2016年10月31日月曜日

「田舎の小さな工場」は謙遜としても

【読感】世界トップシェアを勝ち取った田舎の小さな工場の奇跡 山中重治著 幻冬舎
 
 よくテレビで、「地方にあるこんなに小さな工場なのに、作られた製品は世界でナンバーワンなんです」みたいな番組が流れています。中小企業の工場の場合、最終製品を作っているわけではなく、その一部のパーツを作っている場合が多いので、実はアイフォンに使われているとか、実はレクサスの中に入っている、という企業もあるにはあるのですが、この本の著書、山中さんが社長を務める オキツモ株式会社 は、正真正銘の世界的ニッチトップ中小企業といえます。
 オキツモは、オートバイのマフラーのように高温となる部品を塗装する「耐熱塗料」で圧倒的シェアを持つ企業であり、ロケットエンジンの塗装にも使われている、知る人ぞ知る ~と言いながら実は製造業関係者の間ではかなり有名な~ 中小企業です。
 この本は、三重県でも名張市という、田舎というほどでもないけど都会でも決してない地方都市で、やはり小さな塗料工場だったオキツモが、どのようにニッチトップに駆け上ったかが、経営理念、マーケティング、技術開発といった面から書かれています。(その意味で、経営者のいわゆる自叙伝とは趣が異なります。)

2016年10月30日日曜日

三重県立図書館が雑誌スポンサー公募

 三重県立図書館が11月から「雑誌スポンサー制度」を導入することを明らかにしました。
 雑誌スポンサー制度とは、現在は図書館が購入している224種類の雑誌について、企業や団体がスポンサーとなって購入したうえ図書館に寄付してもらい、その代わりに企業や団体の名称と広告を、雑誌の表紙カバーなどに掲載するというものです。
 スポンサーは購入する雑誌を224種類の中から決めることができますが、原則として1年契約であり、価格(年間購読料)は建設物価調査会の月刊「建設物価」が47100円、週刊ベースボールが37800円などとなっているほか、安いものでは千数百円(もちろん年間で)という雑誌もあり、さまざまです。
 実際のスポンサー契約締結にあたっては、広告主及び広告内容に一定の制限 ~公序良俗に反しない、宗教性や政治性を帯びていないなど~ があるほか、「三重県立図書館雑誌スポンサー審査会」での審査を経て決定されるようですが、図書館では「年間32万人が訪れる県立図書館に広告や名称を掲載することで、効率的な情報発信ができます。」と応募を呼び掛けています。

2016年10月29日土曜日

最近のなぜなぜ?

http://www.dentsu.co.jp/
電通(dentsu)ウエブサイトより
 電通社員の過労自殺はたいへんにショッキングな出来事でした。                   
 ツイッターに綴られた絶望の言葉には心が痛みますし、今さら言っても詮ないことながら、ギリギリに追い詰められる前に何らかの手助けはなかったものかと思います。
 ただ、わし的に不思議なのは、このように悲惨な、社会的な影響が大きな事件を招来した電通に対し、世間の非難は高まっていると言いつつも、社長であるとかこの事態を出来した上司であるとかの記者会見が開かれた様子がないし、そのような説明の場を求める声も、なぜかマスコミからほとんど上がっていないように見えることです。
 これは大変に奇妙です。
 メーカーや銀行なんかの大企業が起こしたこの種の不祥事に対しては、大手マスコミは第4権力としての制裁力を如何なく発揮し、悪行を非難し、真実をあぶりだそうと努めることが通例です。しばしば「追求しすぎ」て、プライバシー侵害のような副作用さえ起こすのですが、日本最大の広告代理業という、マスコミにとっては二人三脚の双子のような電通には厳しい追及ができないのかもしれません。(その割にNHKも及び腰なように思えますが。)

2016年10月26日水曜日

Googleインドアビューが凄い!

