2016年9月29日木曜日

熊野尾鷲道路「尾鷲北トンネル」が着工

国土交通省中部地方整備局HPより
 現在工事が進められている国道42号熊野尾鷲道路(Ⅱ期)で、尾鷲北トンネルの工事安全祈願祭が9月22日に行われたことを紀南新聞ONLINEが報じています。(リンクはこちら
 熊野尾鷲道路は三重県南部の尾鷲市と熊野市を結ぶ自動車専用道路で、平成25年9月に尾鷲南IC~熊野大泊IC間の18.6㎞が開通しています。
 本来は高速道路(紀勢自動車道)と一体となって高速道路ネットワークを形成すべきものですが、実際には高速道路の終点である尾鷲北ICと尾鷲南ICの間5.4kmは未完成となっており、地元からは「ミッシングリンク(未開通区間)の一刻も早い解消を」との声が上がっていました。
 紀南新聞によるとⅡ期工事の総事業費は260億円。(したがって、Ⅱ期工事区間の建設費は1メートル当たり約480万円という超高コスト道路となります。)
 トンネルは4つが建設されますが、尾鷲北トンネルは長さ718mで、事業費は17億7552万円。平成30年2月の完成が予定されています。

2016年9月28日水曜日

田舎役人は騙される

THE HUFFINGTONPOST より
 鹿児島県志布志市役所が9月21日に動画サイトで公開したふるさと納税のPR動画が、女性差別だとの非難を受けて1週間後の26日には閉鎖に追い込まれたことが話題になっています。
 この動画は「少女U」というタイトルの2分間のショートムービーで、真夏のプールでスクール水着姿の美少女がある男性に「養って」と訴えるシーンから始まります。
 「その日から、彼女との不思議な暮らしが始まった」とナレーションが入り、男性は少女に食事や住環境を提供。翌年の夏、少女は「さよなら」と別れを告げて、プールに飛び込んでいくのですが、その時、姿が一匹のウナギに変わっていました。彼女こそ「うな子」というウナギだった、という内容だったそうです。
 ハフィントンポストなどによると、ウナギを少女に擬人化して飼育するというストーリーに対して、ネット上では「児童ポルノのように見える」「女性差別的な内容ではないか?」などと批判的な意見が出ていました。(9月27日付け)

2016年9月27日火曜日

鈴木三重県知事が自らの政治姿勢を陳謝へ

 今年7月の参議院選挙で三重県の鈴木英敬知事が与党支持の立場を表明し、自民党の新人候補の応援演説などを行ったことについて、9月26日に開かれた三重県議会の一般質問で新政みえ(民進党系)の三谷哲央代表が政治姿勢を糺したのに対し、知事は「県民への説明が十分でなかったことは申し訳ない」と陳謝しました。
 知事が国政選挙という政治の場そのものへの関わりについて、自らの政治姿勢を議会に対して陳謝したのは、昭和22年に現行の地方自治制度が始まって以来、三重県政では初めてのことだそうです。
 ひょっとして長く後世に残るエピソードかもしれませんのでメモしておきます。

 朝日新聞などによると、鈴木知事は平成27年4月の知事選で、自公、新政みえなどから推薦を受けて「県民党」を掲げて再選されました。これまで国政選挙では中立を守ってきましたが、先の参院選で自民党候補への支持を鮮明にしたため、新政みえは抗議文を提出するなど反発してきました。
 26日の県議会本会議では、三谷議員が「自分の選挙では県民党を看板に多くの支持を集め、突如特定政党の応援に奔走する。多くの県民が裏切られたと感じるのは当然のこと」などと知事の真意を聞く質問を行いました。

2016年9月26日月曜日

名鉄今伊勢駅はめっちゃコワい駅だった

 わしが伊勢市に住んでいるせいかもしれませんが、全国各地にある「伊勢」がつく地名は、どうしてこんな名前になったのだろうか、とか、いつか行ってみたい、と思うことがよくあります。
 代表的な地名としては伊勢崎(群馬県)とか、伊勢原(神奈川県)などがありますが、わしの行動範囲の中では、近鉄に駅がある伊勢田(京都府宇治市)なんかもあります。おそらくこれなんかは、昔伊勢神宮の荘園があったことに由来しているのだと思います。
 そんな中で、ずっと前からこんな場所があることは知っていたけど、まったく行ったことがなかった ~そもそも行く用事も必要性もなかった~ 伊勢由来の土地の一つに 今伊勢 というところがあります。
 JR東海道線に乗って名古屋から岐阜方面に行く途中、尾張一宮駅を発車してすぐに、JRの西隣りに並走する名鉄名古屋本線に、すごく小さな「今伊勢」駅がぽつねんと建っているのが見えます。小さな駅舎と跨線橋とホームしかありません。周囲は住宅地ですが、駅前に商店街があるわけでも、開けているわけでもありません。
 やや旧聞にはなりますが、今年の初夏、野暮用で名古屋に行ったとき、なぜかこの「今伊勢」のことを思い出し、時間があったのでふらりと一宮市まで行ってみることにしました。
 しかし、この今伊勢駅。わしの思い入れとは別次元のめちゃめちゃ怖い駅だったのです。

