2010年11月30日火曜日

G-netが東紀州ブランチで働くスタッフを募集中



東紀州長期インターンシップ事業の実施主体である、岐阜市のNPO法人G-netがコーディネーターとして働ける常勤スタッフを募集しています。

 今年は例年以上に大学生、高校生などの就職率が低いようです。また、不景気によるリストラも減ってはいません。
 従来なら、これらの人々は摩擦的失業であって、新産業の成長や景気の回復によって新しい雇用先に吸収されるはずだと考えられていました。
 しかし実際にはなかなか雇用は回復しません。
 雇用問題解決の正攻法としては、やはり第一義的には経済成長によることでしょうが、個人の目線で考えれば、回復は一体いつになるのか、自分は就職できるのか、など心配は募ることでしょう。

 そのような中で、一つの考え方としては、いわゆる田舎、条件不利地と考えられていた地域で、住民に新しいサービスを提供するビジネス、あるいは地場産業と呼ばれる農林水産業や、それに付随した食品製造業、水産加工業、製材業、建築業といったビジネスへの就業、あるいは起業することがあります。

 田舎暮らしは決して楽ではありません。しかしそれでも、田舎は魅力があり、ビジネスを開拓する余地もまだ残っています。

 それはそうだけれど、いくら何でもカラダ一つで飛び込むには勇気がいる、という方。
 実は、そういう方がほとんどです。
 そのために長期インターンシップの制度はあります。
 
 田舎で決定的に不足しているのは若者であり、現状をブレークスルーできる意欲を持っている人材です。
 その人材を発掘し、インターンシップ生として共に伴走するのがコーディネーターであり、おそらく東紀州で最も必要とされている職種の一つです。
 広く地域活性化や地域おこしなどに関心がある方、若者の育成に関心がある方、何か面白い仕事はないかと探している方、ぜひご覧になってみてください。

 ■G-net 採用情報のページへ http://www.gifist.net/tabid/66/Default.aspx

2010年11月29日月曜日

二度あることは三度ない・・・ことを願う



 残念なことですが、昨日の三重県亀山市での交通事故 ~出勤途中の外国人労働者を送迎していたマイクロバスに前方不注意のトレーラーが衝突し、6名が死亡、10名が重傷を負った~ は全国ニュースとなってしまいました。
 遠い異国の地で不慮の事故にあった方々は本当にお気の毒です。ご冥福をお祈りします。

 その矢先、今日は、はんわしにも見慣れた(かつての通勤路であった)、紀勢自動車道の三瀬トンネルで大事故が発生しました。
 反対車線に飛び出してきた大型トラックが対向して来た自家用車と衝突。トンネル内で火災となり3名が亡くなったというものです。



 大変悲惨な現場のようです。被害にあった方のご冥福を祈りたいと思います。

 紀勢自動車道に関しては、勢和多気ICから終点の紀勢大内山ICまでの区間は対面通行となっており、上下の二車線を隔てているのは、数メートル置きに立てられているプラスチックかゴム製のオレンジ色のポールに過ぎません。
 対面区間は制限速度が確か時速70kmだったと思いますが、実際には80kmから100kmくらいで走るクルマがほとんどで、スピード違反が恒常的であり、たまに制限速度で走っているクルマがあると、後続車にあおられている始末です。

 根本的な解決は、4車線化して上下を中央分離帯で区切ることでしょうが、もはや日本の今の国力では、実現は数十年先になってしまうでしょうし、永久に実現しないかもしれません。
 それならば、ドライバーに制限速度を守らせるように、自動速度取り締まり機を設置するとか、何らかの方法が必要なのではないでしょうか。
 前々から、対面通行の高速道路なんて危ないなーと思っていたのに、いつの間にか慣れてしまって、どれだけ危険なことなのかの自覚も低下してきていたようです。お互い気を付けたいものです。

 それにしても思いを馳せざるを得ないのは、日本の科学技術は優れているはずなのに、クルマの高速化や燃費向上、安全性能の向上には技術が活かされているものの、クルマのスピードが出ないような装置とか、スピードを落とさざるをえない(しかし揺れたりせず安全に走れる)ような路面の工夫とか、もっと言えばゆっくり走りたくなるような景観づくりとか、そのようなものには技術が投入されないか、そもそもそのような発想がない、ということの不思議さです。

 科学技術(心理学や生理学のような分野も含めて)を「交通安全」といった社会システムにいかに応用していくかは大きな課題だし、それがなかなか進まないところに日本社会の底の浅さを垣間見る思いです。 

2010年11月28日日曜日

経済対策に「減税」は常識なのでは



 河村市長の辞職表明によって混沌としてきた名古屋市政ですが、これによって河村市長がブチ上げていた「市民税の減税」はどうなってしまうのかと密かに心配していました。
 しかし、今日の中日新聞によると、名古屋市長選と同日選挙もうわさされている愛知県知事選挙の候補者の一人が、県税である不動産取得税の減税を公約に掲げるとのことです。

 ごく普通に考えて、景気が悪いのであれば、減税して国民の負担を少なくし、その分を消費に回してもらい、それによって経済を活発化しよう、と考えるのは当たり前のことのような気がします。
 現実にアメリカでは政府による景気対策の主流は「減税」であり、国民の負担を減らすと同時に無駄な政府や地方公共団体の仕事は削減し、スリムで筋肉質な役所にすることです。(ただ、そのスリム化は、地方公共団体などにおいては時として警察官や消防官の削減とか教員の削減などのように、住民サービスに直結する分野まで容赦なく大ナタが振るわれるという、日本では到底考えられないほどに徹底したものですが。)

 しかし、国や地方が国民・住民から税金を徴収し、そのカネを財源に事業を作り、予算をばら撒くというやり方は、それによって、税務署員やあまたの公務員の仕事が必要になり、役所的にとってみれば食い扶持になってけっこうなことですが、減税すれば税務署の仕事も、事業をする役所の仕事も減って、その分人件費も削減され、住民にとっては負担が減るハッピーな話です。

 公務員には身分保障があり、事実上、解雇することができません。しかし、ここで減税と公務員制度改革をセットにすれば、大幅にコストの安い社会を実現することもできるかもしれません。
 愛知県知事選の候補者の例では、現在、県は税金を使って企業誘致活動を行い、工場を建ててくれた企業に補助金を出しています。これは徴収と交付の二重のコストがかかります。これを、不動産取得税を減税する方式にすれば、役所の仕事は増えずコストがかからないまま企業には恩恵がいき、役所は税収が減る分、自らをスリム化する必要があるので無駄(たとえば余剰人員)が削減できるという二重のメリットが生まれる余地があります。

 厳しい経済情勢の今、国はさらに5兆円もの景気対策を行うようですが、これによって財政は間違いなく悪化が進み、しかし、5兆円の対策は本当に効果があるのか(いったい、失われた15年の間に、いくらの景気対策が講じられたのでしょうか。天文学的な金額のはずですが、景気は良くなりません。)は誰にもわからないのです。

 その中で、ようやっと「減税」という正論を唱える候補者が出てきたのは、大げさに言えば時代のダイナミックな変化を予兆させるように思えます。
 もちろんこれは役所と役人だけの問題ではありません。
 何かコトが起こると、何でも政治家や役所に頼み、あれも、これも、それも、全分野区所がやれ、お前たちは公務員だ、公僕じゃないか、と言っていた国民・住民にとっても泰平の眠りを覚ます出来事になるかもしれません。
 理想は高くても、カネがなくてはシステムは動きません。子孫の代に借金を重ねてまで動かし続けるシステムはどこかが少しおかしいのではないか。一度、本当に国民が税金を負担してでも最低限、行うべき公共の仕事とはどんなものがあるのか。何を優先せねばならず、何を後回しにできるのか、そのような成熟した議論が、行政にも国民住民にも求められている気がします。

2010年11月27日土曜日

紅葉を見に、せいわの里まめやと丹生大師へ




 本来、神と仏は別々の存在であるはずです。
 神は天の神(天神)と地の神(地祇)とがあるわけですが、それはもともとは人格を有していない、山とか海とか川とか滝のような地形そのもの、あるいは風や雷や雨といった気象現象であって、自然宗教として成立したものです。
 一方、仏教は、インドから中国、朝鮮を経由して伝来した外来の宗教で、教祖はお釈迦様であるとハッキリしており、人格を持っているし、教義は体系化されています。しかも、宗教としての要素以外に、哲学、医学、建築、音楽、文学などさまざまな知識教養も一体化した、総合的な文明でした。

 いつしかこの二つは合体して神仏習合の考え方が広まり、、日本の神も、仏のように人格を持つと認識されるようになり、寺院の影響から神社が建てられるようになります。さらに「神様は、実はもともとは仏様で、日本に仏教を正しく広めるために神という仮の姿をとっておられるのだ」という本地垂迹説が一般化します。
 外国なら、キリスト教会の中にお稲荷さんがあるとか、イスラム寺院の中に神農皇帝像が建っているとかは絶対にあり得ませんが、日本では神と仏の二つが同じ敷地に並んで祀られていたり、渾然一体となっている(お寺に鳥居があるとか)ことは珍しくありません。

 三重県多気町(旧勢和村)の丹生(にう)にある神宮寺(一般的には「丹生大師」(にうたいし)と呼ばれます)というお寺も、同じ敷地の中に丹生神社という社があり、仏様が神様を守っているという、典型的な神仏習合のお寺&神社です。
 ここは紅葉の名所でもあって、境内は美しく色ずいていました。

丹生大師
丹生大師
丹生神社
 丹生という地名は、水銀(丹)を産出する土地、という意味だそうで、全国各地に見られる地名だそうです。確か吉野にも丹生という有名な神社があります。

 今でこそ、ひなびた田舎町といった風情ですが、かつて奈良の大仏が建立される際にも、大仏を金メッキするために大量の水銀がここから朝廷へ献上されたとのことです。
 丹生を含めた当時の三重県南部地域は伊勢神宮の領地であり、水銀のように大仏建立に神宮が関わっていたことは、東大寺の責任者であった僧の行基が、60人もの僧団を組んで伊勢神宮に参拝した記録が残っていることからもうかがい知れるそうです。

 水銀はメッキに不可欠であったばかりでなく、化粧用のおしろいの原料としても取引されました。そのため丹生は、多くの鉱山労働者や商人が集まる地として空前の繁栄を遂げていました。
 江戸時代になると、技術革新によって水銀はおしろいの原料には使われなくなってしまいました。しかし、その頃から、ヨーロッパより日本に伝染してきた梅毒の治療に薬効があることがわかり、以後は薬の原料として採掘が続き、丹生の繁栄も続くことになります。
 
 丹生大師の壮麗な伽藍も、その頃の財力の繁栄ではないかと思われます。おそらく、スケールから言っても三重県内で一番フォトジェニックなお寺ではないでしょうか。

 今、丹生大師の周辺は、江戸時代に開削された農業用水である立梅(たちばい)用水を公園化したり、地元農家の主婦グループが食文化の伝承を理念に立ち上げたレストラン せいわの里 まめやが人気を博しているなど、地域活性化の一大スポットになっています。


