2014年12月31日水曜日

2014年末・伊勢のお寺巡り(地の巻)

(承前) 2014年末・伊勢のお寺巡り(天の巻)

 伊勢市内で現存最古の建築物である(らしい)善光寺、そして法然上人ゆかりの欣浄寺とも、駅から近くて観光客向きのロケーションになりながら観光客向けではなかったので、今日は、地元市民向けの2つのお寺に行ってみました。

観音山梅香寺(浄土宗)
 昔むかし、伊勢参宮への旅人が歩いてやって来た時代、街道を通って宮川で渡し船に乗り、宮川右岸、現在の伊勢市二俣町あたりに上陸し、最初の「お伊勢さんらしい」ところが、この梅香寺がある筋向橋(すじかいばし)という場所でした。ここは上方からの伊勢本街道と、東海道からの伊勢街道が交差する要衝で、全国各地からの旅人であふれ、大変賑やかだったそうです。
 

2014年12月30日火曜日

2014年末・伊勢のお寺巡り(天の巻)

 伊勢市は当然のことながら伊勢神宮によって形成された宗教都市で、多くの参詣者が内宮・外宮両宮にお越しになっています。その一方で、有名な仏教寺院が伊勢にはほとんどありません。
 これは、明治維新に全国に吹き荒れた「廃仏毀釈」が、伊勢神宮のお膝元である伊勢市(当時の言い方をすれば、外宮の門前町であった山田地区と内宮の門前町であった宇治地区)では特に過激に実行されたためです。
 伊勢神宮の周辺にあった寺院はほとんどが廃寺となり、僧は還俗させられ、仏像や仏具は破却されるか売却されました。明治末期になるとファナティックな仏教破壊は見直され、山田のお寺も徐々に復興してきますが、宇治では今でも江戸時代から続くお寺は一社もありません。

 今では伊勢市民も多くの人は普通に仏事を行いますし、お参りもします。ただ、伊勢神宮やそれにつらなる神社ほど伊勢のお寺はメジャーになっていません。
 そんなわけで、年末のお参りは、お寺で行ってみることにしました。もっとも、金剛証寺や、寂照寺、大林寺、中山寺、松尾観音寺などは今までこのブログでも紹介したことがあるので、今回はわしもほとんど初めてお参りするような寺の特集です。


2014年12月28日日曜日

わしはこうして詐欺に引っかかった(後編)

(承前) わしはこうして詐欺に引っかかった(前編)

 さて、このように元上司からの、よく考えてみるとわけの分からない理由による無心に応じてしまったわしですが、現金を渡したときには引き換えに借用証(というか、返済することを確かに誓約します、という類の誓約書みたいなものでしたが)を出してきたので、まあいいか、みたいな感じでした。
 実際に最初の何か月かは、月1回、お金が振り込まれてきました。ただ、決まった額ではなく、多い月は2万円くらい、少ない月は5千円くらいで、つまりは決まった返済額というものもなく、これもよく考えれば怪しい話なのですが、わしは「ああ、よほどお金に困っているのだな」と思っていたほどでした。
 
 おかしいと思ったのは、数か月後、月1回の返済さえもなくなり、元上司の携帯に電話しても本人にほとんど繋がらなくなったことです。仕方がないので、今まではあくまでプライベートな問題と思って自粛していた、彼の職場へ電話してみることにしました。
 しかし、彼はいつも休暇を取っているか、出張しており、職場にいないのです。電話に出た同僚の方々に聞いても、いつ出てくるかわからない、どこへ(出張に)行っているか自分たちも知らない、という答えばかり。さすがのわしも、これは怪しいと疑い始めました。

2014年12月27日土曜日

わしはこうして詐欺に引っかかった(前編)

 オレオレ詐欺のような「特殊詐欺」の被害額が11月時点で500億円を超え、統計開始以来、過去最悪となることが確実視されています。
 被害者となるのはほとんどが高齢者で、犯人が捕まっても、騙し盗られたお金が戻ってくることはおそらくないでしょうから、せっかく築いてきた財産があっという間に失われてしまった落胆はいかほどかと思います。
 それと同時に、「なんで世間であれほど注意しろと言っているのに、おばあちゃんは騙されちゃったの?」といったような、批判がましい世間の目が向けられることで、いわば二次被害を受けているのではないか、とも心配になります。
 騙された、と分かった時の、その混乱した気持ちは被害者でないとなかなかわからないものかと思います。自分の愚かさを悔やんでも悔やみきれない気持ち、家族や知人への恥ずかしさ、犯人に対するやり場のない怒り、などなど。
 実はわし、職場の元上司だった男(つまり三重県の職員)にお金を騙し取られたことがあります。わしの体験をもって他山の石としていただきたく、年末になって世知辛さも募るこの時期、あえてその顛末を書いてみることにします。

2014年12月26日金曜日

地方で就職する学生への補助金は有用か?

