2011年1月31日月曜日

火山活動とCO2

 新燃岳の火山活動が続いています。
 火山灰や噴石がかなり激しいようで、被害を受けておられる鹿児島、宮崎の方々にはお見舞い申し上げたいと思います。

 それに関連して。
 いわゆる「地球温暖化」事象の主たる原因として、温暖化効果を持つ二酸化炭素(CO2)が産業革命以後の経済活動によって人為的に増加したということがあげられています。
 しかし、考えてみれば世界中には無数の火山があって、火山ガスには二酸化炭素も大量に含まれていると思います。仮にどこかが活発に火山活動を始めれば、いくらCO2削減に努力しても、その成果を一瞬で覆してしまうことは十分に起こりうるはずです。(昨年に噴火したアイスランドの火山でも同じような議論がありました。)

 一方で、巨額の費用をかけたCO2削減や、低炭素社会への取り組みなるものが行われています。
 このことが新たなビジネスのビッグチャンスとなる業界は少なくないので、経済効果はあるのでしょう。しかしトータルで考えた場合、本当に、CO2削減活動には意味があるのでしょうか?

2011年1月30日日曜日

ソーシャル・ネットワークを見てきた

 週刊ダイヤモンド、週刊エコノミストという日本を代表する経済誌がこぞって特集したFace Book。

 先週もツイッターとフェイスブックの活用セミナーに行って、ほんのちょっと知識が付いたこともあって、流行に遅れまいと、今話題の映画ソーシャル・ネットワークに行ってきました。

 日本の映画やテレビドラマで、わずかでも「産業」に関係することがテーマになるのは、圧倒的に医療関係(中でも医師、看護師)とか金融とかが多く、ICT業界が取り上げられることはほとんどありません。
 おそらく純粋な頭脳労働で目に見えないため映像になりにくいのと、パソコンそのものが地味で女性ファンの関心を惹かないことが理由だと思います。

 しかも、日本では創業者をテーマにしたドラマもほとんど作られていないのではないかと思います。トヨタ、ホンダ、ソニーなどの世界的企業でも、輝かしい成功談が映画になったという話を聞いたことがありません。
 これも推測ですが、日本は良くも悪くも平等主義が強くて、この種の話は「偉人伝」、「立身出世」的な「金儲け」としてのイメージで捉えられやすく、アントレプレナーシップの本質とか醍醐味が伝わりにくいことや、創業者サイドもあまり自分が目立ちたくないという気質・風土があるからだと思います。

 その意味で、ICTベンチャーの創業者が主人公になる映画を作るアメリカは奥が深いと率直に思いましたし、しかも観客にはわかりくにいテクニカルな話ではなく、主人公の若き天才ハッカーは性格が悪いイヤな奴だとか、フェイスブックのきっかけは恋人にフられヤケ酒をあおりながらプログラムを書いたことだったとか、創業への協力者から2つの訴訟を起こされた被告の立場になってしまったとか、言うなればフェイスブックの「暗部」がストーリーの中心だと聞いて、そのようなことがどう映像になるのかにも大変興味がありました。

 結論から言うと、これはけっこう面白い映画でした。
 コンピュータやウエブについて小難しい技術的な話は一切出てこず、純粋な人間劇、愛憎劇として描かれています。

 変人でひと付き合いが下手だが天才の主人公。
 彼の能力を理解し、協力するただ一人の親友。
 天才ぶりに目をつけ一儲けしようとすり寄ってくる金持ちの学友たち。
 そして、かつては若きベンチャーの雄として大成功したものの、その後ビジネスに失敗し、ウサン臭い山師に成り下がっている元世界的経営者。

 「フェイスブックのアイデアを最初に思いついたのは誰か」、そして「主人公がフェイスブックの大成功によって得た巨万の富は誰に配分されるべきか」についての2つの和解交渉が時間的に行きつ戻りつしながら、これらの登場人物が本筋のストーリーと絡み合っていく、という演出です。(このあたり、デビット・フィンチャー監督の巨匠ぶりはさすがです。)

 もちろんここでストーリーは書きませんが、はんわしが印象的だったのは
・ハーバード大学生は誰かに雇われるのではなく、誰かを雇う仕事を創り出すことが使命なのだ。
 というセリフと
・自分は訴訟には負けたが本当に負けたのはあいつらだ。あの業界が今どうなっているか見てみろ!
 というセリフです。
 誰が、どの場面で言うかは見てのお楽しみ。みなさまもぜひ。

(PG12指定なので、小学生以下は親の同伴が必要です。少しエロいシーンは出てくるのですが、それよりもおそらく薬物の使用場面があるためと思われます。)

2011年1月29日土曜日

人口ボーナスと人口オーナス

 日本社会が急速に高齢化しているのは周知の事実ですが、人口の減少もこれから本格化してくるようです。先日、ある金融機関のエコノミストによる講演会に参加する機会があったのですが、そこで、「人口ボーナス」、「人口オーナス」という聞き慣れないコトバを勉強させてもらいました。


 江戸時代から明治初期まで、日本の人口は約3000万人ほどで安定していました。これが増加し始めるのは明治政府によって進んだ西欧文化が導入され、公衆衛生が向上し、近代工業による経済的な成長が始まった頃と軌を一にします。
 明治の中期になると人口は急激に増加し始め、太平洋戦争などでやや鈍った時期はあったものの、一貫して人口は増加していきます。20世紀初頭から21世紀まで(1900年代)の100年間は、人口が三倍に増加した時代でした。
 戦後になると、国民年金制度や医療保険などの制度が次々に完備されます。日本の人口が有史以来初めて1億人を突破した1968年当時、60歳以上の人口は10%に過ぎず、現役世代が60%を占めていたので、少ない高齢者を多くの若年者で支えることができました。
 財政面でこれを可能にしたのが高度経済成長です。これも、近年の経済学の実証的な研究によると、たくさんの若い労働力が農林水産業から工業・商業に移動することで生産が増加し、同時に人口が増えることで国内の消費市場も拡大したことが大きな原因のようです。
 このように、人口の急増によって社会にプラスの働きが起こることが「人口ボーナス」と呼ばれる現象です。

 ところが、2004年を頂点として日本の人口は減少していくことになります。2046年には再び一億人以下に減少しますが、この時の年齢構成は60歳以上が45%を占めており、これを支える現役世代は40%。つまり、高齢者一人を若年者一人が支えるというものに変質しています。
 今のような「人口ボーナス」を前提としたあらゆる社会システム(年金、医療、介護、教育、産業活動、交通、開発など)は、維持することが極めて困難となり、負担する若年者はもちろん、受益者世代にも痛みを分かち合うような社会システムの変革が不可避になります。これが「人口オーナス」と呼ばれる状況です。

 この状況においては、経済成長の三要素、つまり「資本投下」、「労働投入」、「全要素生産性」のうち、労働投入が大幅に減少していくために、経済成長の持続そのものも難しくなってきます。
 政府などが提唱するのは、このマイナスを全要素生産性の向上(イノベーションや人材開発など)で挽回しようという考え方です。
 実はこの考え方にもさまざまな批判があって、この日の講師だったエコノミストも、「日本の場合はイノベーションによる生産性向上以上に労働力減少によるマイナスが大きい」という意見でした。
 また、労働力の不足を外国からの移民でまかなうという考えについても、日本人はホンネでは外国人にこれ以上来てほしくないので、そのような風土・文化のままでは移民を進めるのはリスクが大きすぎる、との見方でした。

 講師が提言していたのは、
・日本国内の約1500の経済圏(市や郡単位くらいの)の人口、生産力、消費力、生活水準などを数十項目の指標にして偏差値を作ると、実にさまざまなその土地土地の個性を持っていることがわかる。
・今まで日本は国が政策を企画立案し、財源も一手に持って、全国一律の施策を展開してきたし、国民もそれが当然と思ってきた。
・しかし、今後はそれを改め、住民自身が自分たちの経済圏の特長を正確に把握し、地域の特長を生かした社会政策や福祉政策、産業政策を自らで考え、実行していくべきだし、それしか日本が生き残る方法はない。
 というものでした。
 具体的には、「拡散した都市でなく、住民やインフラを集中させる‘コンパクトシティ’の考え方に立脚した上で、国が最近制度化した総合特区制度を活用して、地方独自の施策に取り組むべきだ。」と言ってらっしゃいました。
 非常に参考になる講演でした。はんわしも引き続きこの問題を考えていきたいと思います。

2011年1月28日金曜日

長期インターンおつかれさま

 昨日は、東紀州長期インターンシップ事業により、紀北町紀伊長島区にある 四季活魚の宿 紀伊の松島 で10ヶ月間にわたってインターンシップに取り組んでいたまこがれいこと鎌田君の送別会がありました。

 このブログでは何度か紹介していますが、紀北町のある三重県東紀州地域は、人口の減少と高齢化が進み、地場産業である林業や水産業、主力産業である建設業が低迷しており、進学や働く場所を求めて若い人が町を出て行くという構造になってしまっています。

 いつ、いかなる状況であっても、現状の変革は若い世代から起こるものです。しかし、若者の絶対数が少ない東紀州では、客観的に見てその潜在可能性は低いと考えざるを得ません。
 このため、産業の活性化や観光交流の活発化を図るための一助として、地域外から大学生などの若者を受け入れ、その地域で活躍する若手経営者の下にいわば「弟子入り」する形で長期間のインターンシップを行い、若者本人はもちろん、受け入れた地域の側にとっても双方にメリットがある創発を目指すのが、この事業の目的です。

 鎌田君は、昨年同じく紀伊の松島で長期インターンをした立花君についで二代目のインターン生となります。埼玉県から大学を休学してやってきてくれました。

 送別会は、紀伊の松島の女将さん、若大将、スタッフさんはもちろん、インターン期間中に関わってくれた紀伊長島で活躍しているみなさん、インターンのコーディネーター役であるNPO法人G-netのスタッフ、東紀州観光まちづくり公社のスタッフなど、総勢20名ほどで行われました。

 クライマックスは、10ヶ月間の歩みを映像で振り返るという素晴らしい企画で、鎌田君本人も感激していましたが、はんわしも正直、うるっときていたのでした。なかなか感動的だったよ。うん。

 鎌田君はインターン期間中、ふるさとしんぶんを発行したり、「東紀州まちづくり人に学ぶ旅」を主催したりと有意義な仕事をしています。このことは彼自身にとってかけがえのない経験になったことでしょうが、問題なのは、紀北町や若者が、この経験をどう次に引き継ぎ、しっかりとした持続的な関係に高めていくかということだと思います。
 幸いにも、鎌田君がきっかけとなり(彼自身のコーディネートによって)、大学と地元の新たな関係が進みそうなお話も聞かせていただきました。
 ぜひとも、いい方向に発展させていただきたいと思います。もちろん、微力ながらわしも応援します。

 それにしても、この日集まったみなさんはいい顔をしていました。何だか久しぶりにいい時間を過ごせたような気がします。
 
 インターンお疲れ様でした。お元気で!

