2011年9月30日金曜日

志ある若手公務員の「政策オーディション」始まる

 東京プレスクラブによると、志を持ち、政策のアイディアも持っている若手公務員たちと政策のアイディアを発掘し、優れた政策提案の実現を後押しすることを目的とした「政策オーディション(仮称)」なるものの公募が始まっています。

 同記事から転載すると、このオーディションの内容は以下の通りです。

(1)志ある若手公務員の政策提案を募集します
●募集対象: 志ある若手公務員(国・地方を問わず)で、個人として、実名を出して具体的な政策提案をできる者
●応募方法: プレゼンテーション資料(パワーポイント10枚以内、またはワードなどの形式の企画書5枚以内)を提出
●書面審査: 東京プレスクラブ事務局にて受け付け、書面審査委員による審査を通過した応募者には、(2)に進んでいただきます。

(2)公開プレゼンテーションの場で、政策提案を練り上げます
<公開プレゼンテーションのイメージ>
●書面審査通過者ごとに、セッション30分:
①冒頭6分間プレゼン、②残り時間で審査委員との質疑
●審査委員: 与野党国会議員、メディア関係者、政策分野の専門家
  (固定ではなく、開催日ごとに、計5~6名人選)
●開催: 月2~4回開催(1回の開催日につき2~4セッション実施)
●プレゼンテーションは、動画及びテキストにて、インターネット上で公開
●優劣判定のための審査ではなく、討議を通じて政策提案をさらに練り上げ、優れた政策提案の実現につなげていくことを主眼とします。

(3)優れた政策提案を実現するため、継続的にフォローします
●優れた政策提案は、審査に参加した関係者はもちろん、国民みんなで応援して実現にこぎつけられるよう、その後の状況をフォロー・報道します。

 とのこと。
 詳しくはこちらを。

 先日もこのブログで書いたように、公務員は自分で企画提案コンペの審査員、つまり審査する側にはなる機会は多いのですが、自分自身が企画提案をする、つまり審査される側になる経験はほとんどありません。
 その意味で、もし応募するなら、これは有益な他流試合の機会になるでしょう。

 もっとも、今、地方自治体はどこも財政難です。
 90年代後半、いわゆる改革派知事や改革派首長(市町村長)が全国に輩出していた時代には、地方分権が声高に叫ばれ、国に依存しない自主財源の確立や、補助金・交付金の類のヒモ付き財源は縮小していくことがコンセンサスでした。
 しかし今や自主財源がほとんどないので、「国の補助金をどんどんとってこい。そのためには中央官庁の官僚と一緒にメシを食って情報をもらえ。」という号令に180度方向転換しています。地方自治体にとっても背に腹は代えられないのですから。

 そのような中で、国のカネももらえない「オーディション」に、どれくらいの提案があるものなのか、どれくらいの本気度の提案が出てくるのか、そのことにも興味があります。

2011年9月29日木曜日

起業支援セミナー情報です

 三重大学地域戦略センターが、第2創業をめざす企業やベンチャー企業などを対象に、新事業の開発・成長を支援する、「事業化支援」を行うそうです。

 業種・分野の条件は設けないものの、主に「食関連」の企業を想定しているそうです。(これは今年春、三重大内に「みえ"食発・地域イノベーション“創造拠点」という研究施設が整備されたことと関係があるのでしょう。)
 具体的には、次の2つの要件を満たす者が支援対象です。
 ①三重県内に事業所がある企業、あるいは三重県内に進出予定の企業
 ②新事業の計画をすでにお持ちで、その実現に取り組む企業

 また、支援の具体的な内容は、

・事業計画について精査・議論を経たブラッシュアップを行う
・金融機関などによる事業提携のビジネスマッチングを行う
・活用可能な助成金の紹介など、資金調達のアドバイスを行う

ということで、費用は無料だそうです。(ただし有料のオプションあり)

 この事業化支援のポイントは、小規模・零細事業者の「家業」ではなく、あくまで事業の量的・面的な成長をめざす「企業」や「社業」が対象であることを明確にしていることです。

 ■三重大学地域戦略センター   http://rasc-mie.jp/news/3

 一方、三重県伊賀市の上野商工会議所では、これから起業を目指すサラリーマン、OL、主婦、学生、または創業して間もない人、既に事業をしているものの経営の基本を学びたい経営者や後継者、起業に関心のある人などを対象とした「チャレンジ!いがうえの創業塾セミナー」の公募が行われています。 (PDFファイルによるチラシはこちら

 さらに、松阪商工会広域連合では、ソーシャルメディアを使ったビジネス展開セミナーが開催されます。(リンクはこちら

 以前にもこのブログでご紹介しているように、三重県各地ではさまざまな起業セミナーが開催されています。その修了生の総数は、おそらく1年で何百人かに上ることでしょう。

 対象者はそれぞれ似通っており、おそらく共通する人たちも多いはずなので、まず思いつくことは、

・セミナーの情報や受講生の情報をどこかが一元提供・管理する

・参加者のメーリングリストなど情報共有するためのプラットフォームを作る
・商工会議所の創業塾を終えた人がより高度な(三重大の事業化支援のような)に進むとか、反対に、津起業道場白帯編でもう一度基礎を深く学ぶとかのガイダンスをする

 などによって相乗効果を高めることができるはずです。
 誰かがそのような媒介役をつとめコーディネートすれば、起業者や企業が成功する確率はずっと高くなるでしょう。

 問題は誰がその媒介役を務めるかです。
 三重大学? 三重県? 商工会議所や商工会? 市や町? 金融機関?
 どれも帯に短し、タスキに長しのようなイメージなのが残念です(笑)
 この起業・創業プラットフォームづくりは、実は三重県にとって大変重要なのですが。

2011年9月28日水曜日

大阪ビジネスフロンティア高校が、来春開校

 時事通信社が地方公務員向けに配信している情報ネット「官庁速報」によると、大阪市教育委員会は、ビジネスのスペシャリスト育成を目的とした大阪ビジネスフロンティア高校を平成24年4月に、天王寺区に開校するそうです。

 整備費は約47億9000万円。大学や産業界と連携したカリキュラムを組み、国際的に活躍できる人材の育成を目指すとのこと。(9月27日付け)

 同校のホームページによると、設立の趣旨は、

 大阪の新産業創造を担い、起業の精神にあふれ、国際ビジネス社会で活躍する高度な専門性を備えたビジネススペシャリストを育成します。

 大学や産業界と連携して高大7年間を見据えた教育を行う新しいタイプのビジネス高校です。

 おもに商学部や経営学部、情報系学部、外国語系学部等への進学を目的とします。

 とあり、大阪市立、関西、関西外国語の3大学と連携し、同校の授業と連続性のあるカリキュラムによって、高校・大学の計7年間を見据えた教育を目指しているようです。

 ■大阪ビジネスフロンティア高校
    http://www.ocec.ne.jp/
 
 「産業空洞化」なる議論がかまびすしく、まるで製造業の比重が低まることが日本の危機的状況のように喧伝されています。
 しかし、先進国において製造業からサービス業に軸足を移す産業構造転換は必然であり、これからの主力産業となるサービス産業、流通業などの高付加価値化と生産性の向上は、21世紀の日本にとって重大かつ緊急の課題です。

 このためには、企業家精神を持ち、高いビジネスセンスと経営スキルを持った若い人材の育成は欠かせません。
 大阪市のこの、未来を確かに見据えた取り組みは羨ましくもありますし、大いに期待したいと思います。

2011年9月27日火曜日

三重県では何人がFacebookを使っているのか

 中国、インド、フェイスブックと称され、全世界で6億人ものユーザがーがいるといわれているFacebook。
 中東諸国の民主化運動にはツイッターと並んで一般市民のネットワーキングに絶大な力を発揮し、SNSの威力を見せつけたのは記憶に新しいところです。
 では、ひるがえって、日本、そして三重県ではどれくらいのユーザーがいるのでしょうか。

 三重県のFacebookユーザー数については、(有)シーエスプラス 小柴さんが調査した結果が、三重ITコーディネーターの会ホームページに載っています。
(リンクはこちら http://www.itc-mie.org/column/2011/08/facebook.php

 これによると、三重県内での利用者割合は平均1.3%で、全国平均の3.5%を大きく下回っています。

 しかも、地区別に見ると、三重県の宿命とも言える南北格差が顕著で、桑名、四日市、鈴鹿、津など北勢地区の諸都市では1.2~1.5%の利用率、ユーザーの絶対数も2000~4000人なのに対して、伊勢、鳥羽、志摩、尾鷲など南勢地区、東紀州地区では、0.5~0.8%であり、絶対数も100~1000人程度となっています。
 ただ、不思議なことに、松阪では利用率が2.8%と、ほぼ全国平均並み。ユーザー絶対数も4820人と異常に多いということです。

 また、性別では、男性のほうが女性より利用者が多いのですが、これを年齢別に横串すると、年齢20~34歳までの女性(F1層)と、男性(M1層)においては、ユーザー数にほとんど性差がありません。

 小柴さんも書くように、企業や団体がフェイスブック内にページを持つことはますます増えてくると思います。
 はんわし個人的には今ひとつ使い方がよく飲み込めないところもあるFacebookですが、一般のウエブ以上に活用できるツールなのは間違いなく、個人にとっても企業にとっても、このネットワークがあるかないか、使いこなせるかこなせないかは、非常に大きな問題でしょう。

