しかし、上勝町はそれでも積極的に視察を受け入れており、その数は年間数千人にもなるとのこと。これは、視察団を顧客とした「視察ビジネス」によって稼いでいるからです。
 実際に、上勝町内の宿泊施設には「視察パック」という宿泊プランまであって、視察団を歓迎しています。いろどりや上勝町農協の視察はもちろん有料で、時間厳守。視察時間が1分でもオーバーすると追加料金を請求されるはずです。
 繰り返しますが、これは上勝町にとって視察がビジネスだからです。

 紀北町も発想を転換し、自分の強みを客観視してブラッシュアップし、視察歓迎を売り込んではどうでしょうか。視察客に必ず町内で宿泊してもらい、I・Uターン者の店で食事したり買い物してもらえれば一石二鳥です。

2010年8月29日日曜日

お百姓さん、ありがとう



 伊勢志摩地方では、この週末が稲刈りの最盛期だったようです。はんわしが通りがかった伊勢市の郊外でも、大部分の田んぼは刈り取りが終わっていました。

 いつの間にか8月も終わり。まもなく学校の新学期も始まって、いつもなら秋めいてくるのですが、今年は確かに熱すぎる夏で、伊勢市の名峰 朝熊岳を見上げても完全な夏空です。

 とはいえ、これから新米にしろ、果物にしろ、実りの季節になってきます。猛暑の中、農作業をしてくれる農家の方には頭が下がる思いです。


 今日は、第一次産業の後継者マッチングの場にちょっと顔を出していました。景気の低迷が続く中、若者や求職者の間で農林水産業への関心が高まってきているのは事実のようです。
 しかし、何度もこのブログでは書いていますが、第一次産業にも一定の技術革新と省力化は進んでおり、単純なオペレーター的な作業は求人も多くありませんし、給与面など労働条件も決して高いものではありません。
 農林水産業の現場に必要なのは、最低限の生産技術 ~実際に米作りができる、魚が取れる、木が切れるなどの技術~ だけではなく、マーケティングとか、販路開拓とか、要は生産に付加価値を付けていける手法と人材です。

 この点については、実はまだまだ世間一般へのPRが不十分な気がします。
 まだ、農業とか漁業とか聞くと、自然相手で気楽そうな仕事だというイメージと、反対に、補助金付けで閉鎖的、非効率な産業というイメージが両極端でせめぎあっているような印象ですし、それ以上に、実際の農家が何をやっているのかや、漁業はどうやって生計を立てているか、などの具体的な姿が一般の人々には伝わっていないように感じられます。
 これは決して終わりのない、息の長い問題だと思いますが、わが国の第一次産業を守っていくために、地道に続けていく必要がありそうです。

2010年8月28日土曜日

個人主義と血縁主義



 たとえば、あなたが政治家だとします。
 ある日、あなたの息子が罪を犯して警察に逮捕されました。
 未成年ならともかく、息子は35歳にもなっています。常識的に、すでに人格は完成している年齢であり、行動の全責任は自分自身が負うべきです。
 あなたが政治家という社会的に重要な職責を担っているにしても、親子であれ別人格なのだから、息子の逮捕によってあなたが政治的に萎縮したり、支持者や世間からとやかく言われる筋合いはないはずです。

 このことは、個人の意志や人格を重んじる社会(悪く言えば「個人主義」の社会)においては疑いのない社会的コンセンサスです。世の中の常識です。親としての一定の道義的な責任はあるかもしれませんが、親と子であってもつまりは別人格なのだから、子の行動すべてを親が監視したり監督したり、ましてや間違いを犯したことの責任など取れるはずがない、と。

 しかし、これが「個人主義と反対の社会」においては、35歳の息子を育てた親の責任が世間から糾弾されることになります。子と親は血がつながっている以上「一心同体」で、つまりはオマエの育て方が間違っていた、というわけです。
 こういうのは「なに主義」というのでしょうか? 血縁主義? 同属主義? 

 むろん、世界中の先進国では法制度はヨーロッパの大陸法や、アメリカ法が導入されており、個人には何者も侵せない人権が平等にあるはずで、性別や身分や、社会的な関係(親子であるとか、年上であるとか)によって差別されることがあってはいけないのが建前です。なので、血縁主義とか同属主義は、法制度でなく社会の習慣のようなものです。

 しかし、この「習慣」は法律以上に当事者を縛り、いや、世間全体を縛り付けています。警察や軍隊といった暴力装置を有する国家権力以上に権勢を思いのままに振るっているマスコミが先頭に立って、罪を犯した子を持つ親を指弾し、糾弾します。理屈ではありません。情での攻撃です。集中豪雨的な毎日毎日の報道によって論点はすりかえられ、犯罪の当事者より、犯罪者を育てた親の責任が責め立てられるのです。
 
 前置きが長くなりました。
 日本が進むべき社会はどのような社会でしょうか。
 経済の効率性、合理性を追い求め、物質的な豊かさを満たすだけでは幸せになれないことはほぼ明らかになってきました。その間に家族は核家族化し、近所付き合いはすたれ、他人には無関心になりました。仕事が忙しく、家族で会話しているヒマもありません。
 実は、この「失われたコミュニティやコミュニケーション」がソーシャルキャピタルと呼ばれているものの中核です。
 
 しかし、日本では古来から儒教に基づいた家長主義や男尊女卑がひどく、それを「解体」することこそが、つまり、個人を家から開放し、バラバラな別人格にすることが、近代化であり、個人を本当に幸福にする第一歩だとされたのです。このことをどう考えるべきでしょうか。

 理屈としては、答えは簡単です。
 個人主義も、血縁主義も、行き過ぎはいけない。ちょうど中間が一番いいのだ、ということになります。
 しかし、問題なのは、社会全体で(国民全員で)、どこがその「中間」であり、「中間」あたりに社会をキープするにはどうしたらいいのかという合意を取りつけるのが、非常に難しいということです。
 
 ただ、ひとこと言えることは、罪を犯した子を持つ親を責める人は、自分なりに「中間」のモノサシを持っているべきだということです。それもないのだとすれば、議論に参加する資格はないのです。

2010年8月26日木曜日

「絶対こうなる!日本経済」を読む




 経済財政の議論をリードしている、竹中平蔵さんと榊原英資さんがホンネで大激突、というキャッチフレーズの対談本です。

 しかし、実際は竹中、榊原、プラス「責任編集」というクレジットで参加している田原総一朗の3人による鼎談であって、ハッキリ言えば、完全な「田原本」です。つまり、田原のリードに竹中、榊原が合いの手を入れる、という感じでストーリーが進んでいきます。

 ただ、2時間でいまがわかる、というキャッチフレーズはウソではなく、実際にはんわしも2時間くらいで読了できました。

 竹中氏は小泉改革の推進者として、比較的「自由競争」とか「市場主義」の立場から、労働市場の自由化など規制緩和とか小さな政府論をメインに日本経済のあるべき姿を論じます。

 一方、榊原氏はやや民主党寄り。子ども手当のように国民に直接現金給付するのも有効だし、フランスのような高負担高福祉の大きな政府もアリ、という立場です。


 この二人の立場の違いは、たとえば

●リーマンショックによってアメリカ型金融資本主義は崩壊したのか?
  榊原 イエス
  竹中 ノー
●財政赤字がふくらんで、このままでは日本政府は破産するか?
  榊原 ノー
  竹中 イエス
 のように、具体的な問題によって正反対の見解となります。

 もっとも、これらは多くのエコノミストによっても意見が分かれている問題であり、論点整理というか、論者によってどうして正反対の結論が出るのかを知る意味では大変参考になります。

 また、二人とも論客なので、説明がわかりやすいし、田原氏のツッコミも的確です。
 はんわしがなるほどと思ったのは、リーマンショック直前まで一時的に持ち直していた景気が、あまり国民の好況感を伴わなかった理由について、竹中氏が「日本経済はアイスクリームのてんぷらだ」と喩えた箇所です。
 つまり、自動車や電機のようなグローバル競争している製造業は、中国や韓国の旺盛な外需に支えられて熱くやっている。しかし、それ以外の大部分の国内産業は冷え切っている。ということで、これはうまい比喩だと感じました。

 さて、二人とも個別の論点では意見が対立する部分があるとはいえ、れっきとした学者、官僚OBで、しっかりした人(失礼!)ですから、
■日本の産業構造はグローバル製造業と、競争力のない国内産業の二重構造になっており、これからは産業政策をシフトし、製造業以外のサービス業を活性化しなければならない
 のように、ごく常識的なコンセンサスは共有できています。
 間違っても、「知識集約型産業へ産業構造を転換する」などというようなトンチンカンな話は出てきませんから、その点は安心できます。

 気軽に(間違いなく2時間で)読めることもありますし、もう少し経済のことを理解したいという方にはぜひおすすめの一冊です。

2010年8月25日水曜日

ご当地検定ブームは終焉へ



 このブログでもたびたび引用させてもらっているGIGAZINEですが、8月23日は「ご当地検定ブーム終焉へ、すでに終了してしまった検定いろいろ」という興味深い記事でした。

 ご当地検定は、はんわしが知る限りでは京都商工会議所が主催した京都検定が嚆矢だったと思います。京都は歴史が長く、神社仏閣、文化財も多く、さらに明治以降は全国の大都市に先駆けて文明開化を実践している土地なので、エピソード、ウンチク、雑学の宝庫です。まさに「検定」が成り立つ素地があったわけで、全国から受験者が殺到し、公式テキストもベストセラーになったと記憶します。
 この成功を見て、「地域活性化の起爆剤」として二匹目のドジョウを狙い、ご当地検定を行う市町村が続出しました。

