2016年12月31日土曜日

花束を君に

 平成28年、2016年もあと数時間となりました。  わしにとっては、宇多田ヒカルのこの「花束を君に」が今年最も印象深い曲でした。

 

 しみじみ思ったのですが、人の一生の中で、初めて出会う人の数を、別れる(もう会う機会は二度とないだろうという意味で)人の数が逆転してしまう年齢が誰にでもあるのだと思います。

2016年12月30日金曜日

サミットという「流儀」の終わり

 先日、スーパーでこんな納豆を見つけました。納豆大手のあづま食品(宇都宮市)による新商品で、その名も「伊勢志摩あおさのりたれ」納豆。三重県伊勢志摩産のあおさのり(ヒトエグサ)を配合した醤油ベースたれが付いており、実際に食べてみるとほのかにのりの香りがして、これはこれで目先が変わっていいと思いました。
 そういえば、このパッケージのような写真を今年は実によく目にしました。伊勢志摩国立公園、英虞湾のリアス式海岸の航空写真です。今年5月に開催された主要国首脳会議(G7)の舞台であり、サミット関連の報道や、サミットに商機を見出そうとする観光キャンペーン、土産物商品などで必ずこの風景写真が使われていたものです。
 しかし開催から半年以上たって、こうした一過性のイベントの宿命ではあるのでしょうが、急速に世間からは忘れ去られ、もはや完全に過去のことです。人々の話題に出ることもなくなりました。土産物店に並んでいたサミットあやかり商品(土産)も今やまったく見かけません。
 地元の三重県(庁)は、いわゆるサミットの「開催効果」が4168億円にのぼったとし、今後、平成28年度から32年度にかけて観光客の増加など1489億円の効果があると公表していますが、これに期待する声などほとんど聞かれないのが地元の実態だと感じます。

2016年12月29日木曜日

(-。- )ふゥーなお話

 鳥羽市に平成27年から地域おこし協力隊員として赴任していた女性が、12月いっぱいをもって退任することを各紙が報じていました。
 この隊員は東京都出身。十代のころから海女を目指していたそうで、鳥羽市でも海女が多い地区である石鏡(いじか)町に移住し、海女見習いとして地元の先輩海女から指導を受けながらアワビ漁などに参加していました。
 12月26日に鳥羽市役所で行われた退任式では、「海女はとても楽しかった。海女の経験を通してさらに海が好きになった。」などと感想を語り、木田市長は「東京に帰ってもぜひ鳥羽のPRをしてほしい。」と約1年間の活動を労いました。
 この隊員が短い期間ながら観光PRで大いに活躍したとか、田舎町に住み込むことで地域が「明るくなった」などの成果があったことは事実でしょう。しかし、率直に言って、わしにとっては非常な既視感に襲われるニュースでした。
 この手の話で、この手の結末を聞くのはもう何回目だろう? C= (-。- )
 実は、地元ではこの隊員の赴任早々から「(潜水漁である)海女は重労働で、中途から始めた人が技術を会得するのは難しい」とか、「海の汚染で漁獲量は激減しており、海女の収入だけで生計は立てていけない」という心配の声が上がっていました。

2016年12月26日月曜日

やり遂げることこそが難しい

【読感】経済学者 日本の再貧困地域に挑む あいりん改革3年8カ月の全記録 鈴木 亘著(東洋経済新報社)
 わしは仕事がら、まちおこしとか地域振興などに関する本は人より読んでいるつもりですが、この本「経済学者 日本の再貧困地域に挑む」は、わしにとって目新しい切り口の本で、たいへん面白く、かつ参考になる本でした。
 大阪市西成区は区民の4人に1人が生活保護を受給しているという、ありていに言えば貧困地域です。その理由は「あいりん地区」という西日本最大のドヤ街、つまり多くの日雇いの労働者が生活している地区があるためで、行政をはじめ民間の支援者や労働組合など多くの関係者が長年、生活環境の改善に取り組んできたものの、今でも貧困がはびこり ~日雇い労働者の高齢化でますます貧困の連鎖から抜け出せなくなる~、ごみの不法投棄や犯罪発生も多く、たびたび暴動が発生して警察署が襲撃される事件が繰り返されてきました。
 著者の鈴木さんは学習院大学教授の経済学者ですが、あいりん地区をフィールドに研究を行った経験があったことから、大阪市の橋下徹市長による市政改革、なかんずく「西成特区構想」を推進するために平成25年3月から大阪市の「特別顧問」に就任しました。その4年近くにわたる奮闘が、詳細に記録されているのが本書の内容です。