 まめやは、地元産の大豆を使ったお豆腐、あげ、味噌などと、無農薬の朝獲れ野菜をふんだんに使った家庭料理をバイキング形式で提供しています。大人一人1000円ですが、今日もお昼過ぎには15分待ちという混雑ぶりでした。
 まだあと、一週間くらいは紅葉も大丈夫そうです。ぜひ一度、訪問してみてはいかがでしょうか。

■丹生大師  http://www.ma.mctv.ne.jp/~jr2uat/daisi/daisi.htm#1

■せいわの里 まめや  http://www.ma.mctv.ne.jp/~mameya/


2010年11月25日木曜日

ITとICTの違いとは

 先日、商工会と商工会議所の違いをちらっと書いたところ、特に行政関係の方には好評だったようなので、その第2弾。

 ITとICTの違いです。

 これは、「創業」と「起業」の違いの問題とよく似ていて、結論から言えば、要は「どっちでもいい」ということなのでしょう。 
 
 ITは、インフォメーション・テクノロジー。ICTは、インフォメーション・コミュニケーション・テクノロジーで、コミュニケーションという言葉が入っているかどうかの違いなのですが、ITの代表格であるインターネットは、もともと「双方向性のあるメディア」としてコミュニケーション性が高いことが大きな特徴とされていたのであり、そう考えるとますますどっちでもいいということになります。

 しかし、ITは経済産業省が唱え、ICTは総務省が唱えているという「省益あって国益なし」の小役人同士のいさかいという以上に、別の大きな意味があるのではないかと思うようになりました。

 昨日書いた、松阪商工会広域連合によるネットショップ起業塾での、アイリンクコンサルタントの加藤先生の話にもあったように、中小企業、特に小規模事業者にとって最も身近なIT化の一つであるネットショップは、物販での活用からサービス業での活用へ変わって来ており、そして検索エンジンも、文法重視からコンテンツ重視へと変わってきています。

 物販からサービスへ、というのは、「モノからモノガタリへ」、「モノからコトへ」と言われるように、物質・物体以上の付加価値を求める消費姿勢の変化に対応したものといえます。形がなく、生産と消費が同時だという特質を持つ「サービス」(たとえば、宿泊業、飲食業、学習塾、利用・美容、などなど)の顧客誘引に実はネットが有効です。

 また、SEOも最大の検索サービスであるグーグルが、サイトの提供側から閲覧者(つまり、情報の受け手側)側への重視を進めていることもポイントです。見やすく、早く表示され、しかも閲覧者が求めている情報に正確にたどり着ける工夫が凝らされていることが検索上位に表示されるポイントになっているこのこと。

 その意味では、ややもするとサービスの提供者側、ハード志向だったITという表現よりも、ブログが登場したWeb2.0の時代から、さらに双方向性が重要となってきているという意味で、コミュニケーションを含んだICTのほうがより正確だと思うようになってきた今日この頃です。

<平成23年1月16日追記>
 コメントをいただき、ITとは「インテリジェンス」テクノロジーだと書いていた部分を「インフォメーション」テクノロジーに訂正しました。

2010年11月24日水曜日

あなたの本を作りませんか? 



 松阪市のNPO法人Mブリッジが自費出版サポート事業を始めたことは、以前このブログでも書きましたが、実際に自費出版をするにあたって、どのようなテーマにするかの設定や、話のまとめ方、原稿の書き方などを解説したブックレットを出版しています。

 それで思い出したのですが、はんわしは個人的に、乗り物関係の自費出版物(もしくは限定出版物)を何冊か入手したことはありますが、想い出の矢ノ川峠の会が2009年6月に発行した「想い出の矢ノ川峠」と、勢田川出版が1991年に発行した「伊勢の市電(山田のチンチン電車)」の2冊は愛読書になっています。

 「想い出の矢ノ川峠」は、昭和34年の国鉄紀勢本線開通まで、三重県南部の尾鷲市と熊野市の間を、日本有数の急峻な峠として有名であった矢ノ川峠(やのことうげ)を越えて結んでいた国鉄バス紀南線をつづったものです。




 現在は国道42号線を使って約45分で行くことができますが、当時の矢ノ川峠はヘアピンカーブの連続で尾鷲~熊野に何と2時間45分も要していたとのこと。

 唯一の公共交通機関としてその使命は重大であり、運行にかかわった人々の苦労は相当なものがあったでしょうし、旅客として利用した人々にもさまざまな思い出があったことでしょう。

 この「想い出の矢ノ川峠」は、今も健在な当時の運転手、車掌などのスタッフからの丹念な聞き書きを中心に、現在は廃道となっている旧バス道の現状調査や、バス運行当時の切符、写真、新聞などの記録がまとめられているもので、非常に読み応えがあります。

 もう一冊、「伊勢の市電(山田のチンチン電車)」は、明治36年に敷設され、伊勢市民や多数の参宮客の運送に活躍し、昭和36年に惜しまれつつ廃止された、伊勢市の路面電車(三重交通神都線)の写真、切符などの資料集です。

 こちらの本は、沿線にあった伊勢や二見の名所とか、主要な停留所の、当時の風景と現在の風景を対比した写真が載っているのが特徴です。
 蒸気機関車の時代から大きく変貌した伊勢市駅前の光景(この本に載っている「現在」は平成2年ころなので、平成22年の今、さらにこの本の光景から伊勢のまちは大きく変貌(衰退)しているのですが。)や、家が一軒も建っていない見渡す限り田んぼの二見町の光景とかが非常に興味深いものです。

 インターネットの全盛で、自費出版などのニーズは低下しそうな気もしますが、やはり紙の本は読みやすいし、モノとして手元に残るので、一定の根強いニーズはこれからも残っていくものと思います。
 功なり名を遂げた人の自叙伝や、市井で誠実に過ごした人の回想記などは、地域文化の点からも価値があるものでしょう。

 しかし、はんわしが思うのは、そのようなニーズを持つ昭和世代の方々は、ちょうどカメラとか8ミリカメラが一般家庭に普及し、「画像」文化が一般化した高度成長期を生きてきた人々でもあるということです。

 画像や映像は、非常に情報量が多く資料的な価値が多いものです。しかし実は、同時代の人でなくては、これが何の画像なのか(町の景色にしろ、お祭りやイベントのような習俗にしろ、あまりに変化が早くて)説明がなくては価値がわからなくなってしまう資料という性格も持っています。

 その意味で、きっとアルバムに張られ、押入れにでも眠っているであろう貴重な写真や8ミリフィルムを、自費出版本で丹念に解説するというのは、新しい自家製本としてビジネスモデルにならないでしょうか?

2010年11月23日火曜日

松阪商工会連合会のネットショップ起業塾に行ってみた



 松阪商工会広域連合の主催によるネットショップ起業塾にオブザーバー参加してきました。
 このネットショップ起業塾は、昨年度も受講希望者が殺到して多数のキャンセル待ちが出た人気講座ですが、今年も定員を約20名オーバーしたとのこと。
 熱気がこもる会場にいると、厳しい経済状況の中、積極的な理由にしろ消極的な理由にしろ、起業や創業を目指している方が松阪にはこれほどいるのかと、あらためて認識させられます。

 講師はこれも昨年度に続いて、静岡市にあるアイリンクコンサルタントの加藤先生です。
 加藤先生の話はいつもエキサイティングな内容なのですが、今回は特にネットショップ界では、ヤフーがマイクロソフトの傘下に入ったこと、さらにそのヤフーとグーグルが検索技術を共有するという2つの大きな地殻変動が起こっています。
 今後の検索エンジン対策にどのような影響が生まれるのか、また、その対策はどのようにすればよいのかというテーマでのお話となり、大変に内容が濃いものでした。

 ポイントはいろいろあるのですが、日本では一般ユーザーが使う検索エンジンとして圧倒的なシェアを誇っていたヤフーの地位は相対的に低下し、今後のSEOはグーグル対策が中心になるべきことが説明されました。
 加藤先生によると、グーグルは「高齢でガンコな大学教授」のようなサーチエンジンだとのこと。ヤフーがビジネスエクスプレスのような検索順位を上げる有料サービスを持っていたのに対し、グーグルは検索アルゴリズムも自分の原理原則を守るという基本姿勢が強く、カネで左右されません。しかも、タバコとか酒類のようにグーグルが好きではない(有害だと思っている?)分野は、そもそも検索エンジン連動広告すらも行っていないなど、独特の価値観があるそうです。


 しかしそのことは、グーグルが検索上位にするためにサイトのどんな面を重視しているかさえ把握すれば、小規模事業者や創業間もない事業者であっても大手に互していける可能性があるということです。

 詳細は書けませんが、アイリンクコンサルタントの分析によれば、静的なサイトの有無、画像情報の重視、閲覧者を混乱させず必要な情報へ導く内容となっているか、のようなポイントが重視されるとのこと。一言でいうと、HTMLの時代は、サイトの文法が正確で論理的に構築されているかどうかに重点があったものが、文法の形式よりも、そのサイトで実際に何が伝えられているか(そしてそれを閲覧者に正確に伝える努力がされているか)に重点が置かれるという「閲覧者重視」「コンテンツ重視」になってきているとのことです。

 これは今までのSEOの常識を大きく覆す内容です。

 この対策として、パンくずリストやグローバルナビゲーションの設置は必須。また、サイト内で美しい画像をすばやく表示することがSEO上有効となるため、撮影術やデータ圧縮方法も大きなポイント。さらには言語もHTML→XML→CMSと進化している中で、ブログを活用する方法などを中心に、丸一日、講義していただきました。

 正直、一年前のネットショップ起業塾の時の内容とはまったく違っていて驚きでした。SEOも日進月歩。ヤフーからグーグルへの主役交代によって、ネットショップも新たな勝ち組と負け組みがはっきりしてくることでしょう。

 役所のようなところに閉じこもっていると、そもそも中小企業にとってのSEOの重要性の認知が低い上に、SEOをテーマとしたセミナーは確かに過去からいろいろなところで実施されているので、何も新味がないテーマだと誤解されがちです。しかし、それはまったくの間違いです。自分のような立場の者が、無知な役所関係の人間を説得し、中小企業のネット活用やSEOに必要な施策を進めていくことは、天から与えられた使命なのかもしれません・・・
 加藤先生、ならびに松阪商工会広域連合には本当に感謝の一日でした。

2010年11月21日日曜日

女の願いを一つだけ叶えてくれるという鳥羽の石神さんに行ってみた



 はんわしは鳥羽出身なので、鳥羽市街地からクルマで約30分くらいかかる鳥羽市南部の漁村、相差(おおさつ)地区に、海水浴とかに行ったことは1~2回ありました。
 鳥羽市南部はリアス式海岸になっていて、入り組んだ海岸線と背後に迫った急峻な山地の間、入り江の奥地のほんのわずかな平野部に形成された集落がいくつか点在しているのですが、その中でも最も大きな集落が相差地区です。