2011年1月26日水曜日

「三重交通 神都線の電車」を買ってみた

 著者の中野本一氏も書くように、伊勢市内に路面電車が走っていたことを知る人は少なくなっています。実際、三重交通神都線が廃止されたのは昭和36年1月。今から50年も前のことです。
 日本は高度成長期に突入し、本格的なモータリゼーションが真っ只中の時期。もちろん、はんわしが生まれるよりも前のことなので、自分自身、電車の記憶など全くありません。


 神都線については、すでに「伊勢の市電」という写真集などが出版されていますが、このRM LIBRARY137 三重交通 神都線の電車 は、はるかにマニアックで、主に電車の型番と諸元などのデータと、路線図、施設配置図などをまとめた資料集といったおもむきです。
 なので鉄道マニア以外は(しかも、50年前に廃線になった一地方都市の路面電車などに関心があるコアなファン以外は)とっつきにくい内容だと思います。

 しかし、今まで知らなかった情報が満載されているのも確かで、路面電車というくらいだから運転間隔は何分おきぐらいだったのだろうとか、始発や終電は何時くらいだったのだろうか、という疑問は、本書の8~9ページに掲載されている昭和30年9月16日改正の車両運行図表(ダイヤ表)によって氷解されることになりました。
 また、今までの書籍では今ひとつハッキリしなかった単線と複線の区間とか、閉塞方式なども始めて知ることができました。

 貴重な本を出版された中野さんと、インターネットで見ると、鉄道、クルマ、模型、ペットなど、オタクな世界の多種多様な雑誌を発行する有意義な仕事をしているNEKO-BOOKSに敬意を表したいと思います。

 またまた疑問が生まれたのですが、現在伊勢市内の、宇治山田駅前と内宮前の間を走っている三重交通バスは、なぜか外宮前→宇治山田駅前→吹上町→伊勢市駅前→外宮前と一方通行の循環運転なのですが、この合理的な理由は何なのですか? これは神都線の影響を今でも引きずっているのでしょうか。
 誰か教えて!

2011年1月25日火曜日

津偕楽公園の梅が咲いた

 昼休みはぶらぶらと散歩していることが多いのですが、県庁近くの偕楽公園の梅林に、いくつかの花が咲いている木がありました。

 まわりの木も、つぼみが大きくふくらんでおり、開花はもう間近のようです。少しずつ春が近づいている気がします。

 さて、強引に梅つながりで話を持っていくのですが、先日の県内各紙に、今年4月から名張市に移転することが決まっている近畿大学工業高等専門学校(通称、近大高専)で1月24日入試があったことが報じられていました。

 今年は過渡期ということで、熊野市の現校舎と移転先の名張市(現皇學館大学社会福祉学部。ここも今年3月で閉鎖されるため、その跡地に近大高専が移転してくるわけです。)の2ヶ所で実施されましたが、慢性的な定員割れが続いていた昨年度までに比べ、定員160名に対して254人もが受験。大幅な受験者数の増加になったそうです。

 熊野市から、と言うより、三重県、和歌山県、奈良県も含めた紀伊半島南部の熊野地域から高等教育機関がなくなってしまうことは寂しく、残念なことです。学校存続のために尽力していた熊野のOB会や父兄会の姿をはんわしも垣間見ていただけに、そのような思いはいっそう募ります。
 しかし、この受験者大幅増を見ると、結果的に関西圏に近く人口も多い名張市に移転したほうが近大高専のためにはなったのかもしれません。

 もっとも、新たに近大高専となる皇學館大の校舎は、名張市春日丘という山あいの大規模新興住宅地の一角にあって近鉄名張駅からは相当離れているため、実質的に4年制大学よりも年若い高専の生徒が通学するのにはすこしく不便な場所でもあります。
 また、名張市を含む伊賀地域は大規模な工業団地もあって高専の卒業生には早くも待望論が起こっていますが、研究開発における産学連携の体制をどう作っていくかも問題です。せっかく誘致した高専ですから、少しでも地元名張、伊賀地域の産業界に役立つような工夫が必要だと思います。

 さて、梅の話から近大高専の話に、どうつながっているのかお分かりでしょうか?

2011年1月24日月曜日

三重県では「とんがったサービス業」が成り立ちにくい・・・のか

 なんとなく一昨年あたりから、知り合いのサービス業者や小売業者さんが、今までお店をやっていた三重県内から県外へ引っ越すことが2~3件か続きました。
 サービス業は(小売業もサービスの部分ではそうなのですが)、工場で製品を作るのとは異なり、サービスという「商品」が目に見えないことや、生産と消費が同時であるという特長があります。そして、業績が店の立地にかなり左右されるという部分が大きいことも特長です。

 いうまでもなく大消費地に近い、あるいはターゲットにする消費者の層が厚い地域に立地する方が圧倒的に有利ですので、全国どこであっても日常生活に不可欠な、飲食店や床屋さん、美容院、クリーニング店などといったサービスはともかく、ある程度特殊なサービス、高度・専門的なサービスについては地方都市より都会で営業したほうが有利だということになります。

 それと同時に、専門的なサービス業があるかないかはその地域の住民生活の豊かさを示すバロメーターでもあります。
 地方都市で感じるのは、一通りの商品・サービスは郊外型のショッピングセンターやショッピングモールに行けば、GMSや専門店で揃ってはいますが、これらで提供されるのは全国cチェーン店で均一的に展開されているサービスであって、消費者の多様化する個性とか嗜好にマッチする、もっと言えば「とんがったサービス」は提供されていないということです。

 冒頭の話に戻ると、県外に引っ越してしまった経営者も、やはり三重県のマーケット規模や保守的な地域性では、思ったような事業ができないと見切りを付けてしまったということでしょう。(もちろん家庭の事情など余人のうかがい知れない事情もあったのかもしれませんが。)

 これは寂しいことには違いないのですが、経済原理なので仕方がありません。
 むしろ人口の減少や、少子化・高齢化による消費行動の変化、さらには道路や交通機関の整備によるストロー現象によって、地方ではますますとんがったサービス業は減少していくことでしょう。
 そしてナショナルミニマム的なサービスのみが(アメリカの郊外都市には小売店が巨大なウォルマートただ1軒しかないように)提供されるようになるのでしょう。

 三重県は、伊勢湾沿いに、桑名市、四日市市、鈴鹿市、亀山市、津市、松阪市、伊勢市、と人口数万から30万人の都市がずらっと均一的に並んでおり、他の府県のように県庁所在地が突出して大きな都市であるという富士山型の都市構造ではありません。また、関西や名古屋にも比較的近いので、とんがったサービス業が成り立ちにくい面はあったと思います。
 しかし、建設が現実的になってきたリニア新幹線が整備されれば、その名古屋や大阪すらもメガポリス東京へのストロー現象によってやせ細ってしまうことも、かなり確率が高いのではないでしょうか。
 このことも、高度成長の尾骶骨を引きずっていた今までの社会から、大きく変質しようとしている現代日本の地方都市の一断面なのかもしれません。

2011年1月23日日曜日

学生の発想はオジサンの頭をシェイクする

 今日は皇學館大学で行われた大学生・高校生によるビジネスプランコンテストを見に行っていました。皇-1(こうわん)グランプリと名づけられ、今年で三回目の開催になるそうです。

 昨年も同じように傍聴させてもらったのですが、ビジネスプランはこれですぐに起業できるものというより、学生のサークル活動や、教学カリキュラムの一環としてのアイデア発表会のような色彩が強いものです。

 コンテストには全部で50件の申請があったそうで、1次審査を勝ち抜いて本日のプレゼン審査へと進んだものは6つのプラン。うち、大学生のものは3件、高校生が3件。そして、これは全国的にもそうなのかもしれませんが、発表者は1名のみ男性で、残りの5組はすべて女性によるプレゼンでした。

 興味深かったのは、発表されたプランのうち4つは高齢者向けの生活サービスがテーマになっていたことです。理美容サービスの提供であったり、交通手段の確保であったり、コミュニティ再生による生きがい対策であったり。(これは皇學館大学が社会福祉学部をもっていることも影響しているのかもしれませんが。)

 もう一つ感じたのは、~これも生活関連サービスのビジネスプランが多かったので当然といえば当然ですが~ ビジネスを、今すでにある「インフラの利活用」によって行おうという発想が多かったことです。

 高校生が発表した「学校給食を高齢者にも宅配するビジネス」は、少子化が進む中で学校給食センターの利用と、その食事の宅配システムによる見守りの相乗効果を狙うものですし、大学生が発表した「廃校になった校舎をレクリエーションや入浴施設など高齢者向けの施設に活用するビジネス」は、老化防止の観点からも読書とか音楽のような学校インフラが使えないかという問いかけであり、このプランは実務上も参考になるような気がしました。(結局、このプランが最優秀に選ばれたのでしたが。)
 いずれにしろ、日々の生活で気づかないうちに柔軟性がなくなってきたはんわしのアタマには、高校生、大学生の発想はいい刺激になりました。もっと一般の市民とか産業関係者も来ればよかったのに・・・