 三重県東紀州地域(三重県南部の、尾鷲市、熊野市、紀北町、御浜町、紀宝町の2市3町からなる地域)の情報ポータルサイトである 東紀州ほっとネット くまどこ によると、熊野市にあるリゾートホテルである「里創人熊野倶楽部」(リゾートくまのくらぶ)が、あらかじめ撮影した客室や温浴施設など、施設の内部の模様をGoogleストリートビューから確認できる「Googleインドアビュー」を公開しました。
 インドアビューとはストリートビューの屋内版サービスであり、店舗や施設の内部を360°画像で見ることができるもので、日本では平成24年から提供が始まっているとのことですが、恥ずかしながら、わしはまったく知りませんでした。
 里創人熊野倶楽部でも今年6月にインドアビューの公開を始めたとのことで、客室、レストラン、浴場など5カ所の内部を見ることができます。くまどこも言うように、パンフレットやウェブサイトからではわかりにくい細部まで、まるでその場でいるかのようにネット上から確認できるため、予約や施設の利用前などにおおいに活用できそうです。

2016年10月25日火曜日

春日大社のお砂持ち行事に行ってみた

 奈良にある春日大社は昨年から今年にかけて、第60次の式年造替を行っています。
 20年に一度、社殿を新しく作り替える神事ですが、伊勢神宮のようにすべてを新築し直すわけではなく、社殿の修復 ~春日大社の本殿は国宝に指定されています~ を行うもので、その間神様は本殿の西隣にある「移殿」(うつしどの)へ遷り、修復が終わったら再び本殿にお還りいただく(正遷宮)ことになります。
 今回の式年造替ではこの正遷宮が11月6日に行われるとのことですが、それに先立って、本殿の前庭や後殿・周囲の玉砂利を新しく入れ替える「お砂持ち行事」というものが10月23日まで行われていたので参加してきました。
 すっかり秋も深まり、奈良公園から春日大社にかけては、ものすごい人出でした。外国人観光客も非常に多く、奈良が世界的な観光地であり宗教都市であることを再認識しました。

2016年10月24日月曜日

職場で重要なのは「心理的安全性」

 ビジネスにしろ社会システムにしろ、進歩のために重要なのがイノベーション(革新、創新)であることはもはやコンセンサスになっていると思います。イノベーションにつながるようなアイデアを、どうすれば職場や仕事場で生み出すことができるのかについては大学などでさまざまな研究が行われていますし、企業でもいろいろな試行錯誤が続けられています。
 そんな中で、GIGAZINEで紹介されていた、エイミー・エドモンドソンさんによる「仕事場において重要なのは個人の資質ではなく、心理的安全性である」という説が興味深かったのメモしておきます。(職場を崩壊させないために必要な「心理的安全性」を作り出す方法 2016年10月20日
 わしは全然知らなかったのですが、エイミー・エドモンドソンさんはハーバードビジネススクール教授であり、平成25年にはThinkers50「世界で最も影響力のあるビジネス思想家50人」に選ばれている世界的経営学者とのこと。
 エドモンドソン教授はまず、夜勤の看護師が、ある患者への投薬量が多いことに気づき、担当医に電話で確認しようかと一瞬迷いましたが、以前同じように電話した時にけなされたことを思い出して、電話することをやめてしまったエピソード、また、軍の若いパイロットが上官が重大なミスをしているかもしれないことに気づいたものの、上官に対して発言することを思いとどまったエピソードを披露します。どこの職場でも起こりそうなこと ~と言うか、実際に頻繁に起こっているであろうこと~ だと思いますが、そもそもこうしたことはなぜ起こってしまうのでしょうか?

2016年10月23日日曜日

尾鷲病院交差点が金融街に?

先日、尾鷲に行っていました。国道42号沿いのおわせお魚いちば おととの駐車場に車を止めて休憩していた時、ふと道路の反対側(東側)をみると、大きなビルの新築工事をやっているのが目に入りました。看板を見ると「紀北信用金庫センタービル新築工事 清水建設」とあり、尾鷲市に本店を置く紀北信用金庫の、おそらくは事務センター(情報処理センター)の新築移転のようです。
 紀北信金は現在でも、このセンタービル工事現場の南隣に古戸支店という旗艦店があり、さらに北隣には昨年12月にやはり旧市街地から移転新築した岡三証券尾鷲支店があるので、この尾鷲病院交差点の一角はちょっとした 金融街 に姿を変えることになります。
 尾鷲市街は、平成26年3月に紀勢自動車道が尾鷲北ICまで全線供用となり、事実上、全国の高速道路ネットワークの一端に組み入れられて以来、ファミリーマート、ケーズデンキ、コメダ珈琲などのナショナルチェーンが次々出店するなど大きく変貌しています。

