2015年8月31日月曜日

生き残るのは「強い者」ではない

【読感】戦国貴族の生き残り戦略 岡野友彦著 吉川弘文館

 確かに、言われてみればその通りです。15世紀末から16世紀初頭にかけての戦国時代のこと。
  武将たちが覇権をかけて各地で戦(いくさ)を繰り返しており、下克上の風潮の中、外敵を撃ち破る力のない者は滅ばざるを得なかった・・・
 ということを21世紀に生きるわしたちは疑いもしません。
 しかし、著者である皇學館大学教授 岡野友彦氏によると、これは真実ではありません。
 本書で取り上げられている公家、つまり貴族階級の人々は、従来の歴史観によれば、天皇の権威が低下していった中で鎌倉時代には政治力をほぼ失い、領地(荘園)は戦国大名に奪われて経済力も低下し、かろうじて室町幕府や有力地方大名の庇護を受けて戦国時代を生き残ったと考えられてきました。
 岡野さんは言います。このように力のなかった公家たちが、それではなぜ室町~戦国~江戸時代の数百年間を永らえ、幕末期には再び政治の表舞台に出てくるようになった(それも、大きな政治的権威を持って)のでしょうか。
 この存続と復活の強靭な生命力は、偶然生き残ったとか、たまたま生き残ったという理由では説明がつきません。そうではなく、公家たちは武力を持たないゆえに知恵をフル活用することで戦に巻き込まれないよう細心の注意を払って生き延びてきたのです。戦国時代の公家達の「生き残り戦略」は、現代にも大きな示唆を与えてくれるに違いありません。

2015年8月30日日曜日

存在感薄れる都道府県

 一週間ほど前の日経新聞、時流地流と言うコラム記事に「存在感薄れる都道府県」というものがありました。秀逸だったのですが、書くタイミングを逸していたので簡単にメモしておきます。
 概要は次のようになります。関心がある方は、図書館ででも探して、ぜひ日経の朝刊をお読みください。

・8月20日の岩手県知事選は現職が3選されたが、有力対立候補が直前で立候補を断念したことから無投票当選だった。県民は知事選を通じて県政に意思表示する機会を失った。最近の知事選はどこも投票率が低く盛り上がりに欠けていて、4月の統一地方選の10道県の平均投票率は47.14%で過去最低となった。
・梶原拓(当時岐阜県知事)や麻生渡(同福岡県)などが会長を務めていた9年ほど前の全国知事会は、政府に対してさまざまな改革案を提示して注目されていたが、現在の知事会には当時のような躍動感がまったくない。
・今年7月に開かれた全国知事会議も、地方創生に関する宣言などを求めたが新味に欠けメディアの扱いも小さかった。知事会の低調ぶりは、都道府県そのものの存在感の低下を映している。知事選の投票率は総じて市長選より低いことも関係するのかもしれない。


2015年8月29日土曜日

「地方創生ブーム」から学ぶこと

 今朝、何気にテレビをつけたら、読売テレビ系列の報道バラエティ「ウェークアップ!ぷらす」で、今全国で流行している「プレミアム商品券」の経済効果みたいなテーマを取り上げていました。
 去年12月に閣議決定された緊急経済対策で、アベノミクスによる経済の好循環を全国に拡大することを主眼として、地方の消費を喚起策として2500億円の財源が全国の自治体に交付されました。
 この交付金は使い道は原則として自治体に委ねられているものの、国からは「たとえばこのような用途に使えます」といった例示がありました。その中にプレミアム商品券があったため、全国で1739もの道府県や市町村、特別区がプレミアム商品券を発行しているのです。
 ウェークアップ!ぷらすでは、名古屋市が発行したプレミアム商品券が市民に大人気で、66億円分が即日完売したこと。その一方で、地域内での波及効果に重視して地元商店街での使用に限定した商品券を発行した香川県高松市などでは、多くの売れ残りが出ていることが報じられていました。
 なぜか三重県も取り上げられていて、県内のホテル・旅館の宿泊費が半額になる「プレミアム旅行券」を県が販売した結果、鳥羽市のホテルでは夏休み期間中の宿泊者数が急増したことや、東京にある三重県のアンテナショップ限定で使用できる、何とプレミアム率4割(!)の商品券を発行し、買い物客が3割増加したことなどが肯定的に取り上げられていました。