2011年9月26日月曜日

鳥羽市相差の「海女の家」五左屋に行ってみた

 女性の願いを一つだけ叶える神社としてすっかり有名となった、鳥羽市相差(おうさつ)町にある「石神社」(通称、石神さん)。
 もとは民宿街としてそこそこ入れ込み客数はあった相差地区ですが、多い時は月に1万人もの参詣客が押し寄せる超人気パワースポットになっています。

 その詳細はこちらをご覧ください。
 ■女の願いを一つだけ叶えてくれるという鳥羽の石神さんに行ってみた(2010年11月21日)
 
 その人気にあやかったのだと思いますが、海女文化資料館とか駐車場がある付近から、石神さんのある神明神社までの何百メートルかの参道に、古民家を改装した海女ショップがオープンしました。


 その名も 海女の家 五左屋(ござや)。
 わしが石神さんに行ったのが昨年11月でしたが、その時、確かに民家を改築工事していたことは記憶しているので、きっとあれが五左屋だったのでしょう。オープンしたのは今年3月とのことなので、ちょうど半年目を迎えることになります。

 考えてみると、海女というのはもっとも原始的というか、プリミティブな狩猟です。
 もちろん、船や潜水服や水中メガネなどいろいろな道具は使うし、その意味では徐々に近代化してきてはいるのでしょうが、基本的には生身のカラダひとつで深い海に潜り、息が続く間、海底を探し回ってアワビだのナマコだのを獲る、大変にハードな漁業です。

 このような潜水漁が字のごとく「海女」、つまり女性によって担われてきたのは、日本でも伊勢志摩や天草など一部の地域に過ぎず、他には朝鮮半島で見られるだけのようです。

 そのように考えると、これは世界に誇れる海洋文化と言えるのかもしれません。
 ただ、体力的にもきついのと、何よりも海が汚れ、良好な漁場が減ってしまったことで、とれる獲物の量も減っているそうです。海女も全体に高齢化が進み、後継者もほとんどいない状況になっています。(女子大生海女さんも誕生はしたようですが。)

 石神さんも本来は、このようにカラダを張って海と共に生きてきた女たちの願いこそ叶えてくれるのでしょう。
 おちゃらけた恋愛の悩みなど、おそらく聞く耳は持たないのではないかと思いますが、それを言うと身もふたもないか・・・

 五左屋は、1階は土産物屋になっています。
 といっても、赤福とか真珠漬といったたぐいのコテコテの伊勢志摩土産ではなく、ドーマンとセーマンがデザインされたアクセサリーとか、海女が潜る姿の涼しげなイラストが描かれたカードやポスター類など、相差地区ならではのアイテムがあって好感が持てます。スタッフさんたちも愛想がよく、気持ちのいい接客です。

 2階は喫茶店になっていて、飲み物なども楽しめるようですが、残念ながらこの日は体験することができませんでした。またあらためて行ってみたいと思います。

 はんわしが購入したのは「ねがい姫」なる、舐めると女性の夢が叶うという、ほとんど新興宗教チックなあやかり商品でした。
 塩梅味で10個入り420円。

 嫁さんにプレゼントしたら、職場に持って行ってみんなで食べたそうです。
 感想を聞きました。「何か叶い事があったか」と。
 すると、「箱の中でちょっと溶けていた」とのことです。

 なんと畏れ多いことでしょう。人知を超えています。
 まさかとは思いますが、在庫が夏の暑さで溶けたなどということでは決してないと信じます。
 
 ■海女の国 相差 ホームページ
   http://www.toba.or.jp/gozaya/index.html
 

2011年9月25日日曜日

弁護士は余っているんじゃないのか?

 先日、法科大学院の修了者を対象とした司法試験の合格者が公表されました。これによると今年度の合格者は2063人。合格率は23.5%で過去最低とのことです。
 その一方で、国の司法制度改革により政策的に合格者を増やした結果、弁護士は急増しています。新聞報道によれば、1991年(平成3年)には約1万4千人だったものが、今年は3万人を超えており、20年間で2倍に増加しています。その結果、開業はもちろん弁護士事務所への就職も難しくなっており、弁護士登録をしないケースもでてきているとのことです。

 これは難しい問題です。
 医師と同様、弁護士も大都市部に偏在しており、地方、特に裁判所のない小都市や郡部にはほとんど弁護士事務所がありません。このため裁判など法律的な紛争は金銭はもちろん、時間的なロスや手間暇が膨大にかかり、住民に縁遠いものとなっている事実があります。
 なので、弁護士が増えるのは「良いこと」です。

 しかし、生活できなくては話になりません。迂遠ではありますが、日本人の法律感覚とか、法律文化を変革していくしか根本的には道はないでしょう。
 アメリカやヨーロッパ諸国では人口当たりの弁護士数が日本に比べて多いのですが、これは法律文化の違いもあるのでしょうが、民事訴訟でも諸外国では原則として訴訟代理人(弁護士)を必ず立てることになっているのに比べ、日本の民事訴訟法は本人訴訟が原則であり、事実、代理人を立てずに訴訟を起こす事例(いわゆる本人訴訟)も非常に多いことがあげられます。
(日本のように弁理士、司法書士、行政書士などに細分化されておらず、弁護士が幅広い仕事を担当しているという理由もあります。)

 裁判に必ず弁護士を立てる理由は、専門家が介在することで、裁判上の争点がはっきりし、事前の準備がスムーズになることで、正確で迅速な裁判ができるためと説明されます。
 これがまさに法律文化の違いであり、生活している以上「紛争」はやむを得ないものだから、ルールにのっとって裁判所で判断してもらう、つまり裁判(訴訟)は、宮沢賢治が言うような「喧嘩」ではなく、あくまでも話し合い、交渉なのだ、という風土が日本では少ないからではないでしょうか。

 適切な例ではないかもしれませんが、東京電力の福島原子力発電所の事故に起因した、地域住民への損害賠償の支払いについて、東電が配布した賠償金請求書が、内容が膨大であり、記載事項も細かく専門的であって、とても一般市民が書けるものではない、これは被害者を愚弄している、などという意見が多く聞かれるようです。

 これは気持ちはよくわかるし、本当に同情すべきことなのですが、このような見方もできるのではないでしょうか。
 不法行為による損害賠償は、道義的には加害者から被害者への「謝罪」であり、「つぐない」であるというのが日本人の一般的な理解です。心情的にはわし個人もそう感じます。
 しかし、法律的には示談交渉とは民法上の和解であって、「契約」の一種です。
 被害者の心情は察するに余りありますが、原状に復旧することは絶対にかなわないのですから、金銭的に被害を賠償するしかありません。しかも被害者数は膨大なので、心情は別としても、実際問題として加害者が一人一人の被害者を訪問jし、納得するまで話し合い、その場で書類も作る、というような作業ができるはずがありません。
 和解契約の規定はそのためにあるのであって、法律はまさしく、社会を効率的に、迅速に回していくための実務的なルールなのです。心情とはひとまず別次元の問題です。

 しかし、被害者にはわだかまりがある。書類の書き方も分からない。被害者の不安、不満は募っていく。
 ならば、ここからが専門家である弁護士(司法書士も)の出番のはずです。彼らは在野の法律家なのですから、被害者である一般市民の側に立って相談に応じ、和解契約事項を読み込み、問題点を指摘して理解させ、納得できる解決方法を模索することができるはずです。
 この東電問題のような場で活躍できないとしたら、それこそ国は何のために弁護士を増やす政策をとったのか、ということになります。

 もちろん、弁護士も生活がありますから無償でかかわることはできません。弁護士の費用については、東電が負担すべきでしょう。東電にとっても専門家の介在は結果的に保障の迅速化につながるはずだからです。
 各地の弁護士会も東電問題の相談会を行ったりしているようですが、このような積み重ねで日本の法律文化を少しずつでも変えていくという視点を持っていただくと、より有用な結果を生み出すのではないでしょうか。

2011年9月23日金曜日

東紀州「復興」プロジェクトを企業家の手で!

 台風12号、台風15号と連続で風雨、高潮、洪水の被害に見舞われた皆様には心からお見舞い申し上げます。
 特に紀伊半島南部の東紀州地域(三重県南部の、尾鷲市、熊野市、紀北町、御浜町、紀宝町の2市3町からなる地域)では、農林水産業といった地場産業が甚大な被害を受けているほか、製造業や小売業、飲食業などの中小企業も事業活動に大いに支障が出ているようです。

 インフラの復旧は当然ながら行政の仕事ですが、(厳しい言い方かもしれませんが)産業活動の復興は、やはり農家、林家、漁家といった事業の従事者や、中小企業の経営者自身が、企業家精神をもって牽引していくほかありません。
 もちろん、それには行政も、商工会議所や商工会といった支援機関も、金融機関も、協力しての手助けが必要です。
 しかし、それらは主役ではありません。復興の牽引車にはなりえないのです。

 地域に雇用を再生するとともに、東紀州地域外の人々でも少なくとも金銭的な協力ができる仕組みが必要です。
 簡単に言えば、復興や再生をテーマとした地域産品が開発され、それが支持され、広く購入の輪が広がれば、わしのように、ボランティアにも行けない(行かない)、募金も人並みしか協力できない(しない)人種も、復興に協力しやすくなるでしょう。

 一義的には、干物とか、ミカンとかのような東紀州の特産品の購入があげられます。旅行に行くのもいいでしょう。
 もう一つは、東北地域の皆さんが力強く取り組んでいるような、志が皆に伝わり、共有できるようなアイテムの創造です。