2016年9月25日日曜日

知名度って、まあこんなもの

 9月23日から今日にかけて、伊賀市のスパーク阿山で 伊賀焼陶器まつり が開催されていたのですが、今年もまたスカジュールが合わず、行くことができなかったのが残念でした。
 以前もこのブログに書きましたが、伊賀焼まつりは数年前は盛夏の7月に開かれていました。(伊賀焼陶器まつりに行った 2011年7月30日
 しかし来場者の便宜を考えて、暑さがやや凌ぎやすくなる9月下旬に変更されたとのことです。
 伊賀地域は、信じがたいことですが数百万年前には琵琶湖の湖底だったものが隆起して生まれた土地です。草木が腐敗して湖底に沈殿し、長い年月をかけて堆積した地層は、土の中に無数の微細な有機物が含まれているため、焼き物(陶器)にすると保温性が良い製品ができるとのことで、現在でも伊賀焼の土鍋は高級品から普及品まで幅広い製品群を有していますし、歴史を振り返ると戦国時代の「古伊賀」と呼ばれる花器や茶器は武将の間で珍重され、国宝も輩出しています。
 というわけで、わしはかつて地場産業担当者で伊賀焼の窯元も相当見学させてもらったのでどんどんマニアックな話になっていくのですが、こういったように、陶磁器好き、美術品趣味の人はもちろん、「鑑定なんでも探偵団」をよく見ているといったわしのようなレベルの人でも伊賀焼は非常に有名だと思うのですが、たまたま偶然にも、これに冷や水をかけられるような体験をしました。

2016年9月24日土曜日

尾鷲商工会議所が日商・事業活動表彰を受賞

尾鷲商工会議所Facebookより
 日本商工会議所が毎年、全国の模範となる組織運営や先進的な事業活動を行った商工会議所を顕彰している「事業活動表彰」を、尾鷲商工会議所(伊藤整会頭)が受賞しました。
 全国で515ある商工会議所から今回受賞したのは7会議所とのことで、9月15日に開かれた第124回通常会員総会で表彰式が実施されました。
 受賞の内容は、平成24年度から尾鷲商工会議所が始めた「長期インターンシップ事業」に対してであり、これが商工会議所自身が学生(インターンシップ生)と受け入れ企業とのコーディネーター役を務めるという全国で初の方式による取り組みであって、尾鷲市内の企業には経営支援として、学生には地元(地域)就職を視野に入れたキャリア教育としての多面的な成果を上げていることが認められたとのことです。
 非常に名誉ある受賞だと思いますが、尾鷲商工会議所 長期実践型インターンシップ・プログラムのフェイスブックにニュースが提供されているのみで、わしが知る限りメジャーなマスコミでは報道されていないようなので、このブログにアップしておきます。

2016年9月22日木曜日

【PR】伊勢ギーク・フェア2016

 出展者・参加者がみんなで「作る」を楽しむイベントである、伊勢ギーク・フェア2016が10月15日(土)13時~16時、三重県度会町の宮リバー度会パークで開催されます。


2016年9月20日火曜日

ふるさと納税は国営「特産品通販」

 京都新聞(9月19日付け)の表層深層に掲載された ふるさと納税 国にしわ寄せ という記事が波紋を広げているようです。
 自分が応援したい自治体にお金を寄付をすると、自己負担額(2千円)を差し引いた差額が国税である所得税と、地方税である住民税から減額される制度であり、地域活性化を目的に平成20年度から始まったものの、当初は期待されたほど浸透しませんでした。それが徐々に浸透してきたのは、一部の自治体が酒類や牛肉などの高級特産品や地域内の工場で生産されたパソコンや家電製品などを返礼品とする、いわゆる高額返礼品競争が始まった3年ほど前からではないかと思います。
 平成27年度からは減税対象となる寄付額の上限引き上げや、年間5自治体までなら確定申告不要の「ワンストップ特例制度」も開始され、ますます競争は苛烈になっています。書店には「ふるさと納税制度でお得に買い物しよう」というノウハウ本がずらり並んでおり、新聞記事でもどこどこ市が返礼品を高額化した途端、寄付額が前年度の何倍になった、といったことが誇らしげに報道されています。
 しかし、当初から有識者が指摘していたように、これは国の税金で寄付者に割引で買い物をさせる国営通販ともいうべき社会主義的な制度であり、タコが自分の足を食べているのとなんら変わりません。