2015年8月27日木曜日

ドライブスルー葬儀場システムが事業化へ

 日本経済新聞によると、長野県上田市にある建設業者、竹原重建がドライブスルー型の葬儀システムの販売という、新たな葬儀関連事業を開発したとのことです。
 故人を送る葬儀という厳粛な響きに比べ、ドライブスルーとはその対極にあるような手軽感のあるコトバですが、障害者や高齢者など葬儀への参列が困難な人や、仕事などで時間を取りにくい人が参列しやすくなることを意図しているそうであり、社会全体として葬儀も簡素化が進んでいる中、多様な需要を発掘する狙いもあるようです。
 わしも昨年、肉親を送る経験をし、参列してくださった方々は故人と同年配も多く、式場はイスに着席できる葬祭ホールを使い、葬儀時間も全体的に短くするように配慮が必要なことは実感しました。
 今後ますます社会が高齢化する中、葬儀自体が増えて、世知辛い話ですが献花や供物などはいっそう簡素になって行かざるを得ないでしょう。ドライブスルー型の葬儀場で車内から参拝したり、焼香したりすることも、潜在的なニーズはきっとあるのかもしないという気がします。

2015年8月26日水曜日

奇妙なサムライたち

 北陸地方のある県で、伝統的工芸品産業に従事している職人たち7人がグループを結成して、共同でデパートに出店したり、伝統技術を活かして現代の市場にあったモダンなモノづくりをし、流通させる活動に取り組んでいるそうです。
 伝統産業振興の意味では非常にいいことだと思います。そう思う反面、わしは正直言って、少々引っかかるものがありました。
 このグループは「七人の侍」と名乗っているとのことなのですが、彼らは数百年もの歴史がある伝統工芸を伝承している職人、いうなれば匠(たくみ)たちです。今ふうに言えば職業軍人の身分であり、何も生産しない、何も流通させない、つまり何の付加価値も生まない人々である「サムライ」を自称する意味が、わしにはまったく理解できないのです。
 彼らは2つのことを誤解していないでしょうか?

2015年8月25日火曜日

ケーズ開店で尾鷲に家電戦争が勃発か?

ケースデンキHPより
 尾鷲市内を縦断する幹線道路、国道42号沿いに8月27日、大型家電量販店のケーズデンキ尾鷲店がオープンします。
 ケーズデンキとしては三重県で15店舗目となる尾鷲店は、面積約2000平方メートルとのことで家電量販店としては中規模です。
 しかし尾鷲のことをよく知る人にとっては、地理的条件により閉鎖された商圏のイメージが強い尾鷲市内に、すでにこの店から1kmほど離れた場所に家電量販店であるエディオン尾鷲店があるにもかかわらず、なぜ同じような大型店が出店してくるのか、不思議に感じることでしょう。

 尾鷲市の商圏については、経済産業省が毎年作成している「中小企業白書」の2011年版に取り上げられたことがあります。
 人口10万人以下の都市雇用圏(はんわし注:経済圏とか、商圏と読み替えて差し支えありません)が全国に39あるうち、小売業の従業者数が50人以下である事業所の販売割合が最も高い地域が尾鷲市と紀北町から成る「尾鷲都市雇用圏」であることを解説したものです。
 小規模な商店などの販売額が高い理由として白書は、平地が少ない尾鷲都市雇用圏の都市構造や交通インフラ、そして、人口が分散しているために大規模店舗が出店しにくく、結果的に従業者数50人以下の事業所の販売割合が高い、ことを挙げています。(くわしくは、はんわしの評論家気取り 2011年版中小企業白書に「尾鷲市」が 2011年7月8日 をご覧ください。)
 しかし、今ここへ来て、尾鷲市に2店めの家電量販店がオープンします。白書の分析した前提である都市雇用圏、すなわち尾鷲市の経済圏、商圏が、ここ1~2年で大きく変わっていると見るべきでしょう。