日経WEBより
 先週の日経新聞に載っていた、政府が地方にUターンやIターン就職する大学生に対して学費を支援する制度をスタートさせるらしいという記事は、今日、総務省と文科省が「まち・ひと・しごと創生総合戦略」の一環として正式に制度創設を発表しました。

 この制度は、日本学生支援機構が新設する「地方創生枠」というもので、地方の企業への就職などの要件として学生に無利子の奨学金を貸与する内容です。そして、その学生が卒業後に要件を満たせば ~つまり、地方企業に就職すれば~ 返済を減免するとのこと。
 ただ、奨学金の財源には地元の企業などと自治体が共同で出資して基金を造成して充てられ、政府は基金を設けた自治体に対して特別交付税を交付する財政支援を行うという複雑なものです。

 関係者の間では、早くもこの奨学金が、果たして政府の唱える地方創生に有用なのかどうかの議論が喧しくなっています。

 意欲がある優秀な大学生が地方に就職することで地方企業が活性化するという肯定論と、奨学金をインセンティブにしても地方にはそもそも働く場がないので無意味だ、という否定論が拮抗していますが、わしはこのように考えます。

2014年12月23日火曜日

マルキ商店「骨までやわらか」鯵みりんを食べてみた

 先日、三重県紀北町で開催されていた 年末・きいながしま港市 で、マルキ商店の 骨までやわらか 鯵(あじ)みりん という商品を買ってきましたのでレビューしてみます。

 鯵みりんとは、アジの干物の一種で、醤油やみりんなどで作った調味液にアジを浸してから干す製法による「みりん干し」という種類の干物のことです。
 わしは、干物といえば塩味のものが一般的だと長らく思っていたのですが、紀北町を含む三重県東紀州地域(三重県南部の、尾鷲市、熊野市、紀北町、御浜町、紀宝町の2市3町からなる地域)では、アジやサバ、サンマ、カワハギなどといった魚の干物はみりん干しが多く作られており、干物屋さんに話を聞いてみると、「うちのイチ押しは、みりん干しやなあ」と答える方が多くいらっしゃいます。
 それは、調味液がまさに他店と差別化できる、自店の「秘伝のタレ」だからで、多くの干物屋さんは独自のブレンドレシピがあり、中には醸造業者とタイアップしてタレを特注しているところもあるようです。

 さてこの、骨までやわらか 鯵(あじ)みりん ですが、これは単なる干物でなく、すでに調理済、すなわち焼かれた状態で冷凍されており、所要時間電子レンジで温めると、焼き立てのみりん干しが食卓に上るという趣向の商品です。調理済の干物で、レンジで温めて食べるものは今ではそこそこ見かけることも多くなっています。しかし、実はこの商品、さらにもうひとひねりがあるのです。

2014年12月22日月曜日

近大マグロはなぜモテるのか

 コンビニでふと、エースコックのカップラーメンを見つけました。

  スープのダシに「近大マグロ」の中骨を使っているという触れ込みのラーメン(近大マグロ使用 中骨だしの塩ラーメン)です。

 近大マグロは、近畿大学水産研究所が卵を孵化させ、その稚魚を成魚まで育てて、さらにまたそれから卵をとる、というサイクルの養殖技術が完結している、いわゆる「完全養殖」の技術で育てられています。
 従来から養殖マグロというものはあるのですが、これは稚魚は海で捕ってきて生かしたまま蓄養場の生簀に持ち帰り、成魚になるまで育てるやり方でした。

 なので近大マグロは、ブロイラーとか肉牛とかと同じように、いわば工業製品的に生産し出荷できることが最大の特徴です。
 すでに近大マグロ専門のレストランは大阪・梅田と銀座にオープンしており、身(肉)も全国のデパートやスーパーで販売されています。
 しかしまさかラーメンまで出てくるとは思いませんでした。さっそく食べてみることにします。