2016年9月19日月曜日

熊野市が乗り合いタクシーを市内全域に

YOMIURI ONLINE より
YOMIURI ONLINEによると、熊野市は10月から交通弱者や公共交通空白地対策として、新たに市内2地域で予約制の乗り合いタクシーを運行します。
 熊野市では山間部の公共交通空白地域(紀和、五郷、神川町内など)において平成22年から NPO法人のってこらい が過疎地有償運送を行っています。
 他の交通不便地域では、平成25年以降、2地域で市が乗り合いタクシーの運行を開始しており、今回さらに運行エリアが拡大することで乗り合いタクシーの運行地域が市内全域に広がることとなり、このような事例は三重県で初めてのこととなります。(9月14日付け リンクはこちら
 熊野市は東が熊野灘に面し、リアス式の長い海岸線沿いに漁村が点在しているほか、西は大台・吉野の山脈につながる山地で、やはり多くの集落が点在しています。
 市の中心部にはJR紀勢本線が通っていますが、そこから各集落への公共交通機関は市のコミュニティーバスなどに限られており、運行ダイヤの利便性や最寄りバス停までのアクセスなどで特に障がい者や高齢者には制約が少なくないのが現状です。

2016年9月16日金曜日

テレファームの遠藤さんが凄すぎた

 伊勢市産業支援センターで(株)テレファームの遠藤忍社長によるセミナーがあったので参加してきました。テレファームは今、日本で最も注目されているベンチャーの一つと言って過言ではないでしょう。元々は遠藤さんが愛媛県松山市で平成19年に創業した会社ですが、今年6月には楽天が出資を決定し、三木谷社長が直々にテレファームビジネスの拡大を宣言しているほどに世に認められました。
 ただ、ここに至る道のりは決して平坦ではなかったそうです。いまでこそ会社から給料を取れるようになってはいますが、創業から7年間は自分を含め役員はすべて無給。この間に多くの仲間が会社を去っていきました。
 伊勢市でセミナーを行ったのは、伊勢市産業支援センターのインキュベーションマネージャーである渡辺憲一氏が、以前、愛媛で起業支援を行っているときに遠藤社長と知り合い、ビジネスモデルへの理解者がほとんどなく変人扱いされていたという社長の数少ない理解者、そして支援者であったことを恩義に感じているからだそうです。
 世の中にないもの、初めて世に出た誰も見たことも聞いたこともないものを正しく理解し、目利きすることがいかに難しい、困難なことかを示すエピソードだと感じました。

2016年9月15日木曜日

なぜこんなにカップルが生まれるの?

 11月5日(土)、三重県紀北町において 遊び体験婚活イベント「きほく釣りコン」が行われます。
 釣りコンとは、独身の男女が海や川で魚釣りを楽しみながら交流する婚活イベントで、いろいろな種類がある婚活イベントの中でも、比較的カップルが誕生しやすいと言われており(その理由は以前このブログでも解説しました。リンクはこちら。)、ネットで検索するとけっこう各地で開かれていることがわかります。
 紀北町内に在住する有志による「第3次ベビーブームの会」が主催、紀北町が後援するこの釣りコンも、今回で第7回目の開催となるそうですが、注目すべきは特異値ではないかと思うほどに高い、カップル誕生率です。

 きほく釣りコンのフェイスブックページによると、カップル成立状況は
・第4回 (平成27年 2月開催) 参加16組中3組成立
・第5回 (平成27年11月開催) 母数不明中10組成立(うち、後日に入籍1組)
・第6回 (平成28年 3月開催) 参加17組中11組成立
 となっています。