 たとえば、
 岩手県で、被災した倉庫に残っていた漁網(もちろん、魚を獲るための網です。)を使って、デザイナーや地元の漁村のお母さんたちがプロジェクトを組んで「ミサンガ」を製品化した事例(浜のミサンガ「環」(たまき))

 ■三陸に仕事を!プロジェクト
  http://www.sanriku-shigoto-project.com/about/index.html

 宮城県女川町で、収入の確保と、それ以上に、家や仕事を失った日常の時間の有効活用や被災による心的ストレスの軽減を促すことを目的に、木製のキーホルダー(onagawa fish)を製造、販売している事例

 ■小さな復興プロジェクト
  http://ameblo.jp/small-rebuild-project/

 などの活動があります。どちらも、東北地域以外の人でもぜひ応援したくなるような物語があります。

 翻って、東紀州にも多くの地域資源があります。
 東紀州でも、このようなプロジェクトの立ち上がりにぜひ期待したいと思います。

※東北の情報は、(株)ニセンエックス(福島県会津若松市)の新城榮一社長から教えていただきました。この方は、中小企業経営者必読の名著である「敗けない経営」の執筆者のお一人でもあります。この場を借りて感謝申しげます。
  

2011年9月22日木曜日

国内市場を「縮小」と見るか、「成熟」と見るか

 台風が行ってしまい、三重県もすっかり秋の気配になってきました。津市内を流れている安濃川の土手は彼岸花が満開です。
 毎年のことながら、彼岸のこの時期に正確に花を咲かせるのを見ていると、自然の人知を超えた奥深さをつくづく感じてしまいます。

 さて、ダイヤモンドオンラインに載っていたので書こうと思っていた記事が、ヤフーニュースにも転載されていました。
 日本経済にとって非常に重要な、Googleのニュースです。
 
 googleが、検索のアルゴリズムを変更し、そのたびに今まで上位にいたサイトが一気に下降してしまう、という現象は過去からも時々見られました。
 通常、サイト管理者はSEOを行っていますが、検索の上位に来る要素が、被リンク数であるとか、毎日のデータ更新であるとか、サイト全体の容量の大きさと各ページの整合性であるとか、いろいろな説が出て、その都度対策が練られてきました。
 今の主流は、サイト内の画像データが重要だというもので、はんわしもこのブログを運営していてそのことを実感していました。

 しかし、今回googleが行った変更は、日本ではわりと「一般的」だった、自ら作ったダミーサイトに自社のリンクをいくつも張ったり、業者から自社のリンクを買ったりする“裏技”的な行為に対し、6月下旬から、該当サイトに対して一斉に警告を発し始め、検索結果から排除した、というもの。

 SEO専門家によると、中小企業からの相談では「自社サイトへのアクセス数が半分や3分の1に激減したケースがざらにある」とのことで、これまでもグーグルによるルール変更は何度も行われてきたが、「リンクがごっそり無意味化するなど、今回の影響は大きい」ということらしいです。

 国内市場が「縮小」している、という意見があります。
 人口が減少し、可処分所得も減少傾向なので、マクロ的には「縮小」はその通りです。
 しかし、それでも日本は1億2千万人もの質の高い消費者人口があります。これはヨーロッパ先進諸国とは比較にならないほどのボリュームです。
 市場を「縮小」と捉えるのは、大量生産・大量消費型の、しかもプロダクトアウトの発想から抜けていない証左です。いい加減、自動車産業的な発展途上国型のものの見方は捨てなくてはいけません。
 国内が縮小しているなら海外市場に出ればいいというのが、最近の地方行政の商工政策でブームになっていますが、大多数の中小企業にとっては体力的にも無理な、非現実的な選択です。地域の家族経営の商店やサービス業者、町工場が海外に行けると本当に考えているのでしょうか?

 そうではなく、消費の堅実化や、高齢化、さらには生活様式の変化といった消費者の嗜好そのものの変化に着目すべきなのです。モノからサービスへの支出の変化、廉価品と高級品の二極化のような「成熟化」が進んでいると捉えるべきですし、実際にわしが知っている中小企業経営者も多くがそう認識して対策を講じています。

 インターネット通販は、成熟化の一つの典型といえる市場で、BtoC、BtoBともに大きく伸びています。地方の中小企業にとっては大きな活路です。
 これがgoogleの影響をまともに受けるとすれば、これは地域経済にとって、円高などよりもよほど深刻な問題です。
 より根が深いことは、地方自治体レベルでは、この問題の深刻さを正確に理解できる職員がほとんどいないということです。

2011年9月21日水曜日

津松菱「ふるさと三重物産展」

 三重県は台風15号直撃でした。津市も朝から大雨で、昼前あたりから暴風雨となり、数時間続きました。
 夕方になると突然晴れ間が見えるようになり、風は強いものの、雨は完全にあがりました。少なくとも津周辺ではそれほど大きな被害はなったようです。皆様の周りはいかがでしたでしょうか。

 さて、魅力好感百貨店を自称する、津市で唯一のデパート、津松菱で本日から「ふるさと三重物産展」が始まりましたのでのぞいてきました。

 台風のせいもあって人は少ないかと予想していたのですが、三重県人は意外と自分の県が好きなのか、午後6時過ぎでしたがかなりの人出でした。

 午後6時過ぎにデパートが混んでいるのは当たり前ではないかと多くの方は思うでしょうが、津市の中心市街地は空洞化が進んでおり、基本的にオフィスビルと駐車場しかないといっても過言ではありません。この時間に街を行き交う人は本当に少ないのです。(ただし、クルマはめちゃくちゃ多い。)
 なので、松菱ウオッチャーのわしとしては、今回のこの企画はヒットであったと判定します。

 三重物産展というだけあって、北は菰野町から、南は紀宝町まで、たくさんの産品が出ていました。
 東紀州関係では、紀北町の魚健(サンマ寿司)上野商店(ひもの)、瓜生商店(シューマイ)、尾鷲市の久喜(うなぎおこわ)、熊野市のMORInoBAUM(バームクーヘン)、御浜町の御浜柑橘(みかん、ジュース)、紀宝町のみふね酢(醸造酢)が出店していました。

 ■津松菱 http://www.tsu-matsubishi.co.jp/

 その会場で、恋する魔女工房の近田さんとお会いしました。
 恋する魔女は、黒ニンニクが入ったチョコレートという、ミスマッチを楽しむ大人のチョコレートです。この原料の黒ニンニクを、尾鷲市の業者から仕入れていた関係で、前の職場の時からご縁があった事業者です。

 今回は恋する魔女のチョコレートのほか、恋する魔女のシリーズ商品であるドレッシング(黒ニンニク&ごま)と、松阪牛贅沢ラー油を販売していたので購入してみました。

 松阪牛贅沢ラー油は、ニンニクの香りがわずかにしますがラー油特有の唐辛子の辛味は控えめで、アツアツのご飯のほか、パスタやサラダにも使えそうです。
 ドレッシングはまだ空けていないので、後日レビューしたいと思います。

 支援した、というのはおこがましいですが、自分がかかわった中小企業さんが、頑張っておられる姿を拝見するのは本当にうれしいし、こちらも元気がもらえる気がします。(しかし、ホームページは作った方がいいと思いますが。)

2011年9月20日火曜日

プロモーションだけの「観光振興」はもう古い

 三重県版事業仕分けは、それなりに気づきを与えてくれたというのが参加した(というか、仕分けられた)実感ではあります。これは昨日のブログにも書きました。

 マスコミに大きく報道されたのは、不要と判定された事業、中でも県民にとってわかりやすいジャンルであると言える「観光振興」の、三重の観光プロデューサー設置事業と、魅力ある観光地づくりグレードアップ支援事業だったのではないでしょうか。

 読売新聞(9月19日付け)によると、
 三重の観光プロデューサー設置事業については
・観光資源を発掘して新たな旅行プランや企画を開発する観光プロデューサー事業は、仕分け人から「開発した企画の半分が継続していない」「誘客数と売上金のアップにつながっているのか明確でない」などの意見が出され、不要と判定された。
 とのことだったようです。
 また、魅力ある観光地づくりグレードアップ支援事業については
「補助金を出すことが目的になっている印象だ」「県の観光戦略が明らかでない」など、厳しい指摘が相次いだ。
 ということだったようです。

 多くの識者が指摘しているように、三重県版事業仕分けは事前に県職員がお膳立てした事業を対象にしているなど、予算の削減という意味での実効性はそもそも少ない事業です。
 それはそうとしても、この観光事業に対する指摘は、ある重要な論点を含んでいると思います。

 それは、従来型の「プロモーション」重視型の観光振興策の限界が垣間見えたということです。
 三重の観光プロデューサーは、わしも個人的にもよく知っていますが、旅行業界の経験が長く人脈も多く、たくさんの新しい観光商品を作り出したイノベーターです。
 後付けの理屈で批判するのは簡単ですが、この事業が始まった平成15年ごろ、民間出身の観光プロデューサーを活用することは画期的なことでした。

 しかし、やがて観光プロデューサーのような制度は全国に広まり、三重県の優位性が薄れてきました。それにしたがって、三重県は観光振興の新しいフェーズに進まなくてはいけませんでした。