 ここは志摩地域独特の漁法である海女さんの本場であり、昔に比べて激減したとはいえ、今でも海女さんによるアワビ漁などが盛んなようです。
 今では美しい海岸の風景と、新鮮な海の幸を活かした旅館・民宿街となっており、最近は海女さんこそがこの町の地域資源ということで、実際の海女さんたちと語らいながら食事ができる海女小屋が作られたりして、地域固有の漁村文化にも触れられるまちづくりを目指しているように見受けます。

 そしてこれもごく最近だと思うのですが、相差の町の高台にある、女性の願い一つだけ叶えてくれるという「石神さん」なる祠が全国的な注目を集め、多くの参詣者がつめかける現象が起こっているそうです。
 おそらく、カラダを張ってキツイ潜水漁に従事している海女さんの文化と密接な関連があるのでしょう。そんな女性の神様に、おっさんのはんわしがお参りするのもどうかとは思いましたが、噂の真偽を確かめるために、好天の今日、石神さんを訪れてみました。


 石神さんは、相差の町の中心地(?)であるJAとか駐在所がある一帯から、狭い坂道を山側に入った神明神社の境内にあります。神明神社とは、伊勢神宮の天照大神をお祀りしたもので、日本中どこにでもある、いわばありふれた神社。
 おそらく、ブームになる前の石神さんは、土着の地祇として神明神社の境内にひっそり祀られていたものと思われます。


 しかし、日曜日の午後、駐車場(15台くらい停められる)はすでに満車。境内には、ほとんどが女性グループやカップルの参詣者で、数十人が石神さんに殺到しています。
 女性たちは、みゃーみゃー、でんがなまんがな、とかしましいので、名古屋や大阪からも多数おみえになっているようです。


 社務所では、石神さんの祭神である玉依姫命(たまよりひめのみこと。ワタツミノカミの娘で、確か神武天皇の母親だか先祖だったはず)のお守りを頒布(800円)していましたが、横で見ていると、次から次から女性の参詣者がやってきて、まさに「飛ぶように」売れて行きます。
 係の方にお話を聞くと、4月にTBSの番組で女性のパワースポットとして石神さんが取り上げられ、その直後から参詣者が増え始め、現在は週末ごとに奉賛会の皆さんが奉仕して、お守りの頒布や駐車場の整理などをされているとのことでした。


 小さな祠ながら、これ自体は新しく造り代えられたもののようで、真新しい感じがします。
 あまりに女性が多いので、なんだか男性は入りずらい雰囲気があり、奥さんとか恋人とかが願いごとをせっせと紙に書いている間、男性は手持ち無沙汰そうに鳥居の手前でぶらぶらしている、みたいな光景が展開されていました。

 しかし、意を決して祠に近づくと。

 依代と思われる注連縄が掛けられた岩が賽銭箱と祠の間にちょこん、とあって、手を伸ばせば撫で回すことができます。なんと畏れ多いことでしょうか。
 おそらく数え切れないほどの悩める女性に撫で回されたためか、岩の先端部はつやつやと光っており、信仰心の強さと、その裏返しとしての人間の業の深さをのぞかされた思いでした。

 石神さん自身は、今のこの混雑ぶりを、どのように思し召しているのでしょうか。
 ともあれ、はるばるこの地まで足を運んで祈りをささげた女性たちの大願が成就せんことを願わずにはおれないのでした。
 帰りの相差から見る太平洋は、はるかに水平線が見え、たくさんの船が行き交う、静かで明るい海でした。

 ■鳥羽観光情報サイト 石神さん 
   http://www.city.toba.mie.jp/kanko/miru/jinjya/14-shinmei.htm

2010年11月20日土曜日

本当の「顧客」は、実はこっちが思っているのと違ったりして



 NHKの人気番組 週刊こどもニュース が、今年12月19日の放送をもって終了するそうです。
 時事問題やスポーツなどをわかりやすく解説するというコンセプトで、平成6年(16年も前!)にスタートしましたが、実際には視聴者の多くは子どもではなく、むしろ高齢者に支持されていたそうです。

 一部の報道によると、それまでの土曜日の夕方の放映時間が今年から日曜日の朝に移ったため、裏番組のアニメや特撮ヒーロー番組に子どもの視聴者を奪われてしまったことも一因ではないかということです。

 このような、提供者側が「顧客」と想定しているターゲットと、実際にその商品やサービスを利用している顧客の層が異なっている、というケースは、子どもニュースに限ったことではなく、私たちの身の周りでも少なくないようです。

 家族連れを想定しているが、単身者が多い。
 女性客を想定しているが、男性も多い。
 クルマでの来場を想定しているが、駅から歩いてくる人も多い。

 このような実態は、もし感度の高い人ならお客の様子や話す内容からカンを働かせて気づく可能性もあるでしょう。しかし、やはりアンケートとか、あらためてお客さんにキチンと聞いてみるとか、顧客データベースを一晩じっくり読み込んでみるとかの実態把握は不可欠でしょう。そのうえで、もし想定と実態とのミスマッチがあれば、その原因や対策を考えれば良いわけで。
 このような努力は決して無駄にはならないはずです。


 

2010年11月19日金曜日

JA三重南紀がみかんをタイへ輸出!



 三重県御浜町(みはまちょう)は、東紀州と呼ばれる三重県南部にあって、熊野灘と山々にはさまれた温暖な地。「年中みかんがとれる町」をキャッチフレーズにするほど、みかん栽培が盛んです。
 しかし、ここも過疎化・少子高齢化の荒波からは逃れることができず、昭和35年ごろには1万2千人いた人口も、今では9700人あまりに減少しており、目下の行政課題は隣接する熊野市との合併問題であるという状況です。

 御浜町は、失礼な言い方かもしれませんが、あまり産業振興に熱心でない(誤解を恐れずに言えば)町でなのではないか、と思っていました。
 みかん農業があまりにも大きな地場産業なので、町役場の産業政策も「みかん」の一本足打法と言ってよく、JA三重南紀とタッグを組んで、南紀みかんの栽培の支援とか、消費者向けのPRは一生懸命やるのだけれど、南紀みかんは、たとえばお隣の和歌山県の有田みかんとかに比べてもブランド力が強いとは言えず、生果以外のジュースや加工品といった関連商品の層も薄いと言わざるを得ません。
 はんわしの知る限り御浜町内では、唯一、すぎもと農園が青みかんジュースとか、みかんのチンピエキスを活用した化粧品や育毛剤、洗顔石鹸などをシリーズ化している取り組みがあるだけで、あとは本当に、みかんとみかんジュース以外に特産品がない、という印象でした。

 しかし、しかし、ここへきて一大ニュースが飛び込んできました。

 中日新聞(11月19日付け)によると
・御浜町のJA三重南紀で18日、タイへ輸出する早生(わせ)温州ミカンの初めての出荷作業があった。試験輸出の今季は、この日に箱詰めした約2トンを現地の高級百貨店で販売する。
・JAは、ミカンの国内需要の低迷を受け、海外に販路を見いだそうと、約2年前からタイへの輸出を計画。輸入の許可を得るため、畑にトラップを仕掛けて害虫が発生していないことを証明したり、植物検疫官の査察を受けたりして、準備を進めてきた。
・この日も、タイから検疫官が選果場を訪れ、実際に輸出されるミカンの傷や腐敗を細かく検品。箱詰めされたミカンはコンテナで輸送され、入国検査を経て、来月5日ごろには販売が始まる。
・経済成長が進むタイでのターゲットは、味や品質に加えて、食品の安心安全を求める富裕層。JAの山本理事長は「ようやく輸出にこぎ着けられた。品質には自信があるので、来年以降、徐々に輸出量を拡大していきたい」と話した。
 とのこと。

 すでに青森リンゴや宮崎のマンゴー、山形のサクランボなどは、海外の富裕層向けに輸出されており、現地の価格では相当高価となるものの、日本の農産物は品質が高く、しかも安全性が高いとの評価を得ており、一定規模のビジネスになっていると聞きます。

 南紀みかんも、タイ現地では1kgあたり1200円から1500円と、日本の5~6倍の価格となるようです。また、温州みかんは皮が薄いので輸送中の品質管理も大変だと思うのですが、日本と違って好況に沸いているタイの富裕層向けに売り込めば、きっと可能性は開けてくるような気がします。
 後継者不足など課題も多い日本の農業ですが、要は、農業が儲かる産業となり、働いた見返りに十分なリターンがあれば農業を継いだり、新たに農家になろうと考える人も増えてくるはずです。
 資本主義社会である以上、この「自立システム」こそが基本なのであって、いくら規制し、保護しても、農業はいっこうに強くなりませんでした。

 その意味でも、このJA三重南紀のこの取り組みの、成功を祈らずにはおられません。


大きな地図で見る


 

2010年11月18日木曜日

三重県のホームページネタ2題



 三重県庁が「三重の食」応援ブログなるものを始めました。
 三重県は山あり海あり、食材もさまざまなものがあります。三重の風土に根ざしている食の魅力を、県内の農水商工団体(農協、漁協、商工会等)や行政(県・市・町)の職員などがライターとなって、ブログで情報発信するというものです。
 楽天が、まち楽という、地方自治体とタイアップした地域の食や観光の情報発信を行っていますが、それの悪く言えば二番煎じのようなスタイルです。


 たとえば、三重県熊野市でしか栽培されていない香酸かんきつである「新姫」(にいひめ)も紹介されていたりします。
 新姫はヘスペリジンという抗アレルギー作用がある成分などが多く含まれており、生食(ミカン酢とか香り付け)のほか加工食品分野でも将来性が期待されているミカンです。
 しかし栽培量が少なく、地元熊野市以外ではほとんど購入することはできず、その意味で「特産品化」が極めて難しいとも考えられる、微妙な位置づけにある農産物です。
 三重の食ブログには、今年の生果はすでに販売終了(!)しており、搾汁やドリンクのみが入手可能であることも正確に書かれており、これはこれで好感が持てる記述です。

 つまり、この種の情報発信によくある、能書きは色々書いてあるが、一番肝心な「で、値段はいくらで、どこに行けば買えるのか?」をはぐらかしているというスタイルとは一線を画しています。
 ただし、食のPRという性格上、特定の生産者や事業者の情報を掲載せざるを得ないので、その点の客観性・正確性の担保と、県庁ホームページで「宣伝」されることの公平性などが問題になってくるかもしれません。(話題になることは、それはそれでいいことだと思いますが。)

 ■三重の食 応援ブログ  http://www.pref.mie.jp/CHISANM/HP/mienosyoku/index.htm

 次に、三重県商工会議所連合会が始めた「商工会議所がおすすめする観光ルートMAP」です。
 三重県内の12の商工会議所が、商工会議所ならではの視点から、一般には知られていないオススメルートを紹介するというもの。


 はんわしもいくつかのコースを見てみましたが、ルートや見どころが丁寧に書かれていて、知られざる名所に足を伸ばしてみようか、という気になります。
 特に、今、若い女性の間で絶大な人気を誇っている鳥羽市相差(おおさつ)地区の「ここにお参りすると女性の願いを一つだけ叶えてくれる」という石神さん散策コース(鳥羽商工会議所)とか、
 来年のNHK大河ドラマの主人公となる、江(ごう)姫が少女時代を過ごしたという伝説が残る、伊勢上野城(伊賀上野ではない)周辺の散策コース(津商工会議所)
 なんかは、ちょっと注目です。

 ■三重県商工会議所連合会  http://miepfcci.pro.tok2.com/

2010年11月17日水曜日

商工会・商工会議所の本来業務って?