 三重県内でも、伊賀学検定、桑名ふるさと検定、亀山検定、検定お伊勢さん、などなどが行われましたが、2~3年前がピークで、最近はパワーダウンが顕著になってきた気がします。回を重ねて受験者が減少してきたこともありますし、何年も検定が続くほど問題のネタが地域に蓄積されていないこともあるでしょう。マスコミもまったく騒がなくなりました。

 GIGAZINEは、現在すでに終了してしまった(と思われる)ご当地検定のリストを掲載していますが、その中には三重県四日市市の「ふるさと四日市検定」も掲載されています。こんなのあったのですね・・・

 結局、知識を問うだけの検定ではマニアの間での一過性のブームになってしまうでしょう。検定合格者は観光ガイドとして一定のステータスになるような水準の高いものにするとか、反対に、簡単に合格できて、その代わりに観光施設の割引クーポンがもらえるようなゲーム性の高いものにするとかの差別化戦略が不可欠でしょう。

 また、GIGAZINEが指摘するように、そもそもご当地のPRが目的だったにもかかわらず、インターネットの公式サイトが貧弱だったり不備だったりして、ほとんど発信力がない事例も散見されます。これは実は、全国の「まちおこし」や「地域活性化」に共通する(そして、ほとんど改善されない)ことです。多額の補助金や助成金を受けながら活性化に失敗し、死屍累々の姿がまたここにもあるのです。

 ちなみに、全国のご当地検定は御当地通などでも紹介されています。


2010年8月24日火曜日

魅力発見!ものづくり中小企業バスツアーIN三重



 三重県主催による、大学生と高専生を対象とした「魅力発見!ものづくり中小企業バスツアーIN三重」が今週から始まっています。

 景気の悪化に引っ張られて、近年、特に新規学卒者の雇用情勢が急激に悪化しています。
 しかしこのことは、通常ならどうしても学生の注目度が低い中小企業にとって、優秀な学卒者を採用できるチャンスとも考えられます。

 問題なのは、そもそも学生にとって中小企業に関する知識がなく縁もなく、就職の対象とするも何も、ハナから全く接点がないということがまず一つ。
 二つ目は、中小企業側も毎年安定して新規学卒者を採用しているわけではないので、学生に対する自社アピールの機会やノウハウが不足していることです。
 この二つが、中小企業への就職のミスマッチにつながっているとも言えます。

 そこで、三重県では、三重県産業において重要なポジションを占めている、ニッチな分野でのオンリーワン中小企業を公募のうえ9社をピックアップし、同じく「ものづくり」や「オンリーワン中小企業」に関心を持つ大学生、高専生を公募し、24名を選抜。夏休みを利用して5泊6日で企業を訪問するバスツアーを行うこととなりました。

 ツアーの目的は、メインは学生の中小企業やものづくりへの関心醸成ですが、上記のように、中小企業にとって学生にアピールできうる自社の魅力の気づきと、その魅力をいかにアピールするかの試行の場ともなりうるものです。
 つまり、学生と中小企業の双方にとってWin-Winの関係が構築できるものだと思います。

 昨日は朝、三重県庁で出発式があり、その後、早速バスで津市と多気町の中小企業2社を訪問。経営者から経営哲学やものづくりへの情熱などを直接聞き、学生たちにとっては先輩となる若手社員からのやりがいや苦労談を聞く機会も設け、さらに、ものづくりの核心となる製造現場の見学も行うという、1社当たり2時間程度で密度の濃いメニューを設定しています。

 今週金曜日まで、猛暑の中、それ以上に「熱い学生」と「熱い経営者」の出会いが続きます。
 はんわしもちょっとだけ絡んでいます。幸い、県内の各紙に取り上げていただきました。(毎日新聞の記事はこちら

 ただ、残念というか、時代の変わり目を実感するのは、三重県の中小企業振興策として学生向けのイベントをする場合、数年前までなら就職を目的にしたツアーでなく、学生自らの「起業」や「創業」を視野に入れた出会いツアーになっていたであろうということです。
 この1~2年、かつてはブームだったベンチャー熱もかなり冷めてきた感があり、学生にとって、より「現実的」な、就職という目標設定のほうがニーズに応えられるようになってきているのです。
 しかし悲しいかな実際に、日本ではベンチャーの成功例は少ないので、この方針転換がいいことか悪いことかはわかりません。




 

2010年8月23日月曜日

美しすぎる海女さんが、海女を辞めていた

 全国的に大きな注目を浴びていた、岩手県久慈市の「美しすぎる海女さん」3名が、7月で海女を辞めてしまっていたそうです。

 まにあっくすZによると、新人の3人は7月末以来まったく漁に出ておらず、8月1日に開催された「北限の海女フェスティバル」にも姿は見られなかったそうです。原因は、ベテラン海女との対立などのようですが、久慈市役所はトラブルの存在を認めつつ「非常に微妙な問題ですのでそっとしておいてほしい」と話しているとのことです。




 いろいろな事情があると思うので軽々には言えませんが、はんわしは一般的に、第1次産業に後継者となるような若い人が参入してくれるのは非常にいいことだと思っています。地場産業の再生は、それ以外に本質的な解決策はありません。地場産業で活躍する若手に対しては、行政も応援してくれますし、マスコミも好意的です。

 しかし、たいへん残念ではありますが、それを快く思っていない人も地元には少なくないという現実があります。
 口では「後継者がいない」、「このままでは農業や漁業がなくなってしまう」と困ったように言いますが、よそ者が入ってきて自分たちの今までのやり方と違う新しいことをしようとすると、陰口をたたき、足を引っ張る。そして既得権が侵されそうになると修羅と化して牙をむく。

 久慈市の事例はそうではないと思いますが、地場産業、特に農林水産業の若返りが難しい理由は、実は農林水産業者自身の了見の狭さにある、と言えなくもありません。
(とくに、この海女さんたちは美貌のあまりマスコミの注目度が異常に高まって、田舎的な社会秩序を壊してしまったという副作用が、悪影響を及ぼした気がします。)
 地域振興に関係する方々には、いろいろ学ぶところが多いケースだと思います。


<2011年8月9日追記>
 鳥羽に「女子大生海女さん」がいた

2010年8月22日日曜日

「超人気商品」の発売中止が続いている



 GIGAZINEに、発売からわずか4日、あまりの人気で「カップヌードルごはん」が一時販売休止に という記事が載っていました。(8月20日付け
 日清食品の「カップヌードルごはん」「カップヌードルごはん シーフード」は、近畿地区でのみ先行発売されているもの。カップヌードルの味を「ごはん」で再現した商品で、電子レンジでスープとともに炊くことで、「カップヌードル味のごはん」が楽しめるということです。
 同社によると、予想を大きく上回る売れ行きとなったことを受けて、販売を一時休止するものの、今後は十分な供給体制を確立した上で、できるだけ早い機会に販売を再開するよう鋭意努力するとのことです。

 最近、このように大ヒットのあまり発売中止(もしくは発売延期)という話がちらほら生まれて来ています。

 サントリーが8月3日に新発売したビール風味飲料「オールフリー」について、生産が生産が追いつかないため、10日付で販売を一時休止したというニュース。(たとえばYimiuri online 8月10日付け

 サンヨーが10月8日から発売予定だった、米粒からパンを作ることができるホームベーカリー(家庭用パン焼き器)「GOPAN(ゴパン)」の発売を、量販店からの取り扱い要望があまりに多かったため、11月まで延期すると発表したニュース。(Yahoo!ニュース 8月21日付け

 このほかにも、「甲子園の土」の人気が高まりすぎて個人販売を中止したニュース(Asahiコム 8月18日付け)なんてのもありました。

 過去からこのような話はあるにはあったのですが、最近目に付くようになって来たのは、メーカー側が現在のデフレ状況、巣ごもり消費を前提に、消極的な生産計画や販売計画を立てたのが、良い意味で裏目に出たという事情もあるような気がします。

 しかし、大ヒット商品は、消費者のニーズ、さらには消費者自身がそのニーズに気づいていないような「潜在的なニーズ」いわゆるウォンツを充足させることによってしか生まれ得ないので、結局、これらの商品は、そのへんのニーズ、ウォンツをうまく取り込んでいるということなのでしょう。

 モノが売れないことに悩んでいる経営者は多いと思いますが、今一度、消費者の考えていること、トレンドの潮目を考えることが一番の王道なのかもしれません。
 もちろん、「良いモノは自然にクチコミで売れるはずだ」などという考えは間違っているので、このような思い込みは捨て、しっかりと情報が必要な人に届けるという努力が大前提となるのは言うまでもありません。
 つまり、モノとモノガタリの両方が必要ということです。

2010年8月21日土曜日

救われる会社、見捨てられる会社



  昨日、国と三重、愛知の2県、鳥羽市、田原市の2市でつくる鳥羽伊良湖航路対策協議会が、経営陣による伊勢湾フェリー株の買収(MBO)で自主再建する方針を発表しました。

 鳥羽市出身のはんわしにとって、伊勢湾フェリーの存続がほぼ決まったことはありがたいことです。それには違いありません。
 知人にはここに勤めている人もいて、40歳近くになって失業にでもなれば、観光業のほかに大きな産業もない鳥羽市ですから、ここに住み続けることもできなくなったかもしれません。