 それが、産業としての観光業の振興です。
 たとえば、ホテルや旅館など宿泊業者、タクシーなど運輸業者、サービス業者などの経営戦略の構築
支援、財務体質の強化、事業の多角化の支援、そして観光の高付加価値化に対応できる人材の確保・育成などなど。
 つまり、観光パンフレットやイベントといったプロモーションから、観光商品開発という「観光の質」の高度化へ。ここまでは三重県はよかった。
 しかし、観光事業者の体質はぜい弱で、他と差別化できる新しい商品やサービスを開発し、提供し続けることができなかった。観光従事者の技能やスキルの向上も遅れた。もっと言えば、三重県版ミシュランのような客観的なサービス評価にも踏み込めなかった。

 仕分け人がここまで考えていたかどうかはともかく、彼らの指摘の延長線上には、以上のような問題が並んでいるはずです。
 おそらく今後10年以内に三重県でも脱工業化が進み、観光・交流産業が重要な雇用の受け皿になっていることと思います。そこで世界と戦うには、やはり「産業としての観光」を振興する視点が欠かせないのではないでしょうか。

2011年9月19日月曜日

三重県版「事業仕分け」を受けてみて

 三重県版事業仕分けが、9月17日、18日の二日間にわたって行われました。その結果は各紙に詳細に報じられていますし、三重県のホームページにも結果概要が載っています。

 事業仕分けはある種の政治的なパフォーマンスであり、本来的には県事業の妥当性や是非については県議会で審議されるべきものだと考えます。

 以前もこのブログで書いたように、三重県が行っている約1900の事業のうち、今回の仕分け対象となったのはほんの一部に過ぎません。俎上に載せるかどうかの選定は県職員自身がやっているので、いくらでも恣意が働く余地はあります。

 しかも、中日新聞(9月19日付け)の記事によると、「構想日本」のコーディネーターは「(仕分けの)結論を重視しつつも、とらわれる必要はない。」とコメントしているようなので、結局はそもそも何がこの仕分けの効果だったのか、その検証も本当は必要なのではないでしょうか。当然ですが、休日出勤した職員の人件費やユーストリームの中継費用など相当な金額になるでしょうし。

 しかし全く意味がなかったのかというとそうではありません。
 自分自身あの場で仕分けを受ける立場になったことは貴重な経験でした。(正直言って、受け答えはすべて上司がやってくれたので、わしは大したことは何もしておらず、座っていただけなのですが・・・・。上司には本当に感謝しています。)
 
 最大の効果は、仕分け人からの質問をいろいろ想定しているうちに、その事業について、ものすごく再勉強する機会になったことです。
 確かに、対象となった事業について、今までこれほど深く広く考えたことはなかったので、自分自身、日ごろの業務は惰性に陥っていたのかな、と思い至りました。
 ほかの事業でもこれくらい深く考え、あらゆる質問を想定して質疑を練ることができれば、それは理想には違いありません。

 ただ、事業仕分け人も多くの事業で、「事業の効果がよくわからない」というコメントをしています。問題の本質はまさにそこです。

 県民が県行政に期待する以上、~たとえば「景気対策」とか「高卒者の就職対策」のような~ 県は何かの事業をしなくてはいけません。
 ところが、最優先なのは予算の確保であって、事業をやった後の効果測定はどうするのか、いったい何が事業の「効果」としてふさわしいのか、そして、どうしたらその効果が測定できるのか、という議論は後手に回り、適当にその場しのぎで宛がっておく、ということがたいへん多いのです。(上から命令されて、否も応もなく作らされる事業というのもたくさんあります。こういうのはそもそも筋が悪いので、事業効果など一担当者が説明できるはずはありません。)

 この解決のためには、事業効果の設定や客観的な測定方法を県職員自身が考えるのでは不十分で、この部分にこそ、まさに仕分け人のような「外部の知恵」が必要なのです。
 まず最初にしっかりとアジェンダを設定しないから、行政のやっている事業は効果があるのかないのか、という水掛け論に常になってしまうのです。

青空どろぼうを見た

 伊勢市の独立系映画館「進富座」で、四日市公害問題をテーマにしたドキュメンタリー映画「青空どろぼう」を見てきました。

 四日市市は戦後、沿岸部に石油化学コンビナートが立地されると、亜硫酸ガスを中心とした排煙が付近一帯に排出されることになり、日本の四大公害と呼ばれた「四日市ぜんそく」を引き起こします。

 この映画は、その当時、磯津地区をはじめとした多くの公害患者に寄り添い、健康被害の状況や、祭弁の経緯などを克明に記録したミニコミ誌を発行し続けている沢井余志郎さん(撮影時82歳。本当にお元気!)と、四日市公害裁判の原告であった元漁師の野田之一さんの二人の現在を中心に、川を挟んで石油コンビナートの対岸にある「磯津」という漁村地区の公害訴訟、そして被害者勝訴後の患者や住民の時の流れを伝えています。

 最も公害のひどかった昭和45年ごろに比べると、もちろん現在の四日市市の環境は大幅に改善されています。克服されたと言っても過言ではないでしょう。
 石油化学コンビナートを負の遺産としてでなく、「工場萌え」といった産業観光資源として活用しようという動きも本格化しており、その意味では公害は40年も前の、すっかり過去のことになっています。

 しかし、今でもコンビナート付近に行くと、鼻を突くような悪臭が頻繁にするのは事実です。以前、JRの快速みえで名古屋から津に向かう途中、JR四日市駅でドアが開いたとたんに猛烈なにおいが車内に充満したことがありました。乗客の誰かがが「やっぱ、四日市だなあ・・・」とつぶやいたのを、わしは今でも忘れることができません。

 しかも、この映画によるとコンビナートに近い磯津地区では、今でも高齢になってから初めてぜんそくや肺気腫を発症する人がかなりの数実在していて、全住民の10%近くと推定されるとのこと。(この人たちは、公害訴訟が契機となって制定された公害健康補償法が改正され、1988年以降は新たな公害患者は認定しないという国の方針になったため、仮に公害との因果関係があったとしても、公害病患者として認定されることはありません。つまり、治療費や休業損失は自己負担です。)
 このような事実がありそうだということには、もはや多くの人は目を向けようとしません。

 印象的だったのは、78歳になった野田さんが沢井さんに語った言葉です。このお二人は、四日市市内の小学校を訪問して、児童たちに四日市公害の歴史を語り伝える活動をしておられるのですが、その中での一コマでした。

 野田さんは磯津ネイティブなので、荒々しい漁師言葉がわしにも完全には聞き取れなかったのですが、

 自分たち被害者がコンビナート企業を訴えたのは、社会正義のためとか、そんな理由ではない。自分たちは漁師として食糧増産という国策に従って懸命に働いた。一方、コンビナート企業の労働者も戦後復興のために懸命に働いた。その思いは同じであったはずだ。
 磯津の漁師たちはコンビナートが四日市にできれば、まちはもっとよくなると信じて立地や稼働に協力した。しかしそう信じてきたのにひどいぜんそくになってしまい、漁師を続けることもできなくなってしまった。一体なぜだ、どうしてだという戸惑いしかなかった。
 だから、裁判所に聞いてみようということになった。決して企業や労働者が憎かったのではない。

 というような趣旨でした。
 漁師町である一方、多くの住民が対岸のコンビナートに通勤し、働いている現状。決して一枚岩ではない複雑な地域事情の中で、患者も住民ももがき苦しんでいたことが垣間見えます。

 公害訴訟から約40年、今の日本では円高による「産業空洞化」なる一大キャンペーンが貼られています。地方自治体は工場が海外に出て行っては大変だとばかりに引き留めに懸命です。
 映画の中に、公害当時の四日市市長が「経済発展のためには少々に犠牲(公害)はやむを得ない」と発言している記録映像が出てくるのですが、この作品を見ていると、工場引き留めがコンビナートや工場の少々の「やんちゃ」には目をつむったり、企業の言うことばかりを代弁するポチ公務員が幅を利かせたり、というような変なことにならなければいいと、ちょっと心配してしまいます。

 もし機会がありましたら、ご覧いただいてはどうでしょうか。
 もっとも、映画自体はやや情緒的な構成で、沢井さんや野田さんだけでなく、当時の市役所、県庁やコンビナート企業の関係者の証言も取材すれば、もっと課題が浮き彫りになったのではないかと感じます。

 ■青空どろぼう 映画公式サイト
   http://www.aozoradorobo.jp/index.html

2011年9月17日土曜日

津市で「創業道場 ~白帯編~」が!