2016年9月14日水曜日

おんぶ政務官は単なる「官僚ぐせ」

 内閣府政務官兼復興政務官である務台俊介(むたい・しゅんすけ)なる国会議員が、今月1日、台風10号の豪雨による被災状況を視察するため岩手県岩泉町を訪れた際に、9人が亡くなった高齢者グループホームに向かう途中の国道で冠水していた箇所を、同行者におんぶされて渡ったことが話題となっています。
 長靴を着用していなかったことが理由で、町民からは「災害復興に当たる人の行動とは思えない」「自覚が足りない」などと批判の声が上がり、上司に当たる今村雅弘復興相も事実を認めて陳謝する事態に追い込まれました。(9月13日付け岩手日報より)

 ネットで調べてみると、この務台氏は今年3月、例の「保育園落ちた日本死ね」というブログが大きな社会的波紋を投げかけていた時も、「全部便利にしてしまうと、ますます東京に来て子育てをしようということになる。東京にいると、ある程度コストがかかって不便だというふうにしなければ駄目」という発言をしたアッパレな人物としても有名であり、さらに東大卒の総務官僚(旧自治省)で、総務省消防庁の防災課長や自治財政局の調整課長なども務めた輝かしい経歴を持っていたこともわかります。
 その一方で、わしら庶民は、中央省庁の官僚といった、エリートとはいえ比較的「ライト級」ともいえる部類には、実にみみっちい人物が少なからずいることも経験上よく知るところです。

2016年9月13日火曜日

起業か、承継か

 先日、わしは三重県内の中小企業振興にかかわる関係者が一堂に集まる会議を傍聴する機会がありました。
 県庁、市役所や町役場の商工課、商工会議所、商工会、金融機関などの実務担当者が中心でしたが、その意見交換の中で、ある興味深い傾向に気づいたのでメモしておきます。
 会議のテーマは、「地域資源を活用した産業振興」と「起業・創業の促進」という2つでしたが、行政関係者からの情報提供は、地域の特産品開発や首都圏・海外への販路開拓支援についてが多く、商工団体からは創業塾の開催や起業家と若手経営者のネットワーク作りについて、そして金融機関からは企業承継に関する報告が多かったのです。(もちろん、あくまでわしの印象であって、定量的にこれを示すことはできませんが。)
 地方創生ブームによって、県や市町村が行う商工振興策に対しては国から多くの交付金が支給されています。これらの使い道として一番多いのは、その土地土地の特産品や農林水産物を使って新しい商品を開発したり、既存の地場産品を東京や名古屋などに販路開拓していく、といったものです。
 誰であっても自分が住んでいる土地への思い入れは強いものです。お茶とかお米、シイタケ、ノリ、ひものといったような特産品は、我がまちのものが日本で一番うまい!と地元は信じていても、全国的には差別化要因がほとんどないコモディティ商品化しており、これを全国市場や地域ブロック市場に流通させ、大きなシェアを獲得することは非常に困難なイバラの道です。

2016年9月12日月曜日

イノベーションは物流ビジネスで起こる

【読感】物流ビジネス最前線 ネット通販、宅配便、ラストマイルの攻防  齊藤実著(光文社新書)

 創新とか革新を表す「イノベーション」ですが、消費者の価値観やライフスタイルと向き合い、変化に素早く対応することでビジネスを拡大するという本質を持っている意味では、小売業や卸売業といった商業(流通業)でこそ、イノベーションの萌芽が常に生まれており、その結果、大化け(急成長)するビジネスも多いことは周知の事実かと思います。
 これを、「経済的に興味深い現象が何らかの形ですべて流通の中に見えてくる」と喝破したのは経済学者の伊藤元重氏で、わしもその本を以前このブログで取り上げたことがあります。

 あれから2年半。
 爆買いブームとその終焉、スーパー・コンビニチェーンの再編などいろいろなトピックがありましたが、この間にネット通販が完全に流通業の主役の地位に定着したことは大きな状況変化だといえるでしょう。
 この本は物流の専門家であり神奈川大学教授である著者が、ネット通販(電子商取引。略してEC。)を中心として、その伸長が実際に商品の輸送や配達をしている物流業者にどのような影響を与えているか、そしてそれが、わしら消費者にどうつながっているのかをわかりやすく解説した本です。