2016年12月25日日曜日

ギャンブル産業は付加価値を生まないのか

 先の国会で、特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律が成立しました。通称、IR(Integrated Resort)法とも呼ばれますが、新聞やテレビなどのマスコミは、この法律が推進する「統合型リゾート」なるものの目玉がカジノであることから、カジノ解禁法と報道し、そのほうが人口に膾炙している気もします。
 カジノのようなギャンブル産業はそもそも政府が成長戦略として進めるべきものではない、とか、すでにパチンコや競輪競馬など国内にはギャンブル産業が林立していて依存症患者や犯罪が増える、とか、外国人観光客が増加しているのは事実で、彼らに国内でもっとお金を落としてもらうのにカジノは必要とか、いやそうではなく、おそらく規制でがんじがらめになることが明らかな日本のつまらないカジノで遊ぶような外国人はいるはずがない、とか、実にさまざまな議論が百出しています。
 しかし実際に法律を読むと、全部で23か条しかないシンプルなもので、主な内容はIRは観光、地域経済振興、財政の改善の3つを目的にしていること、そしてカジノについてはいろいろな問題があることから、公正性の確保(!)とか、換金の制限、暴力団排除などを明確にしてこれから詳細を検討していこうね、という中身です。本質的な議論は先送りされた形であり、今後、世の中がこの問題にどれだけ関心を持ち続けるかが大事な要素になってきます。

2016年12月24日土曜日

年末きいながしま港市(2016)に行ってみた

 三重県紀北町の紀伊長島漁港で行われている「年末きいながしま港市」に行ってきました。
 伊勢海老やブリなど熊野灘の新鮮な魚介類や、干物など地元ならではの商品を地元価格の2~3割引のお値打ち価格で提供しているほか、さんま寿司、押し寿司などの郷土料理、紀伊長島のお菓子である「とらまき」やみかんなどの地元産品の販売が行われており、毎年大変な盛況です。この冬は異常気象ともいえる暖冬のうえに今日は天気も穏やかだったので、かなりの人出がありました。

2016年12月22日木曜日

地方銀行の縮小・再編は進む

【読感】 捨てられる銀行 橋本卓典著 (講談社現代新書)

 中京銀行が尾鷲市にある尾鷲支店を廃止して、松阪支店に統合すると発表しました。平成26年3月の高速道路(紀勢自動車道)全通がもたらした典型的な「負の効果」、いわゆるストロー効果の一つなのでしょうが、この例に限らず、地方にある銀行や信用金庫といった金融機関は今、冬の時代を迎えていると言われています。
 理由の大きな一つは、地方の多くは人口の減少や高齢化によって貸出先となる企業や事業所が減少していることです。ただでさえ商圏が細っていく中で、中小企業では後継者難もあって将来の展望が見いだせず、したがって融資を受けてまで設備投資はしない企業が多くなっています。
 その一方で、中小企業の側からは実際に次のような声も多く聞きます。
「金融機関が融資を決定するのは担保があるかどうかだけで、その企業の商品やサービスの優位性、事業の将来性などはなんら考慮されることがない。担当者も昔に比べて現場にやってこなくなり、経営者の人柄や企業の勢いを目利きできるタイプがすっかり少なくなってしまった。」
 地方の金融が抱えるこうした問題を、共同通信社の記者である著者が、国(金融庁)の取り組みを中心に全国の現場をルポし、提言しているのが本書です。タイトルはたいへんに刺激的で、賛否両論があるでしょう。