 11月15日に行われた事業仕分け第三弾において、やはりと言うべきか、中小企業応援センター事業(中小企業経営支援体制連携強化事業)は、「廃止」という結論になりました。
 中小企業応援センターは、平成21年度に同じく事業仕分けで廃止妥当とされた地域力連携拠点事業(経営力向上・事業承継等支援体制構築事業)をほぼ引き継いだもので、仕分け人が指摘するように、看板の掛け替えと批判されても仕方がないものでした。
 事業の内容も、中小企業の経営課題のうち商工会や商工会議所では対応できないような高度専門的な内容に対応する拠点であるとされ、既存の商工会議所等に屋上屋を架すようなものでした。
 この仕分け結果は極めて妥当な内容であり、地域の中小企業を支援するスキームを、国(中小企業庁)がしゃしゃり出てきて莫大な費用を使って構築する必要はなく、この財源を地方自治体への交付金にし、地方自身が地域の実情に応じた支援体制・連携体制を作ればいいことだと思います。

 事業仕分けの評価コメントにも、「(中小企業応援センター事業は)商工会・商工会議所等の本来業務である。」というものがありました。
 商工会議所や商工会(商工団体と称されます)も、これをきっかけにして高度な課題にも対応できる、自ら考え行動する団体に強化できるチャンスであるという意見があるようで、これは本当に頼もしい限りです。
 しかし、問題なのは、中小企業の課題解決が、イコール商工団体の本来業務と言い切れるかどうかです。

 一つには、商工会と商工会議所は基本的に別物だという事実があります。
 それぞれの根拠法令を見ても、
 商工会は、主として町村における商工業の総合的な改善発達を図る等のための組織として設けられているもの(商工会法第1条)で、行うべき事業は「商工業に関し、相談に応じ、又は指導を行うこと。」「商工業に関する情報又は資料を収集し、及び提供すること。 」など10項目が挙げられています。

 一方の商工会議所は、その地区内における商工業の総合的な改善発達を図り、兼ねて社会一般の福祉の増進に資することを目的とする(商工会議所法第6条)とされており、商工会とは微妙に異なります。
 行うべき事業も、まず最初に「商工会議所としての意見を公表し、これを国会、行政庁等に具申し、又は建議すること。 」が掲げられています。つまり、企業の指導育成より、地元経済界の意見集約が重視されていると言えます。
 このほか「行政庁等の諮問に応じて、答申すること。 」、「商工業に関する調査研究を行うこと。 」と続き、商工会法では一番最初に来ていた相談・指導業務は何と13番目に掲げられています。
 おそらく、商工会議所は一定規模の企業が多く経済活動が活発な都市部での活動が想定されているためか、個別の中小企業への指導は(やっていないわけでは決してありませんが、建前上は)優先順位が低いのです。
 なので、仕分け人が言う商工会・商工会議所の本来業務は、一律に決まるのでなく、少しく吟味が必要です。

 もう一つは、残念ですが、商工会議所、商工会とも、会員数、運営費といった規模の違いが大きく、もっとはっきり言えば能力差が大きく、A市の商工会議所は対応できる相談も、B市の会議所では対応できない、という事例があることです。これは、中小企業応援センターがやっていたような、事業承継、ものづくりの高度化支援などの分野になってくると特に顕著です。

 繰り返しますが、はんわしは中小企業応援センターの廃止はやむを得ないと思います。しかし仕分け人の言うように、では既存の商工団体がすぐに明日から取って代われるか、というと、これは相当のバラツキが出てくるだろうとは思います。

 ■屋上屋を架す? 中小企業応援センター

2010年11月16日火曜日

佐渡市は観光振興に議員視察を受け入れている



 地域振興の取り組みが盛り上がり、成果も生まれてきている三重県東紀州。
 ここでの観光・交流の集客増加に、行政関係者の視察を積極的に受け入れてはどうかという提案を、以前このブログでもしたことがあります。(2010年8月10日付け「紀北町 増えるI・Uターン事業者」

 これとほぼ同じようなコンセプトを、いち早く積極的に実現した市が現れました。残念ながら三重県ではなく、新潟県佐渡市です。
 地方公務員向けの業界紙である時事通信社の「官庁速報」によると

・佐渡市は、地方議員の行政視察の受け入れに力を入れている。全国のすべての市・特別区に案内状を送付。地方議員の情報発信力を活用し、低迷する島内観光の起爆剤としたい考え。

・案内状には、トキと共生する島づくりや海洋深層水を活用した漁業、廃食油再生燃料化事業など市の取り組みに関する資料を添付。これまでに十数件の問い合わせがあったという。

・全国的に行政視察が減る傾向にある中、同市への視察は年間40自治体程度を維持。トキの野生復帰事業に合わせた環境への取り組みや、過疎化に伴う空き家対策事業などが、他の自治体から注目されていることが要因とみられる。

 とのこと。

 佐渡市議会事務局は「今後、新たな事業が始まった場合は資料を送るなどして、年間50自治体の受け入れを目標に取り組んでいきたい」と話しているとのことです。(2010年11月16日付け)

 これは非常にいい着眼点だと思います。
 モノを作ったり、サービスを提供している以上、商品やサービスを誰でもいいから一人でも多くの消費者に提供したいと考えるのは当然でしょう。
 しかし、どんなお客でもいい、買ってくれるなら誰でもいい、というのは結局、焦点が定まらず、誰にも受け入れられないということと裏腹になってしまうことには本当に注意が必要です。

 誰に売りたいのか、自分の顧客となるのは誰か、については、年齢、性別、家族構成、住んでいる場所、職業、年収、住んでいる家の状況、などまで一つ一つ細かく、具体的に絞り込んで設定していくほうが、結果的に売り込み方が明確になり、攻めやすくなります。

 東紀州は自然は豊かで景勝地も多く、熊野古道という世界遺産もあります。鮮魚、ひもの、みかんなど食べ物はおいしく、特産品・名産品も多くあります。
 しかし、客観的に見て、それが北海道や沖縄や、信州といった観光地に対応できるほどの魅力があるか、北陸や九州など食のブランド地と比較して優位にあるかというと、残念ながらそうではありません
 
 だからこそ、自分たちの売り(強み)の再確認と、それを誰に売っていけばいいのか、をセグメントする必要があるのです。

 自然 + 食や特産品 + 地域振興の取り組みと成果

 この3つの和が、他地域と差別化できる東紀州の強みになると思うのですが。

■新潟県佐渡市議会ホームページ 
  http://sougo.city.sado.niigata.jp/gikai/gyouseisisatu/gyouseisisatu.jsp

2010年11月15日月曜日

三重県経営品質協議会11月例会



 何ヶ月ぶりかで、三重県経営品質協議会が主催する月例会に行ってきました。

 「品質」というと、モノとかサービスに付随する質が良いか悪いかの問題と考えるのが一般的ですが、経営品質とは会社や団体などの「組織」を運営(経営)する質という意味で、正直言ってわかりにくい概念ではあります。

 しかし、たとえ数人にしろ、他人を使って組織として一つの事業に取り組むことは本当に大変なことです。
 一人ひとり、考え方も、能力も、働いているモチベーションも違う。そのような組織を円滑に運営し、組織のミッション(目的・使命)を実現していくにはどうすればいいか?
 そのことを考えていくのが経営品質向上活動です。

 つまり、会社のような営利組織はもちろんですが、NPOや学校のような非営利組織においても、経営品質を意識することは非常に重要であり、有益なものだということができます。

 三重県では、平成13年から官民共同で三重県経営品質協議会を結成し、経営品質の考え方の普及活動を行っていますが、今日のこの月例会は、ほぼ毎月1回のペースで、素晴らしい経営を実践している経営者や組織のリーダーを講師に招いて講演会とネットワーキングを行っているものです。

 今日の講師は埼玉県さいたま市にある株式会社大和不動産の代表取締役社長 小山陽一郎さんでした。
 大和不動産は今年、埼玉県経営品質賞の知事賞を受賞していますが、経営品質向上活動に取り組みだしたのはわずか4年前とのことであり、これだけ短期間での知事賞受賞は、一種の偉業と言っても差し支えないと思います。

 もともと個人経営の不動産仲介業として昭和27年に創業した同社は、その後順調に業績を拡大してきました。平成14年ごろから多店舗化に伴い従業員も急増。それにしたがって、不動産営業という、個人的なスキルに頼りがちな極めて職人芸的なスタイルから脱却し、経営理念を社員全員で共有し、業務の標準化に取り組む必要が出てきました。

 経営品質に特有のわかりにくさ=取っ付きにくさの問題もあって、経営品質向上活動に取り組んだ当初は、「ただでも忙しいのに、さらにまたわけのわからない経営品質活動だかに取り組まされるのか・・・」という意見が従業員にも多かったようです。
 しかし、業務と経営品質活動は別々のものでなく、自社の独自性を生かす経営、従業員満足度の向上、顧客本位への取り組み、そして地域貢献の実現といった、素晴らしい経営を目指すうえでの考え方が経営品質である、という合意が社内でできあがると、あとは社内体制の構築や、社員のモチベーション向上に少しずつ社内が変化してきたそうです。

 その一つが、毎朝30分以上かけて行う朝礼。
 営業店の社員が全員輪になり、会社の経営理念を大声で輪読したり、挨拶の発声を行うものです。その様子をビデオで見せていただいたのですが、ある意味で軍隊的な、強圧的な印象を持ってしまうものでした。
 しかし、小山社長が言うには、いろいろな経歴や考え方を持つ従業員が一つにまとまるためには、ある程度は「形」から入っていかなくてはいけない。とのことでした。実際に社長自身も最初は違和感があったものの、朝礼のやり方が一つの型にはまるようになってくると、見る見る社員の意識が向上し、パフォーマンスもよくなってきたとのことです。

 不動産価格の低迷が続き、長期的には人口減少も進んでいくと思われる中で、すぐに効果が現れるとは限らない経営品質向上に取り組むのは、ある意味で大変迂遠な道のりのようにも思えます。
 しかし、経営理念の共有と、社員自らが創意工夫を凝らし、前向きに経営に参加することが実現すれば、結果的に経営者も、従業員も、顧客も、そして地域も満足度が向上し、同業他社との大きな差別化が実現できます。大和不動産の取り組みは、その証左なのではないでしょうか。

 経営の向上に関心を持つ、すべての人に、経営品質のことを知ってもらい、まずは三重県経営品質協議会が行っている月例会やセミナーに参加していただければと思います。

 

2010年11月14日日曜日

宇治工作場のイチョウが色づいてきた



 伊勢には桜の名所はいくつかあるものの、紅葉の名所は意外と多くありません。気候が温暖で寒暖の差があまりないことや、地形的にも近くに連峰とか渓谷が少ないこともあるのかもしれません。
 強いて言えば、伊勢神宮(内宮)から近い神宮司庁の宇治工作場の敷地の中にあるイチョウ並木がわりと有名どころかもしれません。
 今日ふらりと近くを散歩したのですが、いい感じに色づいていました。


 ふだんは部外者は立ち入ることができませんが、紅葉の季節には休日にも門が開放されて、三重県立陸上競技場方面へ通り抜けることができるようになります。今年はどうなのだろう?