2015年8月24日月曜日

近鉄が駅ナンバリングを実施へ

 外国人など駅名が読めない利用者の便宜に供するため、駅名に、アルファベットの路線記号と数字の駅番号を組み合わせた表記をする、いわゆる「駅ナンバリング」を、近畿日本鉄道(近鉄)が全路線のすべての駅に導入すると発表しました。
 近年増加の著しい訪日外国人客などを意識したもので、駅ナンバリングの導入とあわせて主要駅の案内サインや行先表示装置、駅・車内放送における多言語対応なども順次拡充していくとのことです。
 駅ナンバリングは各地の私鉄や、大都市の地下鉄などで広く導入されています。関西でも阪急、阪神などはすでに導入していましたが、近鉄では地下鉄との乗り入れ運転をしている「けいはんな線」以外には行われていませんでした。
近鉄ホームページより

2015年8月23日日曜日

外宮前・よいまちバルへ行ってみた

 月光の下で伊勢神宮・外宮(げくう)の杜を眺め、音楽を聴きながら、いろんなお酒と逸品を楽しむ、というコンセプトで開かれた、YOIMACHI BAR(よいまちバル)に行ってきました。

 最近よく各地で開かれているのは、町なかの飲食店や居酒屋が何軒かアライアンスして共通の金券を発売し、それを使った飲み歩きに誘導する、いわゆる「まちなかバル」というスタイルのものです。
 しかしこの「よいまちバル」は、外宮前広場に伊勢市内のレストランやバーなどが出店を出して、そこでちょっとした料理やおつまみや、ビール、ワイン、カクテルなどを販売し、お客はそれを買って広場内のテーブルで楽しむ形式となっています。
 出店している店はほとんどが外宮界隈の徒歩圏内にあるので、ここで軽く一杯やった後は、気に入ったお店に行って続きをやる、というようなことが最終的な目論見のようではありますが。

 8月も終盤となり、伊勢は昼間は相変わらずの厳しい残暑ですが、朝晩は過ごしやすい陽気になってきました。わしが外宮前広場に着いた夜6時半ごろ、秋を気配させるような涼しい風が吹いて、あたりから虫の音が聞こえていました。

2015年8月21日金曜日

ユーエスマートが「働く高校生」を募集

 15分100円(税別)の定額料金で遊び放題の室内遊園地「100円で遊べるkid’s US.LAND」を全国で125店展開しているユーエスマート株式会社(本社:伊勢市)が、志摩市賢島に本校がある通信制高校「代々木高校」と提携して、働きながら代々木高校で学ぶ学生向けの「USランド奨学金コース」を開設すると発表しました。(ニュースリリースポータル。リンクはこちら
 代々木高校は平成17年に、国の構造改革特区法による学校建設設置基準などの規制緩和を受け、休業した観光ホテルの建物を活用して開校された学校です。この賢島本校のほか、東京と大阪に本部があり、全国にサテライト教室を設けています。通信制のため通学は年10日ほどのスクーリングのみで、授業はインターネットなどを使って行われるとのことです。
 同校は「環境が人を育む」ことを重視しており、既存の全日制高校では「居場所を見いだせない」「価値を見いだせない」「物足りない」という生徒のため、その生徒に必要な環境を多様な人材や団体と一緒に構築しています。
 その一環として、企業の協力の得て、ホテルや旅館に住み込みで料理人修行をしながら学ぶ「伊勢志摩料理人コース」や、カツオ一本釣り漁船に乗り込んで働きながら学ぶ「伊勢志摩漁師コース」、絶版バイクのメカニック修行をしながら学ぶ「バイクメカニック奨学金コース」、米菓や酒類の製造販売や介護事業などに従事しながら学ぶ「おにぎりせんべい奨学金コース」などの「奨学金コース」を設けています。

2015年8月20日木曜日

津・大門商店街がアーケードを撤去へ

 津市を代表する商店街である、大門(だいもん)商店街 ~正式名は「大門大通り商店街振興組合」~が、現在、南北240メートル、東西90メートルにわたって設置しているアーケードを、平成29年度中にも撤去する方針であることが報じられました。

 大門商店街は、和銅2年(709年)に開山されたとの由緒を持つ津観音寺の門前町として形成され、江戸時代に津(安濃津)の城下町が整備されて、伊勢神宮に至る参宮街道を多くの旅人が通るようになると、街道随一の繁華街として栄えてきました。