2016年12月21日水曜日

ベビースター新キャラクターが路上ライブ

 おやつカンパニーがベビースター三代目新キャラクターを発表しました。
 名前はまだなく、公募を経て来年1月31日に開催あれる「ベビースターキャラクター引き継ぎ式」で発表されるそうです。
 Youtubeには、新キャラが路上ライブを行う謎のムービーも登場、とあり、このような動画がリンクされています。東京都内でしょうか。(品川駅東口の伊勢丹前だけはわかったのですが)


2016年12月20日火曜日

国交省が高速道路にワイヤー式柵を試験設置へ

 高速道路の中央分離帯がない2車線の対面通行区間について、国土交通省は多発している正面衝突事故を防ぐためワイヤロープ式の防護柵を試験的に設置することを決めたそうです。
 高速道路は本来、片側に走行車線と追い越し車線の2車線がある上下4車線であるべきです。しかし実際には、建設費や工事期間の関係から、暫定的に片側1車線の上下2車線で運行供用を開始する、いわゆる「暫定区間」が多数存在しており、その区間は高速道路全体の延長の3割に当たる2500km近くもあります。
 これらの暫定区間は比較的交通量が少ない地方部の区間が多く、時速70キロという速度制限はあるものの、対面車線は樹脂製のポールで仕切られているだけです。
 このため、対向車が反対車線に飛び出す事故が頻発しており、去年は全国で334件も発生し、このうち死亡事故に至った率は一般的な中央分離帯がある区間に比べて2倍近くにものぼります。
 三重県内では紀勢自動車道の勢和多気JCTから尾鷲北ICの間の約55kmがこの暫定2車線区間であり、尾鷲市と熊野市を結ぶ自動車専用道路「熊野尾鷲道路」(国道42号バイパス)の約19kmも全区間が対面通行であるなど、県南部には何カ所かこのような区間があります。
 この安全対策は急務と言ってよく、わしも以前このブログにその必要性を書いたことがあります。(はんわしの評論家気取り やっぱり怖い暫定二車線(2015年10月26日)

2016年12月19日月曜日

これは凄い「訪問販売登録条例」

 今朝の日経新聞を読むまで知りませんでしたが、滋賀県野洲市が訪問販売業者に市への事前登録を義務付け、登録をしないと訪問販売ができなくなるという全国初の条例を制定したそうです。高齢者を狙った悪質商法などの被害やトラブルは全国で後を絶たないことから、この条例が実際にどの程度トラブル防止に役立つのか、各界の注目が集まっているとのこと。(12月19日付け 列島追跡)
 この訪問販売登録条例は、正式には「野洲市くらし支えあい条例」という名称で、今年6月に制定され、10月から施行されたものです。
 全部で28条から成りますが、制定の目的は「安全かつ安心で市民が支えあうくらしの実現に寄与すること」と定義されています。実際には市民(消費者)と事業者との間には、持っている情報量や交渉力に格差があることから、
1)市民の消費生活の安定や向上、消費者安全の確保の必要な措置を講じるとともに、
2)消費者被害や、市民のくらしに関わる様々な問題の発生の背景には経済的困窮とか地域社会からの孤立などの諸課題があることから、その解決及び生活再建を図る
という2つについて規制や対策を行う内容となっています。

2016年12月18日日曜日

告知「2016三重紀北町年末きいながしま港市」

 年末恒例の 年末きいながしま港市 が三重県紀北町の紀伊長島漁港で開催されます。
 今回は12月22日(木)から大みそかの前日の30日(金)までの9日間連続して開かれ、主催する 実行委員会では
新鮮なお魚や美味しい干物、地元特産品がお値打ち価格にて販売されますので、年末のお買い物に、ぜひ!お越しください!!
 と呼びかけています。
 年末きいながしま港市については、何度かこのブログでも取り上げています。会場は漁港に付属するイベントスペースで、ここに紀北町内の漁業者や水産加工業者、農家などが何十店か露店(簡易テント)をズラリと並べて出店しており、鮮魚あり、活伊勢エビあり、貝類あり、干物や練り物、つくだ煮などの加工品あり、農産物あり、味噌・麹あり、寿司あり、弁当あり、お菓子あり、ほかにタコ焼きとかフライドポテトなんかもあって、なかなかにぎやかです。
 わざわざ都会からバスツアーもやってくるほどなので、品ぞろえと鮮度、お値打ち価格なのは間違いありません。