 津市役所の産業振興センターが、津創業道場~白帯編~ なる起業講座を開催するようです。

 講師の武田秀一さん(県内外で多くの起業志望者を育成、支援しており、たくさんの成功例を生み出しています。)のブログから開催趣旨を引用すると、


・地域経済において起業家が果たす役割はますます重要になってきていますが、やる気やアイディアがあっても、「はじめの一歩」を踏み出すのは簡単ではありません。また、起業・創業後も様々な悩みを抱えるケースが多く見られます。

・このような方々を支援するため、津市産業振興センターでは、起業・創業のための適切な知識・ノウハウを学ぶ「学びの場」、同じ志をもった起業家同士の「ネットワークづくりの場」となる「第1期津創業道場~白帯編~」を開催します。

 ということだそうで、これは非常に時宜を得たものだと思います。

 日本一地味な県庁所在地である津市ですが、大企業の三重支店の多くは津市にあるし、県内唯一の総合大学である三重大学も立地します。
 推測ですが、いわゆる「支店経済」成立しているうえに、転勤の多い大企業社員の人脈が生かせるはずですし、大学の研究者や学生とのコラボの可能性も、県内の他都市よりはるかに高いはずです。
 その意味で、地域課題を解決するコミュニティビジネスをはじめ、生活の豊かさが実感できるような商業・サービス業の舞台として、津市は潜在的な強みを持っています。

 白帯編の内容は、起業の心得、ビジネスプラン作成、プレゼンテーションの極意等について講義、そしてビジネスプランを競い合うビジネスプランコンテストであり、全5日間の日程で、参加は無料だそうです。
 津市で起業・創業を目指す方はぜひご活用されてはいかがでしょうか。

 ■津市産業振興センター  http://www.ipc.city.tsu.mie.jp/htm/kouenkai_22.htm

 もう一つ、関連情報です。
 松阪商工会広域連合が、ソーシャルメディアを使ったビジネス展開セミナーを開催します。
 今話題のソー
シャルメディアを会社経営に生かす基本的な思考法から具体的な実践事例までを解説する内容で、日程は10月17日(月)、20日(木)、24日(月)の3日間、場所は多気町商工会です。
 申し込み方法など詳しくは、ホームページをご覧ください。

 ■松阪商工会広域連合  http://www.shokokai.or.jp/24/2400050000/index.htm#sin14

 

2011年9月16日金曜日

税理士とのタッグを真面目に考えてみる

 今ごろ何を言っているのかとお叱りを受けるかもしれませんが・・・

 行政が取り組んでいる中小企業支援において、税理士ともっと連携できるのではないか、とあらためて思っています。

 わしのような県職員の間では、中小企業の経営相談に乗る専門家といえば、まず中小企業診断士が浮かびます。これは、現在、政府が公認している唯一の経営コンサル資格である中小企業診断士制度が、もともとは県が設備近代化事業や高度化事業を行うため経営診断ができる職員を養成する目的で作られたという経緯があるせいかもしれません。

 しかし、多くの中小企業経営者にとって、もっとも切実な経営の課題とは税金の問題です。しかも税理士は中小企業診断士に比べて数も多く、中小企業にとって身近な専門家でもあるとともに、クライアント企業の財務状況を正確に知りうる立場にあります。
 県は中小企業の経営革新支援をいろいろ行っていますが、広義の「経営革新」については、例えばTKC 全国会がかなり以前から精力的に取り組んでおり、大きな成果を上げていると聞きます。

 現在の中小企業を取り巻く経営環境は激変しており、多くの中小企業は従来のビジネスモデルの見直しが必須となっています。経営戦略の見直しと新たな構築には正確な財務分析が不可欠であり、税理士と県とが中小企業支援の方向性と情報を共有することで、県の中小企業支援の効果はいっそう高まるはずです。

 何から始めたらいいのかわからない部分はありますが、ちょっと仕掛けを考えてみようかと思っています。

2011年9月15日木曜日

当然のような気もする「ガラパゴス」の撤退

 シャープが昨年の冬に新発売した「ガラパゴス」なるタブレット端末が、今月末で販売終了となることが報じられています。売り上げ不振が原因らしいとのこと。

 アメリカのアマゾンでは電子ブックが紙の本の新刊数を抜いたという情報もあって、昨年のクリスマスのプレゼントの定番はキンドルだったというニュースも強く印象に残っています。

 日本でも昨年は大ブームの予感が満ち満ちていた電子書籍ですが、なかなかコンテンツが出そろわないとことや、メーカーによって規格が乱立していることもあって、今年もブームと呼べるまでには至っていません。これも「ガラパゴス」にとっては誤算の一つだったのかもしれません。

 革命的なiPadがアップルからリリースされた後、雨後の竹の子のように続々と発売された日本メーカー製のタブレット端末は、よく言えば換骨奪胎、悪く言えばコピー商品がお家芸である日本のモノづくりの典型でしょう。
 しかも、商品の差別化要因は端末としての機能そのものよりも、デザインとかインターフェイスの使いやすさ、音楽や画像が手軽にダウンロードできるネットショップの環境整備などであることは、iPod 対 Walkmanの戦いで(そして結果としてのソニーの敗北で)はっきりしていたはずなのに、「ガラパゴス」もやはり、この部分を抜本的に強化することはできなかったのです。
(皮肉でもなんでもなく、その限界を悟ったら潔く撤退するというのは、まだ経営の健全性は保たれているということの証左かもしれません。)
 
 それにしても、日本の家電の雄であったシャープはちょっと元気がありません。
 電器量販店の店頭に行くと明らかなように、薄型テレビは信じられないほどに値下がりしていて、メーカーはもちろん、量販店も果たして儲けが出ているのかが不思議なほどです。
 それはそうなのですが、だからと言って、新商品が持ち運びできるテレビ(商品名 フリースタイルAQUOS)だというのは、パソコン業界がキーボードのないタブレット端末を過小評価しているうちに、シェアがどんどん奪われていったという教訓から何も学んでいない気がします。
 どう考えても、近い将来はテレビもタブレット端末で見ることが一般的になるでしょう。いったい誰がテレビを持ち運ぶというのでしょうか?

2011年9月14日水曜日

ホームページソフトのリース契約でトラブル急増

***産業関係者以外の方は無視してください***

 経済産業省中小企業庁が、ホームページソフトなどのリース契約はしっかり考えてから というチラシを作り、注意を呼びかけています。
 わしもつい先日、この手の話を聞いたので、参考までにリンクしておきます。

 これはリース業者が中小企業をターゲットにして、インターネットホームページの開設や運営を有料で代行してあげる、という営業をかけ、リース契約するものです。
 ただし、インターネットホームページ自体はリース契約の対象にならないため、ソフトウエアを抱き合わせて、ソフトの使用についてをリース契約します。
 この手の契約に乗ってしまう中小企業は、いまだにホームページを持っていないということからも容易に想像できるように、インターネットやコンピュータの知識に疎く、ホームページはきちんと運営しないと効果がないとか、このソフトを使えば売り上げが伸びる、みたいなセールストークに簡単に納得してしまうようです。

 ホームページは作ったもののほとんど効果がない、更新やメンテナンスをしてくれない、もしくはそれに法外な料金がかかるといったトラブル事例も多く、最悪の場合は業者が倒産や失踪してしまっても中小企業とリース会社との契約は有効なため、債務は負いつづける羽目になってしまいます。

 このチラシも書くように、
・中小企業は事業者であるため、ビジネスに関する契約については消費者保護のための規定である特商法の「クーリング・オフ」は適用されません。
・同じく、リース契約後の中途解約もできません。
・また、リース契約では契約期間が終了してもリースした物件の所有権はリース会社にあります。

 といった点に注意が必要です。

 何か困りごとがあった時の相談先として、以下を紹介しておきます。
●(社)リース事業協会  http://www.leasing.or.jp/
  リース相談窓口 03 - 3595 - 2801
  受付時間 【平日10:00~12:00/13:00~16:00】

●(独)中小企業基盤整備機構  http://www.smrj.go.jp/venture/consult/000173.html
  がんばる中小企業 経営相談ホットライン  0570 - 009111
  受付時間 【平日9:00~17:00】

 このほか、お近くの商工会議所や商工会でも相談に乗ってくれることと思います。

2011年9月13日火曜日

地域仕事づくりチャレンジ大賞で感じたこと

 はんわしも参加させたいただい地域仕事づくりチャレンジ大賞2011は、総合グランプリに、自治体(地域)部門からノミネートされた、岡山県西粟倉村:新たな地域経営 林業6次産業化が輝いたようです。

 先日も書きましたが、西粟倉村は低迷する地場産業の林業再生が急務となっており、地域が一丸となって高付加価値化に取り組んでいます。わしもプレゼンを聞いて素晴らしい取り組みであると感銘を受けました。
 西粟倉村のみなさんの栄誉を讃えたいと思いますし、わしも含め、今回の地域仕事づくりチャレンジ大賞という素晴らしい機会をいただいたNPO法人ETICをはじめ、東紀州観光まちづくり公社NPO法人G-netなど関係者の皆さんにも重ねて感謝したいと思います。

 地域仕事づくりチャレンジ大賞はぜひ来年度も続けていただきたいと思いますが、ぜっかく貴重なプレゼンの体験もさせてもらったので、いくつか感じたことを書かせていただきたいと思います。

 1つめは、同じ自治体部門というジャンルではあったものの、出場した5地域(5自治体)の取り組みには相当の熟度の差があったことです。
 すでに長期インターンシップの取り組みが数年以上も継続し、U・Iターン者の実績も多数出ていて、全国的に有名になっている事例もあれば、まだ取り組みが緒についたばかりで、成果が出る熟度にまで達していないと思われる事例もありました。
 これが横一線でコンペするのですから、地域仕事づくりチャレンジ大賞の着眼点がどこにあるのか、つまり「取り組みがきちんと持続し、実績を重ねていること」なのか、「新たにチャレンジすることそのもの(三重県多気町役場の岸川さん風に表現すれば、「ゼロを1にすること」)なのかが判然としませんでした。