 戦災でいったんは灰燼に帰したものの戦後すぐに復興され、最盛期には最寄品、買回り品の多くの小売店のほか、飲食店や喫茶店、美容院、映画館などが集積しており、アーケード中心部の休日通行量は昭和53年には約7500人もありました。しかし平成14年には約1000人に減り、平成26年の調査では約870人にまで落ち込んでいます。
 アーケードの維持管理は商店街振興組合が組合費で行っていますが、近年は空き店舗が増えたために予算も減っており、さらに近年実施した耐震調査で、耐震化のために1億5000万円もの費用が必要なことが判明したことから、撤去の決断になったとのことです。(YOMIURI ONLINEより リンクはこちら

2015年8月19日水曜日

二見シーパラダイスがNSSK傘下に

二見シーパラダイスHPより
 (株)日本産業推進機構(NSSK)の発表によると、夫婦岩で有名な二見浦(伊勢市)にある水族館 二見シーパラダイス を運営している株式会社夫婦岩パラダイスと、その親会社である名古屋鉄道(名鉄)は、夫婦岩パラダイスの株式と関連不動産を、8月18日付けで日本産業推進機構に譲渡したとのことです。
 譲渡額は公表されていません。

 二見シーパラダイスは、隣接する土産物販売と飲食施設の複合施設「二見プラザ」と共に今年で創業50周年となります。
 鳥羽水族館、賢島マリンランドなど伊勢志摩地域にある他の水族館に先駆けてペンギンやセイウチなどにタッチできるサービスを開始し、「ふれあい型水族館」として全国的にも有名で、2015年のトリップアドバイザーによる日本の人気水族館トップ10では、堂々の5位に入賞しています。

 しかし近年は観光客数が年間70万人程度と低迷しており、施設の老朽化も進んだため、名鉄は経営から撤退することを決定した模様です。

2015年8月18日火曜日

熊野大花火2015

 南紀の夏の風物詩である、熊野大花火が本日開催されています。わしはテレビ鑑賞中です。



2015年8月17日月曜日

鳥羽志摩のタブー、そして曲解

 一連の碧志摩メグ問題で、わしはきっとこんな論評というか、ものの見方も出てくるであろうと密かに予測していたことが、今日、堂々とグーグルニュースに掲載されていました。
 BIGLOBEニュースのリンクで、昼間たかしなる人物が書いたという もともと売春で栄えた地域なのに......三重県志摩市の海女「萌えキャラ」をめぐる不毛な論争(8月14日(金)13時0分)という記事です。

 この要旨は次のようになります。

1)三重県志摩市が公認する萌えキャラ「碧志摩メグ」の公認撤回を求める署名活動は、さまざまな議論を呼んでいる。批判の内容は、露出した脚を指して「女性蔑視である」「海女の文化やイメージを損なう」というものだという。いずれにしても議論は「碧志摩メグ」の性的要素、有り体に言えば、エロいことの是非へと収斂されているようだ。

2)だが、こうした議論の中で放置されていることがある。それは、リアス式海岸が連なる鳥羽から志摩にかけての地域は、古くから、行き来する船が立ち寄る風待ち港として栄えてきた。その必然として、"はしりがね"と呼ばれた遊女たちが当たり前のように存在していた。港に船が入ってくると小舟で出かけていき、船上で春をひさぐのである。

2015年8月16日日曜日

夏のスーパーは寒すぎる

 ややピークは過ぎたのかもしれませんが、お盆の期間中も伊勢は大変な暑さでした。お盆期間は仏様に備えるお菓子を買ったり、お花(お墓に持っていくシキビ)なんかを買うのに、案外と食品スーパーに行く機会が多かったのですが、わしの家の近所にある3~4カ所の食品スーパーの、その店内がどこも尋常でないくらいに寒かったのには閉口しました。

 外気温40度近くから店内に入ると、室温はおそらく26~27℃なので体感温度がガクンと下がります。しばらくのうちは涼しくていいのですが、5分10分と店内をうろついていると足の先とか腕がジーンと冷えてくるようになります。
 特に鮮魚や精肉売り場はひどくて、売り場の空間そのものが冷蔵庫状態になっており、おそらく20℃くらいだと思います。働いている店員さんは清潔保持のため長袖、長靴、帽子、マスクといういでたちなのでこの温度設定でも平気かもしれませんが、商品を陳列したりレジの係りの人は寒そうです。商品を選んでいる特に女性のお客さんも「ここ、寒いわあ」とか言って早々と立ち去っていく人がほとんどでした。
 食品スーパーはなぜこれほど「省エネ」に不熱心なのでしょうか。業界ぐるみで考えるべき問題だと感じます。

2015年8月15日土曜日

A・レーモンドはアメリカのスパイだった?