 さて、このついでにおはらい町、おかげ横丁にも立ち寄ったのですが、今日という今日は本当にものすごい人出でした。おかげ横丁入り口付近(赤福本店前の交差点)は人を掻き分けないとまっすぐ歩けないほど。
 伊勢神宮の、というより、おはらい町、おかげ横丁のネームバリュー、ブランド力を思い知らされます。

 しかし、五十鈴川をわたって陸上競技場側に向かうと、ここは閑静な住宅街。その反対側、御幸道路(みゆきどうろ)と呼ばれる伊勢市街地から内宮へつながる道 ~道の両脇に、全国の篤志家から寄付された石灯籠が連なっているので有名です~ に出ると、こちらはバス、タクシー、自家用車が延々と渋滞していて、人通りはほとんどありません。
 つまり、おはらい町、おかげ横丁だけが、ただその数百メートルの一帯だけが大都会並みに混雑していて、一本、裏の路地に入れば、そこは別世界のように閑散としているのです。

 これは、黒壁で有名な滋賀県長浜市とか、運河で有名な小樽市などでも、はんわしは同じような光景を見聞きしています。
 良い悪いは別として、昨日のブログの「地域活性化の罠」に書かれているような実態は、全国で普遍的な現象であることは事実です。

 商売柄、県外の色々な立場の人と活性化についてお話しする機会もあるのですが、三重県の産業に対するイメージは、シャープ亀山工場に代表される工場誘致の成功と、伊勢のおはらい町、そして伊賀のモクモク手作りファームが圧倒的に強いように感じます。
 おはらい町、モクモクファームの沿革や現状、課題はみずほ地域経済インサイト(2009年4月10日発行)が詳しいので、関心がある方はご一読をおすすめしますが、両方とも圧倒的なブランド力と莫大な集客力を有していながら、一人勝ちの状況が続いており、他の施設との連携によって、より広い地域全体でメリットを共有しようとする取り組みは進んでいないように感じます。
 関係者は双方とも(おはらい町などの側も、周辺の側も)それなりに努力はしていると思うので、win-winの関係構築に何をするべきなのか、ちょっと気にかけていきたいと思います。


2010年11月13日土曜日

なぜ市民と地方は豊かになれないのか?



 書店で「地域再生の罠 ~なぜ市民と地方は豊かになれないのか?~」((ちくま新書)という本を見つけ、題名に惹かれて購入してみました。著者の久繁哲之介氏は民間都市開発推進機構都市研究センター研究員で、わが国で「スローシティ」を提唱した第一人者として各地で地域再生の活動に取り組んでいる方のようです。

 「地域再生」とか「地域の活性化」と銘打った活動は全国各地で無数に取り組まれており、成功例と呼ばれるものも数多く生まれています。
 しかし、著者の問題提起は、そのような成功例をつぶさに観察してみると、実はほとんどが成功とは呼べないものだということです。
 再生に成功したという有名な商店街に行ってみると、実際には通行人もほとんどいないシャッター通りで、行政が市街地再開発の公共工事によりビルを建てただけだとか、イベントに巨額な助成をして、賑わっているのはそのイベントの時だけだとか。
 宇都宮、長野、小樽、富山、武雄などなど、全国各地の事例が詳細に紹介されます。

 では、なぜそうなるのか。著者は以下の2つの理由が主因だとします。

 一つには、地域再生に取り組む行政の発想が、衰退している中心市街地商店街を再活性化するには、大型の商業施設(デパートとか)を誘致することが必要だ、という大型店依存から抜け出せないこと。
 もう一つは、地域再生にあたって、専門家(著者は土建工学者と呼んでいますが)の意見を尊重しすぎ、現実にそこに住んでいる住民や、実際に買い物などに来ている顧客の意見を聞いていないこと。
 これらの事実を、宇都宮市が中心市街地活性化の「起爆剤」として誘致したものの、業績不振によりわずか数年で撤退した宇都宮109の事例などで検証していきますが、これらのルポルタージュは非常に興味深いものでした。
 はんわしも商売柄、若干この、地域再生、地域経済活性化に関わっている立場の人間ですが、この理由は実感としてよく理解できます。
 
 また、著者は、行政が最近になってコンパクトシティなどと言い出したことを痛烈に批判し、失政の実例として岐阜市を取り上げます。
 市民の足である路面電車を、クルマの通行の邪魔になるからと廃止して自動車優先の交通体系にしておきながら、JR岐阜駅前には再開発で高層ビルを建てるというチグハグさ。市にまちづくり全体の戦略がないため、高層ビルの各テナントはオープン1年足らずで撤退し、中心商店街である柳ヶ瀬地区の衰退にも歯止めがかからない・・・

 さらに、今流行の「食のブランド化」なども多くの地域は誤解して取り組んでいると指摘します。
 有名な関サバ、関アジなども、非常に高価なため、実際には地元である大分市の住民はほとんど食べていない。あくまでよそ向けのブランドであって、地元住民に支持されないブランド化は、かえって大手資本との価格競争に巻き込まれる危険性(もっと言えば、その競争に敗れる危険性)を持っている。

 実は、このあたりになってくると、正直、はんわし的には理解が難しい部分があります。
 著者は、真の地域再生は、住民のニーズに立脚したものでなくてはならず、その手法も、行政主導によるハコモノ建設や市街地再開発ではなく、住民や来訪者が交流できるような公益的な空間を作り、そこでの交流を核にして発展させるべきだ、という意見のようです。
 それはそれで共感できる部分もあるのですが、著者も認めるように、そのような地道な方法では、なかなか経済的なリターンが生まれないため、行政や商業者は、どうしても成果や利益に直結するような、ある意味で短絡的な取り組みに流れてしまいがちですし、それは責められないような気がします。

 東紀州のように、過疎化や高齢化が進んでいる、いわば「残された時間が少ない地域」では、住民のニーズ吸い上げや、交流促進を根底に置きつつも、食のブランド化や、地産他消を進めて経済的な利益を確保し、後継者の育成やUターンの促進につなげていくことがどうしても必要です。そこをどのように両立させていくかについて、本書では、実はあまり新味のある見解やサジェスチョンはなかったような印象を持ちます。

 ただ、地域再生の企画立案にあたる行政や、そこで具体的にビジネスをしようとする地元の企業、商業者などのマーケティングが不足していることは事実です。以前もこのブログに書いたように、地域資源活用がブームとなっている現状では、消費者の声など全く聞かず、ただ単に地元でたくさん獲れる農産物や水産物を「うどんに練りこんでみた」とか、「ドリンクを作ってみた」といった類の商品開発が横行しています。(このようなプロダクトアウト型の、売れるはずもない商品に行政や商工会議所が補助金をつけているというオバカな例も枚挙に暇がありません)
 これでは成功するはずがないので、迂遠ではありますが、正攻法で、商品化のシーズを分析し、消費者ターゲットを仮設し、その意見を聞き、ニーズを汲み取って商品化を進めていくという真面目なマーケティング以外に王道はありません

 一方で、住民の交流の場づくりについて、そのような施設は収支が赤字であっても、地域全体に効果が波及し、いわば地域全体の黒字化が達成できるなら「戦略的な赤字」として許容すべきだ、という著者の主張は、行政の立場からは非常に難しいと直感します。
 これは、基本的には、そもそも地域再生などに無関心な住民は決して少なくないことや、とにかく赤字はイカンと教条的に主張する地方議員の存在など、一枚岩になりにくい状況があるからです。
 このことは、結局、「地域活性化とか何か」ということを、明確に定義した上で、住民や行政、企業と合意することが(現実問題として)非常に難しいためです。
 
 このように、共感できる点、よく理解できない点、両方はありますが、(従来のように)工場を誘致したら地域が豊かになる、などといった夢物語は崩壊してる今、どうしたら地方は豊かになれるのかを考える、よい機会になる一冊だと思います。



 

2010年11月11日木曜日

プロパガンダ合戦となってきたTPP試算



 読売新聞などが報じたように、政府がTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)に参加した場合の日本経済に与える影響についての試算は、各省庁によって見事にバラバラな結果になっています。 
 一言で言えば、自分たちと利害関係の強い業界に都合のよい試算結果になっています。

 内閣府は、日本がTPPに参加するとGDPが2.4~3.2兆円増えるという見解。

 農水省は、TPPへの参加でコメや麦など主要な農産品19品目の関税が撤廃され、戸別所得補償制度の拡充などの対策も何も行わなかった前提で試算。
 農産品の生産額が4・1兆円減るなどGDPは7・9兆円減少し、環境面の損失も3・7兆円生じるため、計11・6兆円の影響が出るとしています。
 さらに雇用に関しても、関連産業を含めて340万人程度減少し、カロリーベースの食料自給率は現在の40%から14%に下がるとしています。

 経産省は、日本がTPPだけでなくEUや中国とも経済連携協定(EPA)を締結せず、米中やEUと自由貿易協定(FTA)を締結したライバルの韓国に市場を奪われることを前提として試算。
 TPPに参加しない場合、2020年時点で自動車と機械産業、電気電子の主要3業種の年間生産額が10・5兆円減り、81万2千人の雇用が失われるとのことです。

 TPPと農業の関係については、自民党の河野太郎議員のブログ記事「始めよう、農政改革」がすべてを語りつくしているように、はんわしは感じます。まさに正論です。
 また、この内容をさらに深掘りした大西宏氏のブログ(大西宏のマーケティング・エッセンス)も参考になります。
 TPPに参加すると県内農業が壊滅的な打撃を受ける、などと農水省のロジックそのままに危機感を煽る人もいるようですが、プロパガンダには注意が必要です。

 もっとも、この類の主張をする人たちにも理由はあって、社団法人全国酪農協会の全酪新報によると、10月末にJA全中とJF全漁連が開いた記者会見に同席した服部信司東洋大学名誉教授は「内閣府、農水省、経済産業省が示した関税撤廃の場合(あるいはTPPに参加しない場合)の影響の試算について、内閣府と農水省の試算は算定根拠等が示されているのに対して、経産省の試算は算定方法が一切示されていない」と指摘したとのことです。

 これが事実とすると経産省の対応は残念です。ほぼすべてのマスコミや、国民の多くは、農業に代表されるように幾多の困難は予想されたとしても、TPPへの参加を前向きに捉えているように思えます。
 この機会に、さらに理解を進めてもらうには、算定方法もオープンにして、同じ土俵で科学的に議論を重ねていくことが不可欠だからです。

 このままでは、合理性があるかどうかも不明なまま、お互いの利権争い、縄張り争いの延長線上にあるプロパガンダ合戦と思われてしまう可能性すらあります。
 マスコミでも、大学の研究者でもいい、最悪の場合は内閣府でもいいので、両省の試算の食い違いを客観的に比較し、内容の是非についてみなが議論できるようなサイトを立ち上げてくれないでしょうか?