2014年12月21日日曜日

年末きいながしま港市に行ってみた(平成26年)

 年末この時期に恒例の、年末・きいながしま港市に行ってきました。
 例年、10日間近くのロングラン開催ですが、今年も12月20日から28日までの9日間、連続で開かれます。
 会場は紀北町にある三重県でも屈指の水揚げを誇る紀伊長島漁港です。紀勢自動車道を紀伊長島ICで下車し、いったん国道42号に出て市街地を抜け、ICからはおよそ10分ほどで到着します。漁港周辺が駐車場になっており、無料で停めることができます。
 

 紀北町内の業者を中心に50店舗ほどがテント出展しており、特産の伊勢えびやカキ(渡利がき)、マグロ、さんま、さば、マンボウ、サザエなどの魚貝と、ひものなどの水産加工品、さんま寿司などが盛大に販売されています。

2014年12月19日金曜日

寒風の中、年末海族市に行ってみた

 志摩市大王町で開催されている、“御食つ国・志摩” 年末海族市に行ってみました。(これで、「みけつくに・しま ねんまつかいぞくいち」と発音させます)
 志摩特産の伊勢えびなどの魚介類、干物や手こね寿司などの加工食品などの産直市で、20以上の業者が出店しています。

 会場は、太平洋の突き出す大王岬(だいおうざき)にある波切(なきり)灯台で有名な、志摩市大王町の波切漁港です。海のすぐ真横にあるため寒風が直撃し、寒さは尋常ではありません。


2014年12月17日水曜日

a trioがキャリア教育で文科大臣表彰を受賞

 津市に本拠を置くNPO法人 a trio(ア・トリオ)が、文部科学省による「キャリア教育優良教育委員会,学校及びPTA団体等文部科学大臣表彰」を受賞するそうです。
 この表彰は、キャリア教育の充実・発展に尽力し、顕著な功績が認められた教育委員会や学校、PTAなどの団体について、その功績を讃え文部科学大臣が表彰することで、キャリア教育の充実を促進することを目的として、今回で第8回目になるものです。
 今回表彰対象となったのは、小学校15校、中学校24校、高校26校、特別支援学校5校、教育委員会9団体、そしてPTA等の団体が14団体の、全国で計93の学校・団体です。

 文部科学省のホームページによると、a trioの受賞理由は次のようなものです。

2014年12月16日火曜日

山中光茂松阪市長が辞職へ

 松阪市の山中光茂市長(38)が、自らが進めている市立図書館改革に関する予算案が市議会に再否決された責任を取るとして、市長を辞職することを表明しました。

 山中市長は、老朽化している市立図書館の改修工事を、民間企業等の資金を使って行ういわゆるPFI方式で行う内容の補正予算案を9月市議会に提出していました。しかし市議会議員には慎重論が多く、9月議会では否決。山中市長は11月市議会に再提案しましたが、本日開かれた本会議で再び否決されました。

 採決後、山中市長は記者会見を行い、
・図書館改革が5年以上遅れることが決定的になった。議会解散ができないなら、自分が辞めて市民への責任を示すしかない(朝日新聞記事より)
・議会の無責任な態度を含め、誰かが責任を取らなければならない。これ以上、首長(市長)を務める事はできない(毎日新聞記事より)
 等と述べ、平成27年度当初予算編成と、来年の2月市議会が終了した後、出直し市長選が4月26日の統一地方選(後半戦)に重なる時期を見計らって辞職すると明らかにしたとのことです。
 なお、この出直し市長選へ自らが再立候補するかについては「検討中」(朝日新聞記事より)、「まったくの白紙」(毎日新聞記事より)ともコメントしました。