2016年9月10日土曜日

三重県が財政再建に向けた指針策定へ

 三重県が、深刻さを増している県財政の再建に向けた「県財政の健全化に向けた集中取組」の素案をまとめたことが報道されています。
 三重県の財政が深刻な状況であることは今年度(平成28年度)の予算編成時に表面化し、公債費や人件費、社会保障関係経費などの義務的経費の増加によって歳出額が増加する一方、県税や地方交付税交付金などをあわせた歳入(一般財源)はほぼ横ばいであるため、当初予算の要求状況公表時には247億円もの財源不足に陥りました。
 歳出予定額の精査や、財政調整基金の取崩しなどを行ったほか、企業会計(県営の水道や発電事業の内部留保金)からの借り入れという奇策によってやっと辻褄を合わせた状態です。
 今後もこのような厳しい財政運営が予想されることから、根本的な見直しが不可欠として、財政健全化に向けた今後の方針と具体的な方策を素案としてまとめたものです。
 県ではこの素案について、本年度内に最終案を取りまとめ、県議会の了承を得たのち、平成29年度から31年度までの3年間に集中して実行することとしているそうです。

 中日新聞の記事(9月10日付け)によると、この素案では3つの数値目標が設定されています。

2016年9月9日金曜日

継続は力なりではあるが

 総務省と全国の過疎地域を抱える地方自治体の団体が、このたび、今年の「過疎地域自立活性化優良事例」を選定しました。この表彰は、地域の自立と風格の醸成を目指した過疎地域の取組を奨励するために、創意工夫によって過疎地域の活性化に取り組み、優れた成果をあげた先進的・モデル的な事例を、有識者の委員会で選出し表彰するものです。
 今年は総務大臣賞に5事例(5地域)が、全国過疎地域自立促進連盟会長賞に4事例(4地域)が選ばれています。総務省の報道資料では取組内容の詳細まではわかりませんが、おそらくいずれの事例も熱心な地域住民が支えている、素晴らしい取組なのでしょう。敬意を表したいと思います。
 ただ、そう感じる一方で、こういった「地域の宝探し」と「ブラッシュアップ」、そして「外部への情報発信」という定石ともいうべき内容とか、「高齢者が来訪者のおもてなしのために立ち上がった」という定番のような内容を見ると、心のどこかでデジャビューに襲われるのも正直なところです。
 毎年毎年このように、同じような取組みが全国で行われ、優れた事例が表彰される。しかし、全国的に見て過疎地域の衰退はまったく止まりません。
 このような取り組みはいったい何を目標に置いて、いつまで続けるべきなのでしょうか。
 それとも地域おこしに終わりはなく、永遠に誰かが続けていかなくてはいけないのでしょうか。

2016年9月6日火曜日

原発停止要請という行政指導

 わしが学生の頃、行政法の中盤あたりで、「要綱行政」とか「行政指導」についての講義があったと記憶します。
 要綱行政とは、法律や条例で規制が加えられている、ある事柄とか行為に対して、地方自治体が現場で業務を行う際の基本方針などを文書にした「要綱」を根拠に、その地方自治体が法律や条例で規定されている以上の厳しい規制をくわえたり、違反者にペナルティーを課したりする現象のことです。
 1960年代後半の高度経済成長期から70年代のオイルショックの時期にかけて、田畑が埋め立てられ、山林が切り開かれて住宅地が造成される「開発行為」が全国いたるところで展開されました。開発行為には都市計画法による許可が必要で、その要件は厳格に定められていますが、数千戸の住宅が一度に開発されるニュータウン建設などの場合、それによって一気に数万人も人口が増えるので、地元の市や町にとっては学校の建設も、公園の整備も、道路の拡幅もまったく追いつきません。
 そこで、60年代後半、ある市が「宅地開発要綱」というものを定め、ニュータウンを建設しようとするデベロッパーに対して、学校建設用地の無償提供や、公共施設建設に対する市への寄付などを協力してもらう ~実態としては強要する~ 形で、不足する公共施設や財源を賄うことを始めました。
 これは全国の市町村にとって干天の慈雨ともいうべきグッドアイデアであり、たちまち各地で宅地開発要綱が作られ、公的負担をデベロッパーへ転嫁することが広く行われるようになったのです。

2016年9月5日月曜日

強すぎる自民党がいいか悪いか

【読感】 「強すぎる自民党」の病理 老人支配と日本型ポピュリズム 池田信夫著 PHP新書

  今年7月の参議院選挙は安倍首相が率いる自民党が大勝しました。自公連立与党は過半数を大きく上回り、憲法改正に前向きないわゆる「改憲勢力」が参院での発議可能な2/3を超えるという戦後初めての状況が生まれたのです。安倍政権は第3次内閣、組閣以来4年目となり、近年にない長期安定政権となりました。
 しかし政権の目玉である経済政策「アベノミクス」は行き詰まっています。インフレ率は目標に届かず、経済成長率は低迷し、政府の債務は1100兆円を超えました。
 このように重要政策が成功しているとは決して思えない安倍政権が、なぜこれほどまでに国民から支持されるのか、さらに、与党政治家と官僚の集合体である政府の中でも、首相とその周辺に権力が集中する「政高党低」や「官邸一強」の構造になっているのはなぜなのか、について批判的に検証しているのがこの本です。
 著者の池田さんによれば、強すぎるともいえる自民党、なかんずく安倍政権には2つの理由があります。