 伊勢新聞に、日本本土を焼き払う企画を実施させた建築家 という面白い記事が連載されています。(リンクはこちら
 建築エコノミストで一級建築士の森山高至氏の手になるもので、先の太平洋戦争においてアメリカ軍が日本各地の都市で多くの国民を死傷し、街を無残に焼きつくして焦土にした本土空襲に関して、木造家屋が多い日本の都市構造に着目し、より効率的に都市を破壊して住民を殺戮するために、具体的な爆撃方法を提言した、ある「建築家」の存在を明らかにしたものです。
 日本の敗色が濃厚となった昭和19年末~平成20年夏にかけて、アメリカ軍は全国200余りの都市を無差別爆撃しました。死者約33万人、負傷者約43万人という甚大な被害を生み、被災人口は約970万人、当時の日本の総住戸の約2割にあたる223万戸が焼失しました。これは、軍(アメリカ軍)が軍(日本軍)に対して行う戦闘行為というより、むしろ非戦闘員である無辜の一般国民を標的に行われたもの ~いわゆる「戦略爆撃」~ です。
 一般的には、空襲とは飛行機で上空から爆弾を投下し、目標物を爆破することです。しかし森山氏によれば、「日本の都市には木造家屋が密集しており、それらの素材は木や竹や紙なので燃えやすいことから、軍に対して、爆弾による爆撃よりも焼夷(しょうい)弾によって火災を起こし、都市をまるごと焼き尽くす爆撃のほうが有効である。」ことを提言したアメリカ人建築家が存在しました。それが、近代日本の代表的建築家であるアントニン・レーモンドその人です。


2015年8月14日金曜日

山中光茂松阪市長が辞表を提出、9月で辞職へ

 市議会との対立を理由に、以前から自らの辞任を公言していた三重県・松阪市の山中光茂市長は、8月13日、市議会議長あてに辞職願を提出しました。辞職は9月30日付けとなります。
 記者会見では「政治の世界から身を引く。再出馬はない。」と述べ、政界からの引退を表明したとのことです。
 山中市長が提案した市立図書館の改修を巡って、市議会は執行部が提出した予算案を3度にわたって否決したことから、山中市長は今年3月に「議会の姿勢が現状のままでは、責任ある行政執行ができない。」として辞職を示唆していました。

 しかし6月になって市長を支持する市民グループが、市議会の解散請求(リコール)に向けた署名活動を開始。市長は市議会解散が実現すれば職にとどまる趣旨の発言をしたことから、この署名に住民投票に必要となる法定数(有権者数の1/3以上)が集まるかが注目されていました。

 署名は市民グループから7月末に松阪市選挙管理委員会に提出されましたが、精査の結果、署名は法定数に達しておらず、リコール不成立が確定したための決断となったようです。

 わしはたまたま署名活動の時期と同じタイミングで、山中市長が、憲法学者である小林節氏(慶應大学名誉教授)と共著した たかが一内閣の閣議決定ごときで 亡国の解釈改憲と集団的自衛権 (皓星社) を読んだので、レビューしておきます。

2015年8月12日水曜日

みえぎんビジネスプランコンテスト2015

 三重銀行と三重銀総研が、三重県や愛知県内の起業家の創業や、既存経営者の新事業展開(はんわし注:いわゆる「第2創業」)を促進し、そのビジネスプランの実現をサポートする目的で、みえぎんビジネスプランコンテスト2015 を開催しています。
 このコンテストは、新規性と独創性に富み、今後大きな飛躍が見込まれるビジネスプランを掘り起こし、優れたビジネスプランを表彰するとともに、三重銀行グループが事業化に向けたサポートを実施することにより地域経済の活性化に繋げることを狙いとしており、過去の受賞者からは多くの起業家が生まれています。