2016年10月22日土曜日

全国で2番目の女性会頭が誕生へ

 中部経済新聞などによると、鈴鹿商工会議所で新しく女性の会頭が就任する見込みとなりました。現在の山本会頭の後任として、現副会頭で病院理事長の田中彩子氏が昇格するもので、今月末に開かれる臨時議員総会で正式に決定されるとのことです。
 全国には515の商工会議所があるそうですが、トップである会頭に女性が就任しているのは千葉県の浦安商工会議所があるのみで、鈴鹿商工会議所が全国で2番目となります。
 この、商工会議所の会頭、というポジションが重要です。商工会議所の第一義的な使命は地域の産業の総合的な発達改善を図ることであり、女性の能力活用が我が国挙げての重要課題となっているなか、田中会頭の就任によって鈴鹿市の産業界のみならず、三重県における女性の社会進出に弾みがつくことが期待されると思います。
 ところで、今までのわしの説明には補足が必要かもしれません。多くの人は、「商工会議所」という名前は知っていても、実際に何をやっているのかは知らないケースが多いでしょうし、行政関係者でも多くは「商工会」と「商工会議所」の違いが分かっていないからです。

2016年10月20日木曜日

最近、つらいこと

 店の前を通りがかり、おや、今日は休業かな、と思ったのは初夏のころだったでしょうか。わしもよく面識がある、その地域の主婦仲間が立ち上げたレストランです。みなさん妙齢に差し掛かっており、子供は手が離れ、時間にゆとりが出てきた。そんな中で、地域の人々が気軽に集えるような場を作りたい、というお話があり、郷土料理 ~よそ行きでない、娘がお母さんから伝えてもらうような~ や、地域の食材を使ったメニューを提供するレストランを開業するというコンセプトが決まった頃に、ほんの少しだけお手伝いをしたことがあったのです。もう10年くらい前のことです。
 その後、このお店の経営は順調で、その当時、国や県が旗を振っていた「ベンチャーブーム」に乗って、あるいは、やはり世間の関心を集めるようになっていた「地域資源の活用」という流れに乗って、時おりマスコミにも取材されるようになっていました。
 わしも時々は食べに行っていたですが、自宅から遠隔地であることもあって知らず知らずに足は遠のいてしまい、思い起こせば最後に行ったのは5年ほど前のことだったと思います。
 今日、その店の前を通ったら、完全に看板が外され、駐車場にはロープが渡され、一見して無人のさびれた感じになっていました。あの主婦の皆さんは今もお元気だろうか、前向きな、晴れ晴れとした最後だったのだろうか、などと思いを巡らせました。

2016年10月17日月曜日

三重県の自殺者が再び増加へ

 10月13日に津市で開かれた三重県公衆衛生審議会の自殺対策推進部会において、三重県の平成27年の人口10万人当たりの自殺者数を示す「自殺死亡率」が19.0%となり、全国平均の18.4%を上回ったことが明らかになりました。県の自殺死亡率が全国平均を上回るのは統計が残る平成9年以降で初めてのことです。
 また、平成27年中の県内自殺者数は、前年比で約9%(29人)増の339人とり、3年ぶりに前年を上回りました。全国では前年比5%減の23152人となり、これでも6年連続で減少しているとのことで、三重県は全国とは逆の傾向を示しています。
 自殺対策推進部会の部会長である齋藤洋一県医師会理事は、「全国的に自殺が減少する中、県内では増加という非常に良くない事態となった」と述べ、自殺予防の啓発強化を県に要請しました。
 これに対して県は、「報道機関への資料提供や街頭でのティッシュ配りをしているが、予算が限られている」と説明したとのことです。(伊勢新聞10月14日付け
 日本人の死因の第一位が自殺であるとか、毎年の自殺者数が3万人を超えた、などと騒がれ出してから、もうゆうに10年以上は経つのではないでしょうか。
 これほど悲しい、そして重大な社会問題がなかなか解決せず、むしろ増えている三重県は何かが壊れているのではないでしょうか?

2016年10月16日日曜日

起業家の声を虚心坦懐に聞く

*****起業家、経営者の方以外には関係ない内容です*****

 先週から、県内の経営者や起業家(創業して間もない経営者、これから創業しようという人)などが出席するセミナーや交流会にいくつか参加する機会がありました。わしはサラリーマンなのであくまでオブザーバーで、勉強させていただく立場ではあるのですが、県庁が行っている産業振興策などに対して多くの質問をいただくので、何かの参考になるかもしれないと思い、いくつか共有しておきます。
 なお、当然ですが、これはわし個人の見解・感想であって、公式見解でも何でもありません。あくまで参考までにお気に止めていただければ結構です。

問1
 県が起業を支援しているというが、具体的に何をしているのか。
答1
 経営に必要な資源は、人、モノ、カネ、情報、ですが、行政の支援はこれらすべての要素に対して支援ツールがあります。