 

2010年11月10日水曜日

海上保安庁の2.26事件



 一連の尖閣諸島問題のビデオを流出させた犯人とおぼしき海上保安官が逮捕されたようです。

 近年の不景気、それに先の見えない閉塞感など、世相が昭和初期に似ているという話を聞いたことがあります。
 政争に明け暮れる国会は国民から見放され、欧米列強に対して利権を主張し、時には武力衝突も辞さない軍部が拍手喝采されるようになります。

 しかし、保阪正康氏などもいうように、満州事変から太平洋戦争になだれ込んでいく軍国主義の日本は、軍人という軍服を着た官僚による無責任主義の結果でした。
 統帥権の独立を主張して国民が選んだ政治家に服さず、時として天皇の意思に背いてまで中国での戦線を拡大していきます。批判する勢力は弾圧し、軍部に都合の悪い事実や、決断ミスは覆い隠す。

 軍部の横暴を押さえようとした政治家や重臣を青年将校がクーデターで倒したのが昭和11年の2.26事件でした。
 このときも昭和天皇は激怒しましたが、一般国民は純粋な魂を持った将校たちが、腐った現状を壊し、昭和維新を打ち立てるという挙に出たことを、むしろ賞賛したフシがあります。
 首謀者であった青年将校は、多くが農村出身であった兵士を率いる立場であり、世界恐慌によって疲弊しつくした農村の苦しい生活ぶりを伝え聞いていたと言われています。軍中央や重臣が動かないのなら、現場にいる自分たちが行動を起こす。

 結果的に空虚な理念による叛乱は2日間で収束しますが、これから政府も国民も軍部には口出しできなくなってしまいます。

 神は現場に宿る、などと言われ、現場が強く、中央による管理、マネジメントが弱いのは日本的組織に共通していますが、それが行き着くところまで行き着いた事件でした。

 翻って、ビデオ流出。
 詳しい事情はこれから明らかになるのでしょうが、ふがいない政府に憤った正義感の持ち主が、やむにやまれぬ愛国の至情でビデオを流出させる。
 それを国民が喝采する。

 今こそ冷静に考え行動しないと、国全体がおかしな方向に、一気に進みかねません。

平均的な伊勢市民の休日



 今日は平日の水曜ですが休暇をもらいました。この一週間、土日を含め働きづめだったのでご容赦いただきたい・・・。

 雑用、ヤボ用が山のようにたまっていたので、一つ一つそれをこなして行かなくてはいけませんでしたが、まず最初に向かうのはもちろんジャスコです。

 「何でもあるけど、欲しいものだけがない」と揶揄されるジャスコではありますが、三重県内はイオンの金城湯池であり、伊勢市においてもGMSはイオン系が独占していて、ここ以外に伊勢市民は選択の余地がありません。

 ちょうど、中日ドラゴンズの熱烈応援セールなる安売りをしており、別にドラゴンズなどどうでもいいはんわしですが、恩恵をこうむらせていただきました。


 次に向かったのは、伊勢神宮内宮(ないくう)のおはらい町にある慶光院という場所です。
 よく知られているように、伊勢神宮は20年に一度、社殿や神宝をすべて新しく作り代える式年遷宮(しきねんせんぐう)という行事があります。ちなみに次回は平成25年に執り行われます。

 この式年遷宮は伊勢神宮創設(6世紀ごろ?)以来、現代まで連綿と続いて来ていますが、実際には戦国時代など世が乱れた時には中断を余儀なくされていました。

 これに心を痛め、遷宮に必要となる膨大な費用を得るため奔走し、100年近く途絶えていた遷宮を再興したのが、一説には熊野比丘尼であった慶光院上人(つまり尼さん=女性の僧侶)でした。

 その功績により江戸幕府から内宮近くに寺を与えられ、明治時代の神仏分離によって慶光院という寺は廃寺になりましたが、建物は伊勢神宮の管理となって残っており、特に客殿という建物は国の重要文化財にもなっています。

 今日は年に一回の一般公開日だったので、見学に行って見ることにしました。

 入場料300円。しかも、建物の中には入れず、庭から中をのぞくだけ。
 建築史的には、寝殿造から書院造に建築様式が変わる、その中間的な「主殿(しゅでん)造」という特異なスタイルで大変に貴重なものということだそうですが、これには拍子抜けしました。
 神宮司庁も「本当は一般公開客などウエルカムでない」というホンネをあまり露骨に表さないほうが良いのではないでしょうか。せめてガイドを付けるとか。他の参観者も口々に不平を言っていました。

 最後に食材を買いにスーパーに寄ったのですが、何と今日限りで閉店するとのお知らせが。
 たまにしか行かないスーパーだったとはいえ、ずっと前から利用していたので、はんわしにとって驚きでした。

 売り尽くしセール終盤ということで店内にはほとんど商品はなく、空き棚が延々と続いているという異様な光景は、これからの人生、もうあまり出くわさないシーンだと思います。

 このスーパーは伊勢消防署のはす向かいにあって、はんわしが子供の頃には伊勢市街の南限のような場所でした。
 ここから南は、伊勢神宮まで皇學館大学とか伊勢市民病院しかない人家もあまりない地域で、ここにスーパーを建てたのは、モータリゼーションで市街地が拡散していく中で的確な立地だったと(今思えば)考えられます。

 しかし、それから20年近くたって、市街地はさらに南と東に広がり、最近は周囲に新しいスーパーが2つできて、老朽化が目立ってきてはいました。
 このあたりに住むお年寄りは、明日からきっと買い物に困るだろうなあ。

 寂れる中心地。拡散する郊外。
 平均的な日本の地方都市としての伊勢市の、そのまた平均的な休日でした。

 

事業(再)仕分け 第三弾後半戦・・・



 内閣府の行政刷新会議が、11月15日から行う事業仕分け第三弾後半日程で検討対象とする各省庁の事業を決定し、公表しました。
 対象となるのは112事業ありますが、これらは、今までの事業仕分けや、各省庁が独自に行っているプチ事業仕分けとも言うべき「行政事業レビュー」において、いったんは廃止とか事業見直しとかの判定結果を受けた事業たちです。
 しかしそれにもかかわらず、各省庁が来年度に向けた概算予算要求において、ごく一部を見直しただけで、ほぼ仕分け以前の事業内容のままで予算要求してきたなど、ゾンビのように復活を画策しているとされている事業です。

 毎日新聞によると、これらゾンビ事業には3つのパターンがあるそうです。

その1 看板付け替え型
 事業の名称を変更して同種の事業の継続を目指すもの
 例として、総務省の「ユビキタス特区事業の推進」が「アジアユビキタスシティ構想の推進」となって10億円の予算要求をしてきたなど

その2 焼け太り型
 抜本的な改善が必要と判定された2つの事業を統合し、新たな事業として、もっと多くの予算を要求してきたもの
 例として、環境省の「みんなエコクラブ推進事業」など

その3 対応保留型
 事業仕分けで廃止が決定したのに、その時期が決められないもの
 例として、財務省所管の財団法人「塩事業センター」など

 これらを読んでいると一国民としてハラが立ってきますが、しかし、毎日の記者も言うように、すでに仕分け結果を受けて改善に取り組んだのに、再度同じ事業が俎上に乗せられ省庁側が戸惑っているなど、省庁側の一定の言い分はあるようです。
 確かに、一つの事業を考えた時、それにいくらカネを使うかという予算の話は一番重要なのですが、そのほかに、実際に雇用している人とか(役所業界ではこれを生首と呼びます)、何々センターのような組織・機関とか、施設・ハコモノとかが付いて回るので、その善後策や後始末の事務作業は膨大で、処理に時間もかかるので、気前よくサッササッサと片付かないのは事実かと思います。

 事業仕分けそのものは大きな国民的支持を受けているので、仕分け結果がより的確に反映されるよう、第三弾の後半にも期待したいと思います。

 しかし気になるのは、仕分け対象リストをよく見ると、経済産業省を例にとると、「地域経済産業活性化対策調査」とか、「地域企業立地促進等補助事業」、「地域企業立地促進等共用施設整備費補助金」などの事業、あるいは「小規模事業対策推進事業費補助金」などの名前が見えることです。

 自分自身、これらの事業の内容を熟知しているわけでは決してありませんが、一見して思うのは、地域産業の活性化や中小企業対策(特に小規模事業者向けの対策)は、本来は地方がやるべき仕事であって、国の関与や支援はむしろ縮小していくべきではないかということです。

 国の役人には良く言えば使命感、悪く言えばパターナリズムがあって、地方のことは何でも面倒を見てくれようとしますが、もはやそういう時代ではなく、地方が自分たちで努力し、結果責任も地方自身が負うというようにしなければ、いつまでたっても地方経済の閉塞状況は打破できないような気がします。

 国の産業政策は、まさに今問題のTPPや、法人税減税といった、国全体で考えるべきスキーム、国全体で整えるべき競争環境作りであって、国と地方の役割分担の議論が、事業仕分けの前提として必要不可欠なのだと思います。
(もっとも、地方主権の議論は菅内閣になってから本当に霞んでしまっていますが・・・)

2010年11月9日火曜日

TPPは農業よりサービス業が問題



 前原外務大臣が言うように、国内総生産から見ると農林水産業は1.5%しか占めていません。
 これは、共に20%台を占めている製造業やサービス業とは比べるまでもなく、もし仮に、日本がTPPに農業団体の反対によって参加できないようなことになれば、まさしく「1.5%を守るために98.5%が犠牲になっている」と言われても仕方がないでしょう。
 よく食糧安保論を持ち出す人もいますが、これは詭弁で、現在の農林水産業を支えている石油とか、資材、肥料、飼料などは大部分が輸入によってまかなわれています。貿易による海外とのつながりに障害が起きたら、農林水産業とて他の産業と同様、崩壊してしまうのです。