 しかしながら、あえて一抹の不安を書けば、いかにフェリー事業が公益性が高く、航路存続への地元の要望が強かったとしても、伊勢湾フェリーは結果的に行政によって救われたということです。
 通常の会社の業績不振なら倒産していたにちがいありません。というか、圧倒的多数、99%は、倒産会社を行政が救ってなどくれません。当たり前です。

 行政によって、救われる会社と救われない会社がある。

 このメルクマール(判断基準)は何なのでしょうか? 恣意的と言えば言いすぎでしょうが、経済原則に反した行為は、いずれ予測不能な結果を引き起こさないか気がかりではあります。



 

2010年8月20日金曜日

通販売上高が4兆3千億円を突破




 日本通信販売協会が明らかにしたところでは、平成21年度の通信販売売上高が4兆3100億円となり、前年比4.1%増になったそうです。
 小売業に関しては、消費者のいわゆる「巣ごもり」と呼ばれる買い控え傾向が強く、百貨店、スーパー、コンビニとも売り上げの前年割れが続き、苦戦が伝えられています。
 これに対して、ネットショッピングに代表される通信販売は年々売上高を伸ばしており、平成12年度は約2.4兆円だったものが、この10年の間に80%近い伸びを示しています。

 前に、このブログでも藻谷浩介氏の「デフレの正体」を取り上げました。藻谷説によると、日本のデフレの原因は、消費に向ける可処分所得の高い「生産年齢人口」(15歳から64歳までの人口)が、少子化と高齢化の影響によって減少していくためであるとしています。
 また、商業統計による小売店での販売額こそが、地域経済の実力をあらわすには最適な指標であり、生産年齢人口の減少に伴って小売店販売額も減少していることが、日本に蔓延している不景気感の原因だとしています。

 参考までに、三重県庁のホームページ「みえデータボックス」に掲載されている、三重県の商業統計(5年に一回の調査と、中間年の中間調査なので毎年の数字はありません)と、月別人口調査を使い、両者をグラフにしてみました。




 販売額は調査年によって違いはありますが、平成3年から19年の間に関して言えば低落傾向です。これは生産年齢人口も同じです。やはり、両者にある程度の相関関係は認められるようです。
 特に平成11年から14年にかけて、販売額と人口の両方が大きく落ち込んでいるところなど、原因は何かよくわかりませんが、関係があることは間違いありません。

 だとすると、三重県に限らずこれから子どもの絶対数は減り、相対的に65歳以上の人口が増えていくため、生産年齢人口が減少する限り販売額も減少し続け、ますます経済情勢は厳しくなることになってしまいます。
 しかし、この商業統計調査は、あくまでも実店舗が調査対象であって、ネットショップにしろTVショッピングにしろカタログ販売にしろ、通信販売は含まれていません
 そう考えると、商業統計も地域の真の購買力(=地域経済力)をあらわしていいるとも言い難い面があるかもしれません。もっとも、三重県だけで小売販売額は2兆円近くもあるので、いくら通販が増えているといっても、リアルの小売業に比べるとまだまだ小さい存在ではあるのですが。

 いずれにしろ、通販と小売販売に関する正確な統計の整備が待たれます。製造業関係の調査は工業統計が毎年実施されるなど非常に充実しているのに比べ、商業、サービス業はまだまだ統計が整備されていません。このことも、日本経済がサービス業中心の産業構造に転換することを遅らせている遠因のような気がします。



 

2010年8月19日木曜日

CAFFE CIAO PRESSOでせんとくんに会う



 Mie-OJT事業の関係で、四日市に行ってきました。

 これは、三重県が若年未就業者の就業促進を目的に行っている事業で、公募により選抜された受講生11名が、8月から9月まではビジネスマナーや自己啓発、パソコンのビジネスソフトの研修などを行い、10月からは実際に三重県内の中小企業でインターン研修を行う予定になっています。

 今日は約1時間ほど、実際の研修の風景を見学させてもらったのですが、皆さん大変積極的に取り組んでおられ、今年12月の事業終了までに大きな成果が上がることが期待できました。

 それにしても不思議なのは、このように優秀で熱意のある若い人々が就職できないという日本の現実です。

 労働組合など一部が主張している、65歳までの定年延長は、一見いい話のように聞こえますが、すでに正社員である人は、正社員のの地位という既得権益にしがみつき、そこからあぶれ出た若者の新規雇用を阻害する可能性もあるのではないでしょうか。

 中小企業にとっても新しいビジネスモデルの創造は重要な問題であり、日々変化していく市場や社会環境に柔軟に適応していくため、若者の雇用を進めていくことは大変重要なことだと思います。
 
 午後5時の研修終了まで見届けてから、帰りに近鉄四日市駅構内にある「カフェ・チャオプレッソ」に立ち寄ったのですが、そこでせんとくんカプチーノというメニューを発見。

 平城遷都1300年の記念キャラクターであるせんとくんは、関西では一定の人気を確保しているようですが、同じ近鉄沿線とはいえ遠く離れた三重県内ではいまひとつの印象です。
 何てことはない普通のカプチーノでしたが、ふと気がつくともうお盆も過ぎて、まもなく9月。
 秋になったらゆっくり奈良にも行ってみたいなあ・・・と、たぶん体感温度で40度近くあった猛暑の四日市で考えました。

2010年8月18日水曜日

シンボーさんの「日本経済の真実」を読んでみた



 現在、わが国の政府と地方自治体をあわせると約800兆円の借金があるといわれています。
 本来なら、国や地方の行政は、住民から集めた「税金」の額の範囲内で行わなくてはいけません。行政がやるべき仕事は、公共の秩序の維持とか、通貨制度や裁判制度といった全国民が等しく享受すべきサービスの提供などであって、これらは今そこで生活している人々みんなに恩恵があるので、現在の人々が税金で負担するのが一番合理的なのです。

 しかし、世の中が発達し、人々の意識が高まってくると、行政の仕事は「最低限の生活保障」から「より豊かな生活の実現」を担うようになってきます。
 鉄道がうちのムラまで来てほしい。橋がほしいトンネルがほしい。学校や保育施設がほしい。年金や医療保険制度を充実させてほしい。生きがいや趣味が楽しめる文化会館がほしい。病院がほしい。働く場所や工場がほしい。キリがありません。

 そこで、税金以上に行政が仕事をする方法、すなわち借金(国債、地方債)でまかなう方法が考え出されます。また、国が徴収した税金を、格差是正のために地方に均等配分する地方交付税制度が生まれます。

 橋やトンネルや学校は、一度造れば今いる住民だけでなく将来の住民も利用することができる施設なのだから、税金(今いる人が負担する)だけでなく、将来の住民にも負担してもらおう。それが国債(借金)の考え方です。
 今いる住民が借りた借金を返すのは、将来の住民、つまり子や孫やひ孫です。

 また、地方は大都市など一部を除いて、行政が担うべきサービスの財源を自分の税収でまかなうことができません。なので不足分は地方交付税として国からもらうお金でまかなっています。これは地方にとって宝の泉です。
 自分の稼ぎ以上にいくらでも金がもらえるのです。実際にはもちろん限度はありますが、身の丈以上の収入を国が補償してくれるので、地方交付税と地方債(借金)で、つまり子孫のカネと他人のカネで、職員の給与はたっぷり払い、立派な庁舎を建て、無駄遣いをし、住民を甘やかします。
 住民もすっかりボケて感覚がおかしくなり、国や県からカネを引っ張ってくる市長や町長が偉い人だと勘違いするようになります。

 その結果、GDPの1.8倍という世界でも異常に巨額の財政赤字が積み重なりました。これは、アメリカやイギリス、フランスなどはもちろん、かのギリシャをもはるかに越えている天文学的な借金額です。客観的に見て、もはや日本政府の破産は時間の問題です。
 何かのきっかけで国債は暴落し、金利が急上昇して猛烈なインフレとなり、会社の多くは倒産。破産者や失業者が続出して社会不安となり、自殺や犯罪が蔓延するメチャクチャな世の中になるでしょう。

 かと言って悲観ばかりしているわけにはいきません。どうしたらいいのでしょうか。

 金のある人は今のうちに外国に逃げておくのも一法です。国や地方自治体は無駄なことばかりして税金はやたら高いままなので、実際に大企業の多くはこれからどんどん税金の安い海外に引っ越してしまうことでしょう。
 立て直すには行政の無駄を減らすことは必要ですが、先にも書いたように、これらの無駄は役人が私利私欲でやっているのでなく、国民の個々雑多な要求にいちいち応えていった結果です。切れば血が出る改革を、もしやれるなら、とっくにやっています。
 なので、現実的には増税は避けられません。その上で、経済成長をどのように達成していくかの道筋を示し、国民の多くの理解と納得を得ることから始めることでしょう。

 問題は、その経済成長の方法です。
 辛坊さんは、日本は加工貿易立国で、科学技術の研究開発がカギだとか書いていますが、先端的な製造業は大量生産型の製造業と異なり知識集約型で雇用吸収力がないので、ものづくりで将来の日本が経済成長できるとは思えません。規制改革(たとえば休暇の強制取得とか、義務教育に落第制度を取り入れて教育を立て直すとか、解雇を自由化するとか)によってサービス産業に労働人口を移動させるしか30年後の日本は成り立っていないとはんわしは思っていますが、それはさておき。

 ・小泉改革によって、実は雇用は増えて景気も回復していた とか
 ・日本の株価が低いのは成長への道筋が見えないから(景気対策が不十分だから、ではない) とか
 ・外資の進出を「乗っ取られる」とおびえるのでなく、積極的に呼び込むべき とか
 ・デフレはいけないが、インフレもいけない とか
 