 最近の若者は内向きで、覇気がないとよく言われます。これは確かに当たっている面もあると思いますが、物心ついて以来、景気が良かったことがなく、「リストラ」とか「失われた20年」といった閉塞する社会のムードの中で育ってきた年代としては、保守的ににならざるを得ないでしょう。
 むしろ、今日プレゼンされたビジネスモデルのように、高齢社会がますます進む中で、老人の生活の質を上げようという(それがビジネスになるかどうかは別として)着眼点や発想は、良識ある若者には共通している考え方になってきているようです。中国のような発展途上の社会はともかく、今の日本のような成熟した社会においては、むしろこのほうが健全な気がするのですが。

2011年1月22日土曜日

「平成20年度三重県の市町民経済計算」推計結果に思う

 三重県が管内29市町の総生産額を推計した「市町民経済計算」の結果を発表しました。この統計は毎年定期的に公表されているもので、簡単に言うと県内各市町の企業などが一年間の事業活動で生み出した付加価値額を集計したものです。
 しかし、そういったややこしい話はさておき、一番わかりやすいのは市町ごとの生産額のランキングであり、もっと言えば「一人当たりの市町村民所得額」です。

 詳細は三重県のホームページ(みえDate Box)をご覧いただきたいのですが、
 平成20年度の一人当たり市町民所得をみると、朝日町が3,335千円で最も高く、次いでいなべ市の3,269千円、四日市市の3,170千円、亀山市の3,170千円、川越町の3,120千円の順となりました。以下、鈴鹿市、東員町、多気町、木曽岬町、桑名市、玉城町、菰野町、伊賀市までの13市町の一人当たり市町民所得が、一人当たり県民所得(2,829千円)を上回りました。
 とあり、逆に最も低いのは、紀宝町1,924千円、熊野市1,986千円、御浜町2,044千円、などとなっていて、下位グループは三重県南部の東紀州と南勢志摩地域の市町に集中しています。

 ただし、注意しなくてはいけないのは、三重県もわざわざそう注意書きしているように「一人当たり市町民所得には企業所得等も含まれるため、個人の所得水準を必ずしも表すものではない」ということです。
 全体を概観すると、明らかに第2次産業、それも自動車や家電といった輸出型の製造工場が集積していたり、人口規模が小さいわりに大工場や発電所などの大規模施設が立地している市町は一人当たり市町民所得が高い傾向があります。 (この調査が平成20年度の結果であることにも留意してください。)

 藻谷浩介氏なども言うように、その地域の所得動向を知るには、マクロ的な数値である市町村民経済計算よりも、税務署が把握する課税対象所得額のほうがより正確なようです。そこで(不完全ながら)、総務省の「統計で見る市区町村のすがた2010」のデータを加工して試算してみると、納税義務者数一人当たりの市町村民税の課税所得額ランキングは
  桑名市 3,604千円
  朝日町 3,521千円
  東員町 3,442千円
  鈴鹿市 3,414千円
  四日市市 3,405千円
 のような順番になって、若干順位が変更します。ちなみに下位を見ると
  志摩市 2,527千円
  大紀町 2.588千円
  鳥羽市 2,620千円
 などとなって、東紀州よりむしろ志摩地域や奥伊勢地域が深刻な状態です。



 ただし、繰り返しになりますが、これはあくまでも一つの目安にしか過ぎません。

 都市構造やソーシャルキャピタルの充実度は、その市町での生活スタイルや生活満足度に大きな違いをもたらします。今や、金銭的、経済的な豊かさより心の豊かさが求められている時代ですから、あくまでも参考程度に考えるべきでしょう。


 むしろ、はんわしが問題だと思うのは、所得の高い市町の産業構造が製造業偏重の一本足打法になっており、ひとたび景気が生産調整の局面に入ると、その影響が非常に大きくなり、地域経済や雇用に与えるダメージも強くなることです。



 大台町から志摩市に到る下位の市町は、工業生産も商業販売額も上位の市町に比べて絶対水準が低位なのですが、全体的に工業と商業のバランスが取れています。(志摩市の商業販売額が突出しているのは観光客向けが多いからでしょうか?)

 つまり、自分の地域で生み出したカネを、そのエリア内で消費する、という循環が成り立っているのではないかと推測できます。熊野市、紀北町、南伊勢町など地理的に隣の市町と隔絶されているところは、小さながらも都市的な特長を備えた地域であることは現地に行くとよく実感できます。

 それに対して、見渡す限り工場とロードサイド店が立地している地域、あるいはベッドタウンなどは、その地域でもっと消費できるような小売業、サービス業の育成も重要になってくると思います。

2011年1月21日金曜日

こうやって見るとパワースポットだらけだな、三重県

 パワーすぽっと三重なる小冊子を入手しました。

 きのうから配布(無料)を始めたようなのですが、新聞に載った途端、オーダーが殺到しているそうで、今日の時点では手に入れるのがちょっと困難というシロモノです。

 パワースポットがブームなのは、伊勢神宮への参宮客が明治時代に統計を取り始めて以来、最高の860万人になったとか、鳥羽市の相差(おうさつ)町という海女さんで有名な漁村にある石神さんという祠が、女性の願いを一つだけ叶える神様として参拝客が殺到している、などといった現象が伊勢志摩でも見られるように、身近でも実感できます。

 そこで、露骨にこのブームにあやかろうと、三重県中のパワースポットを一冊にかき集めたのがこのブックレットです。

 伊勢神宮から始まり、東紀州では熊野市にある花の窟(はなのいわや)神社とか、なぜか紀北町海山区の権兵衛の里などもあって、表現は悪いですがピンからキリまで、神社仏閣から巨石奇岩、風穴洞窟、こじ付けまで含めて、ありとあらゆる数十ヶ所が紹介されていますから、これを片手に散策するのも悪くないでしょう。

 しかし、考えてみれば不思議なことですが、パワースポットというのはいったい何なのでしょうか? 何かきちんとした定義はあるのかしらん。
 確かに伊勢神宮の、うっそうとした木立に囲まれた参道を日の出直後のまだ薄暗い時間に歩くと、表現の仕様のない清冽な雰囲気を感じることがあります。
 しかし、これは多分に生理的な、つまり、自分の精神的な作用であって、磁気とか、温度とか、マイナスイオンとかの外的な要因ではないような気もします。
 こういうのって、ある意味、オカルトと紙一重ではないか、と思ったりもするのですが。(そんなこといってたら観光プロモーションなんかできないのでしょうし・・・)

 ■観光三重ホームページ http://www.kankomie.or.jp/
  このページにあるバナーをクリックすると、電子書籍スタイルでブックレットを読むことができます。

2011年1月20日木曜日

Twitterを活用したマーケティングセミナー

 今やマスコミでも目にし、耳にしないことがないTwitter、そしてGoogleを抜いたと評されるFacebookなど、ソーシャルメディアと呼ばれる新しいツールがICTの主役になりつつあります。
 
 恥ずかしながらはんわしも、ツイッターのアカウントは持っているものの、ツイートしたことはまったくありませんし、フェイスブックは「えー、実名で登録するの?」という感じで、まだちょっと二の足を踏んでいる状態です。

 ただ、この日和見主義は、世間一般でも多くの方がそのような状態らしく、ビジネスや地域活性化などにどうやって活用すればいいのか、関心や疑問を持っている方はどんどん増えてきているようです。

 はんわしが参加したこのセミナーでは、
・ソーシャルメディアの総論を(有)ザ・ワンの横地専務
・ビジネスでの活用事例を桑名市の(有)ビジネスホテルビーエルの佐野社長
・そして伊賀上野でのまちおこしでの活用事例を(有)クニツサイクルの林代表
 の、それぞれ三重県を代表するICTの論客3人が講師となり、いろいろと興味深いお話や実践例を聞かせてくれました。

 はんわしが最も印象深かったのは、
 ツイッターをビジネスに活用するポイントは、「主人公は消費者である」ということ。
 消費者にとってクチコミは最も有力な情報源である。ただし、クチコミが自然発生するのを待つのではなく、発生させる仕組みを作らなくてはいけない。
 ツイッターも自分で情報発信する(ツイート)するだけでなく、自分の周りの人がどのように情報発信してくれるかを考え、実行しなくてはいけない
 という横地さんの言葉でした。

 また佐野社長が紹介してくれた、Social Media Revolution というビデオも大変刺激的で参考になったので、ここでもアップしておきます。
 
 

2011年1月19日水曜日

電気自動車というモノガタリ

 今日は午後から名古屋に行ったのですが、電車が木曽川鉄橋を渡って愛知県に入った途端、田畑や河川の堤防、家々の屋根に雪が白く残っているのを見て本当にびっくりしました。
 先週から今週の始めにかけて全国的に大雪で、名古屋や三重県北部でもひどい雪だとニュースでは見聞きしていましたが、三重県南部では雪の「ゆ」の字も見かけない、乾燥した晴天続きだったので、日本の広さというと大げさですが、三重県の南北の違いを再認識しました。

 それはさておき。

 栄の地下街にある日産ギャラリーの前を通りがかったら、噂の電気自動車日産リーフの展示をしており、コンパニオンのお姉さんがMCをしていました。

 リーフは、日産のティーダに何となく外観が似ています。
 しかし、値段は政府助成を目いっぱい活用しても1台なんと380万円。
 コンパニオンさんが実演してくれた、超カンタンな家庭用電源からの充電で、バッテリーを満タンにするのに8時間。航続距離は理論値で200km。(おそらく冷房や暖房のエアコンを使うと、この距離は半減するのではないでしょうか?)
 