 したがって、はんわし的には日本を守るためにこそTPP参加は不可欠で、これ以外に合理的な結論はありえないと思っています。

 しかし、ここでは農林水産業を攻撃するのが本意ではありません。農業者でも、林業者、漁業者でも、企業家精神(アントレプレナーシップ)を持ち、志が高く、常に前向きな発想で戦略的な経営を行っている人は決して少なくないのであり、これら独立精神が旺盛な農林水産業者がいる限り、日本の第1次産業の未来は明るいからです。
 規制に守られて国家に要求ばかりしているダメ農家(林家、漁家も)は、この際、思い切って淘汰されるべきですし、ダメ農家にぶら下がっている農林水産省や県庁、市役所などのアホ公務員もついでにクビにしたほうがよろしい。

 問題なのは、農林水産業以上に国際競争力のない、建設業や小売業、サービス業といった国内型の産業です。
 これらは規制や日本独特の商習慣が障壁となって、海外からの参入がほとんどないか、あっても国内の企業が優位を保っていました。
 しかし、すでに指摘されているように、賃金が低いなどの理由によって人材の流動性が高い(定着しないため、技術やスキルも低い)ことや、作業手順や標準化が遅れていること、ICTなどの設備投資が遅れていることなどによる生産性の低さなども課題が多く、もし金融、保険、医療、建設、などなどの分野で海外からの進出や投資が飛躍的に促進すれば、日本の企業が次々と敗退していく懸念は少なくありません。

 最近になって、やっと「農業VS製造業」のような矮小化された話でなく、サービス業も含めた国内産業全般のコペルニクス的転換が求められるのが、TPPの本質であるということが議論されるようになったことは喜ばしいことです。


2010年11月7日日曜日

電気自動車は静かすぎてこわい



 リーディング産業展みえ2010ネタでもう一回引っ張らせていただきたい。

 昨日は、次世代自動車試乗会なるものが併設されており、はんわしはそのアテンドとして、試乗希望者の受け付けとか、試乗コースの交通整理をやっていました。
 次世代自動車とは大仰ですが、要はホンダのFit(ハイブリッド)と、三菱の電気自動車i-miev(アイミーブ)が用意されており、希望の車を運転できるというものです。コースは四日市ドーム裏の、霞ヶ浦サッカー場と野球場の横の細い道で、距離的には数百メートルの区間に過ぎませんが、やはり今話題のクルマたちだということで、試乗希望者はかなりの数に上りました。

 はんわしも、アイミーブが実際に走っているところを初めてこの目で見たわけですが、当然といえばそうなのですが、全く走行音がしないのはやはり驚きでした。
 完全な無音。
 タイヤが接地するゴロゴロというかすかな音だけで、交通整理していても、振り返ると自分のすぐ後ろにまで電気自動車が来ていて、びっくりしている歩行者が続出し、みな異口同音に「静か過ぎてコワいなあ」と言っておりました。


 はんわしは子供の頃からテレビがありましたが、まだ白黒で、小学校高学年の時にカラーになった世代です。ラジオ世代とは隔絶がありますが、やはり物心付いた時からカラーテレビがあり、インターネットがあり、そしてケータイがあった世代とは大きなギャップがあるはずです。
 オール電化の家で育った子どもが、火が熱いものであることを知らず、焚き火に触ろうとして周りの大人が慌てた、という話を聞いたことがありますが、電気自動車が大勢を占めてくると、自動車のイメージ、ひいては、移動とか、交通とかに関するイメージも、ガソリン車世代とは大きく異なってくるのでしょう。

 それにしても残念だったのは、丸一日アテンドはさせてもらったのですが、自分自身は試乗する機会がなかったことです。せめて一人のユーザーとして乗ってみたかった気はするのですが。
 しかし、家庭用の100V電源でフル充電に14時間。走行距離は160km。しかも暖房時は熱ヒーターで電池の消耗が大きいので、走行距離は半分になってしまうとか。
 価格の面もあるし、まだまだ普及には時間がかかりそうです。現時点では、実用的なのはやはりハイブリッド車でしょうか。

2010年11月6日土曜日

リーディング産業展みえとコミュニティビジネス



 今日もリーディング産業展みえ2010にアテンドとして参加していました。
 このリーディング産業展について、昨日は来場者のターゲットが定まっていない等々の印象を書きました。しかし、逆に考えると、それによって生じているメリットもあるように思います。

 その例は、通常のビジネスマッチングや商談を目的とした展示会や見本市ではあまり見られない、NPO法人の出展があったことです。
 「NPOはボランティア活動であって、事業活動によって収益をあげてはいけない」という誤解は、まったくのまちがいであることが、ようやく世間一般にも広まってきました。しかし、「産業展」と銘打った(しかも官製の)イベントに非営利活動団体が出展しているのは珍しいのではないかと思います。

 その理由の一つは、コミュニティビジネスの担い手としてNPOが重要な役割を持っているからです。

 コミュニティビジネスとは、たとえば過疎化とか国際化といったような地域にとっての社会課題を解決するため、地域にある人材や知恵などの資源を活用し、住民が主体となってビジネスの手法により行う事業活動のことです。
 これは、多くの場合、いわゆるNPO活動と重なる部分があります。NPOは事業活動によって生じた利益を、株式会社のように出資者に配当することはできませんが、事業活動の継続のためには最低限の利益は生み出していく必要があり、それが「ビジネス」としての側面を持つのは不可避です。
 その意味で、ビジネスチャンスを求めてNPO(特定非営利活動法人だけでなく、社会福祉法人など広義のNPOも含まれますが)が出展しているのです。

 もう一つの理由は、これらのコミュニティビジネスを支援する「中間支援組織」としてのアプローチからです。

 はんわしの目に留まったのは、四日市NPOセクター会議によるNPO百貨店と、松阪市のNPO法人Mブリッジの出展でした。

 NPO百貨店はさまざまな分野で活動しているたくさんのNPO団体を、テーマごとに紹介しているインターネットサイトです。ここにおいては、コミュニティビジネスはあくまでもカテゴリーの一つであって、ボランティア活動とか、地域とのつながりを持ちたいが何か情報が知りたい、といったような多様なニーズに応えるデータベースといった感じです。

 もうひとつのMブリッジは、中間支援と同時に自らも積極的にビジネスにかかわっていますが、今一番のおススメはひとtoまち出版室なる自費出版のサポート事業です。高齢者が持つ社会経験や知恵、地域の企業の社会貢献など、出版を通じてひとと(to)まちをつなげることを目的にしているところにヒネリがあるようです。
 どちらも、詳しくはホームページをご覧ください。







 ■NPO百貨店  http://www.npo-hyakkaten.com/index.html
 
 ■Mブリッジ ひとtoまち出版室  http://tsutaetai.jp/

 

2010年11月5日金曜日

大卒者と中小企業の雇用ミスマッチ




 今日から三重県四日市市で三重県などが主催する産業見本市である「リーディング産業展2010」が開催されています。
 三重県内の企業や、大学などの研究教育機関が多数出展していて盛大ではありますが、三重県内のリーディング企業(先端的な企業という意味か?)を一堂に会する、という意味以上の開催主旨が伝わってこないので、出展ブースには、金融機関あり、自動車部品のメーカーあり、イオンのような流通企業あり、工務店あり、食品製造業あり、と雑多で統一性のない構成になっており、一部の企業の方が言うように、「見本市でもない、商談会でもない、誰に見せるかというターゲットが絞れない中途半端なイベント」という印象は正直なところ拭えません。

 しかし、同時開催されているたくさんの講演会やセミナー、シンポジウムなどは、企業をはじめ産業支援の立場にある人々にも有益な内容のものが多くありました。
 その一つが、就職に関する企業PRを考えるシンポジウムでした。
 大学生・高専生向けの中小企業見学のバスツアーのことは以前このブログにも書きましたが、今日のシンポジウムは、そのバスツアーの見学先となったモノづくり中小企業の経営者(㈱伊藤製作所㈱HME㈱紀和マシナリー)と、学生を送り出した立場の大学、高専の教員、それから、参加した学生がパネラーとなり、バスツアーの成果や反省点などを語ると共に、大学生などに中小企業の魅力をいかに知ってもらい、大企業への就職と同様、中小企業への就職も進路の選択肢に入れてもらうかについて意見交換したもので、かなり見ごたえ、聞きごたえがありました。

 シンポジウムの進行をつとめた三菱UFJリサーチアンドコンサルティングによると、就職氷河期といわれた時期の2005年、大卒者の就職率は59.7%でした。これはその後の景気回復と共に上昇基調でしたが、2010年には再び60.8%にまで悪化しており、大卒者の就職が厳しい状況であることが示されました。
 これをさらに詳しく見ると、従業員5000人以上のいわゆる大企業では求人数に対して就職希望者数がはるかに上回っている買い手市場であるのに、300人未満のいわゆる中小企業では、約30万人の求人に対して、就職希望者が7万人であり、多くの大学生が中小企業への就職を忌避している状況になっています。

 シンポジウムでは、大学生から、やはり学生自身に、中小企業がどんなところか、どんなことをしているのかについての知識がないという話がありました。
 バスツアーに参加して、まさに目からウロコで、三重県内に素晴らしい技術を持ち、大企業を支え、あるいは世界で展開している中小企業があることを初めて知ったということです。

 中小企業の経営者からは、大学に求人を出しても知名度が低く学生が注目してくれないので自然に疎遠になるとか、どうしても即戦力の人材を求める傾向が強く、中小企業自身がゼロから新卒者を育成していく努力も欠けていた、などの意見がありました。
 また、教員からは、学生気質が就職に対して積極的な層と、受け身・無関心の層に二極分化していること。別の意味で、地元志向が強く三重県内での就職しか考えない層と、勤務地にはこだわらないという層にも二極分化しているという興味深い話がありました。

 結局、この場では
・三重県内には素晴らしい中小企業がたくさんある。
・しかし、その魅力が学生や学生の親御さんに伝わっておらず(というか、存在が認知されておらず)、就職先としての選択肢に入っていない。
・三重県主催のバスツアーは、中小企業の魅力を知ってもらう意味で、企業、学生の双方にメリットがあった。
・今後は、中小企業と大学・高専が緊密に連携し、就職活動の早い時期で中小企業の現場や魅力を知ってもらう機会を増やしていくことが重要。
 などがコンセンサスとして確認されました。

 予算が限られている中、いろいろな制約もありますが、このバスツアーを始め、中小企業と若者の橋渡しをしていくことは、行政の大きな役割であると再認識できました。

2010年11月4日木曜日

オバマ民主党の敗北で経済政策は?