2016年10月13日木曜日

伊勢神宮の外国観光客認知度は3%

McKinsey&Company  The future ofJapan’s tourism

 世界的なコンサルタント会社であるマッキンゼー・アンド・カンパニーが実施した、米英などの外国人を対象にした日本の観光地の認知度に関するアンケートによると、鎌倉や奈良といった地方の有力観光地の認知度は1割に満たないことが分かったことを各紙が報じています。(共同通信 10月13日付け
 日本政府は今年3月、「明日の日本を支える観光ビジョン」を策定しましたが、この中で2020年(平成32年)までに外国からの訪日客を平成27年の2倍にあたる4千万人に増やす方針を掲げています。
 しかしマッキンゼーは、海外経済成長に伴う訪日客の自然増だけでは940万人不足すると試算し、実現のためには東京だけでなく、地方の魅力も知ってもらうために効果的な取り組みが必要だと提言し、その論拠として、鎌倉を知っている外国人は9%、奈良は7%、日光は5%、伊勢神宮は3%にとどまったというアンケート結果を示しています。


2016年10月12日水曜日

サンバレー跡地は3年以内でイオンモールに

イオンモールHPより
 中部経済新聞によれば、今年2月に閉店したイオン津南ショッピングセンター「サンバレー」の跡地が新たに「イオンモール」となることが明らかになりました。(10月12日付け)
  サンバレー跡地は現在、建物の解体工事が行われていますが、年内にも解体を完了して新築工事にかかり、平成30年~31年の開業を目指すとのことです。
 イオンモールは三重県内に5店舗あり、新たに津が開業することになれば平成25年にオープンしたイオンモール東員に次ぐものになります。
 イオンモールを運営するのはイオングループに属するイオンモール株式会社で、国内外で約160カ所のモールを運営しています。東海地域では、イオンモール長久手(愛知県)が今年12月に、イオンモール土岐(岐阜県)が平成31年にそれぞれ開業を予定しており、豊川市(愛知県)でも再来年夏で操業を終える予定のスズキ豊川工場の跡地に進出する方針が固まっています。

2016年10月11日火曜日

四日市梨のセミドライフルーツを食べてみた

 当たり前のことのように、巷で売られているドライフルーツとは、すべて果物を乾燥させて作られているものだと思っていました。干しブドウとか、干しマンゴーとか、フルーツを薄切りにして文字通り天日乾燥なり、機械乾燥なりさせているものだと信じ込んでいました。
 しかし、市販されている比較的安価な外国産のドライフルーツは、砂糖漬けにして乾燥させる「砂糖脱水」という方法であったり、油で揚げる脱水方法で製造されているものが多いとされ、むやみやたらにただただ甘いだけであったり、カロリーが高かったりして、健康志向という現代の消費者ニーズに必ずしも適合するものではなかったそうです。
 そのような中、砂糖を使わずフルーツの自然な甘さを生かすとともに、しっとりとした食感を残すセミドライタイプのドライフルーツを製造できる方法を、このたび三重県工業研究所が開発しました。(特許第5358772号「ドライフルーツ、及びその製造方法」)
 先日、この製法による四日市梨のセミドライフルーツを入手したのでレビューしてみます。

2016年10月10日月曜日

○○-ビズはすべて成功しているのか?

 先週の日経新聞の中部版に、岐阜県関市が今年7月に開所した セキビズ (関市ビジネスサポートセンター)の相談件数が9月末までの2か月間で270件にも達したという記事が出ていました。
 このセキビズは、岐阜県内で中小企業の数が2番目に多いという関市で、それらの中小企業が抱える、販路拡大、商品開発、新分野進出、資金調達などといった経営課題を、無料相談を通じて現状把握から課題解決の提案・実行までをワンストップで継続サポートする施設であり、起業や創業についてもサポートしています。
 このセキビズの大きな反響は関市の当初想定を大きく上回っており、全国展開を目指す刃物メーカーの商品開発の支援やサービス業の開業など具体的な成果も現れており、セキビズでは現在2名の相談員をもう一人増員することになったとのことです。(記事名「ビジネス支援センター 予想以上の相談件数)
 セキビズをはじめ、○○ビズ(Biz)と呼ばれる施設が全国で徐々に広がっています。これは法律で必置とされている機関というわけではなく、もちろんフランチャイズでもなく、静岡県の富士市産業支援センターf-Biz(エフビズ)のセンター長で、中小企業支援業界のカリスマである小出宗昭氏の薫陶を受けて、市町村が自ら設立しているものです。