2016年12月17日土曜日

ネコノミクスは田舎にとっての追い風である

 日経MJに「キャットストリートビュー」なるものが人気を集めているという記事が載っていました。近年はネコブームとのことで、昨年、平成27年のネコの飼育数は約987万4千匹となり、犬の約991万7千匹を追い抜くのも時間の問題だと報じられたリもしました。(12月16日付け)
 キャットフードなどのペットグッズはもちろん、ネコに関連するサービスなども含めてネコ人気がもたらす経済効果は ネコノミクス と呼ばれ、ある試算によると2兆300億円強にものぼるとのことです。
 日経MJには「CAT面舞踏会」という参加者が全員ネコのお面をつけて、ネコ語をしゃべりながら交流するイベントとか、さらにその変身願望がエスカレートし、ネコがデザインされたコートやネクタイ、シッポがついたブラとショーツなど猫愛ファッションに身を包む愛好者たちの姿もルポされていました。

2016年12月15日木曜日

やったー、どぶろく来たー!

 わしは酒飲みではまったくなく、むしろアルコールは弱いほうで、自分でカネをだしてビールだの清酒だのを買うことはあまりありません。町内会の夏祭りで景品にもらったビールとチューハイの缶が、つい最近まで冷蔵庫に入っていたほどです。
 しかし、この なめらかどぶろく千枚田 だけは別で、例年この時期、ひと瓶からふた瓶は必ず購入するようになりました。

 なめらかどぶろく千枚田は、熊野市の特産品開発と販売を行っている熊野市ふるさと振興公社が、いわゆる「どぶろく特区」を活用して商品化したものです。
 ユネスコの世界遺産に登録されている丸山千枚田(まるやませんまいだ)で収穫されたお米と麹だけを使用し、三段仕込みという製法によって一か月あまりかけて醸造されるとのこと。
 冬季限定、しかも仕込みの量も限られているため、熊野市ふるさと振興公社の通販サイトをちょっと見逃していると、すぐに売り切れになってしまうほどのレアアイテム、人気商品です。

2016年12月14日水曜日

君の名は。でウルっときた件

 興行収入が205億円以上となり、邦画、洋画を含めて日本の映画興行ランキングの歴代第4位になった東宝映画「君の名は。」ですが、日経の「2016年ヒット商品番付」で堂々の西の横綱になっており、これほど話題の映画を見逃すわけにはいかないと思い、映画館に行ってきました。
 CMだけみると、男女が入れ替わったというバカバカしいコメディみたいな感じですが、まったくそうではないシリアスな素晴らしい作品で、わしは久しぶりに映画館でウルウルきたのでした。


2016年12月13日火曜日

ベビースターラーメンのマスコットが引退へ

 スナック菓子の定番中の定番ともいえる「ベビースターラーメン」のマスコットキャラクター、ベイちゃんとビーちゃんが今年の12月末をもって「引退」することになったのを各紙が報じています。
 ベビースターラーメンの製造元である津市の(株)おやつカンパニーが今日公表したもの。
 ホームページの引退宣言によると「初代キャラクターからベビースターを受け継いで約30年。僕たちも新しい時代へとバトンタッチしていくことに決めました。」とありますが、詳細な引退の理由は明らかではありません。また、来年からの新キャラクターなどについても現時点では未定のようです。
 男の子の「ベイちゃん」は1988年(平成元年)にデビュー、その妹の「ビーちゃん」は2000年(平成12年)にデビューしました。ラーメンのためか基本はチャイナ服姿ですが、カレー味のベビースターのパッケージにはターバン姿、みそ味なら小坊主姿、洋風の味なら水兵服、など、さまざまなファッションで登場していました。