2016年9月4日日曜日

シン・ゴジラは公務員こそ見てみるべき

 夏休みが終わりピークアウトしたのだとは思いますが、話題の邦画 シン・ゴジラ を見てきました。
 映画館は満席ではなかったものの、子供連れの家族やカップル、シニアの夫婦が多く、さらにわしのように一人で来ている中年男性も多く見かけたのは、映画評にあるようにシン・ゴジラのテーマの一つが「危機管理」とか「何も決められない日本政治」のような中年サラリーマンにとって関心がある内容なことが広まっているからでしょう。
  実際に上映時間の半分は会議のシーン、つまり心理劇であって、怪獣映画の見せ場であるゴジラによる破壊シーンとか戦闘シーンは要所要所で出てくるに過ぎません。(なので、小さなお子さんは飽きると思います。)
 ただし、巨大生物としてのゴジラの生々しさとか、高層ビル群が次々にブチ壊されるシーン、そして自衛隊が戦車やミサイルで攻撃するシーンは真に迫る大迫力で、夢に見そうなくらい素晴らしい出来栄えなことは強調しておかなくてはいけないでしょう。

2016年9月3日土曜日

ユーグレナが三重県内に実証施設を建設へ

 ミドリムシ(藻の一種)を培養して食品や燃料を製造する研究を行っている、日本を代表するベンチャー企業といえる株式会社ユーグレナが、三重県多気町内に研究開発の実証施設を建設することが明らかとなりました。
 このプロジェクトは中部電力関連会社の(株)中部プラントサービスが多気町内で稼働している木質バイオマス発電所の隣に、ユーグレナがミドリムシ培養プールを建設し、発電所から出る二酸化炭素や排熱を利用して、ミドリムシを大規模・低コストに生産する技術を研究開発していくもので、「バイオ燃料用藻類生産実証プロジェクト」と命名されています。
 財源として資源エネルギー庁の微細藻類燃料生産実証事業費補助金(1億5千万円)が投入されますが、これはここで研究されるミドリムシは、最終的に航空機用燃料として実用化させる目的であるためです。
 実験は今年10月から開始され、31年3月まで行われます。平成30年には面積が3千平方メートル以上と燃料用ミドリムシの培養プラントとしては国内最大級になる予定だとのことです。
 資源のない日本にとって、国内で製造可能なエネルギーの開発は大変に重要な課題です。ユーグレナは世界で初めてミドリムシ(ちなみに、この英語名ユーグレナが会社の名前の由来だそうです)の大量培養技術の確立に成功した会社であり、技術的にアドバンテージがあります。
 また、ミドリムシ培養には大量のCO2が必要なため、バイオマス発電所に隣接した今回の立地も優位性が生かせるでしょう。

2016年9月1日木曜日

ステレオタイプで捉える危険

 三重県商工会議所連合会が半年ごとに実施している、小規模企業を対象にした本年上半期(1~6月)分の県内景況調査結果が一部の新聞で報じられています。(伊勢新聞「小規模企業の景況感悪化」 2016年8月31日付け)
 これによると、景気が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を差し引いた現状DIは、昨年の下半期に比べ5.9ポイント悪化のマイナス27.7でした。
 「現状DI」とは、平成27年7~12月の経営状況は前年の同期に比べてどうだったか、という質問に回答した企業のうち、「増加した」「好転した」とするプラスの回答数から、「減少した」「悪化した」とするマイナスの回答数を差し引いた値です。つまり、景況に対する経営者の主観、印象を表しています。
 もちろん、経営者は通常のサラリーマンに比べてアンテナの感度が高い人が圧倒的に多いので、風を読む感覚は正確なことが多く、尊重すべきものがあります。
 しかし、三重県商工会議所連合会のホームページで、この調査の結果を過去から経年的に見てみると、平成9年以来、一貫してDIはマイナスで、0.0以上のプラスになったことは一度もないのに気づきます。
 つまり、この調査に回答している三重県内の小規模企業の経営者は、調査時点によって多少のアップダウンはあるものの、基調としては常に景況に対してネガティブな情勢判断を持ち続けていたことになります。
 こんなことってあるのでしょうか。