 ただ普通自動車なので中がゆったりしていて、どちらかというと実験的な匂いが残る三菱のアイミーブに比べ、本当に自家用車として購入する消費者も、もしかすると掘り起こせそうな気はします。

 しかし、どう表現すればいいか、それなりの感銘は受けたのですが、EVを購入するのに決定的な何かがまだ弱い感じがしました。

 何が言いたいのかというと、排気ガスが出ないから、エコだから、地球に優しいから、という理由だけ、それだけでは、やはり価格と性能が見合わないのではないか。(もちろん、色々なお考えの方がいるとは思いますが)
 電気自動車に乗るとこれだけ素晴らしいというエコ以上のストーリー、モノガタリがないと、ティーダとそっくりなクルマにわざわざ400万円近く出す人はまだ少なかろう、ということです。

 実際に電気自動車の加速はガソリンエンジン以上に力強く、スポーツ車向きだとも聞いたことがあります。
 もちろん、走行音はめちゃめちゃ静かです。というか音はしません。完全な無音です。

 たとえば、このようなEVの特徴を絡めた素敵なモノガタリはないのでしょうか。
 低炭素社会などといった壮大なフィクションの中で、ガソリンエンジン車、ディーゼルエンジン者の単なる代替として、ハイブリッド車や燃料電池車との価格競争に埋没してしまうのではないでしょうか。

2011年1月18日火曜日

公務員になりたい大学生のために

 ありがたいことに、と言うべきでしょうか、このブログは大学からのアクセスも多いようなので、学生の方に役立つ(?)ことも少し書いてみます。

 電通総研が昨年の12月に発表した高校生向けのアンケート調査結果によると、高校生がなりたい職業の第1位が「公務員」だったことが報じられました。公務員についで、大企業の正社員、介護士・保育士・看護士の順であり、同社の分析によると「義務教育のころからキャリア教育を受けてきた今の高校生は、早くから「社会や景気のこと」や「自分に合った適職」を意識しているのかもしれません。」とのことです。(調査結果のPDFはこちら

 また、クラレが新小学1年生の親を対象に行った、子どもに就かせたい職業の調査によると、男児の親が「公務員」、女児の親が「看護師」でした。(調査結果はこちら

 このようにモテモテの公務員ですが、その労働条件や勤務実態はどのようなものでしょうか。
 実は、公務員は買い手市場であるが故に、民間企業に比べてリクルート活動が顧客目線でなく(つまり学生に優しくなく)、募集案内は美辞麗句ばかりだし、公務員の職種や業種が非常に複雑多岐でありクラレの調査のように一口で「公務員」とはくくれないのが現実なので、実態がよくわからない学生も多いと思います。

 その参考になるのが、三重県庁が本日公表した、「三重県職員満足度アンケート2010」の結果公表です。
 このアンケートは三重県と三重県職員労働組合が労使協働の取り組みとして、職員の満足度や意欲・問題意識等を把握し、、職員の満足度向上に向け改善していくため、平成13年から行っているものです。

 これによると、
 ・現在の仕事にやりがいを感じますか
  そう思う 21.7% 、やや思う 52.0% 、あまり思わない 21.1%、思わない 5.2%
 ・現在の仕事が自分に向いていると思いますか
  そう思う 17.9% 、やや思う 50.8%、あまり思わない 24.7%、思わない 6.5%
 となっており、モチベーションややりがいはそこそこあると見ていいと思います。
 詳しくはこちらをご覧ください。

 興味深いのは、「役職別の満足度」(アンケート概要の5ページ)です。
  課長級以上 69.65
  課長補佐級 61.83
  係長級 60.41
  一般 62.09
 となっていますが、役所は年功序列なので、課長級以上はおおむね50歳代、補佐級は40歳代後半、係長級は30歳代後半、一般は20歳代と30歳代前半と読み替えてかまいません。
 驚くべきことに、年上の人ほど満足度が高いのです。これは県庁幹部職員としての責任感や緊張感が満足度を高めているということでしょうか。(仕事がラクで給料が高いから。しかも同世代の民間企業なら肩たたきにあっているのに、公務員は終身雇用だから、ということでは決してないと思います。)

 さらに、「仕事内容や責任に見合った給与を受けていると思いますか」とか「現在の昇任のしくみは適切なものだと思いますか」などといった興味深い設問も並びます。
 
 自由意見欄も含め、よく読んでみると色々面白い発見があるのではないでしょうか。

 ■「三重県職員満足度アンケート2010」の結果公表(三重県ホームページ)

2011年1月17日月曜日

高速道路無料化実験の影響はホントのところどうか?

 1月14日、国土交通省は、高速道路無料化社会実験開始後6ヶ月の状況を公表しました。
 昨年6月28日から始まった実験は、北海道から沖縄までの37路線、50区間の総延長1657kmで実施されています。しかし、事前から多くの指摘があったように、大部分の区間は大都市圏以外の地方部であり、しかも細切れで連続していない区間や終端区間なども多く、「果たしてどのような仮説を実証するための社会実験なのか」がよくわからない面が見受けられます。

 三重県内については、伊勢自動車道の津IC以南、伊勢ICまでと、途中の勢和多気JCTから分岐する紀勢自動車道の暫定終点である紀勢大内山ICの区間であり、はんわしのような三重県南部の住民にとってはありがたい話には違いありませんが。

 さて、その社会実験の途中経過ですが、三重県内での交通量測定ポイントは伊勢自動車道の津~久居間の1ヶ所だけです。
  実験前(6/20~26)の交通量(台/日) 33,100台
  実験中(6/28~12/31)の交通量(台/日) 52,500台
  であり、増減率は159%となっています。(平日、休日の合計)

 ちなみに、この区間で並行する国道23号は
  実験前(6/20~26)の交通量(台/日) 48,400台
  実験中(6/28~12/31)の交通量(台/日) 45,000台
  であり、増減率93%(つまり、7%の減)となっています。(平日、休日の合計)

これを見る限りでは、社会実験により交通量は純増しており、新たな交通需要が生み出されたものとも言えそうです。

 しかし、今さらながら驚いたのですが、交通量を測定している地点は全国で50ヶ所、つまり、無料化区間ひとつに対して1ヶ所しかありません。
 この津~久居間でも、津市近辺の通勤需要の増加などは推測できますが、奥伊勢地方を結ぶ紀勢自動車道・・・国交省や三重県が「命の道」と称して整備してきた区間・・・の観光需要の増加とか、救急搬送の時間短縮などのメリット・デメリットは不明のままです。

 ここで興味深い関連記事を見つけました。
 伊勢志摩経済新聞に載っていた、紀勢自動車道大宮大台ICのすぐそばにある蕎麦店「七福」の記事です。(1月16日付け

 これによると、この店は1997年、そば職人のオーナーが開店。熊野古道や瀧原宮(伊勢神宮の別宮)の観光客などで賑わっていましたが、紀勢自動車道の終着点として大宮大台ICが2006年3月に開通すると、さらに売り上げが上昇したとのこと。
 しかし、その後2009年2月に終点が紀勢大内山ICまで延伸すると、並走する国道42号の交通量が減り、大宮大台ICでは降りずに通 過する車両が増えて店の売り上げは減少。高速道路の土日一律1,000円が導入されると、さらに売り上げは減少。
  2010年6月からの高速道路無料実験が始まり、大台大宮ICからの 乗り降りが原則自由になると、無料化導入当初は若干売り上げは上昇したものの、再び来客数は横ばいになったとのこと。
 オーナーは「国の方針一つで人の流れ(社会環境)が大きく変わるということをこの5年間でリアルに経験できた」と語り、こだわりの味は変えることなく、店の営業時間やメニューなど臨機応変に対応していきたいとして、「750円せいろそばランチ」などの新メニュー提供に前向きに取り組んでいるとのこと。

 このような詳細な定点観測の報道は非常に貴重です。しかも、このようにネットなどで報じられるケースもあまりないような気がします。
 民主党政権の目玉政策として今年3月以降も実験が継続されるのが濃厚ですが、莫大な費用もかかっているのですから、無料化の恩恵を直接的に受けていない都市部の住民への説明責任を果たす意味でも、もっと測定地点を増やし、丹念なデータ収集と発表が必要ではないかと思います。

2011年1月16日日曜日

(業務連絡)会社や官庁など勤務先からアクセスされている方へ

 会社や官庁など勤務先から「はんわしの評論家気取り」にアクセスされている方へ、あらかじめお断りさせていただきます。

 お気づきの方もいらっしゃると思いますが、このブログではアクセス解析を行っており、会社、官公庁、大学、団体など、自社の固有ドメインからのアクセスはこちらで件数とアクセス時間を知ることができます。(個人は特定できません。また、一般の大手プロバイダーからのアクセスは集計されません。)

 業務に関連する情報収集などにご覧いただくケースが多いとは思いますが、いろいろな立場の方が覧いただいているようなので、特に「三重」ドメインの方は、あまり不自然な時間にアクセスがあってもなんですので、念のためお知らせします。



 

食品ネット通販に苦情が相次いでいるらしい

 NHKニュース(1月16日付け)によると、
・インターネットで販売される食料品について「送られてきた商品が写真と異なる」といった苦情や相談が相次いでおり、前の年の同じ時期と比べて2割近く増えている。
国民生活センターでは「利用する際には事業者の連絡先や返品できるかどうかなどをしっかり確認してほしい」と注意を呼びかけている。
 とのことです。

 食品トラブルといえば、この年始にはバードカフェのおせち料理が問題になりました。
 実物が事前に見たサンプルと違いすぎるというのは何もネットに限った話でなく、テレビでもカタログでも通販には共通することだとは思いますが、ネットの場合は手軽に申し込めることとか、テレビに比べて客観的な情報量は同じだとしても、買おうかどうか検討できる時間がじっくりあって、それなりに考えて決断した結果なのに、それを裏切られた、ということへのショックの大きさが、消費者のより強い反発につながるのかもしれません。

 売る側としても十分に気をつけるべきなのは当然です。
 しかし、食品の場合、どうしても天候や収穫量の影響を受けることなどもあって、気をつけていてもある程度のクレームが来ることは避けられない場合もあるかもしれません。
 このような場合に備えて、ネット通販のクレームのパターンとか、正しい対処法をネット通販業者もきちんと研修し、対応できるようにしておくことが必要ではないでしょうか。