2016年12月11日日曜日

しんみちフードラボに行ってみた

 先日、起業家や起業を志している人たちの交流会である BizCafe イン 伊勢 が、伊勢市の「しんみちフードラボ」で開催されたので行ってみました。
 BizCafe イン 伊勢は、四日市市にある民間のインキュベーションオフィス ビズ・スクエアよっかいち が月一で開催している交流会ですが、堅苦しいものではなく、先輩起業家の体験談と、参加者による自己紹介や情報交換したりする内容です。
 今回は伊勢市に出張してきたわけですが、講師を務めた起業家は伊勢市の銀座新道商店街でユメビトハウスというドミトリー(簡易ホテル)を経営している水落勝彦さんでした。
 水落さんは四日市出身。名古屋市の円頓寺商店街で商店街の活性化に従事し、自らも起業しようと5年前に「ユメビトハウス」をオープンしました。
 そのころは「なぜわざわざ寂れた商店街で起業するのか」とか、「商店街には来客がほとんどないので商売が成り立たないのでは」とよく言われたそうです。
 しかし、水落さんによると、一般には寂れているイメージの地方都市の商店街だからこそ、リスクが少なく起業できるそうです。

2016年12月9日金曜日

なぜ法律家は沈黙しているのか

 記憶がもう定かではないのですが、A・トフラーの「富の未来」に、この世の中で進歩が最も遅いものは何か、みたいな問いかけがありました。
 進歩が一番早いのは言うまでもなく科学技術であり、次いでベンチャービジネスとか、現代芸術とか、金融工学などが続き、一般の人々の意識とて進歩(変化というべきか)は決して早くはないのですが、それらよりも政治システムとか教育システムはさらに遅く、最も遅れてしまうのは司法である、みたいな内容だったと思います。(違ったらごめん。)
  これはたいへん当を得ていると思います。
 ポケモンGOをしながらの自動車運転で起こった死亡事故が各地で波紋を呼んでいます。事故を起こした愚かな犯人は厳罰に処されるべきとしても、不思議なのはこれほど重大な事故が頻発しているのに ~こうした「ながら操作」は現在のセンシング技術でもって十分に防止できるはずです~ これを放置しているゲーム提供者(ナイアンテック)がまったく法的な責任を問われないことであり、この点について、法学者や弁護士からもほとんど問題提起がなく、世間の関心も高くないのもたいへん奇妙な現象といえないでしょうか。

2016年12月8日木曜日

ますます感度が鈍っていく件

 先日の日経MJに、この時期恒例の「2016年ヒット商品番付」が掲載されました。

 東の横綱は「ポケモンGO」
 対する西の横綱は「君の名は。」
 いずれも社会現象とさえいえるような大ヒットになっており、大関以下の番付についても、まあ順当と言うべきか、少なくともユーキャンの流行語大賞ほどに国民を混乱に陥れることがない、常識的な内容かと思いました。(ちなみに、番付外の「流行語賞」はゲス不倫。「残念賞」はSMAPです。)
 東西の、横綱から前頭14枚目までの合計38の名前のうち、わし自身、どれくらいよく知っているか、あるいは関わっているかということが、わしなりの情報感度というか流行感度だと思っているのですが、2016年についても全然知らないものがありました。
 昔なら、知らないにしても名前くらいは聞いたことがあるとかのレベルは保っていたのですが、今はダメです。全然知らないのです。
 年寄りはこうやって騙されるようになってしまうのでしょう。

2016年12月6日火曜日

アジアに見捨てられつつあるニッポン

【読感】 ルポ ニッポン絶望工場 出井康弘著 講談社+α新書

 農業は成長産業であるとか、漁業の再生なくして地方の再生はない、などといった意見を最近よく耳にしますが、これら第一次産業の現場には日本人の若者は従事しておらず、その少なくない部分が外国人労働者によって支えられています。
 地方創生の有識者だのカリスマだのという人の話を聞く機会がわしにも時々ありますが、こうした地方の産業の現場に、外国人労働者、つまりは実習生や研修生、あるいは留学生が大挙して従事していることについて、現状の位置づけや課題、そして将来の在り方をきちんと説明してくれた人に、今までただの一人もお目にかかったことがありません。悲しいことに、こういった外国人は一般国民どころか、偉い人の目からも「見えない」存在なのです。
 この本のタイトル「ニッポン絶望工場」とは、かつてルポライターの鎌田慧氏がトヨタの季節工として自動車工場での労働を体験し、その過酷さと、それでもこの仕事を選ばねば生きられない人々の生きざまを生々しく描いたルポルタージュの名著から由来していることは間違いないでしょう。
 それから40年近くを経て、その頃の東北や九州、沖縄の若者たちに代わって、今度はアジアからやってきた若者が日本社会からひどく搾取されている実態を明らかにしたのがこの本です。