 のように、経済や財政がある程度わかっている人にはきわめて妥当で常識的な内容が、わかりやすく平易に書かれていて、けっこうためになります。
 辛坊さんはさすがジャーナリストで言い回しがうまく、
 現在の日本政府の姿は、仕事をしていない友人が「君がお金を貸してくれたら、そのお金を君にあげる」と言っているようなもの
 と書かれていたのが言い得て妙で、非常に感心しました。
 頭の整理をするにはおススメの一冊です。

2010年8月17日火曜日

大学生ら収穫手伝う 紀北・奥川さんの水田



 赤羽川ルネッサンスの奥川さんが、名古屋大学などの学生とコラボレーションして新米の刈り取り作業を行った様子が中日新聞などに報じられていました。(8月16日付け)

 奥川さんはサラリーマン生活を経て、数年前に故郷である紀北町にUターンされました。
 初めてお目にかかったのは3年くらい前、東紀州観光まちづくり公社でEC(電子商取引)のセミナーをやった時だったと記憶しますが、そのころから「生活でき自立できる農業」の必要性を語っておられ、ネット販売での産地直販を含めた、販路開拓に大きな関心を持っておられました。

 その後、三重大生などの農業体験を受け入れるようになり、その関係が次第に強まり、広まって、先日の関西大学サッカー部との交流も含め、一つの大きな形、すなわち「外部の若者との連携」を確かなものにしています。

 これはいろいろな示唆を含んでいると思います。
 
 その一つは、若者(特にある程度のレベルの学生)は、年配の人間が想像する以上に、過疎地域など「地方」の疲弊や衰退に関心があるということです。そして、その対策としての地域振興策についても、ビジネスによって地域外からカネを獲得することの必要性を、抵抗なく理解でき、参加できるということです。
 一部の識者からは、新入社員の海外赴任への抵抗感が強いことなどから「海外に目を向けない若者の消極性」のみが指摘されていますが、逆に日本の地域や文化の多様性や奥深さに気付き、活性化を実践しようとする新しい意識が芽生えていることに注目すべきではないかと思います。

 超ドメスティックな産業と思われがちな農業や漁業ですが、事業に必要な電気や重油などのエネルギーは、他の産業同様に(当然ながら)海外からの輸入に頼っています。さらには、肥料や飼料、資材なども多くは海外からの輸入であり、その意味では国際化を免れることができない宿命を負っています。
 しかし、農業参入は規制され、市場は保護され、農家は世襲制であったため、生産性は低く、多くの分野では政府の保護なしには成り立たない産業になってしまっています。
 仮に、これを本気で自立させるとすれば、人材や生産手段(農地とか漁業権とか)の流動化を進め、新規参入と退場を容易にし、生産も集約して大規模化し、販路も広く海外に求めて行かなくてはいけません。

 このことは、おそらくほとんどの関係者は、とっくにわかっていました。
 わかっていたのだけれど、痛みを伴う大きな変革なのでブレークスルーできないでいたのです。
 
 それで、そうしたらよいのか。
 もちろん単純な答えはないのですが、若者による、ある意味で無鉄砲な挑戦を、地域が全体で応援する風土に変えていくことは最低必要条件です。
 それを、日本のどの地域がやるのか。いつやるのか。
 あとは、それだけの問題なのではないでしょうか。たとえ小さな取り組みに過ぎないとしても。

2010年8月16日月曜日

EVのゼロスポーツが日本郵政に



 時事通信社が公務員向けに提供しているWebサービスであるiJump(8月16日付け)によると

 郵便事業会社(日本郵便)が集配業務用の電気自動車(EV)をベンチャー企業のゼロスポーツ(岐阜県各務原市)から調達することが16日、分かった。
 2011年度は年間の更新車両の3分の1に当たる1000台分を発注する。
 ゼロスポーツによると、EVの契約としては国内最大規模という。

 とのことです。

 このゼロスポーツですが、実は数年前、東紀州長期インターンシップ事業に関わっていたとき、そのコーディネーター役である岐阜市のNPO法人G-netが開催したイベントで、中島社長にお会いしたことがあります。

 当時は、ちょうど「新エネルギー自動車」の開発が注目されはじめていたころです。
 電気自動車、ハイブリッド車、さらには水素を原料にする燃料電池自動車なんていうのもあって乱立状態。電気自動車は実用化に一番近いポジションと言われてはいたものの、航続距離や車両価格などに課題も多く、果たしてどれが次世代自動車の本命になるのかはまだ見えていない混沌とした状況でした。

 中島社長は、その時の印象では非常に精力的で、精悍で、電気自動車の可能性について素人の私に結構熱く語ってくれました。熱くなりやすい方なのだとお見受けしました。
 その後、電気自動車(EV)の分野にも、三菱や日産などの大手が参入し、最近ではトヨタがアメリカのEVベンチャーであるテスラ社と提携するなど、次世代自動車競争では、どうやらEVが頭一つ抜けたという雰囲気になってきたのが2010年の今の状況ではないかと思います。

 ベンチャーの経営者に会うと、新しい事業ゆえに、人材、資金、情報などあらゆる経営資源が不足していることと、何よりも販路の開拓で厚い壁に突き当たるという話をよく聞きます。
 三重県でもベンチャー企業向けに公共調達を進めるためのみえ新産業創出調達制度を設けてはいますが、これは県がベンチャー企業の製品性能を認定にするものに過ぎず、実際にそれが売れるか(納入されるか)に関しては、ベンチャー企業の営業努力とプロモーション能力に係っているのが現実です。 

 その意味で、日本郵政に1000台の大型納入を決めたのは、岐阜県の企業ながらお見事だと思います。  
 これによって我が国のEVの市場が拡大すれば、EV業界全体の活性化にもつながるわけであり、技術革新としてのイノベーションと並んで、このような市場創造機能も、ベンチャーが産業振興に果たす役割として大きなものがあることが再認識されます。

 ■ゼロスポーツ http://www.zerosports.co.jp/index.php

2010年8月15日日曜日

伊勢の夏は「御福マック」で決まり!



 お盆もいよいよ最終日となりました。ふるさとへ帰省されていた方も多かったことともいます。

 日本はどこでも社会が平均化して、国道沿いにはファストフード店や大型スーパー、量販店が建ち並ぶ全国一律の風景となっており、その土地ならではの個性を感じることは実感として減ってきています。

 むしろ食品スーパーに行ったときに見かける、その地域でしか売っていない「ご当地食品」のようなもののほうが地域性を感じることが多いかもしれません。

 伊勢市には「ぎゅーとら」という地域密着型の食品スーパーチェーンがあるのですが、サメのたれお茶漬けあられなどの伊勢超ローカルグルメに加え、夏真っ盛りということで、「御福マック」の特設コーナーが設けられていました。


 地元の人には説明は不要ですが、地域外の方のために解説すると、御福(おふく)マックとは、夫婦岩で有名な二見浦の名産「御福餅(おふくもち)」を製造販売している御福餅本家が、主に夏場にだけ販売しているアイスキャンディーのことです。

 井村屋あずきバーを彷彿とさせますが、御福マックは御福餅に使われているのと同様のこしあんを冷やし固めたもので、昭和24年ごろから製造しているそうなので、あんを使った氷菓の草分け的なものなのかもしれません。

 そのせいか、御福マックは伊勢市でも主に60歳代以上の市民には広く浸透しており、その素朴な風味と甘味が若い人の間でも一定の支持を得ているようです。

 御福餅は、パッケージが赤福と一見そっくりなので、「これだけそっくりな商品がなぜ堂々と流通しているのか」と疑問に感じられる向きも多いようです。

 伊勢は古来から多くの参宮客を迎えていたため、手軽に食べられ腹持ちのよい餅菓子が、数多く名物となっています。二軒茶屋餅しかり、へんば餅しかり。

 小豆のこしあんを餅にのせた「あんころもち」も、伊勢神宮のまわりや街道筋に多数の店が自然発生的に生まれていたはずで、当然ですが商標登録もない大昔のこと、長い歴史の中で多くが淘汰され、今までに残ったのが赤福と御福の2つだったと考えるべきなのではないかと思います。

 赤福のほうは高度成長の波に乗ったテレビコマーシャルや大都市のデパートへの積極出店もあって、全国的な知名度を獲得し、すっかり「伊勢名物」として定着しました。
 しかし、御福餅のほうは地味で、ある意味で愚直にのれんを守っておられるようです。(皮肉なことに両社とも数年前の賞味期限や原材料の不正表示事件で一時窮地に陥ったことは共通していますが。)
 
 伊勢観光は行き飽きた、見飽きた、という方は、赤福氷よりも地元伊勢市民に支持されている(?)御福マックをご賞味いただいてはどうでしょうか。

 御福と赤福の違いについては、いくつかのブログが徹底検証しています。(たとえば「徹底比較研究! 赤福と御福」など)

 

2010年8月14日土曜日

伊勢市「空襲展」を見て、思いを馳せる



 伊勢市御薗町のハートプラザみそので開催されている「空襲展」に行ってきました。

 太平洋戦争中、伊勢神宮がある伊勢市(戦争当時は宇治山田市)は特別の警備部隊が配置されるなど防空に重点が置かれていましたが、戦争末期の昭和20年ごろになるとほぼ毎月、アメリカ軍による爆撃を受けるようになります。