 司法試験の合格者が国の政策によって増加し、弁護士は増えているのだけれど仕事がないという問題が起こっています。しかし、これは法律サービスのマーケットが開拓されておらず、相変わらず世間から、法律家に相談することは敷居が高いとか料金が高いとか思われて、法的な解決から遠ざかっている現状があると思います。
 通販は、唯一、卸・小売業で販売額が伸びている分野なので、法的な問題解決の手法は、もっとビジネスの現場に広まっていくべきだと思います。

 もう一つ、業界内での情報の共有化も重要ではないでしょうか。
 製造業の経営者からお話を聞くと、わりと国士的な人が多く、ものづくりが衰退すれば日本は滅んでしまう、とか、自分の業界ががんばらないといけない、みたいな使命感が強いような気がします。
 そのせいもあってか、製造業の経営者はわりと団結している側面があるように感じますが、商業やサービス業の経営者は、業種業態の多様性もあるのでしょうが、業界が一つにまとまっている感じが弱いような気がします。(あくまで個人的な感想ですが。)

 これがもしも消費者クレームの実態や、対処法の情報共有化を妨げている要因であるとすれば、売り手企業側のプラットフォームのようなものがあってもいいように思うのですが。

2011年1月15日土曜日

20年前の情報公開論争を思い出す「マスコミVSネットメディア」

 今日、夕食の準備をしながらTBS系列のテレビ番組「報道特集」をチラ見していたら、今流行のネット中継問題の是非、のようなテーマを取り上げていました。

 渦中にある民主党の小沢一郎氏はマスコミの取材を受けない政治家として有名らしいのですが、過日、インターネット放送局の生中継番組に出演し、大いに持論を展開した、ということがニュースになっていました。
 最近では菅首相もインターネット中継で長時間にわたってインタビューに応じたり、広島市の現市長が再選を断念するに当たり、引退の表明をマスコミの取材を通さずネットの動画配信を使って行ったことなども大きく報じられています。

 これらに共通しているのは、一言で言えば「マスコミ不信」ということではないでしょうか。
 小沢さん、菅首相ともに、連日のように一挙手一投足がマスコミに報じられ、しかも多くは批判的な報道ですし、何よりも、本人の実際の発言をダイジェストした報道であり、また本人ではなく側近や関係者からの伝聞報道であったりして、マスコミのフィルターを経由すると自分の真意が国民に正確に伝わらない、という思いが非常に大きいように見受けられます。

 「報道特集」の取材を受けていたネット配信の関係者もその点を指摘し、「新聞社やテレビ局のようなマスコミは記者クラブ制度などで情報源を排他的に独占しており、しかも読者や視聴者といった受け手に届く報道は「新聞記事」や「テレビ番組」といった形に切り取られ、編集され、再構成されているので、受け手は情報源の生の情報を聞くことができない。ネット配信は政治家へのインタビューをノーカットで完全生中継するので、受け手はマスコミのバイアスを通さない生の声を聞くことができる。」みたいな趣旨のことを話していました。
 また、内閣の報道部門の審議官(確かこの人は、TBSの放送記者出身)も、既存のマスコミの限界を指摘して、政府と国民をダイレクトにつなぐネットメディアを、政府としてもこれからますます重視していきたい、といった内容のことをコメントしていました。

 はんわしが思うに、これは、意識がある国民の一般的な声を代弁していると思います。
 つまり、マスコミ不信は心ある国民の臨界点に達しており、アナログ停波とか、販売不振に苦しむ新聞社の再編などといった今そこにある危機をきっかけに、一気に事態が急変する可能性があるのではないかということです。

 マスコミは記者クラブ制度という民民規制によって、事実上アウトサイダーのメディアによる取材を排除しています。また、官庁や大企業、団体などから記者クラブを通じて情報をもらうのが当然だと考えており(少なくとも、そう考えているように見える記者が多く)、記者に提供していない情報が外部に出てしまうと、ジャーナリズム軽視だとか、ひどい場合は「情報隠し」だなどと批判されます。
 しかも、アウトプットである記事や番組は記者や編集者の主観や価値観から逃れることができないので、マスコミが描くストーリーに無理やりミスリードされてしまうことも多々あるようです。(どこかの検察官みたいですが。)
 また、事実として放送局については免許事業であり、その地域の放送事業は許認可を受けたテレビ局、ラジオ局が独占しています。広告収入などの利権は莫大なものがあります。

 そのような「うさんくさい」ジャーナリズムの価値判断を通すより、意識も知識もマスコミと遜色ない一般国民と、それを代弁する自由なメディアが台頭してくることは避けられないし、出演する側(政治家)も、選択権を行使するようになってくることは当然のような気がします。

 笑えたのは、「報道特集」のキャスターが、「いくらマスコミは会見内容を勝手に編集するからといって、会見を一部始終ダラダラと(ネットメディアのように)全部流していたら、受け手はどれが真実か見抜けないし、労力もかかって、結局は国民全体のメリットにならない。やはり専門家であるジャーナリストが仕切らなくてはいけない」みたいなことを真面目に言っていたことです。この「上から目線」は一種の職業病なのでしょう。

 ちょうど20年位前、三重県を始め、全国の地方公共団体で「情報公開請求」にまつわる問題が頻発していました。市民オンブズマンと称する人々が情報公開条例を使って地方自治体の経理や職員出張などを公開請求し、いわゆる「カラ出張」とか「裏ガネ」などの不祥事が次々明るみにでました。
 それまでは住民が情報公開請求し、直接に生の内部情報を入手することは、自治体職員の専門性や守秘義務を否定することだ、といったようなネガティブな見解も一定根強かったものが、その不祥事を機に完全にひっくり返って、素人である住民(しかし、意識、見識ともに高い)が加工前の第一次情報を知ることの重要さが再認識されました。
 今のマスコミのおごりが、その時の地方公共団体のおごりと重なって見えるのでした。

2011年1月14日金曜日

「江姫ゆかりの地」周遊バス

 このブログにも、江姫(ごうひめ)とか、ゴーちゃんというキーワード検索でのぞいてくれる人が急増しています。

 NHK大河ドラマにあやかった商法は、もうこの20年近くの間全国のロケ地で展開されているのでいささか食傷気味ではありますが、何しろ三重県が、しかも津市が舞台になったことなど過去にもほとんどないので、発情しない県庁所在地 津市ではありますが、それなりにホットな話題になっています。

 問題なのは、江姫が幼少期にいたという伊勢上野城が案外目立たないところにあるということです。自力で行くには入念に下調べが(特に道路アクセス)が必要です。

 お手軽に行きたい、しかも、ついでに津市の観光もしたい、という向きには、観光バスの利用がいいかもしれません。

 株式会社観光販売システムズ(はんわしの記憶が正しければ、三重県のB級観光地とか、A級の観光地でもややサイドストーリー的な穴場を紹介するツアー専門の、三重県などの行政も深く関わっている観光会社)が催行している「江姫ゆかりの地周遊バス」がおすすめのようです。
1 運行期間
    平成23年1月9日(日)から平成23年3月31日(木)まで毎日運行(予約制、1名から出発保証)
2 乗車料金
    大人 1,000円  小学生 500円  幼児無料
3 運行行程
     鳥羽(鳥羽駅)→伊勢(宇治山田駅)→津駅→伊勢上野城跡→
     高田本山専修寺→津城跡→四天王寺→津駅→伊勢(宇治山田駅)
     →鳥羽(鳥羽駅)
     ※鳥羽、伊勢、津どちらからでも乗降車可能

 くわしくは、観光販売システムズのHPであるみえ観光ウェブをご覧ください。

2011年1月13日木曜日

伊達直人現象にJAPAN COOLを見る

 あしたのジョーの実写版映画が近日公開されるようですが、この漫画の原作者である高森朝雄なる人物が、実は梶原一騎氏であったと知ったときは、子どもごころに何だか「なるほど」と妙に納得したものです。(事情があって、この時期は別のペンネームを使っていたようです。)

 今世間を賑わせている伊達直人。
 この原作であるタイガーマスクももちろん原作者は梶原一騎氏です。

 とにかく、スポ根もの(スポーツ根性もの、の略でしょうか)の総本家家元みたいな人で、奇想天外なストーリーと、合理性を超越した精神性というか、ど根性を前面に出す熱いストーリーは、確かに1970年代という時代にマッチしていたのだと思います。

 そのマンガの読者や、アニメをテレビで見ていた世代、さらにそのチルドレン、さらにさらにグランドチルドレンが各地で善行を展開しています。

 善行とはいえ、その匿名性は日本人特有のナイーブさだと思いますし、マスコミに報道されると全国で一気に大ブームになるのも日本社会特有の熱しやすさだと思いますが、いずれにしろマンガ文化、アニメ文化が完全に咀嚼され消化されて、血になり肉になっていることの表れではないでしょうか。

 この伊達直人現象こそ、まさしくクールジャパンの真骨頂のように思えますが、外国人にはどう映るのだろう?(外国の目を気にするのも日本人の特性かもしれませんが。はからずも。)

 What do you think about the TigerMask phenomenon?