2014年12月15日月曜日

民主党は地方政党になって出直せ

 多くのマスコミがはるか以前から予言していたとおり、第46回衆議院議員総選挙は政権与党である自民党、公明党が326議席を獲得し、圧勝しました。投票率は国政史上最低の52.66%(小選挙区)とのことで、このことも、事実上有権者に選択の余地がなく、かなり早い段階で与党勝利が確実視されていた中では、またやむを得ないことといえるでしょう。
 安倍政権は戦前回帰の復古的な政治理念を感じさせる場面が多々あり、政治資金の取り扱いが不明朗な~政治家の資格などまったくない~議員にも寛容であるなど、首をかしげたくなる場面はありますが、それにしても「アベノミクス」と呼ばれる経済政策は一定の成果を上げていると評価できるのは事実ではないかと思います。
 その一方で、誠に不甲斐ないとしか言いようがないのが野党第一党である民主党です。何らリーダーシップが発揮できず、事実上「レームダック」になっていた海江田代表の党運営が、ご本人の落選によってやっと解消されそうなのが一筋の光明といえなくもないでしょうが、政見放送などで見聞きした民主党の主張や政策は、抽象的で現実性がなく、前回の選挙で明確に国民の審判を受けた民主党政権時代の混乱した外交、経済、教育、福祉などの政策が、性懲りもなく同じように羅列されており、心ある国民、つまり、現政権等の代替が可能な政権担当能力を持ちうる第二の勢力を待望する国民の信頼を完全に裏切ったと言えます。
 民主党の公約は「厚く豊かな中間層の復活」でした。しかし、なぜ中間層は衰退したのかの正しい原因分析と、有効な方策を示せたとは到底思えません。

2014年12月14日日曜日

JR伊勢市駅前にホテル「三交イン」が進出へ

 三重県内を中心にバス事業や不動産事業を展開している三重交通株式会社は12月11日、グループ会社である株式会社三交インが、JR伊勢市駅前においてホテルと商業施設が入居する12階建てのビルを新たに建設すると発表しました。

 敷地面積は約980㎡、延べ床面積は約3200㎡で、1階部分は店舗、2階から上はビジネスホテルである「三交イン伊勢市駅前(仮称)」とするとのこと。工事は来年10月から着工し、平成28 年11月に竣工、12月から営業を開始する予定だそうです。

 建設予定地はJR伊勢市駅の北西部に道路を挟んで隣接する土地で、現在は時間貸し駐車場になっていますが、平成25年3月までは三交百貨店(店舗は平成13年に閉店)の建物があった場所です。

 わしのように、今から30~40年前、昭和終盤の伊勢市駅前の賑やかさと華やかさを記憶している者にとっては、現在の空き地同様の駅前はいかにも物寂しい光景なので、この進出によって駅前が新しく生まれ変わるのを大いに期待したいと思います。

■三重交通(株)ニュースリリース 伊勢市駅前に「三交イン」建設 (PDF)

2014年12月12日金曜日

【読感】お金の地産地消白書2014

 読書感想シリーズの最後は、コミュニティ・ユース・バンクmomoが今月刊行した お金の地産地消白書2014 ~地域金融機関がNPO支援に本気で参画するには?~ を紹介します。

 アベノミクスの第一の矢、すなわち大規模金融緩和の影響もあって、われわれ庶民も、もちろん大企業や中小企業も、お金は比較的借りやすい環境になっています。
 もちろん前提として、信用力(返済能力)が確実なことは必須ですが、住宅ローンにしろカーローンにしろ個人向け融資は低利ですし、業績の好調な企業に対しては金融機関の融資担当者が日参し、「お金を使ってくれ」、「お金を借りてくれ」とお願いに来るような、そんな現象もごく当たり前に起こっていると聞きます。
 しかし、金利が下がっていれば、どんどんみんながお金を借りてくれているのかというと現実はそうではありません。

 その一つの証左がマネタリーベースとマネーストックの乖離です。日銀は金融機関にお金を融通しマネタリーベースは増加していますが、それがさらに市中にまで流通していないのです。金融機関が営業努力しても、お金を借りてくれる個人や企業が現実には多くないからです。

 もう一つの証左が、この「お金の地産地消白書」が書くような、金融機関の預貸率の低下です。
 地方にとって縁が深い地方銀行や信用金庫の預貸率、つまり預金の受け入れ残高に占める貸し出し残高の割合を見てみると、預金の預け入れは順調で金融機関はお金を持っているのですが、それを貸し出している額は低く、つまりは預貸率は小さな数字となっています。

2014年12月11日木曜日

【読感】町村合併から生まれた日本近代

 町村合併から生まれた日本近代 ~明治の経験~ 松沢祐作著(講談社選書メチエ)を読了しました。

 最初はタイトルを見て、地方自治、特に市町村合併に焦点を当てた教養書と思ったのですが、ぱらぱら立ち読みしていて、著者のテーゼの立て方がたいへん興味深く、思わず購入してしまいました。