 2つめは、上記と関連しますが、審査基準も実はよくわからなかったことです。
 別に賞金が懸っているわけでもなく、一種のゲーム感覚だとは思うので、厳密な基準を設ける必要も意味もないとは思います。
 しかし、プレゼン参加者には当日、どこが審査のポイントとなるのかについての説明は事前に主催者からはなかったように思います。
 実際の選定方法も、参加者が各プレゼンを聞いて、主観的に良いと思った団体に投票するというものなので(しかも何票だったかの結果は公表されない)、プレゼンが良かったのか悪かったのかのフィードバックにつながりません。
 ただ、感心したのは、参加者全員にコメントを書くカードは配られており、参加者の感想を直接プレゼンした人に渡してもらえるので、それはありがたかったのですが。

 特に問題になるのは、東紀州観光まちづくり公社のように県と市町で構成している任意団体が、複数の市町にまたがる広域でインターン事業を行っているケースでは、西粟倉村のように単独の市町が、「林業」というジャンルにテーマを絞って一点集中で取り組んでいるケースと、決して単純に比較できないということです。
 繰り返しますが、これは「ゲーム」なので厳密な優劣ではありませんが、広域的な取り組みはどうしても焦点がぼやけてしまうので、どこがユニークで、どのような意義がある事業なのかが聴衆のみなさんにも理解されにくいのではないかとも感じました。

 冒頭にも書いたように、この地域仕事づくりチャレンジ大賞は非常に有意義です。ぜひ多くの自治体、団体に参加していただきたいと、これは本心からそう思います。
 同時に、審査基準については、明確化と事前周知の方法の両方とも改善の余地があるのではないでしょうか。

 この点について、関係者の方、参加者の方のご意見がぜひ聞きたいと思います。(コメント歓迎!)

2011年9月12日月曜日

台風12号関連 災害ボランティア情報

 9月2日から4日にかけて、三重県東紀州(三重県南部の尾鷲市、熊野市、紀北町、御浜町及び紀宝町の2市3町からなる地域)や和歌山県南部、奈良県南部に大きな被害を引き起こした台風12号。

 いまだに一部の地域では断水や通行止めなどがあるようですが、被災地での復旧作業を手伝う災害ボランティアの受け入れが各市町で始まっています。
 また、ボランティア団体が主宰するボランティアバスも運行されるようです。

 東紀州の地域ポータルサイトであるくまどこが情報を一元的に提供しており参考になります。

 ■くまどこ  http://kumadoco.net/

 ■台風12号による災害ボランティアの募集状況について(くまどこ内)
   http://kumadoco.net/news/view.cgi?no=2977

2011年9月11日日曜日

「官僚の責任」・・・進むべき道はわかっているが

 古賀茂明さんの近著 官僚の責任(PHP新書) を読みました。
 
 古賀さんは経済産業省のキャリア官僚でありながら、ドラスチックな公務員制度改革の導入を図った「改革派」であったため、現在は大臣官房付けという閑職に追いやられていることでも有名です。
 最近は「日本中枢の崩壊」という著書がベストセラーになったり、11月に予定されている大阪府知事選挙の候補者として一部から待望論が出たりしたことでも話題になっています。

 この本「官僚の責任」は、日本の失われた20年と軌を一にして世間ではすっかり常識となった、官僚ダメ論が主な内容です。
 国家公務員は身分制度であり、キャリアと呼ばれるⅠ種試験に合格して採用された高級官僚は、特権階級として、責任も重い代わりにスピード出世と天下りが約束されています。
 一般的に頭脳は明晰で、入庁間もないころは日本を背負う気概に燃えていた彼らがどうしてダメ官僚に堕落してしまうのか、経済産業省での体験をもとに古賀さんが解説しています。

 ただし、この種のテーマは、たとえば高橋洋一氏の「さらば財務省」など、過去から元キャリア官僚による告発本が様々出ているので、古賀さんの論自体に特別新味はありません。

 経済産業省はかつては傾斜生産方式を導入したり、アメリカとの通商交渉で最前線に立つなど、太平洋戦争の敗戦で壊滅していた日本を立て直し、経済大国として甦らせるのに大きな役割を果たしたと言われています。
 しかし、皮肉なことに日本経済が大きくなるにしたがって、旧態依然とした「産業政策」にこだわる経産省は存在感を低下させ、ICT産業への乗り遅れや、原子力発電の問題に見られるような失策を重ねていきます。
 閉鎖的な組織風土が強い霞が関の中でも、まだ開明的で、上下の隔てなく闊達に議論をする気風があった経産省は、しだいに内向きになり、ついには海外の企業が日本に進出したり投資することを敵視する風潮さえが生まれるようになります。
 このあたり、やはり当事者として経産省の中にいた古賀さんの話は興味深く、説得力を感じます。

 もっとも、一番問題なのは、それではどうすれば官僚は国民の方を向いて一所懸命に仕事をするようになるのか、それにはどうしたらいいのか、ということです。
 古賀さんはいくつかの提案をしているのですが、その肝になる部分は
 私に言わせれば・・・(中略)・・・最大の理由は、確かな評価システムがないことにある。その観点から、私が第一に導入すべきだと考えるのは「身分保障の廃止」と、それにともなう「実力主義の採用」だ。
 というところです。

 これは、国家公務員に限らず、地方公務員でも、若手職員の多くは同感なのではないかと思います。県や市町村の多くは、客観的な勤務評定がされておらず、昇任や昇格の試験制度もなく、ほぼ年功序列と減点主義によって人事が決まっています。
 この改善は大変難しいことではあるのですが、日本がここまで混乱し、閉塞している以上、大ナタを振るって公務員を活性化することは急務だと言えます。

 また、中小企業や農業者を「弱者」と定義し、弱者を守るという名目で行われている施策の多くも、実はほとんど効果がないもので、意欲のある企業や農業者の足を引っ張っているだけであり、政府の役割は、これらの人が活躍しやすいような事業環境を整えることだと説きます。

 確かにその通りなので、こういう主張をするところが古賀さんの改革派としての面目躍如なのですが、やはり現実にそうした方向にかじを切れる大臣や首長は今の日本にいるのかが心配ではあります。

 昔、アル・パチーノが主演した「セント・オブ・ウーマン」という映画の中に
 我々は、常にどちらに進むべきかはわかっていた。どの方向が正しいのかは知っていた。しかし、実際にはそちらに進むことはなかった。  なぜか。  それが困難な道だったからだ。
 というようなセリフがあったのを記憶しているのですが、この本を読み終えて、そのことを思い出したのでした。
 

2011年9月10日土曜日

地域仕事づくりチャレンジ大賞2011

 はんわしが小学生のころ放映されていた「一休さん」というアニメ番組のCMは子供心にも何とも奇妙なものでした。
 消防の半纏を着たたくさんの人が行列しており、その中の一人の老人が「一日一善!」とか「世界は一家、人類はみな兄弟!」とかを絶叫するものです。(流行語にもなりました)

 この老人こそが戦前は民間右翼の大物として国会議員を務め、戦後公職追放されてからは、戦後復興の財源をねん出し、かつ国民に娯楽を与えるという名目で「競艇」(ボートレース)というギャンブルを創設。またたく間に実力で全国各地のギャンブル利権を手中にし、日本消防協会や日本船舶振興会の会長に就任していた笹川良一氏その人であるとは、そのころのわしには知る由もありませんでした。
 
 さてその笹川氏の銅像が建つ、東京田町の笹川記念会館に行ってきました。
 この日、地域仕事づくりチャレンジ大賞2011のコンペが開催されていたからです。


 この地域仕事づくりチャレンジ大賞2011は、昨年度まで地域若者チャレンジ大賞として、長期インターンに挑戦し、得難い経験をした若者たちを顕彰するものでした。今回からは若者たちに加えて、若者のチャレンジを受け入れたり、サポートしたりする、企業や大学、行政にも対象を広げて、優秀な取り組みを顕彰することになったものだそうです。
 
 三重県東紀州(三重県南部の、尾鷲市、熊野市、紀北町、御浜町、紀宝町の2市3町からなる地域)では、平成19年度から長期インターンシップ事業が行われているため、今回「自治体部門」で事業の実施を担っている東紀州観光まちづくり公社がノミネートされ、自分も、長期インターンシップ事業を始めた経緯などをプレゼンする要員の一人として参加させてもらっていたのです。

 行政部門のコンペは5つの自治体がノミネートされており、午前10時からプレゼンテーション審査が実施されました。
 東紀州はG-netの柏木さんを中心に4名のチームでプレゼンしましたが、残念ながら最終選考に残ることはできませんでした。しかし、三重県と地元市町が連携して活性化事業に取り組んでいる「東紀州観光まちづくり公社」という組織のユニークさや、長期インターンシップの経緯、成果、課題などは会場の皆さんにおおむね伝えることができたのではないかと思います。
 
 自治体部門で勝ち残ったのは、岡山県西粟倉村の「林業六次産業化」と、島根県海士町の「小さな島の総力戦」の2つの団体でした。

 西粟倉村は人口1600人。村のほとんどは森林で、低迷する林業の再生が急務となっています。そこで、村役場、森林組合、地域商社などが、若者チャレンジのプラットフォームを作り、家具の製造販売などで材木を高付加価値化して販売することで、新たな市場を開拓し、村内の新規雇用を大きく増加させているというもの。

 海士町は隠岐諸島の一つの島で人口は2500人。水産業の低迷と、過疎化高齢化が深刻な中、村長のリーダーシップにより島外から若手人材をIターンさせる戦略を立て、受け皿となる島での雇用も島民とIターン者の協力によって創造しています。
 驚くべきことに5年間で250人!がIターンしており、地域振興の大成功事例として全国的にも有名です。