 創業・第2創業を行うのは、会社などの企業のほかNPOも対象となっていますので、地域資源を活用し、地域課題をビジネスの手法で解決していく事業である「コミュニティ・ビジネス」も支援していることが大きな特徴です。

 受賞者に対しては賞金が贈られるほか、三重銀行グループが最大1年間にわたって事業化のためのサポートを行います。ビジネスプランのブラッシュアップといったコンサルティングに加えて、三重銀総研ホームページ上での事業プロモーションや三重の特産品販売サイトである「リージョネット三重」を活用した販路開拓支援、さらに融資制度の活用などの支援もあるので、三重県で創業・起業を目指す方はぜひチャレンジしてみてはどうでしょうか。

2015年8月11日火曜日

世界初!三重県が人工伊勢えびを自然放流へ

 三重県水産研究所が8月11日、同研究所内で平成26年4月に人工的に孵化(ふか)させて飼育していた稚エビ25匹(体長8~12cm)を志摩市沿岸の海底に試験放流しました。今後、生息状況などを調査し、約一年後に捕獲して生存率も調べるそうです。

 伊勢えびが三重県を代表する特産品であり、漁獲量も約240トン/年と千葉県と並んで有数の漁場であることは広く知られています。
 しかし、県立の漁業・養殖技術の研究所である三重県水産研究所が、伊勢えびの人工孵化と飼育技術において日本で最も先進的な研究成果を誇っていることは全国的にもほとんど知られていません。
 三重県にしては極めて珍しい、世界初の快挙ともいうべき人工伊勢えびの放流のニュースも、地元のメディア以外ではほとんど取り上げられていません。 

 三重県水産研究所の前身であった三重県水産試験場では、何と昭和5年から「いせえび孵化飼育ニ関スル研究」なる記録が残っているそうで、爾来、太平洋戦争による中断期間などはあったものの、現在まで連綿と伊勢えびの人工養殖に関する研究が重ねられています。

2015年8月10日月曜日

魅力ある国道42号のあり方とは

 国土交通省紀勢国道事務所が、「魅力ある国道42号のあり方検討」を行う業務委託の企画提案を公募しています。
 紀勢国道事務所によると、東紀州地域(三重県南部の、尾鷲市、熊野市、紀北町、御浜町、紀宝町の2市3町からなる地域)は、高速道路(紀勢自動車道)と、これに繋がる自動車専用道路(熊野尾鷲道路)の開通によって、地域を通過するクルマが大幅に紀勢自動車道+熊野尾鷲道路に転換しています。そして、地域間の移動時間も大幅に短縮され、観光客の増加や地域医療の拡大など、多方面においてその効果が発揮されつつあります。
 また、東紀州地域は急峻な地形のため、従来からの幹線道路である国道42号を中心としてその沿線に地域が発展しており、この国道42号は高速道路開通後も地域の重要な生活道路であり、緊急輸送路等の防災上の重要な役割も担っています。
 このような、道路のダブルネットワーク化によって、今後は高速道路利用者が単に東紀州地域を通過するだけでなく、国道42号沿線地域の観光資源や地域の魅力を利活用することや、高速道路から降りて国道42号沿線の魅力に気づくような動機付けや仕組み作りなどの、魅力ある国道42号のあり方について検討する必要性が生まれているとのことです。
 そこで、今後の道路整備にあたって、多方面からの意見を参考にするため、道路清掃や景観保全などのボランティア活動等による繋がりから得られる国道42号沿線の地域特性を考慮した意見集約と、既存道路施設を利用した情報発信などを行うため、今回の業務委託を実施するそうです。