2016年10月9日日曜日

縮小社会に向けた議論の難しさ(マニアック)

 幸いなことにと言うか、このはんわしブログには大学のアカウントからのアクセスも結構あり、時間帯から見て学生と思われるので、地方自治や地域経済に関心が高い若い人が見てくれているのかもしれません。
 その教材となればいいと思い、(地方自治体としての)三重県で、今まさに始まっている来年度(平成29年度)の当初予算議論に関する三重県議会でのやり取りの記事を紹介しましょう。
 三重県(地域としての)の地方紙である伊勢新聞が9月5日付け朝刊の一面で、県議会全員協議会(全協)の様子を伝えたものです。(記事名「県、政策的経費55%以下に 来年度当初予算の調製方針」)
 人口減少と高齢化、それに伴う経済の成熟、ひいては地方財政の縮小均衡は近い将来確実に現実になるわけですが、それは客観的なデータによってアタマでは理解できることでも、実際に自分たちの生活に関わってくる「予算支出額の減少」という事態に直面すると、現場ではこのような類の議論が展開されるということを、具体的に知られる好例です。
(はんわし注:学生向けを前提としているので、専門用語もそのまま引用します。)

2016年10月8日土曜日

都庁が特別ではない(続き)

(承前) 都庁が特別ではない(2016年10月2日)

 豊洲市場問題の東京都をはじめ、地方自治体の不祥事なりが世間で問題になる場合、必ず、いわゆる「ガバナンス」に問題があったという分析がなされます。
  この「ガバナンス」という言葉は、意味がわかったようでわからない、漠然とした用いられ方をしますが、要するに、
1)組織の中で、上の命令がしっかりと下に届き、下の意見もしっかりと上に届く風土になっている 
2)それだけではなく、例えば上の命令が法律に反しているとか、下の意見が広い視点を欠く偏ったものであるとかの、法律論や常識論に照らしたフィルターが組織内できちんとかかっている
3)そのうえで決まったことには、組織一丸となって最後までやり遂げている
  という3つが同時にうまく働いている状態ではないかと思います。
  大企業や官公庁、学校、軍隊など大人数の組織だけでなく、中小企業、NPO、はたまた町内会や同好会といった小組織であってもこの「ガバナンス」がうまく働いていない例は枚挙にいとまがありません。
 このため大組織は社員に役職や階級を設けて、権限と責任を明確にしたピラミッド型になっていますし、細かい社内手続きが設けられ、組織としての意思決定が手順に沿って行われるようになっています。

2016年10月7日金曜日

高速道路と道の駅、自由に?

 中日新聞によると、高速道路の外にある「道の駅」を利用するため、インターチェンジ(IC)からいったん途中下車して道の駅に立ち寄り、再び高速に乗り直しても料金が割高にならない新制度を国土交通省が平成29年度から導入するそうです。(10月5日付け
 ドライバーの疲労回復に加えて、地元の特産品などを販売している道の駅の利用者増加により地域活性化の副次効果も期待されるとのことであり、わしはこの記事を読んだ瞬間、紀勢自動車道の全通によって客足の減少が顕著になっている、一般国道42号沿いに点在している道の駅への救済策になるのでは、と思いました。
 しかしよく読むと実はそうではなく、高速道路でも「サービスエリア(SA)が未整備の区間」にある道の駅での実施を想定しており、しかも途中下車できるクルマも次世代型の自動料金収受システムである「ETC2.0」を搭載した車種に限定されるそうです。
 国交省は今年度中に実際の高速道路で実験を行う方針ですが、対象となる道の駅はこれから決めるとのことです。

2016年10月5日水曜日

田舎という古層

 年配の人なら同意してもらえると思いますが、「パリやロンドンには白人しか住んでいない」とは、多くの日本人が気軽に海外旅行に行けるようになった80年代のバブル経済期まで日本社会の常識だったといってよいでしょう。テレビの旅番組やドキュメンタリーでも、ヨーロッパの有名都市の映像にはほぼ白人しか映っていませんでした。
 しかし実際にヨーロッパの主要都市に行ってみると、有色人種が相当な人口を占めており、特に肉体労働にはアフリカ系やアラブ系の人々が多く従事していることを目の当たりにして、良くも悪くも日本社会の同質性を再認識した人も多いのではないかと思います。
 そんなことを思い出したのは、三重県東紀州地域にある町の議員が、拳銃を隠し持っていたとして警察に逮捕されたニュースを聞いたからです。
 この議員は5年前にも、健康保険に加入していない知人の元暴力団組長に自分の保険証を貸して不正に使用させたとして逮捕され、詐欺罪で有罪判決を受けた前科があるほか、平成24年には無免許運転でも逮捕歴があります。
 しかしながら、平成26年11月に行われた町議会選挙では700票を獲得して第6位(定数16名)で当選。現在3期目のベテラン議員となっていました。