 この2つに比べると、東紀州の取り組みもまだまだスケールは小さいですし、改善の余地はあるように感じます。(そのことは同時に、発展・飛躍の可能性も秘めています。)
 具体的には、西粟倉村、海士町とも単独の小規模町村の取り組みであり、危機感や理念が関係者にしっかり共有され、インターン事業の目的も明確です。活用できる地域資源も林業(木材)や水産業、観光業などに選択・集中されています。
 また、事業を民間ベースで継続させるために、地域外の市民(ファン)から出資を募ってファンドを作り、その基金を活動原資にするとともに、ファンの人脈とネットワークを最大限活用しています。このあたり、戦略性と実行力は敬服せざるをえません。

 東紀州は5市町、人口8万人の広域エリアであり、課題や有力産業にもそれぞれ地域性があります。また、長期インターン事業のアジェンダも「東紀州を若者チャレンジの聖地に」という、やや抽象的なもので、経済的な、あるいは雇用創造の具体的な目標ではありません。この辺は今後の課題であると感じます。

 いずれにしても、聴衆も含め、参加者の方々と意見や情報が交換できた貴重な機会でした。このような刺激的な機会を得られたことに関係者の皆さんに感謝します。

2011年9月8日木曜日

大学生のみなさんへの「評論家気取り」閲覧ガイド

 このブログは一応アクセス解析を行っていますが、大学の後期が始まったせいか、全国の大学からのアクセスが増加しています。
 読んでいる方が学生なのか、それとも教職員なのかまではわかりませんが、わしは時々、大学生から「地域の活性化に関心があるので地方公務員になりたい」とか、「地方公務員の仕事で、もっとも地域再生につながるのはどんな仕事ですか」などの質問を受けることもあります。
 
 これらへのストレートな回答にはなりませんが、今まで足掛け3年間、書いてきたブログ記事を紹介してみます。
 現役の地方公務員は日々こんなことを感じている、と参考にしていただければ幸甚です。

公務員になりたい大学生のために (2011年1月18日)

「よそ者、若者、ばか者」を考え直す(2010年9月26日)

誰が必要とされ、誰が必要とされていないのか? (2009年11月20日)

活性化の「起爆剤」という表現にこだわる(2009年9月13日)

地方公務員の仕事は国から補助金を取ってくることか? (2010年9月5日)

なぜ地方公務員はパッとしないのか(2011年7月26日)

公務員給与削減はいいことだらけだ(2011年5月24日)

日本の公務員数は多くない(2009年12月28日)

日本の公務員数は多くない(ふたたび)(2010年5月20日)

なぜ地方自治体でパワハラが横行するのか(2011年2月11日)

2011年9月7日水曜日

世界の人口、2011年10月にも70億人を突破へ

 世界の人口が今年10月にも70億人台に突入する見込みであることが報じられています。(GIGAZINE 9月7日付け
 60億人を突破したのが1999年(平成11年)だったので、12年で10億人の人口増加、つまり年間8300万人も人口は増え続けていたことになります。

 Singularity Hubの記事にあった世界人口のグラフです。
 世界の人口は紀元前から17世紀ごろまで、せいぜい数億人しかいませんでした。
 産業革命を迎え、ヨーロッパ諸国の工業化(そしてそれに伴うアフリカやアジアの植民地化)によって人口は爆発的に増加を始めます。

 世界経済の牽引車はイギリスを中心としたヨーロッパから、アメリカへ移り、今は中国やインド、ブラジルといった国々に移ろうとしています。
 豊かな生活にあこがれ、その果実を手にし始めている人々は、後戻りを決して望まないでしょう。皮肉なことですが、そうした豊かさと並行して、戦争や環境汚染、人知を超えた新種の感染症などの脅威はこれからも消えることがないでしょう。

 ひるがえって、わが日本です。
 人口は2007年(平成19年)にピークアウトしており、このままでは徐々に人口は減少していきます。
 人口オーナスの時代を迎えるのです。


(グラフの出典は、内閣府の平成19年度年次経済財政報告です。)

 2030年代には1億人を割り込みます。
 日本の人口が1億人を超えたのは1967年(昭和42年)ですが、このときは14歳以下の若年者と、15歳から64歳までの生産年齢人口の合計が全人口の9割近くを占めていました。
 しかし2030年の人口構成は、65歳以上の高齢者が4割近くなっているという、全く違うものになっています。

 この未来ははっきりしています。
 そして、私たちも確実に年老いていく。
 人口が爆発する世界の中で、日本は、日本人はどう生きていくべきなのかを、やはりしばし考える必要はありそうです。

2011年9月6日火曜日

熊野川の恐ろしさを再認識

 熊野川の最下流、ほぼ河口付近にある和歌山県新宮市と、三重県紀宝町がこのたびの台風12号が引き起こした大雨により大きな被害を受けました。
 また、その上流にあたる十津川でも大規模な土砂崩れが発生し、同じく大きな被害が発生しています。

 紀伊半島の屋台骨ともいえる大峰山地に源を発する熊野川は、古来から人々に暮らしの糧を与える一方で、暴れ川として恐れられていました。

 熊野三山の一つ熊野本宮大社は、元々は熊野川、音無川、岩田川の中州である大斎原(おおゆのはら)に鎮座していました。しかし明治22年8月に発生した大洪水により流出。明治24年に現在の場所に移転され、再建されたという経緯があります。

 また、十津川も同じ水害により住民168人が死亡するなど壊滅的な被害が発生しました。生活再建の見込みがない2500人ほどの住民は、新たな生活基盤を求めて未開の地であった北海道に集団移住したという事実もあります。(現在の北海道新十津川町

 ダムの建設や河川改修が進んだ現在も、潜在的なリスクを完全に回避することはできなかったのかもしれません。不謹慎な言い方が許されるならば、神々のおわす地 熊野の人知を超えた奥深さ、畏怖さえ感じてしまいます。

 しかし気になるのは、今回大きな被害を受けた山間地の多くは高齢化、過疎化が進んでおり、地域のコミュニティ力が低下していることが容易に予想される地区であるということです。
 現時点で軽々には言えませんが、単なる異常気象のせいと決めつけるのでなく、住民同士のコミュニケーションや災害時の初動体制などが、住民の年齢構成や家族構成とどんな関連があったのか、なかったのか、その検証がぜひとも必要だと感じます。

(今日、国道42号線を走ったのですが、何台かの自衛隊車両とすれ違いました。必死の救助活動、復旧活動に携わっている地元の消防をはじめ、警察や自衛隊の皆さんに敬意を表します。)


<追記>平成23年9月7日
 台風12号では幸いにも死者は出なかったものの、洪水と、現在も停電に見舞われている熊野市紀和町の被災状況について、財団法人紀和町ふるさと公社の「ふるさとBlog」がリポートしています。
 リンクはこちら http://blog.murablo.jp/kiwafurusato/

2011年9月5日月曜日

タバコ増税は明日からでもやれ

 野田新内閣の厚生労働大臣 小宮山洋子氏が今日の記者会見で、来年度の税制改正で「たばこ税」の増税を求める考えを明らかにしたそうです。来年度以降も段階的に増税したい考えで、将来の姿として「(1箱の価格が)700円台ぐらいまでは(値上がりしても)税収も減らない。そこまでは少なくともたどり着きたい」と強調したとのことです。(アサヒコムより)

 先日も書いたように、いわゆるヨーロッパ先進国は日本など文明国だと思っていませんが、その理由の一つは、街頭でどこにでも目にする、喫煙者たちがたむろして煙を吐いている、国恥的、国辱的な光景です。

 喫煙者はニコチン中毒という病気なので気の毒ではあります。
 しかし同時に肺がんや心臓病の高い発症リスクを潜在的に抱えており、医療費など日本の社会保障費の給付を押し上げている原因でもあります。
 高齢化が進むと、ますますこの存在は重荷になり、国家財政破たんの引き金につながるでしょう。

 同時に、彼らは従順で善良な納税者です。



 社団法人日本たばこ協会の資料によると、平成22年10月に実施されたたばこの値上げの直後は、販売数量、販売代金とも大きく落ち込みました。
 しかしその後は順調に回復しており、今年7月度は信じがたいことに販売本数200億本、販売代金は4168億円となって、1年前の水準にまで完全に戻っています。(紙巻たばこ月次販売実績 PDFはこちら

 これを見る限り、たばこ税を今の2倍に引き上げても税収には何の問題もありません。それどころか喫煙者は減る可能性もあるので、その分は確実に医療費も抑制できます。

 さっそく明日からでも実行してもらいたいものです。
 民主党が再び政権交代の理念に立ち戻って、日本を力強く再生させるためにも。

2011年9月4日日曜日

今こそ三重県版起業白書を

 野田新内閣の支持率が軒並み50~60%という高い数字を示しているようです。短命内閣が続いて日本の統治能力については世界からもクエスチョンが出ているので、これはこれでご同慶の至りです。ぜひ頑張っていただきたい。(三重県選出の議員も大臣になったようですし)

 しかし新聞などを読むと、野田首相は財政再建と共に成長戦略も堅持する姿勢であり、すみやかな円高対策を行うとか、国内の企業立地に対して助成を行う、などと言っています。この人、いったい何を考えているのか。

 現在の円ドルレートが真に円の実力を示しているものかどうかについて、エコノミストの間でも議論があるのは確かです。
 しかし、不当に円が買いかぶられている(つまり、不当に円のレートが高すぎる)という「合意」はありません。ビッグマック指数でみれば、1ドル70円台後半なのはむしろ実勢を表しているという意見も多い。
 また、政府が為替市場に介入しても、そんなものは大河の一滴で、ほとんど何の効果もないのは先月末にも実証済みです。

 一方、企業立地に補助金を出すのはどうか。
 これは二重の意味で間違っています。
 どの企業ならカネを出し、どの企業なら出さないのか。その基準は政府が決めることになります。社会主義国ならともかく資本主義国の政府は市場をコントロールできないので、政府の基準で特定の企業にカネを出すのは公正な競争を阻害し、しかもその企業が本来負担するつもりだった(負担するべきだった)投資が税金で肩代わりされるだけで、経済成長のためには意味がありません。

 もう一つは政府の非効率性です。
 政府が国民から税金を徴収し、あるいは国債を出して借金します。そのカネをさらに助成先に分配する。この2つの作業のために、税務署員や財務事務所の人件費、事務費、さらに政治的なネゴシエーションなど膨大なコストがかかります。
 そんなことはせずに、税金を引き下げたらいいのです。これなら効果は広くあまねく発生します。

 これまでの産業政策は失敗の連続でした。インフラ輸出などと言っていますが、レベル7の最悪事故を起こした日本の原発を、(独裁国とかは別にして)まっとうな民主主義国家が導入するでしょうか?
 