 特に昭和20年7月29日の空襲では大型爆撃機B29の、90機以上の編隊が飛来。
 深夜から市中心部に猛烈な焼夷弾攻撃を受け、当時の国鉄山田駅(現在のJR伊勢市駅)を中心とした区域約5000軒が焼失し、100名以上の死者を出しました。

 会場には、被災直後の一面焼け野原になった宇治山田市中心部の写真や、その当時の国民の暮らしぶりをうかがわせる、食料の配給切符とか、帽子とか、国民服とか、その他家具や什器などが展示されていました。
 貴重なものだと思いますが、実際にB29から投下されたという焼夷弾の破片が赤さびて展示されていたり、出征した兵士に送られたと思われる日の丸の寄せ書き(この日の丸で送り出された兵隊さんは無事に生還されたのでしょうか)などもありました。
 月並みですが、戦争は二度としてはいけない、ということを強く再認識させてくれます。

 不思議に思うのは、空襲にしろ原爆投下にしろ、多数の一般市民、非戦闘員を無慈悲に殺戮する人道に反する犯罪行為を平然と行った(そして、朝鮮で、ベトナムで、イラクで、同じようなことを続けている)アメリカ合衆国という国に対して、被害者であるはずの日本が、なぜここまで懐柔され、今現在のように「友好的」になったのかということです。

 昔、今は引退した名司会者の上岡龍太郎氏が、「霊魂や幽霊は存在しない」ということを主張する根拠として、「もし霊魂が存在するなら無慈悲に殺された神戸や大阪大空襲の数千、人の被害者の呪いや恨みが残っているはずであり、甲子園球場で阪神のアメリカ人選手(バースとか)が本塁打王になるような大活躍をするのを黙って見ているはずがない。呪い殺すはずだ。」という理路整然とした話をしていたのを思い出します。

 それはさておき、きっと遡っていけば、われわれ日本人の誰もが何代か前の祖先や親戚に戦死者や戦病死者、負傷者、罹災者がいるはずです。
 その子や孫たちが、どうしてニコニコとディズニーランドやUSJに行って遊び、ケンタッキーやマクドナルドを食べ、iPhoneを使うのでしょうか。不思議でなりません。

 アメリカ占領軍の統治が巧妙で、日本人を「自虐的」に再教育したからでしょうか。そして、その占領政策にやすやすと乗るほど、当時の日本人はアホだらけだったのでしょうか。あるいは集団的記憶喪失だったのでしょうか。

 そうではないでしょう。
 普通に考えて、大きな混乱もなく(多少の混乱はあったのでしょうが)アメリカ軍による軍政が受け入れられ、民主的な施策の導入と、軍国主義的、皇国史観的な施策が排除されたのは、それを受け入れるだけの一定の素地が、すでにその当時の日本人にあったということにほかなりません。
 それは保阪正康氏が言うように、終戦直前にはすでに厭戦気分が国民に広まっていて日本の軍国主義は事実上破綻していたことや、敗戦後の飢餓状況では大日本帝国が解体される不安よりも、今日明日の食糧事情に関心があったということもあるのでしょう。(「新版 敗戦前後の日本人」朝日文庫2007年)
 しかし、封建的、儒教的な身分制や年長制でなく「社長さんでも僕らでも、人間はしょせん皆同じようなものだ」という素朴な平等理念とか、教条主義でなく皆で議論して合理的に物事を決める、という教養地盤が、日本には(意外にも)確立していた、と考えるのが妥当でしょう。このことは、同じくアメリカ軍占領下でもいまだに民主制が根付かないアフガニスタンやイラクを見ると、よりはっきりします。

 ひるがえって、20年近い経済の閉塞状況が続く2010年の日本。
 その処方箋と称して、戦後教育を否定し、戦前の国家主義へのあこがれを強く打ち出し、旧制高校や帝国大学のような少数エリート主義教育、逆にそれ以外の非エリート(つまり我々のような大多数の国民)には、道徳教育の復権と強化を唱える論が盛んです。

 しかし、この説が疑わしいのは、戦後教育がアメリカに押し付けられたという前提が出発点になっていることです。果たしてこれは本当なのでしょうか? 
 ミッキーマウスが大好きな子供たちの顔を思い出しながら考えます。

2010年8月13日金曜日

130歳という「都市伝説」



 所在不明の高齢者、それも100歳以上という「超高齢者」の事例が全国で続出しています。

 7月に東京都足立区内で、生年月日から計算すると113歳になっているはずの男性が、自宅で白骨死体となって発見されたことが発端となり、全国で次々と似たような事例が出てきました。
 朝日新聞によると、全国で所在不明となっている100歳以上の高齢者は少なくとも279人。住民基本台帳を管理しているのは市町村役場であり、所在不明の場合は職権で削除することもできるようですが、90歳の女性が行方不明になったものの、役場が住民基本台帳から削除しなかった事例として取り上げられている、茨城県大洗町では、削除しなかった理由を「住民登録は残しておきたいという家族の心情をくんだ対応」と説明しているそうです。(8月13日付けasahi.comより)

 しかし、それにしてもまだ何となく縁遠いようなイメージがあったのですが、はんわしにとって身近な三重県熊野市でも、同居している息子が食事を与えず、母親と見られる80歳の女性の白骨死体が発見されたというニュースによって、一気に身近に感じられるようになりました。
 日刊スポーツのweb記事(8月13日付け)によると、
 熊野市内に住む女性のおいが9日午前、熊野市役所に「1年以上叔母の顔を見ていない。テレビで高齢者の所在不明の問題を見て、不安に感じている」と相談し、所在確認が始まった。
 ことが発見のきっかけだったようで、事件が発生した場所が、熊野市木本町という熊野市でも住宅や商家が密集している中心市街地であったということも相まって、きっと全国のあらゆる地域に広くこの種の話が存在しているのだろうな、ということを実感した次第です。

 この種の話ではんわしが思い起こすのは、たぶんもう15年位前になりますが、ある人から「敬老の日に、全国で一番長生きの男性は何歳のだれだれ、女性は何歳のだれだれ、というニュースが報じられるが、これはホンマのことやない。」という話を聞いたことです。

 その人が言うには

 実際には110歳や120歳という人はゴロゴロおる。
 そやけど、生きてはって元気にしてはるいう意味やないで。死亡届が出てないねん。いや、出されへんねん。


 家族はじいちゃんやばあちゃんが受け取ってる年金をアテにしとって、場合によってはその年金で暮らしてて、今死なれたら困るわけや。

 役所の人が来ても、最近おばあちゃん、ちょっと体調崩してるから会わせられませんねん、とか、しばらく親戚に預かってもうてますねん、言うたら、それ以上調査する権限はないわけや。

 戸籍法や住民基本台帳法は原則として本人や家族が申請することになっとるから、届けが出てこん限り、いや、じいちゃん生きてます、ばあちゃん元気ですわ、って家族に言われたら役所もどないもできへん。

 ワシ、××県には130歳の人が何人もおるっちゅう話聞いたことあるで。

 とのことでした。

 都市伝説かと思っていたのですが、この分ではどうやら本物の130歳が出てくるかもしれません。

 所在不明の高齢者が続出する問題を、役所の管理不行き届きだ、などと批判する向きもあるようですが、これは違います。
 家族の生死、結婚や離婚などは、家族の自治に関する問題で極めてプライベートな内容であり、行政が公権力でもって監督したり、介入したりすることは間違いです。そんなことをすれば監督する行政にとっても大変なコストが発生します(それは税金や借金の形で国民が負担しなければいけません)し、何よりも、権力に従順で、されるがままの受身の日本人がますます増えてしまい、ついには家族という共同生活パターンさえも崩壊してしまうでしょう。
 これら一連の事件は不孝なことですが、冷静な議論が必要だと思います。


 

東紀州インターンシップ同窓会!



 三重県東紀州地域(三重県南部にあり和歌山県、奈良県と接する、尾鷲市、熊野市、紀北町、御浜町、紀宝町の2市3町からなる地域)は、実は「長期インターンシップ」先進地として全国的に注目されつつあります。
 長期インターンシップとは
 ・大学生など、自分磨きやベンチャー、地域おこしなどに関心を持つ若者が
 ・地域で活躍している、ハートが熱い若手経営者の下で
 ・最低1ヶ月以上の長期間に渡って、「弟子入り」のような形でインターンシップを行い
 ・挑戦した若者、受け入れた経営者、そして地域社会のそれぞれにメリットを生む
 という制度です。

 東紀州では、3年ほど前から東紀州観光まちづくり公社(理事長は岩田昭人尾鷲市長)が主体となり、岐阜市のNPO法人G-net(秋元祥治代表)の協力を得て、東紀州地域内の若手経営者が県内外の大学生を受け入れています。

 今年も現時点で4名(紀北町の民宿紀伊の松島ギョルメ舎フーズ、尾鷲市の夢古道おわせ、紀宝町の石本果樹園)の若者がインターンを行っています。
 一昨年、昨年もあわせると十数名もの受け入れ実績が生まれてきており、いいタイミングでもあるので、インターン学生、そのOB生、受け入れ経営者、コーディネーター、行政職員などの関係者が集まって同窓会を行うことになり、はんわしも参加してきました。

 会場の、民宿紀伊の松島には20名ほどが集合。

 はんわしは初めてお目にかかるインターン生、OB生もいらっしゃいましたが、「東紀州」という共通のキーワードがあるのと、やはりお一人お一人胸に秘めた思いのようなものがあるので、何とはなしに会話が始まって、途切れることなく楽しく時間が過ぎていきます。