2011年1月12日水曜日

自動車産業にみる中小企業のパラダイムシフト



 社団法人中小企業研究センターが、昨年12月に公表した調査研究レポート「自動車産業にみる中小企業のパラダイムシフト」がなかなか面白かったので、自分の備忘録も兼ねて書かせてもらいます。

 自動車産業が日本を代表する産業であって、1980年代以降の日本経済を引っ張る重要な役割を果たしてきたことに疑いの余地はありません。
 数万点ともいわれる部品を組み合わせて完成する自動車は典型的な「すりあわせ型」の製品であって、加工、組み立てといった実際の作業を支える品質管理システム(カンバン方式、カイゼン、TQM、さらにはFAなど)とあわせて、日本製造業の独壇場だったと言えます。
 しかしながら、高級車部門ではドイツやイタリアにはついにかなわず、最も強みを発揮してきた大衆車部門でも、日本の消費市場の成熟化によって販売台数が減少しているほか、主流だったガソリンエンジンやディーゼル車から、ハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)への大きなパラダイムシフトが起こってます。

 書店をのぞくと、クルマと自動車産業の未来を占うような書籍がたくさん並んでおり、これからは電気自動車が主流になるという本もあれば、いや、技術的に完成しているガソリン車がこれからも王道なのだ、という本もあり、百家争鳴、どれが本流となるかの熾烈なシェア争いを、そのまま反映しているようなかまびすしさです。

 さて、この「自動車産業にみる中小企業のパラダイムシフト」ですが、既存の統計データや文献を使った、国内と世界(先進国・新興国)市場の動向や、HV、EVが入り乱れる次世代自動車等の技術動向についての分析が第一部。次に、大学教授などの有識者と、自動車産業(メーカー、サプライヤー)の経営者から聞き取ったインタビューが第二部です。

 圧倒的に面白いのは第二部のインタビューのほうなのですが、残念ながらネットで無料公開されているダイジェストには掲載されていないので、関心がある方は購入するか、図書館かどこかでご覧になることをオススメします。

 ■自動車産業にみる中小企業のパラダイムシフト(ダイジェスト) リンクはこちら

 要するに、有識者も経営者も、国内、海外の市場がどうなるのか、次世代の本命はHVか、EVか、それともやはりエンジン車か、まさかの燃料電池車か、そして、数万点の部品作りと組み立てを支えていた下請け中小企業はこれからどう生き残っていけばいいのか、について明確な合意、定説はないということです。

 このレポートの結論にあるように、
 EVは設計の自由度が大きく、その他の電気製品との整合性も高いことから、自動車の概念を打ち砕く可能性もある。次世代自動車の技術が進展して新たなパラダイムを迎えるにあたり、改めて自動車の概念を自由な発想で捉えることで、大きなビジネスチャンスが生まれる可能性もあるだろう。
 として、
 (中小企業にとっては)新たな市場に対して、積極的にチャレンジしていく姿勢が重要であることも指摘したい。
 ということが、最大公約数的な現状認識なのでしょう。
 常識的に考えて、この現状を政府が「成長戦略」で明確化したり、特定の方向に進化させていくことなど非常に困難でしょうし、全く新しいイノベーションはこのようなカオスの中から突然変異的に現れるものなのでしょう。そのサインを見落としたくないものです。

 

2011年1月11日火曜日

東紀州魅力発信地域留学



 東紀州(三重県南部の、尾鷲市、熊野市、紀北町、御浜町、紀宝町の2市3町からなる地域)に大学生を招き、2泊3日の合宿を通じて地域で頑張る若手経営者の現場を見学し、地域の特産品販売などのアイデアを出してもらう、「東紀州魅力発信地域留学」が1月8日~10日の日程で開催されたようです。(写真は、1月11日付け中日新聞三重版の記事です。)


 三重県の人口は約180万人。そのうち、東紀州の人口は全体でも8万人ほどにしか過ぎません。豊かな自然環境は、農林水産業が主役だった時代には大きな繁栄をこの地域にもたらしましたが、産業構造や社会構造が変わって、若者の多くが高校を終えると進学や就職でふるさとを離れるようになってしまい、現在は典型的な過疎・高齢化が進む地域となっています。

 もちろん、地域住民も手をこまねいていたわけではありません。世界遺産に指定された熊野古道のような素晴らしい地域の資源があります。木材や水産物、みかんのような農産物にも恵まれています。これらを商品化して売り出す努力も営々と続けられてきました。

 しかし、問題なのは、このブログでも何度も書いているように、素晴らしい景観、素晴らしい農林水産物、というだけでは差別化要因が弱く、ハッキリ言って日本全国どこでもいいところはたくさんあるし、おいしい食べ物もいっぱいあって、熾烈な産地間競争を繰り広げている中で、今のままの東紀州のビジネスモデルでは勝ち残っていくことが難しいということです。

 必要になるのは、新しい販路の開拓、新しい商品やサービスの開発、ビジネスモデルの創造といった地域イノベーションです。イノベーションとは技術革新だけではなく、サービスとか、アイデアとか、ニーズのようなソフト面も含めた要素を組み合わせたものです。どのように組み合わせるかによって、技術自体はローテクでも、全く新しいビジネスや産業を生み出すことができるのです。

 このためには知識とか経験だけが有用なのではなく、ある種のひらめきとか、それをもたらすようなものの見方、情報収集・分析といった「センス」というか、「感性」のようなものが重要です。
 しかし、残念ながら、地域で生まれ育って地域の常識に染まっていると、このような感性はなかなか持ちえません。そこで、地域の人々のヤル気に火を着け、創発を起こすような外部の若者が活躍できる余地が生まれてきます。
 若者の目で、あるいはよそ者の目で地域を見れば、気づかなかったセールスポイントが見つかるかもしれません。イノベーションのきっかけが生まれるかもしれません。
 都市部なら、大学も多く、そもそも若者も多いので、市場原理によってこのような循環は自然発生が可能ですが、田舎ではある程度人為的にスパークを起こす必要があります。

 この三日間の合宿で提案された企画は、さらにブラッシュアップされ、3月には名古屋市の藤が丘中央商店街に東紀州観光まちづくり公社が出店しているアンテナショップで実施される予定とのことです。
 はんわしは残念ながら地域留学には参加できなかったのですが、学生たちの(おそらく)不眠不休の三日間で生まれたアイデアが、東紀州の生産者と名古屋の消費者を結びつけることができるか、大いに期待したいと思います。

2011年1月10日月曜日

鳥羽金刀比羅宮で発見!

 鳥羽金刀比羅宮(ことひらぐう)へ初詣に行きました。
 はんわしのような地元民には「こんぴらさん」の愛称で親しまれている神社です。


 ここは香川県の琴平にある有名な金刀比羅宮の分社で、鳥羽市の中心市街地を眼下に望む、樋ノ山(ひのやま)と呼ばれる山の中腹にあります。
 JR・近鉄鳥羽駅から徒歩30~40分ほど。軽いハイキング感覚で行くことができます。タクシーなら10分くらいです。

 ■讃岐金刀比羅宮鳥羽分社鳥羽市ホームページへ)

 神社の境内からは、伊勢湾口に点在する島々や、渥美半島、知多半島までが展望できます。
 観光船や離島を結ぶ巡行船、漁船、沖を行く巨大なタンカーや貨物船など、さまざまな船が行き来するのも眺められ、まさに絶景。海の神である金比羅さん(大物主神(おおものぬしのかみ))が鎮座されるのにふさわしい場所のような気がします。


 驚いたのは、拝殿にミッフィーの巨大なポスターが貼られ、「世界初のミッフィー絵馬」なるものがPRされていたことです。


 ミッフィーとは、どうも本家琴平の金刀比羅宮がタイアップしているようですが、たぶん絵馬って日本独自の風習でしょうから、日本初のミッフィー絵馬とは、すなわち自動的に世界初ということになると思うのですが。
 実際に参詣者には好評のようで、鳥羽金比羅社の絵馬掛にもたくさんのミッフィー絵馬がかかっていました。
 まあ、今年はウサギ年だし、タイアップしたのは慧眼かもしれません。神社仏閣も参詣者獲得競争は厳しいようです。

2011年1月9日日曜日

「途上国化する日本」を読んでみましたが

 なんだかおどろおどろしい書名にひかれたのと、わしが尊敬している、ある経営者もこの本を絶賛していたので読んでみました。(「途上国化する日本」 戸堂康之著 日経プレミアシリーズ)
 書評というほどではありませんが、ちょっと感想を。

 この本の要旨は明快です。

・国際社会における日本の経済的プレゼンスは低下しており、このまま経済が縮小すると国民一人当たりのGDPは発展途上国並に落ちてしまう。これは大変だ。

・日本産業は輸出依存型だといわれるが、GDPにおける輸出の割合は十数パーセントに過ぎず、先進諸国の中では、むしろ輸出への依存が低い国である。


・日本経済の進むべき方向は内需の拡大ではなく、グローバル化を進めることである。すなわち、輸出拡大、海外資本受け入れ、外国人労働者の積極的受け入れを行うことである。

・経済成長は広義の「技術進歩」(はんわし注:イノベーションと同義)が支えている。技術進歩の基礎となる研究開発には国がもっと支援して、日本の技術が世界をリードし続けなくてはならない。

・グローバル化は国内産業の空洞化を招くと誤解されるが、海外市場に進出している企業は生産性が高く、国内の雇用も長期的には低下しない。


・日本国内には高い生産性を持ちながら海外に展開していない企業(著者の言う臥龍企業)、特に中小企業がたくさんある。これらの海外展開支援など経済グローバル化を国是として促進すべきである。
 ごくごく簡単にはしょると、上記のようになると思います。

 ただし、このような主張は特に目新しいものではありません。
 中小企業白書2008年版も中小企業の海外展開について特集していて、企業の海外進出度と生産性は相関関係があるとか、海外に生産拠点を移したとしても研究開発部門や事務部門の業務が拡大するのでトータルでは雇用は増加している、などの分析があったと思います。
 たしかに、中小企業の生き残り策の重要なものの一つは、間違いなく海外展開でしょう。

 しかし、一読して感じた印象は、著者は議論を単純化しすぎているのではないかということです。
 たとえば、日本では輸出が不振になると必ず「輸出立国は終わった。これからは内需拡大だと叫ばれるがこれはおかしい。」・・・などといった前提で話を進めるのですが、外需と内需は対立するものではなく、輸出の拡大が内需の拡大のきっかけ(種火)になることは脇田成氏が「ナビゲート!日本経済」(ちくま新書)などで明らかにしており、外需と内需は密接に関連しています。
 多くの雇用を抱える内需型産業への着火がなかったから、2000年代後半は実感なき景気回復などと言われたのです。