 10年ほど前に、いわゆる平成の大合併が全国的に推し進められました。これは、明治の大合併、昭和の大合併に続く「三大市町村合併」で、史上3つ目の地方自治制度の大改革、といわれました。しかし、著者によるとこれは間違っています。

 定説では、明治時代にはじめて義務教育(小学校)制度が創設されたので、江戸時代以来の村々を、小学校が維持運営できる人口と財政の規模にまとめたのが明治の大合併とされています。
 また、当時は徒歩しか移動手段がなかったので、歩いて役場に行ける距離という範囲設定も重視されたと言われてます。
 これに次ぐ昭和の大合併は、戦後の新制中学校制度創設によるためというのもまた定説であり、このことは総務省のホームページでもそう説明されています。
 この考え方によると、明治、昭和、平成の合併は、規模はそれぞれ違うものの、制度の背景と本質は同じものであることになります。
 しかし著者の松沢さんによると、明治が小学校、昭和が中学校というのは俗説に過ぎません。
 明治の大合併は、それまで日本で何千年も続いてきた伝統的なムラ(生活共同体)を解体して新しい「地方」、つまり新しく町や村を作り出す、大きな社会実験だったのです。昭和や平成の合併が、それこそ市町村の単なる大規模化だったのと、意味づけが決定的に異なっていることになります。

2014年12月10日水曜日

志摩に進出する「アマンリゾーツ」って?

 日経新聞のスクープと言えるのでしょうか。
 12月9日付けの朝刊によると、シンガポールに本拠を置く高級リゾートホテルの「アマンリゾーツグループ」が三重県志摩市に進出することが明らかになったとのことです。
 志摩市内にある複合リゾート施設 合歓の郷(ねむのさと)を運営している三井不動産が誘致したもので、詳細は未定ながら、2016年までの開業を目指して、十数棟の低層の客室棟、レストラン、スパなどを建設するそうです。

 伊勢志摩地域の観光レクリエーション入れ込み客数は、伊勢神宮で20年に1回行われる式年遷宮が平成25年に斎行されたこともあって過去最高の1261万人にものぼっています。(三重県「平成25年観光レクリエーション入込客数推計」による)

 しかし一方で、京都や鎌倉などといった観光地に比べ、伊勢志摩は外国人観光客の来訪者数が少なく、経済成長に沸く中国や東南アジア諸国の観光客による旺盛な消費意欲を取り込めていないことが多く指摘されています。

 そのような中でのアマンの誘致ですが、そもそもアマンリゾーツとはどんな会社なのでしょうか?

2014年12月9日火曜日

【読感】ビジネスモデル全史

 ビジネスモデル全史 三谷宏治著 (ディスカヴァー・レボリューションズ) も秋ごろに読了していましたので、感想を書いておきます。

 わしも、このブログなんかで「ビジネスモデル」という言葉を頻繁に使っているわけですが、あらためてビジネスモデルとはどんな意味かと考え直してみると、よくわからないことがあります。

 一番簡単な定義としては「儲けを生み出す仕組み」のことを指すわけですが、ビジネス、商売とはつまるところ、売れるものをどこかから仕入れ、または自分で加工して、求めている人に売り、対価をもらう、という、ただそれだけのことです。
 世の中にはさまざまな仕事と無数の業種がありますが、この仕組みは全てに共通することで、いわば自明のことです。

 この本は、ごく最近になって、それがなぜ流行り言葉のように注目されるようになってきたのか、そして、「ビジネスモデル」の本当の意味とはどういうものなのか、を整理し、考えてみよう、という内容です。

 三谷さんによると、ビジネスモデルという言葉の歴史は大きく三段階に整理できます。
 第1段階は、有史以来(古代)から1990年ごろまで。数千年に及ぶスパンですが、要するに人類の経済史の大部分の時期において、「ビジネスモデル」という言葉はさほど重要性を持っていませんでした。(もちろん、実際にはメディチ家や三井高利のようなビジネスモデル革新はたくさん起こっており、人類は進歩し続けていたわけですが・・・)