2015年8月9日日曜日

せんとくんを彷彿とさせる碧志摩メグ問題

碧志摩メグ公式サイトより
 三重県志摩市が公認しているという、海女(あま)をモデルとしたご当地萌えキャラである 碧志摩(あおしま)メグ に批判が集まっています。
 このキャラクターは、志摩市の観光や海女文化をPRするため市と協会が企画会社にデザインを依頼。昨年11月に「碧志摩メグ」という名前を公募で決定しました。
 しかし17歳の海女だという碧志摩メグの磯着姿は「前裾がはだけ、胸の形もわかる」もので、市民の一部から「女性を蔑視するデザインだ」との声が上がっているとのこと。志摩市公認の撤回などを求めて署名運動を行っており、8月13日には約170人分の署名を市に提出する予定だそうです。
 反対する市民の中には現役の海女もおり、署名の発起人になった現役海女とその娘である主婦は「初めて見た時はびっくりした。若い女性の体だけをアピールしているポスターで不快だった。」と話しており、「伊勢志摩サミットで訪れる外国人に海女がこんな風だとは思ってほしくない。」と、署名運動を始めたということです。(YOMIURI ONLINEより。リンクはこちら
 海女の長い歴史を見ると、女性による素潜りという珍しい漁である ~世の殿方の関心をそそる面がある~ ことから、古来より一種の観光資源と捉えられてきたのは事実です。後継者がおらず消滅が危惧される海女文化を承継していくには、「産業観光」としての生き残りは避けられないことは、以前このブログにも書きました。(はんわしの評論家気取り 海女は文化財か、萌えキャラか 2014年11月12日

2015年8月8日土曜日

中部経済新聞の役割に期待する(マニアック)

 8月のこの時期、新聞やテレビでは太平洋戦争に関連する記事や番組が洪水のように報道されます。もちろん、その全部を見たわけではありませんが、戦後70年たって国民のほとんどは直接的にしろ間接的にしろ「戦争」を実感する局面はなくなっており、このせいか、昔に比べて当時の日本を客観的に分析し、現在の日本社会との共通点や相違点を考えさせる内容のものが増えているような気がします。
 太平洋戦争に突入したのは当時の国力や世界情勢からみて無謀でした。指導者の多くはそのことを知っていましたが、開戦を止めることができませんでした。また、戦争開始から1~2年で日本の敗色は濃厚となり、戦況が好転する見込みもありませんでしたが、終戦に踏み切ることができませんでした。
 このような、客観的なデータや科学技術力・産業力を軽視して、建て前や今までの行き掛りから逃れられず、皆が現実を直視しないで意見も言わず、信念とか忍耐といった精神力を極端に重視した当時の日本社会のあり方が、70年を経て変わったのか変わっていないのかは非常に興味深い ~そして重要な~ 問題提起ですし、これに関してはさまざまな見方や意見があることでしょう。
 そんなことをあらためて連想させてくれる記事が先日の中部経済新聞に載っていました。

2015年8月6日木曜日

脱税業者は伊勢志摩観光キャンペーンから追放せよ

 朝日新聞が、伊勢市や鳥羽市の飲食店や宿泊施設など32業者が、名古屋国税局から計約2億1千万円の所得隠しを指摘され、重加算税を含め約5千万円が追徴課税された模様であることを報じています。(8月5日付け 遷宮特需あったが…2億円所得隠し 32業者に国税指摘

 伊勢神宮が20年に一度、神殿や鳥居などをすべて新しく作り替える式年遷宮が行われた平成25年、伊勢神宮には統計を取り始めて以来過去最多となる約1400万人の参拝客がありました。この経済効果は3500億円にものぼったとされ、飲食店や宿泊施設は「遷宮特需」とも呼ぶべき空前の活況に沸きました。

 伊勢神宮の存在により全国から参詣者がやって来る伊勢の地で商売ができることを地元の商工業者は常々感謝しています。神様の徳のおかげと言う意味の「おかげさん」精神こそが伊勢や、隣接する鳥羽、志摩のアイデンティティであることも地元住民にとってのコンセンサスと言えるでしょう。わずか32業者とは言え、恥ずべき行為である所得隠し、課税逃れ、ハッキリ言えば脱税を行った業者が現れたことに言いようのないむなしさを覚えます。

2015年8月5日水曜日

三重県にデビューしたJR東海キハ25に乗ってみた

JR東海が、三重県内の紀勢本線と参宮線(ともに非電化区間)で8月1日から運転を開始するとしていた、新型ディーゼルカー「キハ25」に乗る機会があったのでレビューします。

 キハ25形は平成22年から製造・運転が始まった、名古屋都市圏からローカル線までの幅広い線区で運用できるように開発されたディーゼルカーで、110km/hの最高時速を誇り、バリアフリー設備も充実している車両だそうです。