 普通に考えて、日本の経済は内発的に再生するしかありません。
 輸出産業に過度に依存するのでなく(しかしTPPは必要)、ニーズがありながら財政問題や種々の規制でボトルネックが生まれている福祉サービスや医療サービスを産業化する。
 観光や6次産業の生産性を上げる。
 金融や専門サービスといった知識集約的な産業の人材育成や金融市場構築を行う。
 国はそのために法人税を下げ、労働市場も含めた規制を改革して企業が競争しやすい環境を作り、産業構造を変える。
 地方は地域内の起業マインドを醸成し、ソーシャルキャピタルのネットワークを強化して、地域イノベーションを次々と輩出させる。
 これしかないのです。

 さしあたり、(本当に入口の入り口のレベルとして)三重県に必要なのは起業・創業の促進であり、手始めに、現在、県、日本公庫、商工会議所、商工会、NPO、大学など、さまざまなセクターが行っている起業支援施策の情報を一元化し、その成果や問題点を共有して、次の有効な施策のためにフィードバックしていくことです。

 残念がら、「三重県版起業・創業白書」とも呼ぶべきものが現在はありません。
 手始めに、ネットを使ってそのようなものが作れないかと思っています。 

2011年9月3日土曜日

台風一過のピンホールカメラ

 台風12号が西日本を中心に大きな被害を引き起こしているようです。被災された方にはお見舞い申し上げます。

 私事ですが台風が来ると思い出すことがあります。

 わしが小学校5年生ぐらいの時だったでしょうか。たまたま、いとこが遊びに来ていた日に台風が接近し、彼はその夜、我が家に泊まっていくことになりました。
 わしの家は明治時代かそれ以前の古い建築で、当時のことで窓はサッシではなく板ガラスの入った建具の引き戸。大雨の日は漏ってくるので木製の重い雨戸を閉めていました。

 部屋の中は真っ暗になります。
 周囲は商店街で、普段の夜は遅くまで人が歩き、窓の外も明るかったので、いつもと全然違う雰囲気でした。
 蒸し暑いし、風雨の音はすごいし、いとこがいることもあって、大人たちはきっと台風のことが心配だったでしょうが、子供たちにとっては何だかその非日常感が、うれしいような、楽しいような気持でした。子供って多分そんなものだと思います。

 夜更かしした次の朝。
 台風はすっかり通り過ぎてしまったようです。
 雨戸にあいた小さな節穴から、真っ暗な部屋の中に外の明るい光がさして、窓のすりガラスに丸くスポットライトのように当たっていました。
 その窓ガラスの丸い光をよく見ると、外の景色が逆さまに映っているのです。

 何かの本で、ピンホールカメラの原理は読んだことがあったので、雨戸の節穴がレンズになって、フィルムに当たる窓ガラスに映ったのだということは理解できましたが、それにしても、青空と、家々の黒い屋根瓦、茶色の板塀の景色が、そのままそっくり、上下反対に小さく映っているのは、まるで奇跡でも見ている気分でした。
 
 慌ててまだ寝ていたいとこを起し、二人で飽くことなく眺めていました。

 やがて親に呼ばれて朝ご飯を食べに行き、部屋に戻ってきたら、すっかり雨戸は片付けられていました。台風一過のまぶしい朝の光があふれ、寝散らした布団と畳を照らしていました。
 部屋には一点の影も、暗闇も残っていません。
 窓に映っていた雨戸カメラの小さな映像も、もう跡形もなくなっていたのでした。

2011年9月2日金曜日

日本はヨーロッパからどう見られているか

 ドイツの公共放送であるZDFのニュース番組 Frontal21の福島原発事故特集がYouTubeにアップされています。

 この番組によると、日本政府は放射能汚染を過小評価して抜本的対策をとっておらず、地方自治体はうろたえるばかり。東京電力は無責任。そして国民は忘れっぽく、史上最悪の放射能汚染にわが身が晒され続けていることにも鈍感になりつつあります。

 早い話が、「文明国」だとは思われていないのです。



 ナショナリズムけっこう。
 ニッポン最高!の自画自賛も、がんばろう東北もけっこう。
 しかし、情緒、ムードに流されてはいけません。
 それは祖国を滅ぼすからです。先の太平洋戦争でも、ムードが、空気が、祖国を焦土にし、数百万人もの同胞を死に至らしめたからです。

 福島近辺でとれた農作物は本当に安全でしょうか?
 世界の常識に照らして日本が異常な楽観主義(投げやりと言ってもよい)であると見られていることは、国民一人一人がもっと自覚すべきです。

2011年9月1日木曜日

中小企業オヤジの円高サバイバル

 三重県四日市地区の伝統産業である焼き物「萬古焼」(ばんこやき)は、古く江戸時代から生産が始まり、明治になって急須、大正期から洋食器やノベルティが作られるようになると、四日市港から盛んに海外に輸出されるようになります。

 150年、5代にわたって続いてきた三重県を代表する萬古焼メーカー 森欽窯業(株)の社長が、円高と戦って、とうとうものづくりを廃業し、第2創業としてスポーツクラブを立ち上げ、成功するまでの軌跡を書き下ろしたのが本書「中小企業オヤジの円高サバイバル 事業転換」(森 純孝著 出版共同販売)です。

 森さんが森欽窯業の社長に就任したのはニクソンショック直後の昭和52年。
 1ドル360円の固定相場制から変動相場制に移行した円は、この時期200円前後のレートとなり円高基調となります。
 まだこのころは萬古焼業界も元気があり、森社長も年中海外に出張して大きな商談をまとめていました。

 しかし昭和60年のプラザ合意によってドル安が世界的に容認されると、一気に円高が進みます。
 1ドル120円という歴史的な円高となり、三重県でも萬古焼をはじめ、桑名の鋳物産業など地場の輸出産業が多く休業や廃業に追い込まれます。

 森欽窯業も欧米向けの取引をほとんど失い、廃業か、工場の海外移転か、転業かの三者択一という究極の選択が迫られます。
 慎重に選択した結果、海外進出を断念した森社長が選んだのは、150年間続いた焼き物づくり(窯業)をやめ、工場を取り壊して、新たに全く異分野であるスポーツクラブの建設、運営に乗り出すことでした。日本もアメリカにならってスポーツブーム、健康ブームが騒がれ出した昭和62年のことです。

 ここに至るまでの社長の苦悩、孤独、焦燥が体験を交えて生々しく、しかし明るく書かれているのが本書の見せ場です。
 プラザ合意の張本人である竹下登元蔵相は今でも許せない、孫であるタレントのDAIGOさんがおちゃらけてテレビに出ているのを見るだけで腹が立つ(本人に責任はないとも書いていますが)とか、当時「外需から内需へ」を提唱した前川リポートも、最初は中小企業の苦しさも知らないエリートが軽々しく何を言うかと反発したものの、最後は読み込むようになったことなど。
 また、スポーツクラブという発想が、森社長の長い海外経験に裏打ちされたものだったこともうかがえます。

 いくつか教訓のようなまとめも書かれており、ぜひ皆様も本書をお読みいただければと思うのですが、
・国を信用しすぎない(政治家も官僚も「おカネの価値」「おカネを稼ぐ大変さ」が本当はわかっていない。だから無責任。)
・為替がどうであろうと、資産の半分は外貨(ドル)で持つこと
・中小企業は大企業のまねをしてはいけない
・円高は悪いが、今の日本の状況で円安になれば国家財政が破たんする
 などの話はなるほどと思わせられます。

 また、せっかくスポーツクラブの経営が軌道に乗ったころ、四日市市が市営のスポーツジムを作り、これは民業圧迫だし不公平な競争(税金で運営)である。官は民の邪魔をするな、というエピソードも興味深いものです。(というか、行政職員の一人として我が身につまされます。)

 全体に文章は荒削りで、話の重複や行きつ戻りつも多いのですが、逆に本音が出ていて読みやすいので、円高に関心がある方、経営者の二代目の方、事業転換や新分野進出を考えている方などにぜひお勧めしたいと思います。