2016年10月4日火曜日

給食が9000食も廃棄されていた

 伊勢志摩経済新聞によると、9月20日に三重県南部を横断した台風16号の影響により、進路に当たった伊勢市、志摩市の小・中学校で、合計9000人分もの給食が廃棄される事態が生じていました。(9月21日付け 台風16号、伊勢志摩で9000食以上の給食廃棄
 台風16号は、20日0時過ぎに鹿児島県の大隅半島に上陸した後、太平洋沿岸を東寄りに進み、昼過ぎには和歌山県田辺市付近に再上陸しました。その後、三重県を横断して東へ進み、21時ごろに東海道沖で温帯低気圧に変わりました。
 津地方気象台は20日の10時11分に、三重県の沿岸部の自治体に一斉に暴風警報を発表しましたが、ちょうどこの時間帯が、各市町にとっては給食を作るか作らないか、食べさせるか食べさせないかの判断のリミットと重なっており、結果的に廃棄の明暗を分けた形です。

2016年10月3日月曜日

サザエさん、見てる?

フジテレビHP より
 9月30日の日経MJに興味深い記事がありました。
 人気テレビ番組の代表格、定番中の定番である長寿アニメ「サザエさん」の視聴率が振るわない、という内容です。
 特に今年の春になってから視聴率が急激に落ち込んでおり、平成26年までは20%を超える放送回もあったものが、今年5月から8月にかけて視聴率がひとケタという回が4回も現れました。
 日テレ系の笑点の特番や、リオデジャネイロ・オリンピックと重なったとはいえ、平成27年以降は視聴率が20%を超えることも一度もなくなっています。
 MJによると、このサザエさんの低迷には大きく3つの原因(仮説)が考えられるそうです。

仮説1 磯野家の時代設定と現在とのズレ
 磯野家は3世代同居の大家族で、庭付きの平屋暮らし。サザエとフネは専業主婦で、しかもフネは常に和装です。

2016年10月2日日曜日

都庁が特別ではない

東京都HPより
 小池東京都知事が9月30日の定例会見で、いわゆる豊洲市場の「地下空間」について都庁職員による自己検証結果を公表したことが話題となっています。
 土壌汚染対策として敷地全体に盛土を行うとしていたにもかかわらず、建物部分の地下には施工されていなかった原因について、平成22年末の基本設計から平成23年秋の実施設計にかけての時期に、「地下空間を設ける」ことと「盛土をしない」ことが段階的に固まっていったことが推定できるものの、それを具体的に誰がいつ決定したのかという点は「ピンポイントということで指し示すのはなかなか難しい」と発言したからです。
 知事はこれら一連の設計プロセスを、「それぞれの段階で、何か流れの中で、空気の中で進んでいった」と説明し、今回の事態を招いた最も大きな要因に
1)関係者のガバナンス、責任感の欠如
2)内部のチェック体制や意思決定プロセスの不備
3)上司と部下の間や職員の職種間での連携の不足
 を挙げました。

2016年10月1日土曜日

赤福が10月1日から商品値上げへ

赤福HPより
 株式会社赤福(本社 三重県伊勢市)が10月1日から赤福餅の価格改定を行いました。8月10日から告知していたもので、徹底したコスト削減や業務の効率化等により販売価格の安定に努めてきたものの、物流費及び人件費の高騰、並びに安全安心な商品提供のための設備投資により企業努力高では販売価格を従来のまま維持できなくなったため、主力商品である赤福餅を最大7%値上げするというものです。
 これにより、店頭で食べる「召し上がり盆」(一皿2個、番茶付き)が税込み200円から210円に値上げされるほか、土産物として最もポピュラーな8個入りの折り箱が税込み720円から760円へ、12個入りが同じく1030円から1100円へ値上げされます。
 なお、赤福氷、赤福ぜんざい、冷やしぜんざい、抹茶、朔日餅全商品はいずれも値段が据え置かれます。
 報道によると、消費税増税以外の理由での値上げは平成16年以来、12年ぶりになるとのことです。