 職場の飲み会は、親睦行事であり、職場の輪を保つため、コミュニケーションを活発にするためという目的のある「仕事の延長」ですが~もちろん、それはそれなりに意味はあるのですが~、インターンシップ同窓会は完全に自発的な集まりで、かつ建設的な議論ができる、エキサイティングな場でした。
 もっと言えば、出てくる料理とか酒肴が圧倒的に美味かった!です。(これは紀伊の松島さんのおかげ)

 この日は午後7時スタートで、結局終了したのは(というか、はんわしがくたばったのが)2時半ごろでした。酒量を控えていたとは言え、わしにとっては珍しく長持ちしました。

 順風満帆に見える東紀州インターンシップですが、課題もなくはありません。
 一つは、現在は、行政(三重県や東紀州観光まちづくり公社)の予算やマンパワーで成り立っている部分が大きく、制度として自立していけるか、すなわち、受け入れ経営者が自腹でG-netにコーディネートを委託できるようになるか、という点です。

 もう一つは、これが本質的な課題なのですが、インターン制度の最終目標をどこに置くかです。
 学生が成長し、経営者にもそれなりのメリットがあること。これは自明なのでひとまず措くとして、東紀州地域としてどんなメリットがあるのか。
 例えば、インターン生がそのまま東紀州に定住してくれること、受け入れ企業が大きく売り上げを伸ばし経営を向上すること、東紀州が若者チャレンジの聖地として知名度を高めること・・・
 色々あると思うのですが、実績がここまで重なってきた以上、最終目標を緩やかにでも絞り込んでいくことは必要になるのかもしれません。

 ★現在、紀伊の松島でインターンしている鎌田君が、イベントを企画しています。
   http://ameblo.jp/beckamazo/entry-10612099646.html

2010年8月10日火曜日

公共事業がやめられない理由の一つが



 金閣寺を造ったのはだーれだ?

 答えは足利義満、ではなく「大工さん」というのが、子供のナゾナゾならおそらく正解になるのでしょう。
 そして、これは半分は本当のこと、真実であるとも言えます。
 つまり、もちろん、金閣寺の建築を命令したのは時の最高権力者である室町幕府の将軍、足利義満であり、彼の財力と権力と武力がバックボーンになったのは間違いないことです。
 しかし、実際に建物としての金閣寺を建築したのは、多数の名もない大工であり、瓦や建具や装飾など多数のジャンルに細分化されていたであろう、これまた無数の名もない職人であったわけです。

 彼らは、権力者の命を受け、対価をもらい、すなわち職業として金閣寺の建築に従事したのであり、それ以上のかかわりはなかったはずですが、おそらく職人生活で最高の仕事の一つとして、この事業がいかに有意義なものであったか、そして自らの手になる金閣がいかに美しく壮麗な芸術品であるかを子や孫に自慢して昔語りしていたに違いありません。

 そんなことをふと考えたのは、出張で車を運転していて、もう10年も20年も昔のころ、自分が職員として建築工事にかかわった高校の体育館が、若干古びてはきたもののしっかりとそこに建っているのを見たりすること、電車の窓から自分が補助金事務を担当して建てられた商工会館が街のビルの間からちらりと見えたりすること、です。

 これらの建築物は小さいながら、ささやかながら、その土地のランドマークになっています。
 はんわしは全体事業の一部にかかわったに過ぎませんが、それでもそのころの苦労だとか、一緒に仕事した仲間の顔とか、完成したときの盛大な竣工式とか、生徒たちの笑顔とかが思い起こされ、なんだか心が熱くなってくるのが感じられます。

 公共工事が止められない理由は ~実際には財政難もあって公共工事は減少の一途をたどってはいますが~ 実はこのような「達成感」にあるのではないかとつくづく思います。

 

2010年8月9日月曜日

大阪府が「貧困ビジネス規制条例」を検討



 各紙が報じたところによると、大阪府が、いわゆる「貧困ビジネス」を規制する条例の制定を検討しているそうです。9月の府議会に条例案を提出する予定で、もし制定されれば全国で初の規制条例になるとのこと。

 大阪府では数年前から「囲い屋」と呼ばれる、生活保護受給者に宿舎と食事を提供する業者が横行。単に住居や食事の提供だけならいいのですが、悪質な業者は狭い居住スペースしか与えず、しかも粗末な食事を半強制的に支給。その代償として本来受給者が受け取るべき保護費の多くをピンハネするビジネスモデル(?)となっており、現状ではこれを規制する法令がないため、行政がなかなか解決に踏み込めない状況が生まれています。

 47ニュースによると、
 (大阪府の)検討案では、業者に対し、住居と食事の提供が一体となっていることなどの詳細を利用者に契約書で明示することを義務付け。契約の解約時に高額な違約金を請求する実例もあることから、不当な要求や拘束の禁止も盛り込むか議論している。
 とのことです。

 確かに、通常の不動産賃貸業との区別が難しいことや、何より地域課題解決型のコミュニティビジネスとして経営している良心的な事業者にとっては不要な規制が新たに一つ生まれるわけで、大きな迷惑になってしまうなどの副作用も懸念されます。
 ただ、このような問題に果敢に取り組む橋下知事のリーダーシップは同業者としてうらやましい気がします。

 図録にると、都道府県別の生活保護率(人口千人当たり。2007年度データ)が最も高いのは大阪府の25.7%。ついで北海道(24.7%)、高知県(21.8%)、さらに、京都府、福岡県、沖縄県、と続き、全国で比較すると「西高東低」の傾向が顕著に見られます。
 一昔前は、石炭鉱山の閉山などにより失業者が多かった福岡県と北海道の受給率が高かったようです。生活保護率と失業率の相関関係などについては、ぜひ図録をご覧ください。

2010年8月8日日曜日

「東紀州まちづくり人に学ぶ旅」参加者募集中です!



 三重県東紀州地域(尾鷲市、熊野市、紀北町、御浜町、紀宝町の2市3町からなる地域)は紀伊半島の南部、和歌山県、奈良県と接する地域です。

 面積は三重県全体の17%を占めていますが、人口は約8万5千人で県全体の5%程度しかありません。水産業や林業が盛んだった昭和40年代に比べ3割近く人口が減少しており、65歳以上が占める高齢化率は30%を越える、言うならば典型的な過疎地域、少子高齢化地域です。

 これらの地域に共通する課題として、医療の確保や高齢者対策などがありますが、最も重要な課題は産業振興ではないかと思います。

 第1次産業は長期衰退傾向で、建設業が基幹産業となっており、製造業の誘致や高付加価値サービス業への産業構造転換も遅れています。

 一番の問題は、若い人材の不足です。
 東紀州には高等教育機関がほとんどなく、高校卒業と同時に多くの若者が故郷を後にします。大きな雇用先がなく、ましてやホワイトカラー職場は公務員や金融機関などに限られているため、都会に出て行った若者のほとんどはこの地での就職がかないません。

 このことは、産業の振興に大きく影響しています。
 跡継ぎがなく、自分の代で商売を終えようと考えている多くの経営者には設備投資や経営革新の意欲がありません。
 ヤル気のある若手の経営者も、自分の右腕となるような若手の補佐役がいません。なので、事業の成長スピードがどうしても遅くなります。

 今までにも、行政主導の「産業振興」や「地域活性化」の取り組みは、東紀州で何度も何度も行われてきました。しかし、これによって収益を上げ、経済的に自立できるようなビジネスモデルの構築には失敗してきたため、成果を持続し、拡大していくことがほとんどできませんでした。

 はんわしの考える処方箋はこうです。
「回り道でも、若者をUターン、Iターンさせ、この地でビジネスに参加させ(起業でも就職でもどちらでも可)、経済的に生活を成り立たせること。このことを究極の目標として、商品やサービスのマーケティング、開発、販路開拓を行うこと。」

 そして、希望も確かにあります。
 はんわしなどよりもとっくに早くこのこと、~経済的な成功こそが地域活性化につながること~に気づき、行動を起こし、そして成果をあげている人々の存在です。
 この人たちこそ「まちづくり人」と呼ぶにふさわしいイノベーターでしょう。能書きだけの学者や役人とは格が違う人たちです。

 長々と書きました。
 現在、東紀州長期インターンシップ事業のインターン生として、紀北町にある 四季活魚の宿 紀伊の松島 でインターンしている鎌田さんが、「東紀州まちづくり人に学ぶ旅」なる企画を立ち上げ、実行に移すことになりました。現在、参加者を募集しています。

 このブログは行政関係者や産業振興関係者も多く見ていただいているようなので、ご一読ください。
 地域振興、まちおこしに関心がある若い方(東紀州以外の地域、特に都会出身で「地域おこし」と聞いてもピンと来ない、という方々)にぜひ参加していただきたい、非常に実践的なツアーになっています。

 ■ツアー内容はこちらを
  インターン生ブログ「まこがれいのつぶやき その2」 http://ameblo.jp/beckamazo/
  
 

伊勢湾フェリー鳥羽ターミナルをぶらぶら散歩




 鳥羽水族館のすぐ隣、対岸にはミキモト真珠島を望む海岸沿いに、伊勢湾フェリー鳥羽ターミナルがあります。
 業績不振により9月末で航路廃止と会社清算を決定していた伊勢湾フェリーですが、昨日、近畿日本鉄道と名古屋鉄道が持っている同社の株式を、三重県や鳥羽市などに譲渡し、経営が引き継がれる見通しであることが報じられました。これによって航路は一転、存続することとなったようです。


 というわけで、猛暑も一服した感があった今日、はんわしの実家から徒歩で15分ほどのターミナルをぶらぶらと見学。


  この係留施設のすぐ横には鳥羽海上保安部の巡視船が停まっており、その横には数百トン級の貨物船が何隻か留まっています。
 別になんてことはないのですが、大きな船をまじかで見るのはそれなりに迫力があって面白く、そこそこの暇つぶしになります。


 ターミナルの2階は伊勢鳥羽志摩の土産物のショップやレストランなどがあります。もちろん、誰でも利用できます。
 お盆休みの初日、一角では鳥羽・田原交流物産展が開かれ、田原名産の渥美メロンやトマトなど、鳥羽名産の水産加工品や干物などが販売されていましたが、全般的に閑散としており(時間がちょうどお昼過ぎだったせいもあるのかもしれませんが)、やはり正直言って、この調子で事業は存続できるのか不安に感じざるを得ません

2010年8月7日土曜日

伊勢湾フェリーが行政支援で存続?