 「投資による成長は長続きしないが、技術進歩による成長は長続きする。」という主張もよくわかりません。資本投下だけがあって、イノベーションが伴わない市場など、貿易が自由化されている現代社会において実在するのでしょうか?
 また、「生産性の低さによって本来なら退出(倒産、廃業)していなければいけない企業を延命させている。」とか、「政府がこれから成長する産業などわかるはずがないので、ターゲット的な成長戦略は無意味。」などと政府の経済政策を限定的に考えているにもかかわらず、「市場原理ではインセンティブが働かないので研究開発は行政が支援すべきだ。」とか、「日本の研究開発予算は世界的に見て少なくはないが、技術革新につながるものが少ないのは研究効率が悪いから。」など、よくわからない論旨が続き、話についていくのが難しくなります。

 はんわしが思うのは、著者も言うように、政府の経済政策や産業政策は市場の自主性に従い、競争環境の整備やインフラ整備などに限定すべきで、企業が海外に行くか、国内にとどまるかは、企業が自分の責任において、経営戦略の中で決めればいいことだということです。
 中小企業は経営資源が限られているので、経営戦略の策定などに政府が一定の支援をするのは認められると思いますが、要は企業自身の経営戦略が大前提なのは当然です。

 そもそも、日本が「途上国化」するのは本当に悪いことでしょうか?
 著者がここまで落ちぶれてしまってはいけない、と実名を出すアルゼンチンやマレーシアも、考えようによっては自殺者が年間3万人もいる日本と比べてはるかに幸せなのではないでしょうか。
 現代の日本が抱える問題は、どのように経済成長するかではなく、いったい何のために、誰のために経済成長しなくてはいけないのか、ということなのです。

2011年1月8日土曜日

子どもの落書きをアートにする「KODOMO らくが~と」

 何で知ったのか、そのきっかけを忘れてしまったのですが、ちょっと面白いと感じたビジネスでしたのでご紹介します。

 時々、子どもは天才ではないか、などと思うのは、おそらく何の意図もなく描きなぐった落書きのような絵の描写とか、構図とか、色使いを見た時です。大人のそれとは全く違う、邪心がないというか、良く見せようという意図がない素直な絵には、けっこう感動させられてしまうことがあります。

 子どもが描いた両親やおじいさんやおばあさんの似顔絵は最高の記念になるし、実際に、長く保存しておられる方も多いことでしょう。

 そのような子どもの絵(落書き)をベースに、プロのグラフィックデザイナーがその絵の良さを引き出すようにリメイクするのが、四日市に本社がある(株)サンメックが提供している「KODOMOらくが~と」というサービスです。

 少子化が進むと、これから子どもをターゲットとした市場は縮小してくるわけですが、親やじいちゃん、ばあちゃんが子ども一人当たりに使うおカネはそれほど急激には縮小しないので、高付加価値なサービス、特にモノでなく、モノガタリにまつわるサービスは伸びていく可能性があります。

 KODOMOらくが~ともそのような面白いビジネスモデルであり、商品であるような気がします。
 ■KODOMOらくが~と http://rakugart.com/

 今必要なのは、技術シーズやビジネスモデルを、消費者のニーズに結びつけた、「新結合」としてのイノベーションです。
 実は、そのようなイノベーションをベースにした新しいビジネス展開については、行政、民間を問わずさまざまなサポートがあったりします。

 先日、財団法人三重県産業支援センターが採択案件を公表した、みえベンチャースタートアップ補助金などの制度もそうですし、民間企業が行っている支援では、菰野町のスタジオジークが行っているような、インターネットを使ったビジネスモデルの募集などもそうかと思います。


 また、教育機関では、皇學館大学が実施するビジネスプランコンテストなども登竜門(?)なのかもしれません。

 地道ではありますが、これらのような官民学の支援が相乗効果を高め、三重県内で起業家が活躍できるフィールドが広がればいいと思います。

 

2011年1月7日金曜日

発情しない街の百貨店

 今日の夜は、津の大門に行っていました。
 津市の住民以外の99%の方はご存じないと思いますが、大門は津市きっての繁華街で、商店街や飲食店が密集しているところです。いや、正確には「でした」というほうがいいのかもしれません。ご他聞に漏れず津市でも商店街はシャッター街となり、一本奥の路地に入るとほとんど人通りもありません。

 その、ピークを超えた中心市街地に、津市で唯一のデパート津松菱はあります。客観的に見て、相当に不利な立地であると思われるのですが、新年早々、地元紙で報じられていたような、
・初売りの売り上げが前年実績に比べ5%増加した1月7日付け中部経済新聞
とか、
・津松菱の1月2日の新春の初売りでは、数量限定のブランド福袋などを求めて開店前から約千人(同店発表)が列をつくった。1月3日付け伊勢新聞
なんてなニュースがにわかには信じられなかったので、松菱創業55周年 大江戸老舗まつりが開催されているというこの機会に、その賑わいを確かめてみようと思ったのです。

 しかし、この日の松菱は普段どおりの、落ち着いた=とても県庁所在地とは思えない、ゆとりのある状態でした。
 大江戸老舗まつりは、東京の名店20あまりが一堂に会する催事でしたが、スタッフさんのほうがお客よりも多い状態でした。
 金曜の夜、これからガンガン売ってやろうと意気込んでいたスタッフさんたちには、これほど静かな松菱の催事場が拍子抜けだったに違いありません。

 ここで、松菱とか、東京の名店ををけなそうというのでは決してありません。

 イオン創始者である岡田卓也氏が、四日市にあった岡田屋呉服店の二号店を津市に出店したとき、あまりに上品で淡白な津のお客さんになかば驚き、なかば呆れて、「いかにも城下町のお客さんらしく、新参の店では商品を眺めるだけでなかなか買ってくれなかったが、良い物だとわかると少々値が張っても買ってくれた」というような述懐をしていたと思います。このように、まさに津は発情しない街であって、松菱でもそういった津の気風を再認識した、ということが書きたかったのです。

 逆に考えると、これほど醒めたお客を相手に、急成長は決してしないが、潰れもせず、長期にわたって安定飛行を続けている(*)というのは、実は、少子化高齢化が進み、人口も減少していく将来の日本の消費者市場を先取りしているのではないか、とふと思ったからです。

 三重県はさまざまな指標が47都道府県のうち23位か24位という平均的なニッポンです。
 津市もおそらく三重県内29市町の平均的な街だと思います。
 ここで細く長く商売できるのは、ある意味で、日本中、いや、世界でも戦える日本型の小売業として一定の強みを持っていることなのではないでしょうか。

*津松菱は一時経営が低迷し、平成15年11月に産業活力再生法による事業再構築計画の認定を受け、産業再生機構の支援によって経営を立て直した経緯があります。

2011年1月6日木曜日

換骨奪胎は日本製造業のお家芸ですが・・・



 最近トシのせいか、暗い場所では細かい文字が見えにくくなってきました。(悲しいことですが・・・)
 だからこそ、電子書籍端末には期待している部分があるのですが、今日、アメリカで開催されている世界最大の家電見本市「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」のニュースを見て、ちょっと複雑な気分になりました。

 日経新聞朝日新聞(アサヒコム)によると、世界中の電機メーカーがタブレット端末(iPadに代表される、週刊誌から新書版くらいの大きさの液晶端末)やインターネットテレビ(ネットに接続し、youtubeのような動画サイトが見られるテレビ)にこぞって参入するとのことで、韓国のLGや台湾のアスースなどと並んで、パナソニックも「ビエラ・タブレット」なる試作機を展示するとのこと。
 シャープはすでに「ガラパゴス」というタブレット端末を日本国内で発売していますが、新たにアメリカ国内でも米国仕様のガラパゴスを発売するということです。

 日本はものづくり立国などを呼ばれ、確かに優れた製品製造技術を持っています。電機・ICT機器部門では、日本に韓国と台湾も参入し、三つどもえの戦いになっているわけですが、それにしても、CESのニュースを見ていると、しょせん日韓台は「コピー商品」のものづくり技術に過ぎないのではないかと思わざるをえません。

 タブレット端末も、インターネットテレビも、アイデアはアメリカで生まれ、商品化もアメリカで始まりました。
 当初はタブレット端末を「中途半端な商品」と見下していた?日本メーカーも、パソコン市場がもはやノートパソコンからタブレットに移行しつつあることが明らかになると、あわててiPadを「換骨奪胎」し、ソックリ商品を作り上げます。そして、メイドインジャパンやメイドインコリアのソックリ商品のほうが本家より価格も安く、たぶん性能もいいのです。

 しかし、これは追随にしかすぎません。イノベーションでは(少なくとも破壊的イノベーションでは)決してないのです。
 斬新な商品をゼロから作り上げることはできないけれど、ソックリに真似することにはたけている。このことも「ものづくり」の能力が高いことに違いはないでしょうが、なんだか寂しいものを感じます。

 電子書籍もそうです。初めてキンドルが出た時は、やれ活字文化を壊すだの、アメリカ資本による文化の独占だの、本には本の良さがあるだの評判は散々でした。しかし、電子書籍は単に紙の本に取って代わるものではなく、新しい出版文化を創造し、市場を切り開く可能性のある製品であることは、もはや誰の目にも明らかになっています。
(電子書籍は一時、日本のほうがアメリカをリードしていた時期もあるのに、結局ビジネスにならず衰退しかけた頃、一気に主役がアメリカに交代した印象さえあります。)

 振り返れば、日本のものづくりは何につけ営々とこのパターンでした。コピー商品か、下請け。
 ごくまれにウォークマンのような大ヒットは生まれますが、ハード先行で、異常にハイスペックにこだわる日本製品は、そのジャンルが世界的にヒットし、市場そのものが大きくなる頃には韓国や台湾製品にシェアを奪われる、というパターンでした。
 タブレット端末も、その先祖返りということなのでしょう。