2014年12月8日月曜日

【読感】ビジネスをつくる仕事

 読書感想がたまってきたので、まとめて書いてみます。

 まずは、ビジネスをつくる仕事 小林敬幸著 (講談社現代新書) から。
 著者の小林さんは、東大卒業後に三井物産(株)に入社。シリコンバレー、マイクロソフトでの研修、台湾三井物産駐在、ネットライフ企画(株)の非常勤取締役などを経て、現在、三井物産(株)メディア事業部次長という方。つまり、起業家ではなく、エリートサラリーマンです。
 「ビジネスをつくる」というタイトルが、起業や独立開業の指南書のようなイメージを与えますが、この本の意図は必ずしも起業ばかりでなく、会社のような組織にあって新しい事業を立ち上げることも、ビジネスをつくる仕事と定義します。

 それは小林さん自身が、東京・お台場のパレットタウンにある巨大観覧車の企画・建設・運営に携わっていた経歴によるものです。
 小林さんが当時在籍していたデベロッパー企業にとって、観覧車の運営は単なる新規事業というだけでなく、まったく畑違いのレジャービジネスでした。しかし、大型商業施設の「目玉」としてばかりでなく、観覧車に乗って時間の消費を楽しむという、1999年の開業当時にはまだまだ一般的でなかった、今風に言えば「コト消費」の可能性にいち早く気付き、そのビジネス化を実現した結果、観覧車事業は大成功を収めたのです。
 そもそも事業自体に幾多の困難が伴ううえに、仮に失敗すれば個人保証によって全財産と社会的信用を失うリスクが高い個人起業よりも、企業の中で新規ビジネスを立ちあげ、それを大きく育てていくという「ビジネスのつくり方」のほうが、日本ではまだ成功の確率が高いと説きます。

2014年12月7日日曜日

進化する「まちゼミ」

 商業界の2015年1月号の特集の一つに、進化する「まちゼミ」最前線 というものがありました。
 まちゼミとは何かというと、
 商店街にある個々のお店(個店)の商店主や従業員が講師となって、プロならではの専門的な知識や情報、コツなどを、商店街のお客さんを受講者にして行うゼミ
 のことです。
 もちろん、このゼミを行う目的とは、近年すっかり活気がなくなり、シャッター通り化しているところも多い商店街を、再活性化するための集客方策ということになるでしょう。

 愛知県岡崎市の中心市街地商店街で平成14年に始まったのがきっかけで、全国の商店街に展開しており、商業界の記事によると今年11月時点で、準備中の30地区も含めて全国174の商店街で実施されているそうで、昨年同時期と比べて倍増しているとのことです。

 商店街は、多くが商店街振興組合や事業協同組合として組織化されていますが、これらは全国レベルでも上部組織を持ち、活性化のための情報やノウハウは比較的共有が進んでいます。最近では「100円市」とか「軽トラ市」などが商店街では一種のブームになっており、まちゼミのその一つと考えられますが、それにしてもなぜこれほどまでに爆発的に普及しているのでしょうか。

2014年12月6日土曜日

最先端にある製造業の現場は

 万が一、差し障りがあるといけませんので名前を出すことは控えますが、先日、日本を代表する(というか、世界でも間違いなく5本の指に入る)、メガサプライヤーの拠点工場を見学する機会がありました。
 工業団地レベルではなく、ひと山がまるっとそのメーカーの工場になっているような規模です。面積は巨大な野球ドームが20個近くも入るほどの広さで、数千名の従業員が昼夜三交代で働いています。全国には人口が5千名程度の町や村も多くあるので、この工場は、それらの地方自治体よりも大きな規模ということになります。
 主力の生産品は自動車関連部品ですが、自動車は特に高い品質と安全性が求められていることから、この工場も技術力には定評があり、さらには自動車産業は、金属、プラスチック、ゴム、ガラス、電子部品など多様な技術が集合する分野でもあるため、それら蓄積を生かして、エネルギーや医療、ロボットといった分野の製品も製造しているとのことです。
 グローバル経済競争の真っただ中で、最先端を走っている生産現場はいったいどのようなものなのか、わしも大いに興味がありました。

2014年12月4日木曜日

とりあえず「2014年ヒット商品番付」をチェック

日経WEBより
 日経MJに、この時期恒例のヒット商品番付が掲載されていました。いよいよ年の瀬です。

 東の横綱の「インバウンド消費」とは、外国人の訪日観光客のことです。日本の受け入れ態勢の充実や、最近の円安傾向もあって外国人観光客は過去最高の1300万人以上となる見込みで、国内の消費市場を牽引しています。