 ヤフーニュースによると、9月末で航路を廃止し会社も清算するとしていた伊勢湾フェリー(本社:三重県鳥羽市 従業員65名)が、行政の経済的支援を受けて航路を存続させる方向で調整していることが明らかになりました。
 現在同社の株式は近鉄と名鉄が50%ずつ保有しており、その一部を三重県、愛知県と鳥羽市、田原市が引き受ける方向で、今月20日に開かれる2県と2市などでつくる「鳥羽伊良湖航路対策協議会」の会合で方針決定する見通しとのことです。

 人口2万人少々で働き口も少なく、観光が基幹産業である鳥羽市にとって、伊勢湾フェリーの廃止は痛手であり、廃止が発表された3月以降、鳥羽市田原市が存続を求めて陳情や署名活動を行っており、さらに両市や観光団体がタイアップして観光キャンペーンや物産展なども精力的に行われてきたので、そのことも功を奏したのかもしれません。

 これ自体はひとまず喜ばしいことです。

 しかし、以前のブログにも書いたように、伊勢湾フェリーは累積赤字が22億円。利用者は年々減少傾向である上に、高速道路の三重県南部までの延伸や、休日1000円化、さらに今年6月からの一部区間無料化によって追い討ちがかけられ、将来にわたって明るい展望が開けない状況でした。
 3月以降の行政や観光関係者の活発な支援を見ると、今までの経営陣は力不足だったという面もあったのかもしれませんが、それにしても経営のプロが見て廃止妥当と判断する事業を、行政が介入して救えるものなのかという疑問は禁じ得ません。

 資本参加するということは、当然に経営にも何らかの形でタッチすることになるでしょう。
 かつてのように第3セクターに市役所のOBを天下りさせ、無責任経営をすることはこのご時勢、いくらなんでもありえないと思いますが、どのように経営に参画していくのか、そして行政としての大義名分を示し、経営責任を負うのか、まだまだクリアーすべき課題は山積しているように思えます。

 ちなみに、本日17時時点の三重テレビのホームページによると、当の伊勢湾フェリー自身が「「話を聞いておらず分からない」とコメントしている。」とのことですので、今しばらく観察が必要なようです。

農商工連携等人材育成事業




 三重県中小企業団体中央会が、昨年度に引き続いて「農商工連携コーディネーター」となる人材を育成する講座を行うこととなり、現在、受講生を募集しています。

 農商工連携とは、農作物や海産物などの農林水産資源と、商業者の持つ販売ツールやスキル、工業者が持つ加工技術や設備などを「有機的に連携」させ、農林水産業者と商工業者が共同で新たな商品開発や生産、消費者ニーズを踏まえた販路開拓体制の構築等に取り組んでいくことを支援する制度です。

 三重県では、伊賀にあるモクモク手作りファームのように、農業(畜産業)と食品製造業、そして小売業が緊密に連携して相互に付加価値を高めているのが、「農商工連携」のビジネスモデルの一つの典型例です。

 しかし例えば、ハムの製造業者が食肉を仕入れるのは、通常の「仕入れ」であって、農商工連携とは呼びません。
 今までと違うユニークなハムの新商品を作るために、製造業者は製法や販売方法を、畜産業者は新商品にあった肥育方法に取り組むことで、相乗効果が生まれるような連携をイメージすれば良いと思います。

 そして、これが一番肝心な話ですが、このような「有機的な連携」はそのへんにゴロゴロしている話では決してありません

 日常のビジネスからヒントを得ることは大事ですが、具体的な商品化に当たって、さらに、普段はなかなか付き合いのない農林水産業者と中小企業(商工業者。もちろんサービス業も含みます。)が協力して事業に当たっていくためには、さまざまな局面でのコーディネートが決定的に重要になります。

 現時点では、まだまだ、そのコーディネートのための人材が不足しているといわれています。
 ビジネスのセンスを持ち、消費者のニーズも的確に把握し、それと同時に農林水産業者の事情や課題も理解している。そして、それらを一つの商品やサービスに収斂し、ビジネスモデルを作り上げていける、そのような人材です。

 中小企業の経営を取り巻く環境は、グローバル化や国内市場の成熟によって大きく変化しており、従来の商売のやり方に固執し、従来の顧客のみを見ていては、早晩立ち行かなくなることはほぼ確実な情勢です。
 厳しい言い方をすれば「中小企業の生き残り」のために、経営者は農商工連携を視野に入れていただき、必要な知識を身につける研修に参加していただければと思います。

 また、地域産業を振興する立場の行政や商工団体の職員にも有用な内容だと思いますので、ぜひ受講をおすすめします。

 くわしくは、三重県中小企業団体中央会のホームページをご覧ください
 http://cniss.chuokai-mie.or.jp/topix/h22/noushoukou.html

2010年8月5日木曜日

電子書籍「自炊」入門



 GIGAZINEによると、キンドルやiPadなどの端末が登場したことで、日本でも電子書籍のブームが起こりつつあるなか、自分の蔵書(本や雑誌)を裁断してPDFファイルなどにスキャンし、電子書籍を作る、いわゆる「自炊」ユーザーを対象にしたビジネスが生まれているようです。
 
 最近、著作権法違反ではないかと問題なったのは、自炊ではなく、蔵書を送ると業者でそれを裁断し、スキャンしてくれるという代行サービスですが、この事例は自炊する人のために裁断機の刃の切れ味を復活させるサービスということです。(リンクはこちら


 この、自炊というのが面白い表現だと思います。
 念のため検索してみると、あるわあるわ、関連のサイトが。

 中には、具体的に裁断とかスキャンの方法を図解したサイトまであって、これらの情報に対して一定のニーズが現実にあることを示唆しているようです。ぜひ一度お試しください。
 
 はんわしは、iPadにやっと先日じかに触れた程度の人間で、本はやはりリアルのほうがいいなあ、なんてなレベルですが、今後、やはりどんどん電子書籍化は進んでいくのでしょうか?

2010年8月4日水曜日

やはりというか「3D映画で体調不良」



 国民生活センターが「3D映画による体調不良」について報道資料提供を行いました。

 3D映画を観て気分が悪くなったという相談が消費者トラブルメール箱やPIO-NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)に寄せられ始めた。
 3Dに限らず、映像の視聴による眼精疲労や不快感、頭痛などの体調不良は、業界や研究者の間では映像酔いなどとして知られており、生体への影響に関する研究や安全に関するガイドラインの作成も行われている。
 原理上、3Dが2Dよりも映像酔いを起こしやすいおそれもあると言われている。しかし、3Dが急速に普及し大々的に宣伝もされている中で、消費者にはそれらの情報がよく伝わっていないと思われる。

 そこで、3D映画による体調不良について、消費者への周知を目的に注意喚起を行う。

 とのことです。
 詳しい事例については、国民生活センターのHPをご覧ください。→こちら

 新しい技術や製品については、デビューは華々しくても、その後になって色々なトラブルや課題が浮かび上がってくることがあります。
 思い起こせば携帯電話が発生する電磁波が脳に悪影響を与えるというものがありました。今では下火になってしまっていますが、これって決着は付いたのでしょうか?
 最近ではクリーンエネルギーとして各地に立地されている風力発電所の羽根が起こす超低周波とか。

 3Dは、新しい映画ジャンルの本命として、また、コモデティ化し安売りに歯止めがかからない薄型テレビの救世主として技術が競われ、さまざまな規格が並立して主導権争いを繰り広げています。
 一方で、今回の体調不良報告。

 日経新聞の記事(8月4日付け)によると

 3D映像に詳しいNPO法人 映像評価機構の千葉滋理事長によると、3Dで体調不良になるという科学的な立証はないが、「3Dの原理上、2次元の映像よりも酔いや疲労が起きやすいことは知られている」という。

 とのことなので、国民生活センターが言うように

 (1)3D映像は体調不良を起こすおそれがあることを知っておこう
 (2)体調不良を感じたら視聴を中止する
 (3)子どもは保護者がしっかり配慮する


 という、視聴者が自分の身は自分で守るという心構えが必要なようです。

2010年8月3日火曜日

ソーシャルビジネスの背景と問題



*マニアックな内容ですので、ソーシャルビジネスに関心がある方以外は無視してください*

 菅首相の「第三の道」路線は、野党をはじめマスコミやエコノミストからも散々な評判です。確かに医療や介護、福祉のように公的な保険制度で担保され、同時に厳しく規制されている分野は一種の社会主義経済なので、生産性を大きく上げるインセンティブが働かず、したがって現在の大量生産型、輸出型の製造業に代わり、日本経済を牽引する産業になるかというとまだまだ難しい面があります。
 これは、コミュニティビジネス(ソーシャルビジネス)でも同様であり、CBが主力の産業になるというより、地域社会の機能不全を緩和し、地域の課題を地域の住民自身が持続的に解決する事業として(その意味では地域に密着し、地域に不可欠な産業として)発展するというイメージになると思います。