 話は飛びますが、その昔、「ゆとり教育」の必要性が叫ばれ、それが実際に導入されたのも、高度成長期の大量生産型産業に順応した労働者育成のための画一教育でなく、創造性を発揮し、自分で考え行動できる人材を育てるためだったと記憶します。
 今では、ゆとり教育は全否定され、その教育を受けたこどもたちまでもが「ゆとり世代」と揶揄されています。
 しかし、これは真逆なのではないでしょうか。
 iPadのような、クリエイティブな商品を日本発のオリジナルとするためにこそ、固定観念にとらわれない自由な発想と柔軟なアイデアが必要です。ゆとり教育の全否定で、それはますます遠のいてしまったのではないでしょうか。

2011年1月5日水曜日

やっとこさ「おにぎりせんべいソース味」を食べてみた



 伊勢ではかつて、おにぎりせんべいは赤福餅の売れ残りのうち、餅の部分を再利用して作っている、という噂がまことしやかに語られていました。はんわしが子供の頃は、ほうぼうで実によくこの話を聞いたものです。

 これは、おにぎりせんべいの製造元である株式会社マスヤが、もともとは赤福グループの関連会社として設立された沿革に由来するようです。

 が、食品の専門家に聞いたところによると、せんべいの原料はうるち米で、もちとは種類が異なっているので、赤福餅の再利用をしていることなどあり得ない、と断言していましたから、結果的にこれは都市伝説だったようですが。
(ただし、ウィキペディアにもあるように平成19年10月、赤福による一連の製造日付け偽装問題で、赤福餅のアンコを再利用していたことが発覚した事件はありましたが。)


 さてそのマスヤから、ソース味のおにぎりせんべいがリリースされた、というニュースを3ヶ月くらい前から聞いていたのですが、なぜかマスヤのお膝元とも言える伊勢市内の食品スーパーではなかなか見つけることができず、今日の夜、たまたま買い物に入ったスーパーでやっと見つけることができました。

 ノーマルなしょうゆ味のおにぎりせんべいは、緑とオレンジ色のストライブが特徴的なパッケージですが、ソース味のほうはエンジ色と金色のストライプという風貌です。オタフクソース使用と大きく書かれており、ソースの本場、広島のメーカー品を使うことで差別化をアピールしているようです。


 味のほうは、これはもう、おにぎりせんべいが甘辛いソース味になったという、そのまんま、素直な感想です。
 サクサクした食感と、コッテリしたソースがよくあいます。アオサ(青のり)と紅しょうがの粉末もトッピングされているので、この点、お好み焼きを彷彿とさせます。
 伊勢市内のスーパーではひと袋138円でした。皆さまもぜひ一度ご賞味ください。

 これも聞いた話ですが、おにぎりせんべいは全国で販売しているものの、売れ行きは西高東低で、東日本ではそれほど人気が高くないようです。その人の説では、関東は草加せんべいのような、しっかりした歯ごたえで醤油っからいものに人気が高いとのことで、その意味では伊勢地方のある三重県は、味覚の点では関西圏に近いのかもしれません。

 もう一つ、実は、おやつカンパニーのベビースターラーメンも三重県で生産されており、お菓子界の二大双璧を成していますが、これも西高東低なのでしょうか?

2011年1月4日火曜日

何でこんなものが特許になるのか?



 外国人が驚く日本の風習の一つが、ご祝儀、お年玉、出産祝い、などのように現金をやり取りすることだそうです。
 共助の精神と、ある程度は本音としての現金の使い勝手の良さとが相まって、このような習慣ができたのだとは思いますが。

 一方で、その外国人はどうかというと、プレゼント、ギフトといったモノのやりとりが一般的なようです。
 確かに海外の通販カタログやサイトを見ると、クリスマスシーズンの盛り上がり方は尋常ではありません。
 この時とばかりに、日ごろの交友関係や愛情、友情をプレゼントといったモノで換算するのでしょう。モノをくれる人が少なかったり、量が少ない人は、きっと肩身の狭い思いをしているに違いありません。

 それにしても心配になるのは、プレゼントをもらっても、それが果たしてもらう側にとって気に入るものなのか、ということです。
 趣味とか、色合いとか、好みもさまざまでしょうから、善意で送られたとしても、それが不要な、いらないものだったら、かえって気まずくならないか・・・なんてことが気にかかります。


 実際、日本でも、お祝い返しはおカネでなくモノでもらいケースが多いのですが、それとて最近はカタログギフトが主流で、もらう方が(送られる方が)選択に主導権を持つケースが多くなっているようです。このあたりは日本的なナイーブさなのかもしれませんが。

 さて、ネット通販大手のアマゾンが「気に入らないプレゼントは受け取らないか、別のものに変えてもらうことができる」というサービスを始めることになったようです。
 朝日新聞によれば、「米国では、オンラインで注文された贈り物の3割が返品される」とのことであり、アメリカでも気に入らないプレゼントを送られて困っている、あるいは送って欲しくもない人から送られて困っている、という人が多数にのぼるようです。

 驚くのは、この返品システム、すなわち
1 アマゾンのサービス利用者が、たとえば「特定の人からの品」「50ドル以上」など、受け取るかどうかを通知して欲しい贈り物の条件をあらかじめ登録しておく。
2 アマゾンは、条件にあった贈り物の発注があると、発送前に利用者あてに、注文を受けた贈り物の注文者や中身などを電子メールで通知し、そのまま受け取るか尋ねる。
3 利用者は希望によって、受け取らずに返品したり、同額の別の品物に交換したり、商品券を受け取って実質的に返品したりできる。
 というシステムが、アメリカ特許商標庁において特許として認められた、ということです。

 アマゾンには、有名なワンクリック特許というものがあります。
 アマゾンで本を買うとわかりますが、いったん、利用者が自分の名前や住所、クレジットカードなどを登録すると、そのデータがアマゾンのコンピュータに記憶され、次回からの注文は、わざわざ住所や名前を入力し直さなくてもワンクリックで決済ができる、というものです。
 このような特許はビジネスモデル特許と言われ、日本における一般的な特許の定義、つまり「自然法則を利用した技術的思想の創作」とはあまりにも次元が異なるものなので、日本国内ではさまざまな論争を巻き起こしました。
 単に「儲かるアイデア」、「ビジネスの仕組み」を考えついたにすぎず、これを発明として、排他独占的な使用権を認める特許として扱うべきかどうかが疑わしいからです。

 今回のアマゾンの返品システムも、これって本当に特許なのだろうか、と少なからず疑問に思うのですが・・・・
 前述の朝日新聞の記事では、このニュースを報じた米紙ワシントン・ポストには、返品できることへの賛成意見とともに、「もともと贈り物はサプライズであるはず。とんでもない」「相手が欲しいものがわからないなら、(そもそも贈り物などをせず)チャリティーに寄付をすべきだ」「できることと、すべきことは違う」といった反対意見も掲載されているとのことです。
 そりゃそうかもしれない。

2011年1月3日月曜日

スーパーで売られている蘇民将来の表札



 あけましておめでとうございます。
 今年のお正月は暦のまわりで、本当に6日間しかお休みがなく、何だかソンしたような気分になっている方も(はんわしをはじめ)多いのではないかと思います。

 伊勢市は伊勢神宮のお膝元ということで、生活習慣や食文化に独特のものがあります。
 「伊勢うどん」は好き嫌いがハッキリ分かれるメニューですが、讃岐うどんの対極のポジションにある、コシのない、ふにゃりとした食感と、たまり醤油をかけただけの手軽さは、江戸時代にすでに年間数百万人も押し寄せていた参宮客にすぐ提供できるファストフードとしての意味があったはずです。
 今では讃岐風のうどんにかなり侵食されてきましたが、スーパーではふつうに茹でた袋詰めの伊勢うどんを、ひとつ80円くらいで売っています。伊勢うどんのたれも普通に売っています。
 ほかにもサメの干物(なぜか「さめのたれ」と呼ばれます)とか、お茶漬けあられとか。

 そんな伊勢の風俗で、これも有名なものはしめなわです。
 普通はお正月の松の内が終わると取り外してしまいますが、伊勢の旧市街地(内宮を中心に発達した神職の町「宇治」と、外宮を中心とした商業の町「山田」。総称して宇治山田と呼ばれます。)や、その外縁地域である度会地域、志摩地域では、しめなわは軒先に年中飾り続けておくのが一般的です。
 
 しめなわには何パターンかのバリエーションがありますが、一番多いものは「蘇民将来子孫之家也」(そみんしょうらいしそんのいえなり)などと書いてあるお札が付いているものです。
 ちなみに蘇民将来とは人名で、むかしむかーし、牛頭天王(ごずてんのう)という神様が薄汚れた貧しい身なりで旅をしていた時に、人々が神様とは気づかずに冷たく応対するばかりだったところ、ひとり蘇民将来だけが親切に対応してあげたそうです。
 それに感激した牛頭天王は、自分が神様であることを告げ、親切にしてくれたお礼に、蘇民将来とその子孫は将来にわたって疫病から守ってあげようと約束しました。

 そのような言い伝えから、伊勢志摩では一年中、ウチは蘇民将来の子孫の家ですよ、と書いたしめなわを一年中飾るようになったという、そんなような話だったと思います。

 くわしくは、「ふるさとの届けもの~伝えたい三重のおはなし~」をご覧ください。リンクはこちら

 このように心温まる蘇民将来伝説ですが、伊勢では(たぶん鳥羽や志摩でも)これもスーパーで売っています。


 値段は250円から400円のようですから、これで疫病が防げたら安いものではないでしょうか。
 ただ、日本もかつてに比べて医療保健環境が向上し、赤痢や結核といった感染症よりも、ガン、高血圧、脳血管障害といった疾病が深刻ですので、これまで牛頭天王が守ってくれるのかどうかは不明ですが。

 ともあれ、健康が一番だというのは年齢のせいかはんわしも近ごろ強く意識しています。
 今年も健康に留意して、ぼちぼちやっていこうと思っております。