2016年12月4日日曜日

滋賀VS京都は傍から見ている限り面白い

 わしが知る限り、二つの都道府県の県庁所在地間が最も接近しているのは、京都市と滋賀県大津市です。地理的にも隣りどうしなので、JRなら10分、車でも30分くらいで簡単に行き来できます。
 「近江」という地名は、京の都から一番近い「海」であることに由来しているように、古代から琵琶湖の存在は京の繁栄と一体化しており、その関係の古さ、近さ、深さ、ゆえに滋賀県民には京都に対するいわく言い難い複合観念があることが知られています。
 この問題を斬新なアイデアで漫画化した作品が人気を集めているとのことです。
 滋賀県在住の漫画家 さかなこうじ氏が、ネットの漫画サイト「くらげバンチ」で公開を始めている 三成さんは京都を許さない ―琵琶湖ノ水ヲ止メヨ― がそれです。(12月3日付け 京都新聞)
 一介の小姓から豊臣秀吉に召し抱えられ、その片腕となって出世の道を驀進し、最後は関ヶ原の戦いで徳川家康に敗れ命を奪われた石田三成。
 その三成が、どういうわけか現代に蘇って滋賀県庁に入庁し、「打倒京都」のために秘策を練る、という物語です。

2016年12月2日金曜日

ビッグマックというイノベーション

 マイケル・デリガッティ氏が亡くなりました。
 98歳。大往生というべきでしょう。

 ただ、ありていに言って、わしは昨日までこの人物のことを全く知りませんでした。マクドナルドのビッグマックは学生のころから ~年に1~2回にしか過ぎませんが~ もう何十年も食べ続けてきているわけですが、ビッグマックを考案した人がマイケル・デリガッティその人であったことは、彼が死去したというニュースが世界を駆け回ったことでわしも初めて知ったわけなのです。
 そもそも「ビッグマック」を考えたのが誰かどころか、考え出した人がいたという当たり前のことにすら、思いを馳せたことはありませんでした。
 ペンシルバニア州でマクドナルドのフランチャイズ店を経営していたデリガッティ氏が、より大きく、インパクトがある商品を開発しようと、ビーフパティ(ハンバーグ)2枚を、バンズ(パン)3枚でサンドしたビッグマックを考案したのは1965年のこと。実際に販売を始めたのはその2年後でしたが、瞬く間に全米で大ヒット商品になりました。
 それまでマクドナルドのメニューは、ハンバーガー、ポテト、ドリンクだけの非常にシンプルなものでしたが、ビッグマックの成功によって商品の多様化戦略が進むことになりました。

2016年12月1日木曜日

何が来るかわからないお魚通販「うみまかせ」

 三重県尾鷲市にある 合同会社き・よ・り が行っている鮮魚のネット通販 うみまかせ が人気を集めているそうです。
 尾鷲は言わずと知れた魚のまちです。
 熊野灘に面しているのは、非常に複雑に入り組んだリアス式海岸であり、その入り江、入り江にいくつもの漁村集落が点在しています。
 かつて、漁だけが生活の糧であった時代、漁場に近いそうした入り江に人々が暮らすことは圧倒的にアドバンテージがありました。
 しかし、時代が変わり、仕事も、世の中も大きく変化すると、都市機能や人口は平地にある中心地に集中するようになり、リアス式ゆえに細く曲がりくねった道路でしか結ばれなかったこうした村々は次第に活力を失い、人口も減少していくようになります。
 き・よ・りがある尾鷲市早田(はいだ)地区も、典型的にその軌跡を辿ってきた集落の一つです。
 そこで、まちの再活性化のために地区の有志たちが「漁師塾」など、さまざまな町おこしを仕掛けるようになり、途中からは「地域おこし協力隊」の若者も参加して実現した、その一つがこの合同会社き・よ・りであり、うみまかせであったとのことです。