 さて、商工中金系の研究所が発行している月刊誌「商工金融」の2010年7月号を見ていたら、「社会的起業の背景と問題」という論文が載っていました。東京農工大大学院教授の松下博宣氏によるもので、ちょっとおもしろかったのでご紹介します。

 松下さんによると、ソーシャルビジネスを実践する起業家(社会起業家/ソーシャル・アントレプレナー)とは「社会の問題を見つけて定義し、新規制の強い事業アイデアを繰り出して持続的に取り組み、その事業を普及させ、社会に大きなインパクトを与えるような変革の担い手」と定義します。そして、ソーシャルビジネスや社会起業家への若い世代の関心が急速に高まっていると指摘します。

 このムーブメントの理由は、以下の3つだそうです。

1 「ケア」を必要とする人口が急増していること
 この場合のケアとは、医療や福祉サービスのほかに、地域コミュニティでの信頼関係、支えあい、絆なども広く含む概念です。

2 新しい公共
 行政や政治が解決できない課題が増えていること。
 (先日報道された育児放棄の末に2児を死なせた母親にも、行政は無力でした!)

3 新しい社会的サービス
 世界的に経済の流れはモノからサービスに移っていること。

 一方で、松下さんはソーシャルビジネスがサービス業(サービス提供のビジネスモデルがSBには非常に多い)であることから、「サービス業の生産性の低さ」という課題から逃れることができないとも指摘します。

 先日、観光産業に関しての生産性の考え方について、ダイヤモンド・オンラインに載った星野リゾート 星野社長のインタビュー記事を紹介しましたが、観光産業とソーシャルビジネス、全く違うジャンルのようですが、サービス業であるがゆえの同時消費性とか労働集約性など、サービス業の弱点については共通しているわけです。

 結論として、ソーシャルビジネスの労働生産性を上げるような社会的ソリューションの多地域展開、システム化、融資システムといったビジネスの戦略的基盤の確立が重要だと提言されます。

 これは非常に興味深い問題で、市民バンクのようなソーシャルビジネスやコミュニティビジネスに向けたファイナンスや、民間企業との連携関係の構築など(そういえば、ユニクロがグラミン銀行と提携することも先日報じられました)の重要性が高まってくることと思います。

 SB、CBに対する行政の支援も、補助金のような一過性のものでなく、基盤構築と社会起業家の自立的なビジネス継続への環境づくりに移っていくべきなのではないでしょうか。

 ■「社会的起業の背景と問題」は松下博宣さんのブログで読むことができます。リンクはこちら

2010年8月2日月曜日

観光こそ21世紀の基幹産業である



 先ごろ発表された政府の新成長戦略でも、インバウンドを始めとした観光産業が成長可能性の高い産業とされ、その活性化が重要課題とされています。

 モノからモノガタリへ。つまり、物質的な豊かさから、精神的な豊かさをより重視する成熟した時代の消費嗜好にも、この流れはマッチします。
 しかも、地域にある素晴らしい景観や、名所・旧跡、祭りなどは究極の地域資源であり、これをブラッシュアップすることで新しい産業が生まれる可能性も高まります。

 このように観光産業の成長可能性が大きいことは明らかですが、しかし、これを「産業」と明確に捉えたうえで、どのように振興していくかについては、地域住民も、行政機関も、さらに当の観光業者自身もまだまだ対応が遅れているといっては言い過ぎでしょうか。

 その一つの例は、例えば観光協会だの、市役所や役場だのが行っている施策の多くが宣伝やPRといった「プロモーション活動」だということです。
 つまり、観光資源や観光商品、また宿泊施設や観光施設は所与の条件として、それにいかにして人を多く呼び込むかだけにエネルギーのかなりが割かれている現実です。

 しかし、必要なのは「魅力ある観光商品」であったり、「質の高い観光サービス」であったりするはずです。これにはマーケティングや商品化のための企画力、そして観光サービスを支える優秀な人材の育成や、設備投資が欠かせません
 このようなしっかりした産業支援のスキームが、まだまだ観光産業分野では少ない気がします。

 7月30日付けダイヤモンド・オンラインの「星野リゾート・星野佳路社長に聞く観光立国への道」は、このことを正面から捉えていて、読み応えのあるインタビュー記事となっています。

 文化、食、北海道から沖縄にいたる多様な自然など、日本には観光資源が圧倒的にある。しかも国際空港が多く航空機の便が良いなどのアドバンテージもある。しかし、国際競争力のある製造業に比べて日本の観光業はその25%の生産性しかない。
 
 なので、観光産業やホテル業は日本の製造業にこそ、トヨタや日産にこそ学ばなければならない。彼らのクオリティコントロールや、ラインで手待ち時間を減らして生産性を上げていく技術を、今こそサービス産業・観光産業に、いかにノウハウとして取り込んでいくかが大事。

 一方、観光業を取り巻く問題は「需要の集中」にある。観光産業は、1年間の需要が100日に集中している。土日とゴールデンウィークと年末・年始。それ以外の265日は閑散としている。

 だから、休みを平準化するというのは、日本のサービス産業・観光産業の生産性を格段に上げる手段として、非常に有効。国の施策としては、休日の平準化が、生産性の向上に一番効く。

 なるほどと思います。
 今、日本の経済状況は危機的です。今までの常識に囚われない、しかもカネのかからない活性化策は、休日を平準化する方策かもしれません。観光産業政策がプロモーションにとどまっていては、これは決して前進しないでしょう。

 星野さんは、行政がなすべきことをもう一つあげます。「赤字の公営リゾートは淘汰せよ」という主張です。

 地方の観光産業がなぜ疲弊しているかといえば、原因の一つは実は公的な施設が多すぎるため。市町村が経営している温泉施設や、第3セクターが経営しているスキー場など。採算を度外視した、公的部門と戦うというのは、(民間にとって)すごく大変なこと。

 では、そういう公的施設が利益を出して、地元に還元しているかというと、その多くは赤字であり、税金をつぎ込んでいる。税金をつぎ込んで、一方では、民間を圧迫して、そちらから上がるはずの税収を落としている。

 したがって、健全な競争を促して欲しい。健全な競争とは、赤字のところが淘汰されるという意味。観光産業が日本の主要産業になろうとしているのに、福祉的な発想で、温泉施設などにどんどん税金をつぎ込まないでくださいということ。

 これも思い当たることは多々あります。しかし、地方自治体にとって、赤字施設を閉鎖すること(=赤字資産を償却すること)は過去の失政を認める意味になることや、一時的にせよ地元雇用を減らしてしまうことなどから腰が重いのが現状です。
 ここがふんぎれるかどうかも、その地域の将来性を占うカギになりそうです。

 ■ダイヤモンド・オンライン(無料ですが会員制です) http://diamond.jp/

2010年8月1日日曜日

2010年7月のページビューベスト10



 2010年7月のページビューベスト10です。個人的なメモみたいなものなのでご容赦ください。

1 四日市コンビナート夜景クルーズに行ってみた(2010年6月26日)

2 伊勢自動道・紀勢自動車道が無料に!(2010年2月2日)

3 海空花子は笑える(2010年2月11日)

4 伊勢自動車道・紀勢自動車道 無料化の一日目は(2010年6月29日)

5 鳥羽市のB級グルメ「トバーガー」(2009年8月2日)

6 「地域力連携拠点事業」が事業仕分けで・・・(2009年11月28日)

7 「デフレの正体」を読む(その1)(2010年7月2日)

8 「デフレの正体」を読む(その2)(2010年7月3日)

9 熊野市で始まる「過疎地有償運送」って何だ(2010年5月16日)

10 紀勢自動車道「無料化」でどこへ行こうか・・・(2010年6月20日)
  
 という感じになりました。
 5位のトバーガーの記事はほぼ1年間、アクセス上位に来ています。実は、正式には「とばーがー」と平仮名で表記するのが正しいのですが、皆さん検索エンジンへのキーワードに「トバーガー」と(間違って)カタカナで入力してしまう方が多いようで、そうするとなぜかはんわしのブログに来てしまうようです。

 このことは、ネットショップの講座でもよく出てくる話で、有名な高級牛肉は「松阪牛」ですが、知らない人は「松坂牛」と入力する方も多いので、キーワード設定は打ち間違いも予測して複数用意しておくと有効な場合もある、という教訓の、まさに実証の場にこの記事がなっている感じです。

 3位の海空花子、6位の事業仕分けも根強いランクインです。特に6位は超マニアックな話題なので、ほとんどが商工団体関係者か行政関係者のアクセスだと思います。

 ただ、圧倒的にアクセス数が伸びたのは四日市コンビナートの夜景クルーズの記事です。
 これもほぼ1年前の記事(2009年8月6日「コンビナート・リグレット」)にさかのぼりますが、「産業観光」に四日市商工会議所が先駆的に取り組んでから足かけ5年目で、大きくブレークしました。その時、ほんの少しですが関わらせてもらった立場から、今の盛況を本当に嬉しく思います。
 7月30日付けの朝日新聞によると、四日市コンビナート夜景クルーズは非常に好評で、8月分はソールドアウトしたようです。