 西の横綱の「妖怪ウォッチ」は(株)レベルファイブが発売したニンテンドー3DS用のゲームソフトで、100万本以上を販売。テレビ放映も高視聴率をマークし、バンダイが発売した「妖怪メダル」も販売枚数が1億5千万枚に達する見通しとのことです。

 外国人観光客は、たしかに夏以降、伊勢志摩や東紀州でもけっこう見かけたのは事実で、少なくともリーマン前までの水準には戻しているような感覚があります。
 また、妖怪ウォッチは、いつだったかショッピングセンターのおもちゃ売り場で、いたいけな子どもたちと、その父母、ジジババと思しき人々の一大行列を目撃したことがあったので、これも大ヒットであることは間接的に体感できました。

 このような今年の番付をMJは、「消費増税後の消費者の節約志向もあり、ファッションや家電ではヒット商品が少なく、海外コンテンツが上位に入った。」とし、国境超えて共感集める と総括しています。

2014年12月3日水曜日

中小企業補助金のジレンマ

 地方公務員向けの業界サイトである官庁速報(時事通信社)によると、経済産業省は今年度(平成26年度)の補正予算案に経済対策として、通称「ものづくり補助金」を計上する方向で検討に入ったとのことです。
 ものづくり補助金は、製造業中小企業の試作品づくりや設備投資に必要な費用の3分の2を上限に、1千万円までを支給する補助金で、2年前の平成24年度補正予算で、約1000億円が予算措置されました。
 翌平成25年度補正予算では、対象業種を製造業のほか、商業やサービス業の中小企業にも拡大して1400億円を計上。結果として製造業で約1万2000件(社)、商業・サービス業で約2000件(社)が採択されました。
 中小企業支援業界にいる方はよくご存知のように、そして官庁速報もそう書くように、これは中小企業に非常に好評な補助金でした。

2014年12月2日火曜日

なめらかどぶろく千枚田を呑んでみた

 東紀州ほっとねっと くまどこ によると、11月23日、恒例の大森神社例大祭(どぶろく祭)が熊野市育生町で開催されました。
 鎌倉時代から伝わる由緒ある神事で、最後に神社内で醸造された「どぶろく」のお神酒がふるまわれ、今年も祭に参加した約500名が「どぶろく」を味わったとのことです。

 このように、豊作を神に感謝するためにどぶろくを醸造して、参列者にふるまう「どぶろく祭」は全国各地に見られます。明治以前の時代には、家庭でも比較的簡単にできるどぶろくは、米農家でごく一般的に自家醸造され、飲用されていました。
 明治時代になり、酒税が国家の重要な税源となると、どぶろくであっても醸造は国の管理下に置かれ、酒税の許可(免許)が必須とされるようになりました。これは現在でもそうで、大森神社のように神事で使われる、わずか243リットルを醸造するにあたっても国税庁の特例許可を取っているそうです。
 もし販売用に、つまり事業としてどぶろくの醸造許可を取得しようとすると、最低でも年間に6000キロリットルを醸造しなくてはなりません。これは、あまりに零細な酒造業にまで許可を与えると、税務署が税を徴収するのが煩わしいためと説明されています。

2014年12月1日月曜日

地方人が見た、武蔵小杉グランツリー

 11月22日に川崎市・武蔵小杉にオープンした グランツリー武蔵小杉 に行ってきました。

 セブン&アイ・ホールディングスが運営する複合型商業施設で、イトーヨーカドーを核テナントとし、西武・そごう、LOFT(ロフト)、タワーレコードなど、ファッション、インテリア&生活雑貨、レストラン&カフェ、フード、ビューティ&サービスなど160ものテナントが出店。1階から4階までの売場面積は、約3.7万㎡にもなるとのこと。

 JRや東急の乗換駅である武蔵小杉は、再開発によって駅周辺にすでに多数の商業施設がありますが、初日の来客数は12万人。オープン前にはセブン&アイ始まって以来最高となる7000人が並んだほどの盛況だったそうです。

 流通業、特に小売業は、時代の変化や消費者の嗜好にスピーディーに対応する業界であるため、街角ウォッチングの場所としては最適です。
 このブログで何度も書いているように、東京(広く、首都圏というべきでしょう)の大規模店や専門店のショップコンセプトは、一定のタイムラグはあっても必ず地方に波及するので、先取りする意味でも早めに見ておくに越したことはありません。