 今回、三重県内の線区に投入されたキハ25は2次車と呼ばれる改良型で、震動検知装置の搭載など先進的な技術を取り入れたものとのこと。
 わしも、7月ごろから紀勢本線で試運転車として走っている姿を何度か見かけてはいましたが、実際に乗ってみることができたのは今回が初めてでした。

2015年8月4日火曜日

めでたい屋「鯛入り冷や汁」を食べてみた

 三重県尾鷲市で、特産の養殖マダイ(真鯛)を使った加工食品を製造・販売している めでたい屋 こと三和水産(株)の2015夏限定商品「鯛入り 冷や汁」を購入したので、食べてみました。
 冷や汁とは白身魚やその干物などを焼き、骨や皮を取り除いて身をほぐし、それを出し汁や味噌汁などに混ぜ、薬味と共にご飯にかけて食べるという、主に夏のメニューのことです。食欲が出ない暑い盛りにサッパリと食べられるほかに、魚の栄養もしっかり取れるので、日本各地の漁村には郷土食としてこのメニューが伝わっている地域も多いようです。
 めでたい屋の冷や汁は、焼鯛の身と、香りのいい麦味噌とコクのある麦味噌2種類、煎りごまをすりあわせ、表面を香ばしくなるよう焼いて作ったものだとのことです。


 冷や汁は冷凍され、和紙風のパッケージに入っています。一人前(160g)×2袋入り。

2015年8月3日月曜日

今必要な「ユーザーイノベーション」(マニアック)

【読感】イノベーションの誤解 鷲田祐一著(日本経済新聞出版社)

 今の日本はかつてのように世界をリードする工業製品を輩出することができません。その理由は、一般的には「イノベーション」、つまり技術進歩や発明などを含めた「革新」、が日本では生まれにくくなっているためと理解されています。
 この対策として政府は、科学技術の振興や研究人材の育成に注力しており、現実に日本国内の大学や企業、研究所では日々さまざまな研究がなされています。が、大きな成果はまだ明確には現れていません。

 この一方で、日本の製造業の現場では、従業員が製品の改良や生産工程の効率化のための、様々な提案や試行にボトムアップで取り組んでいます。この「カイゼン」こそが日本の現場の強みであり、日本の「ものづくり」の競争力の源泉はここにあるという説明も多くなされます。

 しかしこの本の著者である一橋大学准教授の鷲田さんによれば、近年の日本の「ものづくり」は「ユーザーの不在」が顕著であり、ガラパゴス化が進んでいます。これを一言でいえば、日本人はイノベーションを誤解しているためであり、正しい方法、すなわち企業や開発担当者はユーザー(顧客・消費者)からのフィードバックを、もっと積極的に開発や改良のプロセスに取り入れることが必要だというのがこの本の趣旨です。
 非常に興味深い内容だったので、ごくかいつまんでレビューしてみます。

2015年8月2日日曜日

海女のアイドルグループにイヤな気がする理由

 鳥羽市が「昭和の海女アイドル」なるものを募集しています。同市ホームページによれば、昭和の海女アイドルとは鳥羽の魅力を全国にPRすることを目的に結成され、平成28年3月31日までを期限として活動するユニット。プロデューサーには鳥羽市出身の演歌歌手鳥羽一郎さんが就任します。
 選ばれたメンバーは、レコーディングとプロモーションビデオ撮影を経て、大手有名レコード会社よりCDデビューをするほか、CD発売後は東京で開催されるイベントに鳥羽一郎プロデューサーと一緒に出演をします。
 応募資格は、「鳥羽市内で海女として活躍されている方(年齢は不問)」、「オーディションやレコーディングなど一連の活動に参加できる方」、「心身ともに健康で、楽しくPR活動できる方」となっており、8月14日が締め切りとなっています。
 鳥羽市には現在も約500名の海女がいるそうです。潜水してアワビなどを採取するという原始的な漁業であり、技術が必要なうえに体力的にもきつい仕事のため、今では通常の漁業者と同様にほとんど後継者がおらず就労者(海女)は急速に減少しています。このため、鳥羽市などの行政や関係機関は、ユネスコの無形文化遺産に登録しようという動きさえ起こっています。