 アメリカでは、オバマ大統領率いる民主党が選挙で大敗し、日本と同じくアメリカの国会も上院と下院でねじれ現象が起こるようです。

 アメリカ国民は、貧しい人々のために政府が公的な健康保険制度を作ろうとする政策にさえ、「国家権力が国民の健康まで管理するのはおかしい」とか、「民業(民間の保険会社)への圧迫だ」とかの強硬な反対意見が出るという、一種、不可思議な国民性を持っています。

 しかし、人民は賢にして愚、愚にして賢ですから、民主党を敗北させた投票行動にも一定の合理性、正統性を見出すべきなのでしょう。

 アフガン政策の行き詰まりなど理由はいろいろあるのでしょうが、経済政策から見ると、グリーンイノベーションなる、新エネルギーや新交通システムなどの産業分野に財政支援を行って大きな産業に育成し、不振の自動車産業などからの失業者の受け皿にする、というオバマ大統領の構想が、実際には新たな雇用を生まず失業率は高いままにとどまっていることへの厳しい評価ということができるのでしょう。

 しかし、アメリカ特有の「小さな政府=国民の自由」を最大限尊重する(それがたとえ失業する自由や、病気になっても医療費が払えず自己破産する自由であっても)思考から想像すると、政府は成長戦略に巨額の財政支出を行うべきでなく、経済活性化は減税によって達せられるべきだという哲学があるようです。

 たとえば日本の経済産業省などは、日本版のグリーンイノベーションといった成長戦略を進める根拠として、リーマンショック以来の世界不況の中で、アメリカ、ドイツ、フランス、韓国などの国々が競って成長分野の産業に財政支援を行っており、それが世界的な競争になっていて、日本もその成長戦略競争に負けられない、という資料を公表しています。
 しかし、どうやらアメリカは成長戦略からはいち抜けた、となって、ドル安をこのまま固定化して貿易(輸出)で金を稼ごうという重商主義にますます傾く可能性もあります。

 もうひとつ、基本的にアメリカ経済界からはウサン臭がられている「地球温暖化=CO2犯人説」も、民主党の敗北をきっかけに見直されることになるかもしれません。
 アメリカ人は、しょせんは根拠薄弱な「儲け話」に過ぎない「低炭素社会」などというプロパガンダは見破ってしまったようにも思われます。(それが、CO2が地球温暖化の犯人だなどという非科学的な説を見限ったのか、何でもいいけどとにかく低炭素では儲からないと見限ったのかはよくわかりませんが。)


2010年11月3日水曜日

とりあえず、尾鷲へ



 久しぶりに快晴となった休日。

 伊勢から高速道路を使って約80分で行けるようになった尾鷲に昼飯を食べに行くことにしました。都会の人には信じられないでしょうが、田舎の人間は昼飯を食いに100kmくらいクルマで走るのは特にだいそれたことではありません。
 ちなみに、伊勢自動車道の津IC以南、および紀勢自動車道(勢和多気JCT~紀勢大内山IC間)は無料化実験中で通行料は不要です。

 尾鷲にはいろいろ美味しいところがあるし、尾鷲に到るまでの紀北町にも美味しいところは多くてどこに行こうか迷ったのですが、とりあえずお母ちゃんのランチバイキングをやっている、夢古道おわせに向かうことに。

 夢古道おわせのランチバイキングは、地元の3つの主婦グループ(NPOなんか)が1週間交代でローテーションし、地元尾鷲の新鮮な魚や朝獲れ野菜などの食材を使ったメニューを提供しています。
 確か今年の夏、3つのグループのうち1つが交代し、新しいグループがローテーションに加わっていました。今日はその新しいメンバー、「おわせっこ」によるメニューでした。

 内容は、沖ギスの煮つけとか、エリンギのきんぴら、野菜の煮付け、鶏のから揚げなどの、まさしくお母ちゃんの味です。
 
 おわせっこのスタッフの皆さんはピンク色のTシャツを着ていて、愛想がよく、元気がよく、夢古道おわせのレストランから一望できる尾鷲の青空のような清々しい対応でした。

 料理については、正直、評価は分かれると思います。
 はんわし的にはまったくOKなのですが、温かい料理が全体的に少ないことと、一般の観光客が尾鷲に期待するような、たとえばお刺身であるとか、焼き魚や干物であるとかといった魚系のメニューが少なく、ひょっとするとその意味では期待は裏切られるかもしれません。
 しかし、珍しい食材とか、ご当地ならではの家庭料理メニューが中心なので、スタッフとの会話や触れ合いも含め、もてなしの雰囲気が好きな方なら十分満足できる内容だと思います。
 時間がなかったので、尾鷲市沖の熊野灘から取水している海洋深層水を使った温浴施設(お風呂)に立ち寄れなかったのは残念でした。

 夢古道おわせの隣接地にある三重県立熊野古道センターでは、「筏師(いかだし)の道」なる企画展をやっていました。

 古来より木材の一大産出地であった熊野の山々。伐られた木は丸太にされ、さらに筏に組まれて熊野川の流れに乗って下り、集積地である新宮の町まで運ばれました。
 その筏を操った人々が筏師と呼ばれた集団であり、固有の技術と生活様式を持っていたようです。

 はんわしもテレビで、和歌山県北山村で観光として、筏に乗って熊野川を下る激流ツアーをやっているのは見たことがありましたが、熊野古道センターにはその実物が展示されており、こんなチャチなものであの激流を下るのは、それはスリルがあるだろうと思いました。
 まあ、筏なので転覆の危険はないでしょうが、振り落とされる可能性はあるわけで。

 北山村は、ミカンの一種である「じゃばら」という柑橘が特産品です。
 含有されている成分が花粉症に効くとかで(あくまでクチコミなので薬事法には違反しないのだとは思いますが)、ある種のカラダに良い柑橘として有名であり、じゃばらドリンクとか、じゃばらワインとかのアイテムが次々開発され製品化されて、人口約500名の村において、生産高が確か2億円だか3億円だかもある主力産業になっています。

 こういうのは、東紀州地域においても一つの成功パターンとして参考になるのでしょう。人口が少ない小さな村ゆえの集中と選択の成功例だともいえますが。

 企画展は実物の筏のほかに、貴重な古文書や道具類なども展示されています。(無料です。)
 12月19日までやっているようですので、皆様もぜひ。

 ■三重県立熊野古道センター http://www.kumanokodocenter.com/index.html

2010年11月2日火曜日

最近なぜか、近鉄もよく遅れる



 先日、東京に行って、台風(14号)接近のさなかでもダイヤ通りに平常運転していた東海道新幹線に乗り、あらためてJR東海の実力に驚嘆させられたはんわしです。

 しかし、以前ブログに書いたこともありましたが、三重県内のJR東海路線、紀勢本線、関西本線、参宮線などは数分程度のダイヤの乱れは恒常的で、津駅の快速みえなどは時間通りに来るほうがまれで、ほとんど全列車が遅れている惨状です。

 問題は、全く設備投資せず、亀山以南はいまだに非電化(ディーゼルカー)、単線という明治時代以来変わらない運行形態にあるのではなく、もともと名古屋~津を50分で運行するのはハナから不可能なのに、近鉄への対抗意識からか、むりやりそのようなダイヤを作って国交省の認可を得ているというJR東海という会社の嘘つき体質にあるのでしょう。
(以前、静岡の人から聞いた話では、静岡県内でも東海道線は数分の遅れが恒常的だということで、在来線のクオリティの低さは全社的な問題のようです。)

 それはさておき、はんわしが普段通勤に利用し、ダイヤの正確性という面では全幅の信頼を置いていた近鉄名古屋線も、なぜか夏以降、遅れが目立つようになってきています。
 理由は「人身事故」らしいのですが、あまりにも頻発すると、ワンマン運転や駅頭から駅員の姿がすっかり減った合理化のせいではないか、などと思ったりもしてしまいます。

 最近、例えば社会的に高い地位にある人の犯罪や背信行為、人間生活の基盤だと思われていた家庭内での暴力や虐待、などなど、最近、社会の劣化とでも言うべき現象が目に付くようになっています。
 一説にはこのような現象は昔からあって、今は些細な事件でもマスコミやネットですぐに全国に報道されるからだ、という説もあります(実際に、図書館で昭和30年代頃の古い新聞を読んでみても、信じられないおバカな事件や出来事はゴマンとあったことはよくわかります。必要以上に今という時代を嘆くことも慎むべきかもしれません)。
 
 話は飛躍しますが、時間通りに運行しているのが当たり前だと思っていた日本の公共交通機関の正確さや安全性も「劣化」と呼ぶべき傾向が生まれてきているのかもしれません。
 これにはもちろん複合的な要因があるし、外国の列車に乗るとダイヤどおり運行しているほうが少ないので、その意味では「グローバルスタンダード」になったということかもしれませんが・・・

 

2010年11月1日月曜日

エコカー補助金終了で、新車販売が激減



 日本自動車販売協会連合会のまとめによると、今年9月中旬でエコカー補助金が打ち切られた影響により、10月の新車販売台数は昨年の同月比で26.7%の大幅減になったとのことです。
 メーカー別に見た販売台数は、トヨタが101,518台(前年同月比24%減)、ホンダが30,422台(29%減)、日産が25,373台(30%減)、マツダが6,095台(52%減)、三菱が2,500台(48%減)となっており、マツダや三菱の落ち込みが特に激しいことがわかります。

 製造業中小企業の現場に行くと、実際に夏ごろまでは「絶好調」というメーカーが多かった気がします。リーマンショック前の7~8割までは稼働率が回復したという声もよく聞きました。
 しかし同時に、経営者は、この好況が政府のエコカー補助金によるものであることはよくわかっており、12月いっぱいで補助金がなくなれば、たちまちその反動が現れるだろうという冷静な意見も非常に多くありました。結局はかけこみ需要によって当初は年内いっぱいの予定だった補助金が9月で使い果たされてしまい、皮肉にもカタストロフィがより早くやって来たという結果になってしまいました。

 しかも、今は円高。多くのエコノミストが指摘するように、アメリカなどの自国通貨安政策もあって、まだこの先も円高が進む可能性はあり、この基調は完全に定着しそうです。自動車産業に依存している、三重県をはじめとした東海地域では、これからじわじわと悪影響が広がってきそうな雰囲気です。

 エコカー補助金が(家電のエコポイントと同様に)政府による作為的な需要創出のための経済政策であるとすれば、それにはいつか終わりがあり~財源となる予算がなくなれば、当然にその時点で打ち切りにならざるを得ない~、この需要喚起策の効果が続く間に、本格的な景気回復が起こり、成長基調に乗ることができなければ、補助金に使われた額がさらに財政赤字となって積み重なり、いっそう大きなツケになって回ってくることは明らかでした。

 ひところ、建築基準法の建築確認の偽装事件をきっかけに、行政による建築確認事務が急に厳しくなり、建設業や建築業などに大きな悪影響をあたえたことが「官製不況」だなどといわれました。
 需要喚起策でもたらされた「官製好況」の次にきた局面は、やはり「官製不況」と呼ばれることになるのでしょうか?